Index
- ガーラ湯沢 2014 Winter [diary]
- こんなに便利なものがあったとは - 使い捨てカイロの13倍暖かいハクキンカイロ [memo]
- ゼロ - なにもない自分に小さなイチを足していく [book]
- 7つの習慣 - 世界中で支持される成功哲学 [book]
- 嫌われる勇気 - 世界はシンプルであり,人生もまたシンプルである [book]
- 新横浜ラーメン博物館 [diary]
- 面倒くさいと思ったら続けた方がいい [reflection]
- 嫌いな人には丁寧に [reflection]
- 「こうすると楽しいよ」と言う人になりたい [reflection]
- クリエイターはコピーはするけど、ペーストはしないんだよ [memo]
- インスピレーションをあてにしているのは素人 [reflection]
- 奴隷の定義 [reflection]
- 機能を減らすには哲学がいる [reflection]
- 選択に迷ったら行動の基準は… [reflection]
- 人生とは,エゴを捨てていくゲームだ [reflection]
- 最もつまらないと思うのは自分との約束を破る人です [reflection]
- 「♡HU・ZA・KE・RU・NA♡」 [memo]
- 人生はロングショットで見れば喜劇 [memo]
- And The Sun Will Shine [diary]
- 娘を持つすべての父親が知っておくべき15のことと,16個目は「お父さん嫌い!」と言われること [memo]
- 人間の混乱と苦悩を描いたドラマ - パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 [movie]
2014年12月29日月曜日
こんなに便利なものがあったとは - 使い捨てカイロの13倍暖かいハクキンカイロ [memo]
友人の Instagram で見かけて,どちらかというとルックスで買ってみたのですが,これが大正解.
熱量は使い捨てカイロのなんと13倍.
保温は24時間も持続するのです.
燃料のベンジン (炭化水素) を注入し,ライターなどで点火します.ベンジンが燃えているわけではなく,気化したベンジンが化学原理によって発熱する,安全でクリーンな仕組みとなっており云々…と,詳しいことは Amazon の商品説明でも見て頂くとして,
とにかく,暖かすぎて,笑えます.
価格については,ランニングコスト (ベンジン) だけを考えると,使い捨てカイロよりも若干安く,初期コストの本体3000円をどう考えるか,といったところでしょうか.
あとはベンジンの臭い (私は Zippo オイルを使用していますが,個人的にはまったく気にならない,むしろ好き) と,それを注入する手間 (これは確かにめんどくさい) さえ気にならなければ,本当にオススメです.ベンジンの臭いが気になる方は,袋にアロマオイルを1滴たらすと良いそうですよ.
というか私の場合,例え高くて,臭って,面倒だったとしても,もう使い捨てカイロを使うことはないでしょう.それらのデメリットを遥かに凌ぐ暖かさを,体験してしまったからです.
まだ冬は続きます.
外出時はもちろん,自宅・職場から就寝時まで,四六時中暖めてくれるスタイリッシュなカイロは,あなたにとっても冬のマストアイテムになるでしょう.
ハクキンカイロ ハクキンウォーマー スタンダード 1個入 【保温約24時間】 |
燃料のベンジンは,純正の「ハクキンベンジン」が良いのですが,Amazon では適正価格 (500cc で定価756円) のものが見つかりませんでした.Zippo オイルでも代用可能です.ハクキンベンジンに比べると若干割高になりますが,これなら旅行先でもコンビニなどで買えますし,こちらを常用する方も多いようです.本体には燃料が付属されていないので,ぜひ一緒にどうぞ.
ZIPPO(ジッポー) Zippo オイル缶 【大缶355ml】 [HTRC 3] |
ジャケットの内ポケットなどに入れても良いのですが,カイロ専用のベルトを使って腰のあたりにあてると,体の芯から暖まり,効果が全然違います.こちらは Amazon の「あわせ買い対象商品」なので,ぜひ一緒にどうぞ.
カイロベルトマジック |
使い方のイメージは,こちらのビデオでつかめると思います.
2014年12月28日日曜日
ゼロ - なにもない自分に小さなイチを足していく [book]
年の瀬ということもあり,今年読んだ本を思い返していたところ,その中の3冊が実は関連しており,それぞれの点が線として繋がることに気づきました.
1冊目は概念編.アルフレッド・アドラーの思想を紐解いた,「嫌われる勇気」です.アドラーの思想は私にとって非常に身近に感じられる部分もあり,また life changing な部分もあり,この本は私の宝物になるでしょう.
2冊目は応用編.スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」です.世界的に有名なこの本ですが,私にはアドラーの思想を,具体的な活動原則に落とし込んだ内容に思えます.
3冊目は実践編.堀江貴文の「ゼロ」です.彼の生き様は,まるでアドラーの思想の,具体的なインプリメンテーションのようです.
この3冊について,感想を交えた書評ではなく,内容を要約した読書メモという形で,掲載をしてみます.
本エントリーは「ゼロ」について.
なにかと世間からは勘違いされがちなホリエモンですが,私には彼はとても純粋な人に映ります.そして「嫌われる勇気」や「7つの習慣」を読んで,それを具体化した例の1つが,堀江氏の言動であると感じます.以下,読書メモです.
== いまこそ「働くこと」を考えたい
・みんな成功へのショートカット (掛け算の答え) を求め,どうすればラクをしながら成功できるかを考えている
・人が新しい一歩を踏み出そうとするとき,次へのステップに進もうとするとき,そのスタートラインにおいては,誰もが等しくゼロ
・ゼロになにを掛けたところで,ゼロのまま
・物事の出発点は「掛け算」ではなく,必ず「足し算」でなければならない
・まずはゼロとしての自分に,小さなイチを足す
・小さく地道な一歩を踏み出す
・ほんとうの成功とは,そこからはじまる
・失敗して失うものなんて,たかが知れている
・なによりも危険なのは,失うことを怖れるあまり,一歩も前に踏み出せなくなること
・僕は働くことを通じて,自分に足し算していった
・掛け算ができるようになったのは,ずいぶんあとになってからのことだ
・僕には確信がある
・どんなにたくさん勉強したところで,どんなにたくさんの本を読んだところで,人は変わらない
・自分を変え,周囲を動かし,自由を手に入れるための唯一の手段,それは「働くこと」なのだ
== 努力するのではなく,その作業に「ハマる」こと
・なにもかも忘れるくらいに没頭すること
・それさえできれば,英単語の丸暗記だって楽しくなってくる
== あなたが仕事や人生に怖じ気づく理由
・結局これは,「自信」の問題なのだ
・そして僕には,自信を形成するための「経験」が,圧倒的に不足していたのだ
・経験とは,経過した時間ではなく,自らが足を踏み出した歩数によってカウントされていくのである
== 昔話の「桃太郎」
・川で洗濯をしていたおばあさんは,大きな桃に飛びついた
・奇妙な桃だと怖がらず,洗濯中だと無視もせず,とにもかくにも飛びついた
・鬼退治の物語は,おばあさんが桃に飛びつくところからはじまるのだ
・目の前に流れてきたチャンスに躊躇なく飛びつくことができるか,そこが問題
・僕はこの「チャンスに飛びつく力」のことを,向上心とか目的意識とか,そんな堅苦しい言葉で語りたくはない
・もっとシンプルな,人としての「ノリのよさ」だと思っている
・チャンスの見極め方がわからない?
・桃と葉っぱの見分けがつかない?
・僕に言わせると,その発想がすでに「ノリの悪さ」を表している
・チャンスを見極める目なんて,必要ないのだ
== あなたは何のために働くのか
・人生の中で,仕事はもっとも多くの時間を投じるもののひとつだ
・そこを我慢の時間にしてしまうのは,どう考えても間違っている
== お金から自由になる働き方
・これからの時代,時間以外に提供可能なリソースを持っていない人,給料を漫然と「もらう」だけの人は,ほどなく淘汰されていく
・人生が豊かになっていかない根本原因は,なによりも「時間」だ
・お金を「もらう」だけの仕事を,お金を「稼ぐ」仕事に変えていこう
・儲けるために働くのではなく,お金から自由になるために働こう
== どんな仕事にも「やりがい」はある
・やりがいとは「見つける」ものではなく,自らの手で「つくる」もの
・どんな仕事であっても,そこにやりがいを見出すことはできる
== 仕事を好きになるたったひとつの方法
・心の中に「好き」の感情が芽生えてくる前には,必ず「没頭」という忘我がある
・じゃあ,どうすれば没頭することができるのか?
・僕の経験から言えるのは,「自分の手でルールをつくること」である
・ルールづくりのポイントは,とにかく「遠くを見ないこと」に尽きる
== 突き抜けられる人と,そうでない人の違いは,次の一点に尽きる
・物事を「できない理由」から考えるのか,それとも「できる理由」から考えるのか
== ゼロの自分にイチを足す
・万人から愛されようと自分の信念を曲げるのではなく,単純に分母を増やしていけばいい
・信用の「ゼロからイチ」は,まず自分で自分を信じるところからはじまる
== シンプル・イズ・ベスト
・苦しいからこそシンプルに考える
・感情で物事を判断すると,ロクなことにならない
・ましてや,感情で経営するなんて言語道断
「悩む」と「考える」の間には,決定的な違いがある
・「悩む」とは,物事を複雑にしていく行為
・一方の「考える」とは,物事をシンプルにしていく行為
・物事をシンプルに考え,原理原則に従うこと
・理性の声に耳を傾けること
・感情に流された決断には,迷いがつきまとい,後悔に襲われる可能性がある
・しかし,理性の声に従った決断には,迷いも後悔もない
・過去を振り返ることなく,前だけを向いて生きていくことができる
== あなたはほんとうに「自立」できているか
・精神的に親から自立して,物理的,そして経済的にも自立すること
・この一歩を踏み出したとき,人はようやく「自分の頭」で物事を考えられるようになる
・もし親孝行という言葉が存在するのなら,それは,一人前の大人として自立することだ
== ゼロを貫く「諸行無常」の原則
・もともと座右の銘など持っていないのだが,あまりに多く聞かれる質問なので,いつのころからか「諸行無常,ですよ」と答えることにしている
・現状維持などありえない
・僕は変わり,変わらざるをえない
・僕を取り囲む環境もまた,変わっていく
・なにを得ようと,なにを失おうと,未練など生まれるはずもないのだ
== 成長のサイクルに突入しよう
1. 挑戦……リスクを選び,最初の一歩を踏み出す勇気
2. 努力……ゼロからイチへの地道な足し算
3. 成功……足し算の完了
・このステップを着実に踏むことで,小さな成功体験が得られる
・そして小さな成功体験を積み重ねていった先に,成長がある
== 働くことは自由へのパスポート
・自由を手に入れるために,大きな責任を引き受けよう
・大きな責任を引き受けたときにだけ,僕たちは自由になれる
・失敗なんか怖れる必要はない
・僕らにできる失敗なんて,たかがしれている
== ネガティブなことを考える人は,ヒマなのだ
・ポジティブになりたいというのなら,やるべきことはシンプルである - 働けばいい
== 有限の時間をどう生きるのか
・タイム・イズ・マネーという言葉は間違っている - お金なら増やすことも可能だ
・僕らは「自分の時間」を生きるのか,それとも「他人の時間」を生かされるのか,を常に意識化しておく必要がある
== 人生には「いま」しか存在しない
・過去を振り返っても事態は変わらず,未来に怯えても先へは進めない
== 飽きっぽさは最大の長所になる
・自分の本業なんて,決める必要はない
・アイデアは頭の中からひねり出す時代から,インターネットで検索し,組み合わせる時代になっている
・そこで勝負を分けるのが,スピードと実行力
・手持ちのアイデアを,いかに具体的な行動に落とし込めるか
・そのために一歩踏み出す勇気を持ち合わせているか
・口先のアイデアを披瀝しても,なんら評価の対象にはならない
== テクノロジーが世界を変える
・僕は未来を信じている
・昨日よりも今日の世界が,今日よりも明日の世界がよくなると,本気で信じている
・将来について不安を抱いたり,将来を悲観したことは一度としてない
・それは僕がテクノロジーの力を信じているからだ
・これは想像力の産物ではない
・ひとえに情報収集能力と分析能力の産物だ
== 情報を得ることは,未来を知ることである
・情報弱者と情報強者の間では,「未来を見る力」に決定的な差が生まれてしまう
・情報に鈍感な人が損をするのは当然のこと
== 絶望しているヒマなどない
・信じたのは僕だ
・「他者を信じること」とは,「裏切られるリスク」を引き受けることでもある
・それで裏切られたからといって不平不満を述べるのは筋が違うと,僕は思っている
== 「人の気持ちなんて,わかるわけがないでしょ!!」
・そしてわからないからこそ,僕は信じる
・自分の人生を動かすことができるのは,あなただけなのだ
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江 貴文 |
Peace Pipe: 嫌われる勇気 - 世界はシンプルであり,人生もまたシンプルである [book]
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 古賀 史健 |
Peace Pipe: 7つの習慣 - 世界中で支持される成功哲学 [book]
完訳 7つの習慣 人格主義の回復 スティーブン・R・コヴィー フランクリン・コヴィー・ジャパン |
2014年12月27日土曜日
7つの習慣 - 世界中で支持される成功哲学 [book]
年の瀬ということもあり,今年読んだ本を思い返していたところ,その中の3冊が実は関連しており,それぞれの点が線として繋がることに気づきました.
1冊目は概念編.アルフレッド・アドラーの思想を紐解いた,「嫌われる勇気」です.アドラーの思想は私にとって非常に身近に感じられる部分もあり,また life changing な部分もあり,この本は私の宝物になるでしょう.
2冊目は応用編.スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」です.世界的に有名なこの本ですが,私にはアドラーの思想を,具体的な活動原則に落とし込んだ内容に思えます.
3冊目は実践編.堀江貴文の「ゼロ」です.彼の生き様は,まるでアドラーの思想の,具体的なインプリメンテーションのようです.
この3冊について,感想を交えた書評ではなく,内容を要約した読書メモという形で,掲載をしてみます.
本エントリーは「7つの習慣」について.
もはや説明の必要もないぐらい,世界中で長年に渡って売れまくっており,企業研修などにも取り入れられている本書.昨年,17年ぶりに新たに訳し直され,「完訳 7つの習慣」として再出版されたこともあり,今年に入ってから読み返しました.以下,読書メモです.
