2006年8月13日日曜日

本当のようなウソ - 見えないものが見えてくる3x3のレンズ [memo]


PRESIDENT 8月14日号より.

「本当のようなウソを見抜く」とは,このエントリー で少しだけ触れた,セブン・イレブンの鈴木 敏文氏の口ぐせである.例えば「冬にアイスは売れない」という固定概念に対して「誰がそんなこと決めたんだ?」と真っ向から反論し,「冬でも売れるアイス」を開発して売り上げを伸ばした話も有名だ.

今号はその鈴木氏にならい,「虚実を見破り,本質を見抜く為の頭の使い方とユニークな視座」という特集.

「部下の精算伝票と報告書のここを疑え」というレポートから,様々な著名人による
「返信メールのウソ」
「営業日報のウソ」
「プレゼン資料のウソ」
「見積書のウソ」
「売れ筋データのウソ」
「商品提案書のウソ」
「経済記事のウソ」
という様々な仕事文書のごまかし喝破のコツまで,非常に興味深い内容だったが,その中でも特に目を引いたのが,ボストンコンサルティンググループ日本代表の御立氏が提唱していた「3x3 のレンズ」という考え方.

なんでも,人は誰でもいつしか固定したレンズでモノを見るようになるが,モノを見るレンズは決して1つではなく,「拡散レンズ」「フォーカスレンズ」「ヒネリレンズ」という3種類のレンズに,それぞれ典型的な使い方が3つずつあって,合計9種類のレンズを使い分けるというもの.

視野を広げる「拡散」レンズ
- ホワイトスペースの活用
- バリューチェーンを広げる
- 進化論で考える

狭く深く見る「フォーカス」レンズ
- ユーザーになりきる
- テコを効かせる
- ツボを押さえる

思考をジャンプさせる「ヒネリ」レンズ
- 逆バリする
- 特異点を探す
- アナロジーで考える


さらに御立氏は,「見えないモノを見る重要性は,最近のロングテール現象への対応にも表れている」と持論を展開する.曰く,「サーチエンジンを使って自発的に者を探す人ばかりではないはず」とし,テールとヘッドの中間の,丁度なだらかに坂を降りてくる部分にこそ「見逃しがちな市場」があるのではないか,とのこと.要は見方を変えれば新市場が見えてくるというわけだ.

なんというか,単に技術力が高いとか,勉強ができるとか,それだけだでは「一流」にはなれないというか,社会に出てから私が思う「頭がいい人」って,例えば大勢の前で皆が納得する話ができる人だったり,誰も気付いていなかった「当たり前」のことに気付ける人だったり,そういうのってやっぱり様々なアングルから物事を見ることができて,物事の本質を捉えることができる人だと思う.

これは完全に個人的な意見だけど,関係無いようで実はものすごく重要だと思うのは「ユーモアのセンス」だったり.ジョークや話がおもしろい人っていうのは,少なくとも私の知る限り例外無く頭が良いし,洞察力が優れているからこそ人と違う発想ができたり,実はものすごく常識があるからこそ非常識なことが言えたりするような気がします.



0 コメント: