2006年6月28日水曜日

世界で4番目に重要ではない久夛良木氏 [memo]

ITmedia News:バルマー氏、久夛良木氏、「重要でない10人」に選ばれる

一歩間違えれば久夛良木 健,一歩間違えれば Steve Jobs,一歩間違えれば Miles Davis…


Big Frog Live at SuperDeluxe ドリルノヨル [music]



最近お気に入りのバンド,Big Frog のライブに行ってきました (今日は "Fig Brog" 名義).ここ1年近く「マイブーム」が続いているバンドで,気付けば iTunes の「Most played list」の上位にも食い込んできている.まだ知名度は低い彼等だけど今年で結成10周年,一応全国区でライブを行っており,フジロックに出演したり Phish 来日時にオープニングアクトを務めた経歴も持つ女性ボーカルのクールなバンド.

ヘタウマを極めた感のあるボーカルは,その透明感溢れる気持ちいい声と無垢で純粋な歌詞のイメージから,小西 真奈美似の女性を勝手に想像していたんだけど,実際は大貫 妙子に近かったという話は置いといて…

今日で彼等のライブは2回目.「実力派ジャムバンド」と形容され,アルバムからもかなりインプロ的なライブを想像させるが,実際にはかなりカッチリした演奏をしていたという印象は1回目と同じだった.少なくともメンバーがアイコンタクト1つで展開を変えるみたいなことは無かった.

それでも内容的には大満足.やっぱりいいバンドはドラムがいいですね.オーディエンスのテンションもかなり高く,とてもいいライブでした.

それにしてもボーカルのサトちゃん,ギタートチりすぎ…

Windows な方は こちら で試聴もできるようなので,ぜひ.

あぁ,君が感じた,嬉しさ,楽しさ,気持ちよさ,
それとやさしさ

あぁ,君が感じた,悲しさ,辛さ,こわさ,
それと切なさ

あぁ,なんでもあるさ
一番行きたい所へ,行けばいいさ

あぁ,何か僕に言えるとすれば
本当のこと,それを知ることさ

-- Field of Heaven / Big Frog


Bill Gates のデザインレビュー [memo]

Joel Spolsky というエンジニアが,Microsoft で働いていた時代に Bill Gates に直接受けたレビューの想い出を赤裸々に告白している.
Joel on Software: My First BillG Review
日本語訳はこちら.
はじめてのBillGレビューのこと - The Joel on Software Translation Project

おもしろいのは,Gates がレビューの間に発する F word (F*CK のこと) が少ないほど良いレビューとされていたようで,この時もわざわざ Gates の F word を数える為だけの役割がいたというところだ.

a person who came along from my team whose whole job during the meeting was to keep an accurate count of how many times Bill said the F word. The lower the f***-count, the better.


前回の記事で,「名監督は名選手でなければいけない」と 主張した が,Bill Gates はその最たる例かもしれない.個人的に好きか嫌いかは置いといて,彼のエンジニアリング能力が超人的であることは疑いの余地が無い事実だ (彼の場合,同時に天才的なビジネスセンスも合わせ持っていたわけだが).

またその気性の荒さも有名で,元 Microsoft のアーキテクト・現 UIE 代表の中島氏も,
CNET Japan Blog - 中島聡・ネット時代のデジタルライフスタイル:Ray OzzieはMicrosoftを生まれ変わらせることが出来るか?

四半期に一度だけは「Windowsはどんなアーキテクチャで作っているか」、「その戦略的な意味」などをBill Gatesに直接プレゼンしていた。そのミーティングは、各プロジェクトのSoftware Architectが必ずくぐらなければならない試練で、「準備不足でミーティングに臨んだあるアーキテクトがBill Gatesにケチョンケチョンに批判されて本当に泣いてしまった」という伝説があるぐらいに恐れられているものであった。

と書いているし,彼のもう1つの Blog の
Life is beautiful: リーダーシップについて思い出したこと

私が米国のマイクロソフトで働き始めてまだ日が浅い頃、ソフトウェアの開発に関連して似たような言い訳をビルゲイツの前でした人間がいたのだが、その瞬間にビルゲイツは机を叩いて真っ赤になって怒り始めたのだ。

などというニュアンスからもその様子が垣間見える.