【パラダイムと原則 (Paradigms and Principles)】
== インサイド・アウト
・本書の根底にある考え方が「インサイド・アウト」
・インサイド・アウトとは,自分自身の内面 (インサイド) からはじめ,それから他人や環境 (アウト) を変えるという意味
・一次的な真の成功とは,優れた人格を持つこと
・社会的成功,社会的評価などは,二次的なもの
・信頼という土台がなければ,成功は長続きしない
・基礎となる人格の良さがあって初めて,テクニックも生きてくる
・人が物を見る時には,あるレンズを通して見ており,そのレンズこそが一人一人の世界観をつくっている
・従って,そのパラダイムを転換させることにより,自分の在り方を変えることができる
・人生には原則というものが存在し,その原則に従うことにより,大きな効果を得ることができる
・原則は人間の行動を導く指針であり,永続的な価値を持っている
・インサイド・アウトのアプローチでは,公的成功を果たすためには,まず自分自身を制する私的成功を果たさなくてはならない
・自分との約束を果たすことができてはじめて,他者との約束を守ることができる
・たとえば…
- あなたが幸福な結婚生活を望むなら,まずはあなた自身が,ポジティブなエネルギーを生み出し,ネガティブなエネルギーを消し去るパートナーになる
- わが子にもっと快活で協調性のある人間になってほしいと望むなら,まずはあなた自身が子どもを理解し,子どもの視点に立って考え,一貫した行動をとり,愛情あふれる親になる
- 仕事でもっと自由な裁量がほしければ,もっと責任感が強く協力的で,会社に貢献できる社員になる
== 7つの習慣とは
・依存から自立へ,そして相互依存へと至る「成長の連続体」を導くプロセス
・人格は繰り返し行うことの集大成である故,秀でるためには,一度の行動ではなく習慣が必要
・知識,スキル,意欲の3つが交わる部分を習慣と定義する
・I 私的成功 (依存から自立へ)
- 第1の習慣: 主体的である
- 第2の習慣: 終わりを思い描くことから始める
- 第3の習慣: 最優先事項を優先する
・II 公的成功 (自立から相互依存へ)
- 第4の習慣: Win-Win を考える
- 第5の習慣: まず理解に徹し,そして理解される
- 第6の習慣: シナジーを創り出す
・III 再新再生
- 第7の習慣: 刃を研ぐ
・私的成功と公的成功の順序を逆にすることはできない - あくまでもインサイド・アウト,内から外へ
・第1,第2,第3の習慣は自制をテーマにしており,依存から自立へと成長するための習慣,人格の成長に不可欠な私的成功をもたらす習慣
・第4,第5,第6の習慣では,真に自立した人格の土台の上に,個々人の個性を生かしたチームワーク,協力,コミュニケーションの公的成功を築いていく
・第7の習慣は,再新再生の習慣であり,他のすべての習慣を取り囲んでいる
・成長という上向きの螺旋を生み出す継続的改善であり,第1から第6までの習慣をより高い次元で理解し,実践できるようになる
・自立は自分を解き放つ,価値のある目標
・自立していても,相互依存的に考え行動できるまで成熟していなければ,個人としては有能であっても,良いリーダーやチームプレーヤーにはなれない
・夫婦,家族,組織という現実の中で成功するには,相互依存のパラダイムを持たなくてはならない
・人生とは,本質的にきわめて相互依存的
・相互依存は,自立した人間になって初めて選択できる段階
・「7つの習慣」は,断片的な行動規範を寄せ集めたものではない
・成長という自然の法則に従い,連続する段階を踏んで,個人の効果性,人間関係の効果性を高めていく統合的なアプローチ
== 効果性の定義
・P/PC バランス
- P は成果 (Production),すなわち望む結果
- PC は成果を生み出す能力 (Production Capability)
・効果性の鍵はバランス
- P だけを追及すれば健全でなくなる
- PC に力を入れすぎると本末転倒になる
【私的成功 (Private Victory)】
== 第1の習慣 主体的である (Habit 1 Be Proactive)
・私たちの行動は,周りの状況ではなく,自分自身の決定と選択の結果
・人生が条件づけや状況に支配されているとしたら,それは意識的にせよ無意識にせよ,支配されることを自分で選択したからに他ならない
・私たちが直面する問題は,次の3つのどれか
- 直接的にコントロールできる問題 (自分の行動に関わる問題)
- 間接的にコントロールできる問題 (他者の行動に関わる問題)
- コントロールできない問題 (過去の出来事や動かせない現実)
・主体的な人は,影響の輪 (自分でコントロールでき,影響を与えられるもの) の領域に労力をかけている
・主体的な人のエネルギーには,影響の輪を押し広げていくポジティブな作用がある
・一方,反応的な人が労力をかけるのは影響の輪の外
・他者の弱み,周りの環境の問題点,自分にはどうにもできない状況に関心が向く
・こうした事柄ばかりに意識を集中していると,人のせいにする態度,反応的な言葉,被害者意識が強くなっていく
・影響の輪にフォーカスすることは,人格を磨くことに他ならない
・主体的な人の変化のパラダイムは,「インサイド・アウト (内から外へ) 」
・自分自身が変わる,自分の内面にあるものを変えることで,外にあるものを良くしていくという考え方
・主体的なアプローチは,間違いをすぐに認めて正し,そこから教訓を学ぶ
・だから失敗が成功につながる
・今すぐにでも自分の人生の主導権を握るための2つの提案
- 1つは何かを約束して,それを守ること
- もう1つは,目標を立て,それを達成するために努力すること
・30日間,影響の輪の中のことだけに取り組むという,自分の主体性を試すテストに挑戦してみる
== 第2の習慣 終わりを思い描くことから始める (Habit 2 Begin with the End in Mind)
・第2の習慣のテーマは,「リーダーシップ」
・「終わりを思い描くことから始める」とはつまり,目的地をはっきりさせてから一歩を踏み出すこと
・リーダーシップは正しいことを行うことであり,マネジメントは正しく行うこと
・リーダーシップはトップライン (目標) にフォーカスし,何を達成したいのかを考える
・マネジメントはボトムライン (最終的な結果) にフォーカスし,目標を達成するための手段を考える
・どの山に登るかを決める (ビジョンを示し,ゴールを定義する) のがリーダーシップであり,山を効率的にうまく登れるようにするのがマネジメント
・自分の葬儀で述べてもらいたい弔辞を真剣に考えてみる
・それがあなたの成功の定義になる
・名声,業績,金を手にすることは,本当にあなたが登るべき山だろうか?
・どの業界をとっても変革を求められている現代において,まず必要とされるのはリーダーシップ,マネジメントはその後
・リーダーシップなきマネジメントは,「沈みゆくタイタニック号の甲板に椅子をきちんと並べるようなもの」
・終わりを思い描くことから始める習慣を身につけるには,個人のミッション・ステートメント (信条,あるいは理念を表明したもの) を書くのがもっとも効果的
・個人のミッション・ステートメントには,どのような人間になりたいのか (人格),何をしたいのか (貢献,功績),そしてそれらの土台となる価値観と原則を書く
・自分は何者なのか,何を目指しているのか,何を信じているのかを明確に意識し,それが変わらざるものとして内面にあってこそ,どんな変化にも耐えられる
・個人のミッション・ステートメントを書くときは,まず自分の影響の輪の中心,つまり基本的なパラダイムであり,世界を見るレンズであり,自分の世界観を形成しているもの,から始める
・役割と目標を特定する
・自分の役割を全部書き出したら,次はそれぞれの役割で達成したい長期的な目標を立ててみる
・右脳を使って,想像力と創造力,良心,インスピレーションを働かせる
・役割と目標は,人生のミッション・ステートメントに枠組みや指針を与える
・正しい原則を土台にしたミッション・ステートメントの延長線上に目標があるのなら,何となく立てる目標とは根本的に違うものになるはず
・自分の人生の中心に置くものは,安定,指針,知恵,力の源になる
・この4つの要素は,相互に依存し合っている
・この4つが1つにまとまり,調和がとれ,個々の要素が互いを高める状態になっていれば,気高く,バランスがとれ,揺るぎない見事な人格ができる
・安定 (security) とは,あなたの存在価値,アイデンティティ,心のよりどころ,自尊心,人格的な強さ,安心感のことである
・指針 (guidance) は,人生の方向性を決める根源である
・あなたの内面にある地図の中心にあり,目の前で起こっていることを解釈するときの基準である
・生活の中でのあらゆる意志決定,行動基準,原則,暗黙の規範である
・知恵 (wisdom) は,あなたの人生観,生活を送るうえでのバランス感覚である
・原則をどう実践するか,個々の原則がどのように関連しているのかを理解する知力である
・力 (power) は,行動する力,物事を成し遂げる強みと潜在的な能力のことである
・選択し,決断を下すために不可欠なエネルギーである
・深く根づいた習慣を克服し,より良い,より効果的な習慣を身につけるための力も含まれる
・さまざまな中心が考えられる
- 配偶者,家族,金,仕事,所有物,娯楽,友人・敵,宗教,自己…など
・上の4つ (安定,指針,知恵,力) を見つめれば,自分の中心をはっきりと認識できる
・「原則中心」という考え方
・正しい原則を通して見るのと,原則以外のものを中心にしたパラダイムを通して見るのとでは,目の前に広がる人生はまるで違ったものになる
・原則中心の人は物事を見る目が違う
・違った見方ができるから,考え方も違ってくるし,行動も違う
・揺るぎない不変の中心から生まれる心の安定,指針,知恵,力を持っているから,主体性にあふれきわめて効果的な人生の土台ができる
・ミッション・ステートメントを書くプロセスは,書き上がったものと同じくらいに重要
・深く内省し,緻密に分析し,表現を吟味し,自分の内面の奥底にある価値観と方向性を簡潔に,かつ余すことなく書き上げ,心が納得できるまで何度も書き直す
・自分にとっての優先事項を深く,丹念に考え,自分の行動を自分の信念に照らしあわせる
・自分の人生にとって一番大切なことは何か,どのような人間になりたいのか,本当にやりたいことは何かを真剣に考え,本気で知ろうとした人は皆,必ず敬虔な気持ちになる
・今日や明日のことだけでなく,より長期的なことを考え始める
・家族や組織のミッション・ステートメントも書いてみる
・ミッション・ステートメントを日々の生活で実践する為に,イメージ化 (visualization) と自己宣誓書 (affirmation) を使う
・良い自己宣誓書は5つの条件を満たしている
- 個人的な内容であること
- ポジティブな姿勢が表現されていること
- 現在形で書かれていること
- 視覚的であること
- 感情が入っていること
== 第3の習慣 最優先事項を優先する (Habit 3 Put First Things First)
・第3の習慣のテーマは (第2の習慣の「リーダーシップ」に対して),「マネジメント」
・質問1: 現在はしていないが,もし日頃から行っていれば,あなたの私生活に大きくポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げるとしたら,それは何だろうか?
・質問2: 同様に,あなたの仕事や専門分野で,ポジティブな結果をもたらすと思うことを1つ挙げるとしたら,それは何だろうか?
・右脳でリーダーシップ,左脳でマネジメント
・リーダーシップは基本的には右脳の精力的な活動
・技術というより芸術であり,哲学を土台としたもの
・あなたが自分の人生でリーダーシップを発揮するには,自分の人生はどうあるべきか,自分自身に向かって究極の問いかけをしなければならない
・その問いかけを真正面からとらえ,真剣に考え,答えを見出したなら,次は,その答えにふさわしい生き方ができるように,自分自身を効果的にマネジメントすることが必要
・マネジメントとは,左脳にある効果的な自己管理の側面を使い,作業を細かい部分に分け,分析し,順序だて,具体的に応用し,時系列で物事を取り扱っていく
・毎日の生活の中で意志をどのくらい発揮できているかは,誠実さの度合いで測ることができる
・誠実さとは,基本的には自分自身にどれだけ価値を置いているかということ
・自分に約束し,それを守る能力,「言行一致」のこと
・自分を大切にし,自分を裏切らないこと
・誠実さは人格主義の根本をなし,主体的な人間として成長するために欠かせないもの
・効果的なマネジメントとは,最優先事項を優先すること
・リーダーシップの仕事は,「優先すべきこと」は何かを決めることであり,マネジメントは,その大切にすべきことを日々の生活の中で優先して行えるようにすること
・自分を律して実行することがマネジメント
・要するに,自分を効果的にマネジメントできている人は,自分の内面にある規律に従い,意志を働かせて行動している
・内面の奥深くにある価値観とその源に従い,自分を律している
・感情や衝動,気分に流されず,自分の価値観を優先できる意志と誠実さを持っている
・成功者たちの共通点は,成功していない人たちの嫌がることを実行に移す習慣を身につけているということ
・自らの嫌だという感情をその目的意識の強さに服従させている
・感情を抑え,最優先事項を優先するには,目的意識と使命感が要る
・第2の習慣で身につけた明確な方向感覚と価値観が要る
・そして,優先する必要のない物事に「ノー」とはっきり言えるためには,あなたの中に燃えるような「イエス」がなければならない
・何よりも大切にすべきことを自覚していなければならない
・やりたくないと思っても実行する意志の力,その時どきの衝動や欲望ではなく,自分の価値観に従って行動する力も必要
・時間管理の本質を一言で言うなら「優先順位をつけ,それを実行する」に尽きる
・時間管理のマトリックス (緊急・緊急でない vs. 重要・重要でない)
- 第I領域: 重要,緊急
- 第II領域: 重要,緊急でない
- 第III領域: 重要でない,緊急
- 第IV領域: 重要でない,緊急でない
・第II領域は,効果的なパーソナル・マネジメントの鍵を握る領域
・第III領域と第IV領域を避け,できるだけ第II領域の活動を行い,第I領域が占める割合を小さくしていく
・効果的な人々は「問題ではなく機会に着目する」
・冒頭の質問2つの答えは,どれも第II領域に入る
・自分にとって一番重要なこと,もっとも大切にするべきことを決めたら,それ以外のことには勇気を持って,明るくにこやかに,弁解がましくなく「ノー」と言えなければならない
・ためらわずに「ノー」と言うためには,それよりも強い「イエス」,もっと大事なことが,あなたの内面で燃えていなくてはならない
・第II領域を重視するパラダイムは,原則中心の考え方から生まれる
・マネジメントはリーダーシップに従う
・あなたの時間の使い方は,あなたが自分の時間や優先すべきことをどうとらえているかで決まる
・原則中心の生き方と個人的なミッションに基づいて物事の優先順位を決め,それがあなたの心と頭に深く根づいているなら,第II領域は自然と喜んで時間をかけたい場所になるはず
・第II領域活動のための時間管理ツールが満たすべき6つの基準
- 一貫性
- バランス
- 第II領域へのフォーカス
- 人間関係重視
- 柔軟性
- 携帯性
・第II領域を中心にして計画を立てるときは,次の4つのステップを踏む
- 役割を明確にする
- 目標設定
- スケジューリング
- 1日単位の調整
・第4世代のセルフ・マネジメント
- 原則中心である
- 良心に導かれている
- 価値観や長期的な目標を含めて,自分だけに与えられたミッションを明確にできる
- 人生における自分の役割が明確になることで,バランスのとれた生き方ができるようになる
- 一週間単位のスケジューリングによって視野が広がる
・これら五つの利点に共通しているのは,あくまでも時間は二番目であり,人間関係と結果を第一に重視しているということ
・すべてのことを達成するには,自分の時間を使って実行するか,人に任せるか,どちらかしかない
・ここで大事なのは,自分の時間を使うときは効率性を考え,人に任せるときは効果性を考えること
・使い走りのデリゲーションではなく,全面的なデリゲーションを行う
・全面的なデリゲーションを行うには,次の5つを明確にし,何が期待されているのかをお互いに理解し,納得しなければならない
・望む成果
・ガイドライン
・リソース
・アカウンタビリティ
・評価の結果
【公的成功 (Public Victory)】
・信頼口座の残高を増やす6つの預け入れ
- 相手を理解する
- 小さなことを気遣う
- 約束を守る
- 期待を明確にする
- 誠実さを示す
== 第4の習慣 Win-Win を考える (Habit 4 Think Win/Win)
・人間関係の6つのパラダイム
- Win-Win
- Win-Lose
- Lose-Win
- Lose-Lose
- Win
- Win-Win or No Deal
・Win-Win とは決してテクニックではない,人間関係の総合的な哲学
・Win-Win を構成する5つの側面
- 人格
- 人間関係
- 協定
- システム
- プロセス
== 第5の習慣 まず理解に徹し,そして理解される (Habit 5 Seek First to Understand, Then to Be Understood))
・「まず理解に徹する」ためには,大きなパラダイムシフトが必要
・相手の身になって聴く,共感による傾聴
・共感による傾聴とは,まず相手を理解しようと聴くことであり,相手の身になって聴くこと
・共感は同情とは違う
・共感して聴くには,耳だけではなく,もっと大切なのは,目と心も使うこと
・口から出る言葉は人間のコミュニケーションの10%足らずで,30%は音によるコミュニケーション,残りの60%がボディランゲージ
・注意すべき,4つの自叙伝的反応 (自分の過去の経験 = 自叙伝を,相手の話に重ね合わせてしまう)
- 評価する
- 探る
- 助言する
- 解釈する
== 第6の習慣 シナジーを創り出す (Habit 6 Synergize)
・シナジーは,原則中心のリーダーシップの神髄
・ここまで学んできたすべての習慣は,シナジーの奇跡を創り出すための準備
・シナジーとは,全体の合計は個々の部分の総和よりも大きくなるということ
・シナジーの本質は,お互いの違いを認め,尊重し,自分の強みを伸ばし,弱いところを補うこと
・2人の人間の意見がまったく同じなら,1人は不要である
【再新再生 (Renewal)】
== 第7の習慣 刃を研ぐ (Habit 7 Sharpen the Saw)
・第7の習慣は,刃を研ぐ時間をとること
・第7の習慣が身につけば,他のすべての習慣を実現可能にする
・人の持つ4つの側面 (肉体,精神,知性,社会・情緒) を維持,再新再生するという習慣
・1日のうちわずか1時間を自分の内面を磨くことに使うだけで,私的成功という大きな価値と結果が得られる
・「7つの習慣」によって4つの側面のシナジーが創り出される
・4つの側面のどれか1つの刃を研ぐと,「7つの習慣」のうち少なくとも1つを実践する能力が高まる
・習慣には順番があるとはいえ,どれか1つの習慣が改善されると,シナジー的に他の6つの習慣を実践する力も高まっていく
== 再び,インサイド・アウト
・刺激と反応の間にはスペースがあり,そのスペースをどう使うかが人間の成長と幸福の鍵を握っている
完訳 7つの習慣 人格主義の回復 スティーブン・R・コヴィー フランクリン・コヴィー・ジャパン |
Peace Pipe: 嫌われる勇気 - 世界はシンプルであり,人生もまたシンプルである [book]
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 古賀 史健 |
Peace Pipe: ゼロ - なにもない自分に小さなイチを足していく [book]
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江 貴文 |
2014年12月26日金曜日
嫌われる勇気 - 世界はシンプルであり,人生もまたシンプルである [book]
年の瀬ということもあり,今年読んだ本を思い返していたところ,その中の3冊が実は関連しており,それぞれの点が線として繋がることに気づきました.
