本エントリーは,「週4時間」だけ働く。における DEAL の D,Definition (定義) について.「D」セクションの目的は,間違った常識を覆し,新しい競争に備えてルールと目標を導入することです.
【人生先送り派とニューリッチの比較】
では「ニューリッチ」とはどんな人でしょう.著者の言葉を借りれば,ニューリッチとは「自分の目標に基づいて集団から抜け出し,明確な優先順位と人生哲学を持って自分と向き合っている人」です.
著者は,人生をただやり過ごすだけの「人生先送り派」と,「ニューリッチ」の違いを,いくつかの具体的な行動パターンを例に解説しています.その中でも特に,物欲にかられて衝動買いしてしまうことが時折ある私としては,この対比は耳が痛かったですね.
人生先送り派:
もっといろんなものが欲しくなる.
ニューリッチ:
物欲のほとんどは,不必要なことに時間を費やすことの言い訳にしかならないのをよく分かっている.モノを買うだけでなく,モノを買う準備をすることすら無駄だと悟っている.
【「絶対収入」と「相対収入」の違い】
金について著者は,「絶対収入」より「相対収入」の方が重要と説きます.
つまりこういうことです.
一般的に収入は絶対値で語られることが多いけど,あなたは自分の年収を人と比較する前に,自分の時給を意識したことはありますか? 毎日終電まで残業して年間1千万稼ぐのと,毎日定時で帰宅する年収600万では,どちらが本質的にリッチでしょうか?
【ニューリッチの基本的ルール】
これはニューリッチの基本的ルールであり,ニューリッチとそうでない人との分岐点になるものです.
1. 定年退職は最悪のシナリオに備えた生命保険のようなもの
2. 「関心」や「活力」は景気のごとく循環する
3. 仕事を少なくしてもそれは「怠け」ではない
4. ピッタリのタイミングなんてない
5. 「許可をもらう」ではなく,「許しを請う」つもりで
6. 弱点を直すよりも,長所を伸ばそう
7. やり過ぎは反対の結果を生む
8. お金だけでは解決しない
9. 絶対収入より相対収入の方が重要
10. 悪いストレスといいストレス
印象的だったのはこのあたり.
「1. 定年退職は最悪のシナリオに備えた生命保険のようなもの」
→ 定年退職には,3つの理由から欠陥がある.
「3. 仕事を少なくしてもそれは怠けではない」
→ むしろ理想とはほど遠い現状に耐え,成り行きや他人に自分の人生を決めさせることこそ怠惰である.
「4. ピッタリのタイミングなんてない」
→ 「いつかやろう」は一種の病である.
重大なことを決める時は,タイミングなんてどうでもよくなる.
「10. 悪いストレスといいストレス」
→ すべてのストレスが悪いわけではない.自身を成長させる為に必要な刺激もある.
全ての批判からまぬがれようとすると失敗する.避ける必要があるのは悪意に満ちた誹謗中傷だけ.
【行動を起こすことが怖いなら】
その悩みの解消法として,自問すべき7つの質問を挙げていますが,その中で胸に刺さった言葉がこれです.
最も恐れていることこそ,最もする必要があるのだ.
【システムをリセットする】
こちらも内容の詳細を書く代わりに,印象的だった言葉を紹介します.
あなたが問わなければならないのは,「目標は何か?」ではなく,「自分をわくわくさせてくれるのは何だろうか?」である.
幸せの反対は悲しみではなく「退屈」であり,それを,ほどほどに我慢できる状況として受け入れることこそ,起こりうる最悪の事態なのだ.
やってみた.失敗した.そんなことは問題じゃない.もう1度やってみよう.また失敗してもいい.今度は上手に失敗できる.
【ドリームライン】
このセクションでは最後に,ドリームラインの作成方法を解説しています.
ドリームラインとは,言わば目標設定表のようなもので,夢と考えていることに時刻表を適用したもの.
最終目標を明確にし,それを実行する為の乗り物である TMI (1ヶ月あたりの目標収入) と TDI (1日あたりの目標収入) を計算し,「今すぐやること」「明日すること」「明後日すること」を割り出します.
【所感みたいなもの】
「D」セクションは Definition (定義) についてでしたが,その定義には2つのコンテキストがあったように思います.
1つは,意識の方向付け.
ニューリッチのルールをはじめとする,著者が提唱するマインドセットは,私に新しい精神世界を見せてくれました.
もう1つは,漠然としているものの明確化.
自分の目標を元に「1日あたりの目標収入」や「明後日やること」というレベルまでブレイクダウンするドリームラインのようなものに加え,恐怖や不安を具体的にイメージすることの重要性についても触れられています.
恐怖や不安は,漠然としているからこそ怖いのであって,自分の中で明確化できた瞬間に
「最悪」は,実際そんなに悪いことではなかった
ということが,ほとんどかもしれませんね.
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 - ソリューションとして読むかレシピとして読むかはあなた次第 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Definition (定義) 編 - 意識の方向付けと,漠然としているものの明確化 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Elimination (排除) 編 - 時間管理の終焉 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Automation (自動化) 編 - 収入のオートパイロット化 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Liberation (解放) 編 - もっとも大切なことは,自分自身に満足すること [book]
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