余談になるが,ソニーを創業した盛田元会長にも似たような逸話が残されていて,なんでも新製品の試作を見せに行く時は壊されに行くようなものだったとか.一通り説明が終わると,自分が気に入らないところをブチまけて,最後には試作を壁に叩きつけてその場が終わっていたと聞いたことがある.


いずれにしても Gates が,そのとんでも無い技術力と揺るぎようの無い信念,さらに極端とも言えるパワーマネージメントに基くリーダーシップを持って,Microsoft というモンスターをリードしていたのは間違いない.彼が去った後,このモンスターがどうなるのかは非常に見応えがありそうだ.

ちなみに Bill Gates に関しては,古川 享氏 (元マイクロソフト日本法人会長・最高技術責任者) の 「私の知っているビルゲイツ」シリーズ もおもしろい.


2006年6月25日日曜日

無言のコミュニケーションとリーダー論 [memo]

ワールドカップもいよいよ決勝トーナメント.私はサッカーには詳しくなく,ワールドカップの時だけサッカーをテレビで見るような「にわかファン」なんだけど,それでもこの時期は楽しみたいので,前日の試合戦評をマニアな友人に聞いたりしている.その中で「へぇー」と思ったのは,監督は試合中の選手交代を無言のコミュニケーションに使っているという話.サッカーは試合中に頻繁に選手と話せないスポーツだしピッチの上では大声を出しても聞こえないから,要所で選手交代をすることで,例えば大きい選手を入れればパワープレーを,速い選手を入れればスピードプレーを,ディフェンスを厚くすればリードを守りきる展開を促すということらしい.

コミュニケーションの重要性やメンバーに明確な方針を示すことは,開発現場でももちろん同じ.以前書いた マネージャーさん もそういえば (職場では) 口数の少ない方で,私が彼の直属の部下だった時代に明確な指示を受けたことは数えるほどしかなかった.しかもそのやり方において口を出されたことは,ただの1度としてなかった.ただ,彼の行動を見ていれば,自分が次に何をすれば良いのかは明確に伝わってきた.そんな方だった.

もちろん,これは誰にでもできることではないし,一般的に推奨されるコミュニケーションの取り方ではないかもしれない.「本当のようなウソを見抜く!」 で有名なセブン・イレブンの鈴木 敏文氏は「テレビ会議なんかでは物事は伝わらない」として,全国のエリアマネージャーを東京に集めてミーティングを開くと言うが,大声を出さなくても声が聞こえる企業内や開発現場においては face-to-face できちんと話を伝える方が有効とされている.

一方で,いわゆるリーダー論やコーチング手法には「部下に物事を伝えすぎるな」というものもある.あまり細かく指示を出しすぎると,その部下は「あ,俺って信用されてないのかな?」と思ってしまい,返って自分自身が信頼を無くすということだ.ある程度権限委託を行い,部下に責任を意識させることも重要と言われている.

結局,コミュニケーションや方針の明確化,メンバー全員が共通認識の基にチームが1つの方向を向くことは,どの組織においてもクリティカルだということは普遍であっても,そこに至る「手段」に王道は無いというところがマネージメントの難しさなのだろう.自分のスタイルやメンバーの性格,チームの目的とその規模,組織の環境など様々なファクターを総合的に判断しながら,そこにベストフィットする手法を用いることができるリーダーが,本来の意味でのリーダーということになる.私の元上司の無言の (とまでは言わないが口数が少ない) コミュニケーションに基く放任主義と鈴木氏のパワーマネージメントは対局にあるが,どちらも目的は有効に達成していたのだろうし,いわゆるアジャイル,スクラム,XP などといった最近の開発手法だって単なる手段にすぎないはずだ (アジャイル開発が目的にすり変わってしまっている開発現場はたまに見かけるが).