1冊目は概念編.アルフレッド・アドラーの思想を紐解いた,「嫌われる勇気」です.アドラーの思想は私にとって非常に身近に感じられる部分もあり,また life changing な部分もあり,この本は私の宝物になるでしょう.
2冊目は応用編.スティーブン・R・コヴィーの「7つの習慣」です.世界的に有名なこの本ですが,私にはアドラーの思想を,具体的な活動原則に落とし込んだ内容に思えます.
3冊目は実践編.堀江貴文の「ゼロ」です.彼の生き様は,まるでアドラーの思想の,具体的なインプリメンテーションのようです.
この3冊について,感想を交えた書評ではなく,内容を要約した読書メモという形で,掲載をしてみます.
本エントリーは「嫌われる勇気」について.
実はこの本で語られていることの一部に似たことを,以前 ブログに書いたこと がありました.そんな私にとって,本書は,私がボンヤリと考えていたことを,明瞭な言葉で体系的にまとめてくれた本であり,意識をしていなかった部分まで,気づきを与えてくれた本でもあります.以下,読書メモです.
【トラウマを否定せよ】
== アドラー心理学は,「原因論」ではなく「目的論」
・我々は,何かしらの「目的」に沿って生きている
・過去の原因ではなく,今の目的を考える
・だから,トラウマなどというものは,実は存在しない (フロイトを明確に否定)
・例えば,引きこもりは,不安という原因の為に,外に出られないのではない
・外に出ないという目的の為に,不安という感情を作り出している
・我々は,原因論の住人である限り,一歩も前に進めない
== 人生とは誰かに与えられるものではなく,自ら選択するもの
・自分がどう生きるかを選ぶのは自分
・あなたが不幸だとしたら,自らの手で「不幸であること」を選んだから
・あなたが変われないでいるのは,自らに対して「変わらない」という決心を下しているから
・性格や気質が自分で選んだものなら,再び自分で選びなおすことも可能なはず
・大切なのはなにが与えられているかではなく,与えられたものをどう使うか
== アドラー心理学は,勇気の心理学
・ あなたの人生は「いま,ここ」で決まる
・やりたいことがあるのに,行動に移さない人は,実際にやった時に悪い結果が出るのを恐れており,「やればできる」という可能性を残しておきたいだけ
・あなたは「あなた」のまま,ただライフスタイル (世界や自分への意味づけ) を替えればいい
・そうすれば世界との関わり方,そして行動までもが変わらざるをえなくなる
・ライフスタイルを変えようとする時,我々は大きな「勇気」を試される
【すべての悩みは対人関係】
== すべての悩みは「対人関係の悩み」である
・我々は孤独を感じるのにも,他者を必要とする
・アドラーは「人間の悩みは,すべて対人関係の悩みである」とまで断言している
== お前の顔を気にしているのはお前だけ
・劣等感は,主観的な思い込み
・主観にはひとつだけいいところがある - 自分の手で選択可能だということ
・つまり価値とは,社会的な文脈の上だけで成立している
・「劣等感」には,健全なものと不健全なものがあり,後者は区別の為に「劣等コンプレックス」と呼ぶ
・劣等コンプレックスとは,自らの劣等感をある種の言い訳に使いはじめた状態のこと
・本来はなんの因果関係もないところに,あたかも重大な因果関係があるかのように自らを説明し,納得させてしまう (見かけの因果律)
・「A だから B できない」と言っている人は,A さえなければ,わたしは有能であり価値があるのだ,と言外に暗示している
・自慢する人も,劣等感を感じている
・劣等コンプレックスから,「優越コンプレックス」に発展した状態
・あたかも自分が優れているかのように振る舞い,偽りの優越感に浸ること
・わざわざ言葉にして自慢している人は,むしろ自分に自信がない
・身近な例として挙げられるのが,「権威づけ」
・権威の力を借りて自らを大きく見せている人は,結局他者の価値観に生き,他者の人生を生きている
・不幸自慢も同様
・不幸であることによって「特別」であろうとし,不幸であるという一点において,人の上に立とうとしている
・では健全な劣等感とは
・他者との比較のなかで生まれるのではなく,「理想の自分」との比較から生まれるもの
・人生は他者との競争ではない
・我々は,「同じではないけれど対等」
== 競争の怖ろしさ
・対人関係の軸に「競争」があると,人は対人関係の悩みから逃れられず,不幸から逃れることができない
・いつの間にか,他者全般のことを,ひいては世界のことを「敵」だと見なすようになる
・権力争いを挑まれたときには,ぜったいに乗ってはならない
・もしも面罵されたなら,その人の隠し持つ「目的」を考える
・直接的な面罵にかぎらず,相手の言動によって本気で腹が立ったときには,相手が「権力争い」を挑んできているのだと考える
・いくら自分が正しいと思えた場合であっても,それを理由に相手を非難しない
・ここは多くの人が陥る,対人関係の罠
・人は,対人関係のなかで「わたしは正しいのだ」と確信した瞬間,すでに権力争いに足を踏み入れている
・あなたが正しいと思うのなら,他の人がどんな意見であれ,そこで完結するべき話
・敗北を認めた相手が,いさぎよく引き下がったとしても,権力争いはここで終わらない - 相手は「復讐」の段階に突入する
・たとえ敗者にならずとも,たとえ勝ち続けていようとも,競争のなかに身を置いている人は心の安まる暇がない
・誤りを認めること,謝罪の言葉を述べること,権力争いから降りること,これらはいずれも「負け」ではない
・もし対人関係を「競争」の軸で考えなかった場合,人々はどんな存在になるか
・積極的な「仲間」になっていくはず
・「人々はわたしの仲間なのだ」と実感できていれば,世界の見え方はまったく違ったものになる
== 「人生のタスク」をどう乗り越えるか
・行動面の目標
1. 自立すること
2. 社会と調和して暮らせること
・この行動を支える心理面の目標
1. わたしには能力がある,という意識
2. 人々はわたしの仲間である,という意識
・これらの目標は,「人生のタスク」と向き合うことで達成できる
・対人関係を「仕事のタスク」「交友のタスク」「愛のタスク」の3つに分け,まとめて「人生のタスク」と呼ぶ
・人生のタスクとは,ひとりの個人が,社会的な存在として生きていこうとする時,直面せざるをえない対人関係
・アドラー心理学とは,他者を変えるための心理学ではなく,自分が変わるための心理学
・人は「この人と一緒にいると,とても自由に振る舞える」と思えたとき,愛を実感することができる
・劣等感を抱くでもなく,優越性を誇示する必要にも駆られず,平穏な,きわめて自然な状態でいられる - 本当の愛とは,そういうこと
== 「人生の嘘」から目を逸らすな
・アドラーは,さまざまな口実を設けて人生のタスクを回避しようとする事態を指して,「人生の嘘」と呼んだ
・あなたのライフスタイル (人生のあり方) を決めたのは,他の誰でもないあなた自身である
【他者の課題を切り捨てる】
== 承認欲求を否定する
・「あの人」の期待を満たすために生きてはいけない
・自分が自分のために自分の人生を生きていないのであれば,いったい誰が自分の為に生きてくれるだろうか
・他者からの承認を求め,他者からの評価ばかりを気にしていると,最終的には他者の人生を生きることになる
・そして,もしもあなたが「他者の期待を満たすために生きているのではない」のだとしたら,他者もまた「あなたの期待を満たすために生きているのではない」
・相手が自分の思うとおりに動いてくれなくても,それが当たり前
== 課題の分離
・「これは誰の課題なのか?」という視点から,自分の課題と他者の課題とを分離する
・他者の課題には踏み込まない
・あらゆる対人関係のトラブルは,他者の課題に土足で踏み込むこと,あるいは自分の課題に土足で踏み込まれることによって引き起こされる
・誰の課題かを見分ける方法
・「その選択によってもたらされる結末を最終的に引き受けるのは誰か?」を考える
・他者の課題は切り捨てよ
・「子どもこそ我が人生」だと考える親は,いつも子どものことばかり考えて,気がついたときには人生から「わたし」が消えている
・相手のことを信じることはあなたの課題
・しかしあなたの期待や信頼に対して相手がどう動くかは,他者の課題
・そこの線引きをしないままに自分の希望を押しつけると,たちまちストーカー的な「介入」になってしまう
・たとえば育児の場面で,子どもがなかなか靴の紐を結べずにいる
・忙しい母親からすると,結べるまで待つよりも自分が結んだほうが早い
