これまた友人の車の中でかかっていて,即購入してしまったバンド.助手席に乗ると1度に2枚のペースで CD が増えていくという恐しい車である.
一部の巷ではかなり有名なようでフジロックにも出演していたらしいが,私は知らなかった吾妻 光良 and The Swinging Boppers.
とにかく吾妻さんの声がもう最高,ギターも最高.彼に限った話ではないが,ギターもボーカルも両方上手い人は本当にずるい.そして歌詞がいい.最初は「なんてふざけた歌詞だ」と思ったが,聴けば聴くほどそのユーモアのセンスと,時折その裏に見せる哀愁の世界に魅せられていく.
本来ブルースが,日常の些細な幸せや苦悩をありのままに表現する音楽だとすれば (だからオリジネーターである昔の黒人ブルースには奴隷制度の背景から文字通り「ブルー」な歌が多いけど),彼はまさに人間臭い「現代の日本における」ブルースマンと言えるかもしれない.「馬場も猪木もみんな喰ってるぜ やっぱり肉を喰おう♪」には爆笑してしまった (リリース当時は狂牛病騒ぎの真っ只中).
おまけに彼は,というかバンドメンバー全員はサラリーマンで,音楽は副業でやっているとのこと.そんな訳で,前作のリリースは11年ぶり,去年の新作のリリースは4年ぶりというペース.それでいて音は27年の経歴を誇るど真ん中直球ストレートの超御大サウンドなんだから,本当にずるいって.
12人のメンバー構成という,まさに "Big Band Sound" という形容がぴったりの王道系で,例えば 「The Brian Setzer Orchestra を彷彿とさせる」なんて言うと分かりやすいかもしれないが,逆にそんな例えは彼等に失礼にすら感じる.One & Only の和製ジャンプブルースバンドという表現は決して大袈裟には聞こえない.とにかくサウンドはベッタベタ,そこにナイフのように切れ味鋭いギターと,遊び心に溢れる歌詞を歌う独特のハスキーボイスがなんとも心地良い.
さらにこのルックス.見事なまでのハゲ散らかしようである.カッコ良くないはずが無いのである.
間違いなく,2008年の私のお気に入りンドの1つになるだろう.
Seven & Bi-decade にはライブ録音が2曲収録されてはいるが,このハスキーボイスで,やっぱり気になるのは生で聴いても声量があるかどうかというところ.来週の横浜でのライブは既に sold out だったが,ライブは割と精力的にやっているようなので,近いうちになんとしても生の歌声を聴いてみたい.
オフィシャル HP で曲の試聴ができるので,ぜひともチェック,チェック!
http://www.jvcmusic.co.jp/boppers/
死んだような目をしているオヤジが多い中で,彼のように活き活きとしたオヤジはなんとも清々しい.このオヤジ,最高である.
そして彼等に限らず,ジャンルを問わず,やっぱりその人達の「世界観」が確立されているバンドが,とにかくもう大好きです.
なので、普段、J-Popなるものを聴いている方々には、かなりお聴き苦しい部分もあると思われますので、どうかこの手の音楽が好きな方だけに聴いていただければと思います。
--中略--
そうです!音楽に必要なのは『ビート』とか『ソウル』とか『グルーブ』といったものであることを痛感させる作品であるがゆえそういうことが分からない方はきっとお聴き頂いてもつまらないと思います。
メンバーも無理をしていないので、リスナーの方々も決して無理をしないでください。
-- オフィシャル HP より
自治会から頼まれた「会計の資料できますか?」
朝メシ前 やりましょ だって俺はエクセルの魔術師
電源入れたコンピューター 青い画面 変な臭い
火花が出た 煙も出た
俺の血圧 150 から 300
-- 150 〜 300 / 吾妻 光良 and The Swinging Boppers
あれから赤点取ったかい?
誰かにチョコ渡したかい?
コンパで声かけられたかい?
見合いも多分してるかな?
あのワン公はいないよね?
大切な人はいるのかい?
山ほど聞いてみたいんだけどねー
小学校のあの娘
寂しい時には思い出したりしてるかな
俺のこと,マー坊じゃなくてさ
小学校のあの娘
今ごろ何処で誰と何をしてんだろ?
けどだいたい,幸せだったかい?
-- 小学校のあの娘 / 吾妻 光良 and The Swinging Boppers
電話かけようか,しらふのまま
さりげない言葉で
そうすすれば
たぶんね
なのにさぁ
何でまた飲むかな
-- 飲むのはやめとこう / 吾妻 光良 and The Swinging Boppers
いつも2人で通ってたジャズ喫茶
君がいなくて泣きながら食べてたラーメン
行きましょあの街
想い出の中の
そう,いくらボケたって忘れない
高田馬場を
-- 高田馬場へ / 吾妻 光良 and The Swinging Boppers