楽天の野村 克也氏は「組織はリーダーの力量以上には伸びない」と言ったが,人の上に立つ者はこの言葉を胸に刻むべきだろうし,自分のリーダーが尊敬できなければそんなところはさっさと辞めた方が良いのかもしれない.

サッカーの話に戻すと,私が話を聞く友人からは,今回の日本代表は「メンバー全員がその時何をやれば良いか」という意識が共有できていなかった…というかジーコがそれを行っていなかった,という意見が多い.「名選手,名監督にあらず」と言ってしまえばそれまでだが,そこで1つ言っておきたいのは,その逆は真ではないということ,つまり「名監督は名選手でなければいけない」ということだ.自分が体験していないことを選手に伝えることはできない.開発現場だってそれは同じだ.メンバーはリーダーを,まずはリーダーではなく「プレーヤーとして尊敬できるか」という観点で見るし,自分でろくに設計・実装ができないリーダーは信用されない.そもそもそんな輩に工数を正しく見積ることなんてできっこない.


2006年6月23日金曜日

持続可能なブログ会議 [memo]

先週の木曜に Passion For The Future の橋本氏が主催した
Passion For The Future: 1000エントリ達成記念 持続可能なブログ会議
というイベントがあった.

私は過去に何度か橋本氏の話を聞く機会があって,
Peace Pipe: テレビ x Web 2.0 = テレビ 2.0 それは未来予想図 [ce]
Peace Pipe: 早稲田大学シンポジウム インターネット検索の未来 [memo]
Peace Pipe: アンビエント・ファインダビリティ出版記念イベント [memo]
彼のセンスと着眼点には感銘を受けていたし,イベントの趣旨も非常に興味深かったんだけど,この日は GREE のオープンソーステクノロジー勉強会 があって参加できなかった.

それでも個々の情報発信が容易かつ当たり前になった今日では,参加者の Blog を眺めているだけで,なんとなく内容が把握できるばかりか,当日の雰囲気まで伝わってくるから不思議なものだ.まったく便利な世の中になったと思う.

というわけで,イベントから1週間経って関連記事も出尽くしてきた感があるので,このタイミングで紹介することに.

橋本氏本人による報告.
Passion For The Future: 持続可能なブログ会議 報告第一弾 「デジタル情報を活用する7つ道具」と感想
Passion For The Future: 持続可能なブログ会議 報告第2弾

当日の資料は こちら

関連記事は,たつをさんの Blog で紹介されている (Passion For The Future がスパムにより TB 機能を停止していた為だとか).
[を] 「持続可能なブログ会議」に行ってきました!


それにしても,ゲストの樋口氏が随所で絶賛されている.
橋本氏も,

樋口さんをゲストにお呼びすると、イベントの顔は樋口さんになってしまう法則があるのです。

と書いてるぐらい.

一通り目を通してみた私の感想はというと,結局自分のプレースタイルを持つことが大事なのかな,と.

「持続可能な Blog」にしても,例えば「人前で緊張せずにプレゼンする方法」にしても,自分ならではのやり方とか方法を見つけること.だから人の「自分はこうやってる」という話は大いに参考になるんだけど,でもその猿真似じゃなくてそこから自分なりの方法論や習慣を見つけて,それを育てて確立することが重要な気がする.

本イベントにしても,「Blog が続かなくて藁にもすがる思い」で参加した人は多分いなくて,橋本氏も「Blog 継続の伝道師」なんかになるつもりもなく,ただ参加者が「橋本さんの話は相変わらずおもしろいなー」とか「世の中には樋口さんみたいなエネルギッシュな人がいるんだなー」みたいなことを感じつつ単純に楽しい時間を共有し,それをネタにみんながワイワイまた Blog を書くことこそ橋本氏が意図したことだと勝手に想像しているし,いずれにしてもそんな楽しそうな雰囲気が伝わってくるだけで,きっと大成功のいいイベントだったんだろうな,と心から思えるわけです.