・でも,それは介入であり,子どもの課題を取り上げてしまっている
・そして介入がくり返された結果,子どもはなにも学ばなくなり,人生のタスクに立ち向かう勇気がくじかれることになる
・たとえ相手が自分の希望通りに動いてくれなかったとしてもなお,信じることができるか,愛することができるか
・アドラーの語る「愛のタスク」には,そこまでの問いかけが含まれる
== 対人関係の悩みを一気に解消する方法
・「これは誰の課題なのか?」を考え,課題の分離をして,他者の課題には介入せず,自分の課題には誰ひとりとして介入させない
・自らの生について,あなたにできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」
・一方で,その選択について他者がどのような評価を下すのかは他者の課題であって,あなたにはどうにもできない話
・課題の分離は,相手の好意を踏みにじるものではない
・「他者になにかをしてもらったら,例え自分が望んでいなくても返さないといけない」というのは,「見返り」に縛られた発想
・親の期待・希望に答えられなくてもいい
・自分の課題は,自分の人生を生きること
・それに対して親が失望したとしても,それは親の課題
・自分が自分の人生を好きに生きてはいけない理由など,どこにもない
・課題を分離することは,自己中心的ではない
・むしろ「他者からどう見られているか」ばかりを気にかける生き方こそ,「わたし」にしか関心を持たない自己中心的な発想
・他者の期待を満たすように生きること,そして自分の人生を他人任せにすること,これは自分に嘘をつき,周囲の人々に対しても嘘をつき続ける生き方
・独善的に構えるのでもなければ,開き直るのでもない
・ただ課題を分離する
・あなたのことをよく思わない人がいても,それはあなたの課題ではない
・「自分のことを好きになるべきだ」「これだけ尽くしているのだから,好きにならないのはおかしい」と考えるのも,相手の課題に介入した見返り的な発想
・対人関係のカードは,「わたし」が握っている
・原因論で「殴られたから,父との関係が悪い」と考えているかぎり,手も足も出せない話になる
・しかし,「父との関係を良くしたくないから,殴られた記憶を持ち出している」と考えれば,関係修復のカードはわたしが握っていることになる
・多くの人は,対人関係のカードは他者が握っていると思っている
・だからこそ「あの人は自分のことをどう思っているんだろう?」と気になるし,他者の希望を満たすような生き方をしてしまう
・課題の分離が理解できれば,すべてのカードは自分が握っていることに気がつくだろう
・わたしが変わったところで,変わるのは「わたし」だけ
・その結果として相手がどうなるかはわからないし,自分の関与できるところではない
・他者を操作する手段として自分の言動を変えるのは,明らかに間違った発想になる
・対人関係というと,どうしても「ふたりの関係」や「大勢との関係」をイメージしてしまうが,まずは自分
・承認欲求に縛られていると,対人関係のカードはいつまでも他者の手に握られたままになる
== 本当の自由とは何か
・すなわち,自由とは,「他者から嫌われること」である
・積極的に嫌われるということではなく,嫌われることを怖れない,ということ
・他者の評価を気にかけず,他者から嫌われることを怖れず,承認されないかもしれないというコストを支払わないかぎり,自分の生き方を貫くことはできない
・嫌われる可能性を怖れることなく,前に進んでいく
・坂道を転がるように生きるのではなく,眼前の坂を登っていく
・それが人間にとっての自由
【世界の中心はどこにあるか】
== 対人関係のゴールは「共同体感覚」
・課題の分離は,他者を遠ざけるための発想ではなく,複雑に絡み合った対人関係の糸を解きほぐしていくための発想
・課題の分離は,対人関係の最終目標ではなく,むしろ出発点
・対人関係の「ゴール」は,「共同体感覚」
・他者を仲間だと見なし,そこに「自分の居場所がある」と感じられること
・共同体の定義は,家庭や学校,職場,地域社会だけでなく,たとえば国家や人類などを包括したすべてであり,時間軸においては過去から未来までも含まれるし,さらには動植物や無生物までも含まれる
・これはアドラー心理学の鍵概念であり,その評価についてもっとも議論の分かれるところ
・事実,アドラーが共同体感覚の概念を提唱したとき,多くの人々が彼のもとを去った
・アドラー自身,自らの語る共同体について「到達できない理想」だと認めているくらい
・前述の通り,アドラー心理学では「すべての悩みは,対人関係の悩みである」と考える
・逆にいうとそれは,幸福の源泉もまた対人関係にある,という話でもある
・そして共同体感覚とは,幸福なる対人関係のあり方を考える,もっとも重要な指標
・自己への執着 (self interest) を,他者への関心 (social interest) に切り替えていく
== あなたは世界の中心ではない
・自分にしか関心を持たない人は,自分が世界の中心にいると考えてしまう
・こうした人たちにとっての他者とは,「わたしのためになにかをしてくれる人」でしかない
・他者と接するときにも「この人はわたしになにを与えてくれるのか?」ばかりを考える
・所属感とはただそこにいるだけで得られるものではなく,共同体に対して自らが積極的にコミットすることによって得られる
・具体的には,「人生のタスク」に立ち向かう
・仕事,交友,愛という対人関係のタスクを回避することなく,自ら足を踏み出していく
・なにかを与えてこそ,自らの居場所を得ることができる
・「この人はわたしになにを与えてくれるのか?」ではなく,「わたしはこの人になにを与えられるか?」を考える
・所属感とは,生まれながらに与えられるものではなく,自らの手で獲得していくもの
== より大きな共同体の声を聴け
・共同体の範囲は「無限大」
・例えば,定年退職をした途端に元気をなくしてしまう人
・肩書きを失い,名刺を失い,名もない「ただの人」になることが受け入れられない
・でも,これは単に会社という小さな共同体から切り離されただけに過ぎない
・誰だって別の共同体に属している
・我々のすべてが地球という共同体に属し,宇宙という共同体に属している
・覚えておくべき行動原則
・対人関係のなかで困難にぶつかったとき,出口が見えなくなってしまったとき,まず考えるべきは「より大きな共同体の声を聴け」という原則
== 縦と横の関係,「勇気づけ」というアプローチ
・アドラー心理学では,あらゆる「縦の関係」を否定し,すべての対人関係を「横の関係」とする
・例えば,専業主婦の方に「なんの稼ぎもないくせに」とか「誰のおかげで飯が食えると思っているんだ」と罵る男性
・経済的に優位かどうかなど,人間的な価値にはまったく関係ない
・会社員と専業主婦は,働いている場所や役割が違うだけで,「同じではないけれど対等」
・そもそも劣等感とは,縦の関係の中から生じてくる意識
・あらゆる人に対して「同じではないけれど対等」という横の関係を築くことができれば,劣等コンプレックスが生まれる余地はなくなる
・人が介入してしまうのも,背後にあるのは縦の関係
・子どもに「勉強しなさい」と命令する親などは,まさに典型
・「介入」と「援助」は違う
・援助とは,大前提に課題の分離があり,横の関係がある
・「勉強しなさい」と上から命令するのではなく,本人に「自分は勉強ができるのだ」と自信を持ち,自らの力で課題に立ち向かっていけるように働きかける
・横の関係に基づく援助のことを,アドラー心理学では「勇気づけ」と呼ぶ
・人は他者からほめられるほど,「自分には能力がない」という信念を形成していく
・ほめられるということは,他者から「よい」と評価を受けている
・その行為が「よい」のか「悪い」のかを決めるのは,他者の物差し
・一方,「ありがとう」は評価ではなく,もっと純粋な感謝の言葉
・人は感謝の言葉を聞いたとき,自らが他者に貢献できたことを知る
・人は,自分には価値があると思えたときにだけ,勇気を持てる
・人は「わたしは共同体にとって有益なのだ」と思えたときにこそ,自らの価値を実感できる
・つまり他者に働きかけ,「わたしは誰かの役に立っている」と思えること
・他者から「よい」と評価されるのではなく,自らの主観によって「わたしは他者に貢献できている」と思えること
・そこではじめて,我々は自らの価値を実感することができる
・他者に関心を寄せること
・そして横の関係を築き,勇気づけのアプローチをしていくこと
