Daily Festival of Human Existence - インドの旅最終回 [diary]
無事に日本に帰ってきました.
私は昔アメリカを旅行している時に,帰国の前日に強盗に遭う (運転していたレンタカーにいきなり黒人が乗り込んできた) という苦い経験を持っている為,海外旅行となると悪い想い出がつきまとうのだが,先月のカリフォルニア にしろ,今回のインドにしろ,私にも,なにより一緒にいた私の大切な人達にも,何事も無かったことにまず感謝したい.
暑い,熱い旅だった.今回訪れた街はどこもまた行きたいと思うし,今回時間が無くて断念したゴア,ダージリン,ブッダガヤー,バナーラスあたりにも是非行ってみたい.死ぬまでに,今度は1ヶ月ほど,また男友達と.サムイやキーウエストあたりなら女とでもいいが,インドは心を許せる男友達と行くのがいい.なぜかそんな気がする.
私には,旅について1つの信念がある.文化も風習もまったく違う国に行くことで,私はまったく新しい経験を得られるだろうが,同時に私という文化も風習もまったく違う人間に触れることで,今までそこにいた人々も新しい経験が得られるのだ.つまりそのインタラクションこそ旅の本質であり,ただの観光だけで終わってはおもしろくない.旅は旅人だけではなく,それを受け入れる側にとっても何かを与えるはずである.
人が人に出会うという事が,人生で一番大切なんだと思う.
当人達にしか分からなくて恐縮だが,私達はジテンドラという名前を忘れることはないだろう.
ところで話は変わるが,この9月で社会に出てから丸10年が経った.
年数に意味は無いかもしれないが,節目であることには変わりない.その記念旅行としては申し分なかった.
その節目に,学生時代の仲間と毎晩昔話をしたりバカやったりしながら過ごした毎日は,実に楽しかった.そしてこのタイミングで,混沌と喧騒と活気の渦に飲み込まれそうになりながら,「人間が生きまくる様」を肌で感じられたことが,本当に良かったと思う.
私自身,この旅を通して,自分の人生という旅を見つめ直すことができたような気がする.
分かったことは2つある.
1つは,自分にとって本当に大切なもの.
もう1つは,大切だと思っていたけど,多分それほど大切ではないもの.
…無事に帰って,心地良い安堵に浸っている暇など無いのかもしれない.
これまでの常識がまるで通じない無秩序の国で過ごした刺激的な10日間,
戦後の日本のようなバラック,
今まで自分が信じてきた価値観がポロポロと崩れていく感覚,
目の当たりにした,インド人の心の底から湧き出る欲望と,ずるさ,しつこさ,したたかさ,
譲り合いの気持ちなど1ミリも持たない「我先に」の精神,
たまに,ごくたまに見せる屈託のない笑顔,
そして,生きて,生きて,生きまくる人間のギラギラした目…
「単なる楽しかった想い出で終わらせていいのかい?」と,問いかけられているようだ.
How does it feel?
How does it feel?
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone?
-- Like A Rolling Stone / Bob Dylan
Daily Festival of Human Existence に,乾杯.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
あーっと,そうそう,いろいろサンキュ > ゆ・ま