2006年6月21日水曜日

清志郎さんが Steve Cropper と共演! あとライブ情報とかメディア情報とか [music]

rc-fun ML 経由でいくつか清志郎さん情報を教えてもらったのでここでも紹介.

まず現在 レコーディングの為に訪れている Nashville で,Steve Cropper と共演したそうな.
清志郎、やっぱり決めゼリフはベイベー

クロッパーが「僕の大切な友達で、日本の、いや世界のソウルマンだ」と紹介すると、清志郎は花柄のド派手なスーツで登場。日本語で「こんなに外国人ばかりのライブは初めてです。ベイベー!」と叫ぶと、言葉は通じなくとも熱いソウル(魂)に観客は大興奮。新曲やウィルソン・ピケットの「イン・ザ・ミッドナイト・アワー」などを披露。終演後はサイン攻めに遭っていた。

っていうか,めちゃめちゃ見たかったんですけど…

さらにビッグニュースは,この夏に各地で CHABO と共演するというモノ.しかも野音ではドラムが新井田 耕造…ってえええぇぇぇっ!? マジですか? 本当ですか? こんな日が本当に来るんですか? 梅津さんも片山さんももちろんいるし,こりゃ日本全国から人が押し寄せて来そうな予感.
地味変(EVENTS)

も1つオマケで 7/2 に放送される The Beatles 来日40周年記念番組でも CHABO との共演が.

NHKBS2『来日40周年記念 ビートルズ・スペシャルナイト』19:30〜22:00。来日40周年を記念して、ビートルズにクローズアップする番組が放映。清志郎は、番組内トリビュート・プレミアムライブにて、仲井戸“CHABO”麗市と共にビートルズの曲を演奏します。



というわけでファンにとってはどれも「おぉぉぉぉぉーーーーすげーーー!!」という内容だが,ファンじゃない人には「ん? だから何?」と言われ,そもそもファンには「それが何か? とっくに知ってますが」と言われそうな気も...
ま,3人ぐらいが「すげー」と言ってくれればいいかなと思って書いてみました.


【2006/06/25 訂正】
「ビートルズ・スペシャルナイト」は7/2のようです (元々7/1と掲載してました).
どうも地味変の情報が間違っていたようで…
ただ,7/1の夜は「ビートルズ ソロ特集」をやるようなので,ビートルズファンはこちらも必見ですね.


2006年6月17日土曜日

3回目の誕生日 [diary]




On her birthday, and everyday, I'm just being so thankful.

I love my daughter more than all the stars.

When she came into my life, it came to me one day..."I finally know what love is."
Everything else became so clear so simple and so temporary -

Life is good.


2006年6月16日金曜日

GREE Labs 第4回 オープンソーステクノロジー勉強会 [seminar]

前回 に引き続き,第4回も行ってきました.
GREE Labs -第4回 オープンソーステクノロジー勉強会

元々の議題は,ミラクルリナックスの吉岡さんによる PostgreSQL のスケーラビリティの話と GREE の岩崎さんによるウェブデザインパターンの話.どちらも非常に興味深く,特にスケーラビリティに関しては人々が関心を寄せている割にはあまり情報が無いこともあってか,たくさんの質問が吉岡さんに飛んでいた.

ただこの日一番印象に残ったのは,吉岡さんがプレゼンの後半部分で語っていた「エンジニアのキャリア」の話.GREE の藤本さんが「せっかく大先輩エンジニアに来て頂けるのでヨタ話をして頂こう」ということで事前に頼んでいたらしい.