・これらはすべて「わたしは誰かの役に立っている」という生の実感につながり,回りまわってあなたの生きる勇気につながる
== ここに存在しているだけで,価値がある
・その人が「なにをしたか」という「行為」のレベルで他者を見てはいけない
・寝たきりの老人は,周囲に世話をかけるだけで,なんの役にも立っていないことになってしまう
・他者のことは「行為」のレベルではなく,「存在」のレベルで見る
・他者が「なにをしたか」で判断せず,そこに存在していること,それ自体を喜び,感謝の言葉をかけていく
・我々は他者を見るとき,ともすれば「自分にとっての理想像」を勝手にこしらえ,そこから引き算するように評価してしまう
・そうではなく,ありのままのわが子を誰とも比べることなく,ありのままに見て,そこにいてくれることを喜び,感謝していく
・理想像から減点するのではなく,ゼロの地点から出発する
== 人は「わたし」を使い分けられない
・縦の関係を築くか,それとも横の関係を築くか,これはライフスタイルの問題
・人間は自らのライフスタイルを臨機応変に使い分けられるほど器用な存在ではない
・「この人とは対等に」「こっちの人とは上下関係で」とはならない
・もしもあなたが誰かひとりとでも縦の関係を築いているとしたら,あなたは自分でも気づかないうちに,あらゆる対人関係を「縦」でとらえている
・「A 君はわたしよりも上だが,B 君はわたしよりも下だ」「A 君の意見には従うが,B 君には耳を貸さない」「C 君との約束など,反故にしてもかまわない」というように
・逆にいえば,もしも誰かひとりとでも横の関係を築くことができたなら,本当の意味で対等な関係を築くことができたなら,それはライフスタイルの大転換
・そこを突破口にして,あらゆる対人関係が「横」になっていく
・まずは他者との間に,ひとつでもいいから横の関係を築いていくことがスタート
・誰とでも友達付き合いをする,親友のように振る舞うということではない
・意識の上で対等であること,そして主張すべきは堂々と主張すること
・「目上とはなんですか? なにが生意気な意見なのですか? 場の空気を読んで縦の関係に従属することは,自身の責任を回避しようとする,無責任な行為です」
【「いま,ここ」を真剣に生きる】
== 自己肯定ではなく,自己受容
・共同体感覚 - 自己への執着 (self interest) を他者への関心 (social interest) に切り替える為に必要ななるのが,「自己受容」,「他者信頼」,そして「他者貢献」の3つ
・我々は「わたし」という容れ物を捨てることもできないし,交換することもできない
・しかし,大切なのは「与えられたものをどう使うか」
・ことさらポジティブになって自分を肯定する必要はない
・自己肯定ではなく,自己受容
・自己肯定とは,できもしないのに「わたしはできる」「わたしは強い」と,自らに暗示をかけることであり,優越コンプレックスにも結びつく発想であり,自らに嘘をつく生き方である
・自己受容とは,仮にできないのだとしたら,その「できない自分」をありのままに受け入れ,できるようになるべく,前に進んでいくこと
・肯定的なあきらめ - あきらめという言葉には,元来「明らかに見る」という意味がある
・「変えられるもの」と「変えられないもの」を見極める
・「なにが与えられているか」について,変えることはできないが,「与えられたものをどう使うか」については,自分の力で変えられる
== 他者信頼 - 信用と信頼はなにが違うのか
・信用とは条件つきの話
・対人関係の基礎は「信用」ではなく「信頼」によって成立している
・他者を信じるにあたっていっさいの条件をつけないこと,それが信頼
・アドラー心理学は,道徳的価値観に基づいて「他者を無条件に信頼しなさい」と説いているわけではない
・無条件の信頼とは,横の関係を築いていくための「手段」
・信頼することを怖れていたら,結局は誰とも深い関係を築くことができない
・もし,あなたがその人との関係をよくしたいと思わないのなら,ハサミで断ち切ってしまってもかまわない
・断ち切ることについては,あなたの課題
・裏切られることの恐怖を踏み越える勇気は,自己受容からくる
・「自分にできること」と「自分にはできないこと」を見極めることさえできれば,裏切りが他者の課題であることも理解できるし,他者信頼に踏み込むことも難しくなくなる
== 仕事の本質は,他者への貢献
・交換不能な「このわたし」をありのままに受け入れること,それが自己受容
・そして他者に対して無条件の信頼を寄せることが,他者信頼
・自分を受け入れることができて,なおかつ他者を信頼することができた場合,あなたにとっての他者とは,「仲間」という存在になる
・そして,もしも他者が仲間であれば,自分の属する共同体に居場所を見出すことにつながり,「ここにいてもいいんだ」という所属感を得ることができる
・仲間である他者に対して,なんらかの働きかけをしていくことが,「他者貢献」
・他者貢献が意味するところは,自己犠牲ではない
・むしろ「わたし」の価値を実感するためにこそ,なされるもの
・他者を「敵」だと見なしたままおこなう貢献は,もしかすると偽善につながる
・ここまで,自己受容,他者信頼,他者貢献という順番で解説したが,この3つはひとつとして欠かすことのできない,いわば円環構造として結びついている
== 「人生の調和」を欠いた生き方
・物事の一部分だけを見て,全体を判断しないこと
・「みんな」「いつも」「すべて」といった言葉を口癖としているようなら,注意が必要
・「仕事が忙しいから家庭を顧みる余裕がない」という人生の嘘
・本来は家事にも,子育てにも,あるいは友人との交友や趣味にも,すべてに関心を寄せるべき
・「仕事」とは,会社で働くことを指すのではなく,家庭での仕事,子育て,地域社会への貢献,趣味,あらゆることが「仕事」なのであって,会社など,ほんの一部にすぎない
== 幸福の定義は貢献感
・あなたの貢献が役立っているかどうかを判断するのは,あなたではない
・それは他者の課題であって,あなたが介入できる問題ではない
・本当に貢献できたかどうかなど,原理的にわかりえない
・たとえ目に見える貢献でなくとも,「わたしは誰かの役に立っている」という主観的な感覚を,すなわち「貢献感」を持てれば,それでいい
・制度としての自由は,国や時代,文化によって違うが,対人関係における自由は普遍的なもの
・もし本当に貢献感が持てているのなら,他者からの承認はいらなくなる
・人はいま,この瞬間から幸せになることができる
== 普通であることの勇気
・我々人間は「優越性の追求」という普遍的な欲求を持っている
・多くの子どもたちは,最初の段階で「特別によくあろう」とする
・しかし,特別によくあることがかなわなかった場合 - たとえば勉強やスポーツがうまくいかなかった場合 - 今度は一転して「特別に悪くあろう」とする
・特別によくあろうとすることも,あるいは特別に悪くあろうとすることも,目的は同じ
・他者の注目を集め,「普通」の状態から脱し,「特別な存在」になること
・本来,勉強であれスポーツであれ,なにかしらの結果を残すためには,一定の努力が必要
・「特別に悪くあろう」とするのは「安直な優越性の追求」
・不登校やリストカット,未成年による飲酒や喫煙なども,すべては「安直な優越性の追求」
・親や周りの大人たちが叱れば,「特別な存在でありたい」という子どもの目的は達成される
・自己受容をし,「普通であることの勇気」を持つことができたなら,世界の見え方は一変するはず
・「普通であること」と「無能であること」は違う
== 人生とは連続する刹那であり,ダンスするように生きるもの
・目標など,なくてもいい
・人生設計など不可能
・もしも人生が山頂にたどり着くための登山だとしたら,人生の大半は「途上」になってしまう
・線としてとらえるのではなく,人生は点の連続なのだと考える
・チョークで引かれた実線を拡大鏡で覗いてみると,線だと思っていたものが連続する小さな点
・線のように映る生は点の連続であり,すなわち人生とは,連続する刹那
・我々は「いま,ここ」にしか生きることができない
・それを知らない大人たちは,若者に「線」の人生を押しつけようとする - いい大学,大きな企業,安定した家庭,そんなレールに乗ることが幸福な人生なのだと
・もしも人生が線であるのなら,人生設計も可能だが,我々の人生は点の連続でしかない
・計画的な人生など,それが必要か不必要かという以前に,不可能
・幼いころからバイオリニストを夢見て猛練習に励む人生であっても,目標や計画はないのか?
