Mac 環境構築 番外編 - ヒューマンインターフェースにもこだわりたい [mac]
今回の「Mac 環境構築シリーズ」は番外編ということで,周辺機器,特にキーボードとマウスについて書いてみたい.
東大の和田教授が,
アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。
という言葉を残しているが,まったくその通りだと思う.実は PC のスペックがすぐに陳腐化する昨今において,本当にこだわるべきは実際に手に触れるヒューマンインターフェースデバイスなのかもしれない.
キーボードについては,昔は IBM Space Saver 84 key や Datadesk Smartboard といったメカニカルキーボードを愛用していた.Space Saver 84 key (85 key ではないところが密かなこだわり) は打鍵感が最高で,メカニカルといっても「カチ カチ」というよりは「カシュイーン カシュイーン」という感じ (まわりの人はさぞ迷惑…).Smartboard は,「英語配列かつメカニカルかつエルゴノミック」という条件を満たす数少ない逸品だった (「エルゴノミックキーボード」とは,Smartboard のように手首を曲げなくてもいいよう真ん中でハの字になっている形に代表される,人間工学に基いたキーボード.詳しくは こちら.他にも いろんな形 がある).
ただここ5年ぐらいはずっと Happy Hacking Keyboard 2 (以下 HHK2) を愛用している.好き嫌いがはっきり分かれるキーボードだろうが,Sun Type3 配列に準拠し,指に吸いつくような使い心地で,非常に手に馴染む.極端にキー数を減らし小さくまとめた本体は前述の Smartboard のようなエルゴノミックキーボードとは対極に位置するポリシーだが,どんな時でもホームポジションからほとんど手を動かす必要がなく指の動きが最小限になる分,タイピングも速くなるし CUI 派の自分には合っているように思えてきた.
マウスについてはトラックボール,しかもマイクロソフト製なんかで良く見かける親指でボールを動かすタイプではなく,左右対象のものが好きだ.これもここ数年は,トラックボールファンの間では評判の高い Expert Mouse を使っている.
というわけで,私にとってのベストな組み合わせはこうなる.
それで本題の Mac 環境の方だが,キーボードは HHK2 が PS2 接続のみということ,また先日販売終了になってしまったということもあり,後継機 (と個人的には認めていないが) の Happy Hacking Keyboard Professional を使っている (リンクは USB ハブ能を備えた HHK Pro2).しかもせっかくだから無刻印版.HHK2 と比べるとキータッチが私には少し軽く,「スコ スコ スコ スコー」という感じの打鍵感という印象だ.HHK Pro を購入した直後に HHK Pro2 が発表されたわけで,まったくなんともタイミングが悪かった.
HHK Pro/Pro2 は Mac 用に ドライバも配布されている が,Intel Mac では必要無いとのこと.
Mac は購入時,嫁さん用に Apple 標準の日本語配列 bluetooth キーボードを付属品として選択したが,Mac側でちゃんとそれぞれ識別して日本語配列・英語配列を自動的にキーボードに合わせて変えているようだ.うーん,頭良すぎ.
ちなみに同じ HHK でも,Lite系 (Lite/Lite2) は HHK2 とはまったく別物なので注意が必要である (HHK2 と HHK Pro もかなり違うけど).
マウスは,Expert Mouse でも良かったのだが,少しは Apple 製品も使おうと思って,ちょっと気になっていた Mighty Mouse を試している.
というわけで,現状の Mac での組み合わせはこんな感じ.
良い道具というのは,実際に使ってみると違いが実感できるもの.あなたも自分だけのこだわりの1品を探してみては?
4 コメント:
toshi さん、すごいこだわりですねぇ。Smartboard の名前を数年振りに聞きました! しかも、HHK 無刻印モデル!! 全くもって、おそるべしです。キーボードを一瞥しただけで、「この人は違うぞ」と思わせる威力満点ですね ;)
ところで、ショートカットを極めれば、エルゴノミック・キーボードでも HHK でも、ホーム・ポジションから手は動かなくならないものじゃありませんか?
@akaさん,どうもです.
> toshi さん、すごいこだわりですねぇ。
ま,半分以上は自己満足なのかもしれませんけどね ^^;
> ところで、ショートカットを極めれば、
確かにCUI操作においてショートカットは不可欠ですよね.ホームポジションから手が動かないという意味ではそうかもしれません.ただその中で指が動く範囲として,キーボードが大きくなれば,物理的にそれだけ指の移動距離が大きくなるんだと思います.
大きいキーボードだと,特にカーソルキーやF1-F12のファンクションキーを押下する時とかはやっぱり気になってしまうんですよね.
あと,Windowsでは「窓使いの憂鬱」などを使ったり,UN*Xでは WM の設定や .Xmodmap をバリバリにカスタマイズしてソフト的にキーボード操作が快適になるようにするのもツボですよね.
おかげでたまに人のPCをいじる時は素人以下の操作スピードになってしまいます (笑)
> キーボードが大きくなれば,物理的にそれだけ指の移動距離が大きくなる
おや? 大きなキーボードはキーピッチが広くなって、指の移動量が大きくなるとおっしゃってます? (確かにそれはあるかも) カーソルやファンクション・キーは純正 HHK にはないから、よい比較になってないと思います (私も昔は HHK Lite 使い ;)。toshi さん程の方ならば、Smart Board でも HHK でも、ショートカットをばりばりに使い込なして、指の移動距離に違いは出ない気がするのですが...
キーボード関連のカスタマイズは、私もよくやります。配列を Qwerty から Dvorak に変えたりとか :P 他人の PC で素人以下になってしまうのも一緒です ^^;
> おや? 大きなキーボードはキーピッチが広くなって、指の移動量が大きくなるとおっしゃってます?
そう,そういうことなんです.まあ気にする程のことではないのかもしれませんが,ただこれは次の話にも繋がって
> カーソルやファンクション・キーは純正 HHK にはないから、よい比較になってないと思います
HHKの場合,確かに独立したキーとしては存在しませんが,Fn キー + 数字キーや Fn キー + [ / ; ' キーの同時押しが F1-F12だったり上下左右だったりします (ご参考).
なのである程度手を動かさなければいけない普通のキーボードに対して,ホームポジションから右手小指で Fn キーを押すだけで,ほとんどそのまま F1-F12キーやカーソルキー,Page Up/Down などまで押せてしまうのが個人的にツボなんですよね.
> 他人の PC で素人以下になってしまうのも一緒です
あー仲間ですね.お気持ちよく分かります(笑)
確か @aka さんは T-code使いだったと記憶しているので,なおさらかもしれませんね.
私は昔 TUT-code にチャレンジしてすぐに挫折した経験があります ^^;
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