「高速道路時代のキャリア,
インターネットのおかげて2次情報へ素早くアクセスできるがその先は渋滞」

「人の下を行け.
1次情報をあたれ.
渋滞から抜けだせるかどうかは,ここで歯を食いしばれるかどうかにかかっている」

「定番中の定番を1日1ページでもいいから読め.理解できなくても読め.ここで基礎体力をつけろ」

「結局自分の引き出しをどれだけ増やせるかにかかっている」

「流行を追うな」
「本質は変わらない」

「続けろー」
「35歳で引退するなー」

「半年前,3年前,10年前の自分と比較して自分は成長しているか?」

「正直になることが重要」
「自分の為の人生,生きたいように生きればいい」

「信じろ」
「続けろ」
「10年歯を食いしばれ」
「プロフェッショナルになれ」

「どんなことでも無駄なことはない」

…みたいな話.
ん,なんかこうやって文章で書くと陳腐な感じがしてしまうかもしれないが,これを実際に実践し続けて今の地位を確立した彼の言葉には不思議な説得力があった.他のこの日のレポートにもいくつか目を通したが,やはり彼のメッセージが心に響いたのは私だけではないようだ.

sakaikの日々雑感〜(C)編

大げさに抑揚を付けるわけでもなく、演技ぶった表現があるわけでもないのに、ぐいぐいお話に引き込まれてしまいました。 これが「本物」の持つ力なのだなぁと改めて実感。 目標は高いけど、理想論ではなく。心地よい説教、、というか、うぅん、、、啓蒙?でした。

pingoo's blog

エンジニアとして非常に身が引き締まる思いがしました。ソフトウェアエンジニアとして生きるということについて、これだけ安定感を持って話せる人は、日本には数少ないんじゃないないでしょうか。貴重な機会でした。


吉岡さんが自身の Blog で 当日の様子を書かれている し,いつものように GREE のサイト で当日の内容が公開される (現時点で議事録と発表資料はアップされている) ので,詳細はそちらを参照されると良いだろう.特に吉岡さんの「ヨタ話」の部分は,音声ファイルが公開されたら私のまわりのエンジニアにも勧めてみようと思う.


今回は懇親会も参加.同じテーブルに吉岡さんやはてなの伊藤 直也さんもいて,伊藤さんとは名刺交換したぐらいだったけど,吉岡さんは隣の席だったのでしばらくお話させて頂いた.オッサン (失礼! でも感謝と敬愛の意を込めてあえてそう呼ばせて頂きましょう) が熱く語るヨタ話の続きを肴に飲むビール,なんか美味かったなぁ… 今度同じ話を聞いた時,「そんなこと言われなくてもとっくにやってますよ,オッサン」と言えるようにしなきゃね.吉岡さんが言われていたことだが,例えば社内で彼と私ぐらいの年齢差があると,どうしても (そのつもりがなくても) 上から物を言うように聞こえてしまうところが,こんな機会があることで「対等な立場のエンジニア」として話ができる,それが素晴らしいことではないかと.本当にそう思います.

吉岡さん,前の席に座っていた Y さん,GREE エンジニアの K さん・S さん,そしてその他お話させて頂いた顔と名前が一致しない方々,めちゃめちゃ楽しかった! そしてこんな機会を提供して下さっている GREE さんに,ただただ感謝.多くの刺激を受け,たっぷりと英気を養えた1日でした.次も楽しみにしてます!!


2006年6月14日水曜日

CM スキップ戦争に新展開 - 番組と一体化した CM [ce]

最近のディスク系レコーダー機器には当たり前のように搭載されている「CM スキップ」機能.ボタン1つで再生を一定時間 (大体は30秒が多いけどユーザーが秒数設定できる機器もある) 飛ばす機能のことだが,そもそも放送事業者と録画機器の 「CM スキップ戦争」はちょっとした歴史と経緯がある.
CMスキップ - Wikipedia