・どの瞬間も,途上としての人生を生きていたのではなく,常に「いま,ここ」に生きていたのではないか
・いつも目の前の楽曲だけを見て,この一曲,この一小節,この一音だけに集中していたのではないか
・そして,プロになれなかったとしても,「途上」で終わったわけではない - 「いま,ここ」が充実していれば,それでいい
・登山の目的が「登頂すること」にあるのなら,ヘリコプターで山頂に向かい,5分ほど滞在し,再びヘリコプターで帰ってもかまわないことになる
・家から一歩出た瞬間,それはすでに「旅」であり,目的地に向かう道中もすべての瞬間が「旅」であるはず
・人生とは,いまこの瞬間をくるくるとダンスするように生きる,連続する刹那
・そしてふと周りを見渡したときに「こんなところまで来ていたのか」と気づくようなもの
・この視点に立ったとき,人生はつねに完結している
・「いま,ここ」に強烈なスポットライトを当てよ
・舞台に立っている時,自分に強烈なスポットライトが当たっていれば,最前列さえ見えなくなる
・我々の人生もまったく同じ
・人生全体にうすらぼんやりとした光を当てているからこそ,過去や未来が見えてしまう
・我々はもっと「いま,ここ」だけを真剣に生きるべき
・過去が見えるような気がしたり,未来が予測できるような気がしてしまうのは,あなたが「いま,ここ」を真剣に生きていないから
・人生は連続する刹那であり,過去も未来も存在しない
・過去にどんなことがあったかなど,あなたの「いま,ここ」にはなんの関係もないし,未来がどうであるかなど「いま,ここ」で考える問題ではない
・「いま,ここ」を真剣に生きていたら,そんな言葉など出てこない
・人生最大の嘘,それは「いま,ここ」を生きないこと
== 無意味な人生に「意味」を与えよ
・一般的な人生の意味はない
・人生の意味は,あなたが自分自身に与えるものだ
・他者貢献は,自由なる人生の大きな指針としての,「導きの星」
・この指針さえ見失わなければいいのだ,こちらの方向に向かって進んでいれば幸福があるのだ,という巨大な理想
・あなたがどんな刹那を送っていようと,たとえあなたを嫌う人がいようと,「他者に貢献するのだ」という導きの星さえ見失わなければ,迷うことはないし,なにをしてもいい
・嫌われる人には嫌われ,自由に生きてかまわない
・そして,刹那としての「いま,ここ」を真剣に踊り,真剣に生きよう
・踊っていれば,どこかにたどり着くだろう
・世界はシンプルであり,人生もまた同じである
嫌われる勇気―――自己啓発の源流「アドラー」の教え 岸見 一郎 古賀 史健 |
Peace Pipe: 7つの習慣 - 世界中で支持される成功哲学 [book]
完訳 7つの習慣 人格主義の回復 スティーブン・R・コヴィー フランクリン・コヴィー・ジャパン |
Peace Pipe: ゼロ - なにもない自分に小さなイチを足していく [book]
ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく 堀江 貴文 |
2014年12月25日木曜日
2014年12月23日火曜日
面倒くさいと思ったら続けた方がいい [reflection]
「こうすると楽しいよ」と言う人になりたい [reflection]
クリエイターはコピーはするけど、ペーストはしないんだよ [memo]
「クリエイターはコピーはするけど、ペーストはしないんだよ。」という言葉は、「クリエイターはパクってナンボ、パクって成長する」的な、誤解や言い訳を呼びがちなこれまでの言葉に対して非常に明確で、想像しやすく、現代的で、具体的でもある。素晴らしい。
— しの(痩せろ) (@raf00) November 26, 2012
2014年12月14日日曜日
インスピレーションをあてにしているのは素人 [reflection]
2014年12月7日日曜日
人生とは,エゴを捨てていくゲームだ [reflection]
最もつまらないと思うのは自分との約束を破る人です [reflection]
2014年12月6日土曜日
2014年12月5日金曜日
2014年12月4日木曜日
人間の混乱と苦悩を描いたドラマ - パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間 [movie]
1963年11月22日に暗殺されたジョン・F・ケネディ.その50年後に製作された映画.
ケネディ暗殺については様々な陰謀論があり,これまで新事実や真犯人を究明しようとする書籍や映画が幾多とリリースされています.本作は,「そこには,まだ語られていない真実があった」という解説がついていたり,邦題に「ケネディ暗殺,真実の4日間」という余計なものがあったり (原題は "Parkland") する為に誤解を招きますが,そういった謎解きの類のドキュメンタリーではありません.
むしろ主観を一切入れず,この事件に関わった人間の混乱と苦悩に視点を置いた,再現ドラマです.
監督は,長年ジャーナリストとしてこの事件を追いかけ,これが監督デビュー作となるピーター・ランデズマン.製作総指揮にトム・ハンクス (ちなみに息子のコリン・ハンクスが医師役として出演).名優揃いで緊張感に満ちた仕上がりになっています.
大統領暗殺についての新たな情報をこの映画に求めるのであれば,期待外れに終わるでしょう.しかし,人類史上最悪の事件の1つを背景に,実話をベースとしたドラマとしてとらえるのであれば,非常に見応えがあります.
映画『パークランド ― ケネディ暗殺、真実の4日間』公式サイト
暗殺されたジョン・F・ケネディの娘,キャロラインは,駐日米国大使になりました.
事件の実行犯とされるリー・ハーヴェイ・オズワルドの娘は,新しい靴を買ってもらえたのでしょうか.
パークランド―ケネディ暗殺、真実の4日間 (字幕版) |
暗殺事件の事実関係に興味のある方は,このあたりの本がお勧めです.
二〇世紀最大の謀略 ―ケネディ暗殺の真実― (小学館文庫) 落合 信彦 |
ケネディ暗殺 50年目の真実 KILLING KENNEDY ビル・オライリー マーティン・デュガード 江口 泰子 |