ここでも少し触れられているが,中でも2004年の民法連会長 (当時) の日枝氏 (フジテレビ会長) による「CM スキップは著作権法違反の可能性がある」という発言は様々な物議を引き起こした (ちょっと検索してみて印象的だった記事を紹介).
CMスキップ戦争〜シリーズ「砕氷船ライブドア」(3)
K's Diary @ cocolog: CMカット機能が著作権法違反?
benli: CMスキップ


そんな中,昨日目にした記事がこれ.
NIKKEI NET:博報堂DY、番組と一体化のCM

博報堂DYグループの博報堂DYメディアパートナーズ(東京・港)と関西民放大手の読売テレビ放送(大阪・中央)が、ハードディスク(HD)レコーダー普及によって広がっている「CM飛ばし」に対抗する新種のテレビ広告手法を開発した。ドラマの企画段階でスポンサー企業を決め、ドラマの番組本編と流れが一続きになったCMを流す。

まず7月23日に読売テレビが関西地区で放映する単発ドラマ「37℃」で採用し、トヨタ自動車とサントリーがスポンサーになる。読売テレビは今後も随時活用していく。博報堂DYメディアパートナーズは他の民放局にも同様の企画を提案する。

前から噂はあったものの,「あらあら,ホントにやるのね」というのが率直な感想.いくらなんでもこれは少し変な方向に行ってる気がするが,はたしてどんなものが出来上がるやら…


余談になるが,このCM スキップ機能,松下の「30秒スキップ」・東芝の「ワンタッチスキップ」・ソニーの「フラッシュ」など放送事業者を気にして機能名称に「CM」をつけないメーカーが多い (露骨に「CMをスキップする為の機能」と謳わない為) 中で,パイオニアがはっきりと「CM スキップ」とリモコンにまで書いてあるのには侠気を感じた.


2006年6月8日木曜日

送別会の水曜日 [diary]

今日は,以前書いた方の送別会.
Peace Pipe: 失うものの大きさ [diary]

会社で一番尊敬していたマネージャーが辞めてしまわれるとのこと.

うーむ激しくブルーです…

「この人の為にいい仕事がしたい」
心からそう思える人でした.



「ああ,この人はホントに辞めちゃうんだなぁ」と実感した水曜日.

久しぶりにトコトン酔っぱらって,いっぱい笑って,純粋に楽しい時間を過ごした水曜日.

くだらないことを沢山話して,ちょっとだけ真面目な話をした水曜日.

彼が辞める理由,今の会社が抱えている問題,そもそも社会で働くとはどういうことか...ちょっとだけ考えさせられた水曜日.


本人の許可を得て,写真を掲載してみたり.



そういえば今まで一緒に飲む度に奢ってもらって,その度に半分冗談,でも残りの半分は結構真剣な気持ちで「じゃあこの分は仕事で返しますよ」なんて言ってたけど,ホントにちゃんと返しきれたかなぁ...なんて帰りの電車でボンヤリ考えた水曜日.

帰りの電車の中で,気付けばとっくに木曜日になってた水曜日.

We talked about important things and meaningless things. And know they are the same with a smile.

そんな水曜日でした.


2006年6月7日水曜日

通信放送融合論 [ce]

ここ数日「通信と放送の融合」に関して多くの記事を目にしている気がする.

去年ぐらいから「通信と放送の融合」とか「家電とネットの融合」みたいな話題がちらほら出るようになってきて一緒に語られることも多かったけど,厳密には「通信と放送の融合」とは「放送」というメディアが「通信」というインフラの革命によって形態を変えた結果新しいサービスを予感させるもので,それに対して「家電のネットの融合」っていうのは昨今のインターネットにおける「ユーザー参加型」の新しい楽しみ方やサービスを家電の世界に持ち込もうという,ちょっと別物っぽい気がしている今日この頃.それでもその2つの潮流はどこかで交わって,また少し離れてまた交わって…みたいにして新しいライフスタイルが出来ていくんじゃないかなぁ...という漠然とした考え.

「実は日本では最初思ってたよりも時間がかかるかもなぁ」とか,「仮に NTT (インフラ) と NHK (放送局) と Sony (コンテンツ持ってる家電メーカー) に絞った場合,どこが一番早くイノベーションを起こせそうで,どこが一番センスがいいかなぁ」とか,「やっぱり Yahoo のようにインフラもサービスもユーザーもそれなりに持ってるネット企業かなぁ」とか,とか,とか,とか.

もう少し頭を整理して詳しく書こうと思ったけどまとまりそうにないので,ひとまず最近目にした「通信と放送の融合」に関する記事のポインタだけ紹介しておきます.

古川 享 ブログ: 放送・通信の在り方に関する、私見
音楽配信メモ 「放送と通信の融合」は結局骨抜きになりそうな感じで
放送・通信融合を加速する高品位マルチキャスト通信方式を開発
丸山茂雄の音楽予報 - 放送と通信の融合は正しいのか?
丸山茂雄の音楽予報 - 放送と通信の融合は正しいのか?その2
丸山茂雄の音楽予報 - 放送と通信の融合は正しいのか?その3
丸山茂雄の音楽予報 - 放送と通信の融合は正しいのか?その4

ちなみにこの辺りの「融合論」については,del.icio.us/toshied/ce_convergence に随時ブックマークしています.


2006年6月4日日曜日

YouTube のお気に入りビデオ [memo]

見だすといくらでも時間が費やせそうなので,ハマりすぎないように自分に歯止めをかけている YouTube.それでもこれまでに見つけた自分のお気に入りビデオを紹介してみます.


まずお笑いでは,ダウンタウン23才の時の貴重な漫才映像.

昔なんかのドキュメンタリーで見た若い頃のダウンタウンはもっとボソボソ語ってるかんじだったけど,このビデオでは結構喋ってますね.

その他ダウンタウン系.
松ちゃんが病院送りになったエアーバッグ実験 (その後しばらく浜ちゃん一人でテレビに出ることに)
やすしくん
ダウンタウンのごっつええ感じ-シンデレラドッキリ
ガキの使い松本罰ゲーム おかんと漫才
一人ごっつ 「第1回 全国お笑い共通一次試験」(1of9)


音楽系では,Black Crowes の1992年ケルンの伝説のライブを見つけました.マークフォードが加入して Amorica の絶頂期に向かってまさにノリにノッている頃.しかもアップされているビデオ,画音質が結構いい.
No Speak No Slave
My Morning Song
Sting Me
Thorn In My Pride (Part 1)
Thorn In My Pride (Part 2)
Thorn In My Pride (Part 3)
Seeing Things
Twice As Hard
Black Moon Creeping
Thick N' Thin
Stare It Cold - Three Little Birds
Sometimes Salvation
Jealous Again


清志郎さん関係.

1985年笑っていいとも
この頃の彼は,なんか威圧感にも似たオーラをまとっていた気がする.たまたま友人からこの時のビデオをダビングして頂いてたのだけど,この後のタモリとのトークの噛み合わなさには見てる方がドキドキしました.


そしてなんと言っても,見るたびに体が熱くなる1988年の FM 東京事件.これが紹介したくてこのエントリーを書いたようなもの.
Covers を放送禁止にした FM 東京に対して,生放送の「夜のヒットスタジオ」で予定の曲 (「偽善者」) をスッポかして歌った抗議 (というレベルは超えてる) の歌.まわりのリアクションを見る限り,おそらくリハーサルは予定通りこなし,本番でいきなり差し換えたんだろうが,後にも先にも生放送で「オ○ンコ野郎」と言い放ったのは彼だけではないだろうか.



始めて見た時の衝撃は今でも忘れない.「Agitation」というのはまさにこういうことだろう.ロックの怒りと反逆の魂をここに見た.さらに50を越えても丸くなるどころかこの頃と同じぐらい,いやもしかしたらそれ以上に熱い清志郎さんがなんとも痛快でござる.

ざまぁみやがれ!