2007年4月22日日曜日

WYDKYDK - 何もない未来に向かって [diary]

ふとしたきっかけで,昔ある人が話してくれたことを思い出したので,ここに書いてみようと思う.


人には,それぞれ "WYKYK" という領域と,"WYKYDK" という領域がある.

- WYKYK (What You Know You Know)
「自分が知っていることを知っている」という領域.
例えば私は,自分がギターを弾けることを知っているし,特定のプラットフォームとプログラム言語でデジタル家電のソフトウェアを書けることを知っている.

- WYKYDK (What You Know You Don't Know)
「自分が知らないことを知っている」という領域.
例えば私は,自分がバイオリンを弾けないことを知っているし,ポルトガル語を話せないことを知っている.

そして多くの人は,この2つの領域が人生の全てだと思っている.


それで,少しでも WYKYK の領域,つまり知っていることを増やそうと,様々な訓練や勉強をするわけだ.


でも実際には,この2つは人生におけるほんの小さな部分で,実は大部分が "WYDKYDK (What You Don't Know You Don't Know)" という領域,つまり 「自分が知らないことすら知らない」 ことなのではないだろうか.


思いもしなかったことがあるから人生はおもしろい.知らないことすら知らないことが無限にあるのだから,あまり頭であれこれ考えずに,どんなことでもチャレンジすることが大事だということ.


例えば何か新しいことを始める時とか,あるいは好きな異性に告白する時など,「もしかしてダメなんじゃないか…」という考えがよぎったりするが,これから起きることなんだから,どんな結果になるかは誰にも分からないはずだ.だから結局「もしかしてダメなんじゃ…」っていう考えは,過去から来ているものなのだ.ドラマや映画でそんなシーンを見ていたり,自分や他人の過去の失敗例を沢山知りすぎているから.

でもそれって,未来を過去でペイントしているようなものなんですね.自分の未来にリミットをかけている.未来は真っ白で何もないんだって思えれば,新しい一歩が踏み出せるかもしれない.


これは有名なクイズだけど,

ここに2枚のコインがあって,その合計は55円です.
但し1枚は5円玉ではありません.

さて2枚のコインは何でしょう?

と言われた時に,この組み合わせは存在しないと思ってしまう人が多い.

答えは5円玉と50円玉.

1枚は5円玉ではないが,もう1枚が5円玉である…という単純なトリックだが,1枚が5円玉ではないと聞いて,2枚とも5円玉ではないと決めつけたがるのが人間なのだ.

「自分はこういう人間だから…」と決めつけてはいないだろうか.


どんな事象に対しても,「事実 (Fact)」という側面と「捉え方 (Perspective)」という側面がある.


例えばなにか失敗した時に,本質的にそこにあるのは「失敗した」という事実だけ.
「自分はダメな人間だ」「この仕事は向いてないんじゃないか」などは,全て Perspective だ.Fact を冷静に見つめれば良いものを,人は Perspective ばかり見ようとして,そこの声ばかり気にしたがる.


…以上のようなことは,良い悪いではなく,「人間」という動物が持つ性質であり,どこにでもありふれた,毎日見かけるごく普通で一般的な思考パターンだが,でもそれに気づくことに意義がある.


NIKE の CM の "Just Do It" って,実はものすごく深くて,素晴らしい名言だと思うんです.望むままに何でも全て叶えられるわけはないけれど, 頭で決めつけて諦めていれば叶うことさえ遠のいていく.

Just Do It.
とにかく,なんでも,やってみることですよ.

できない理由を考えてるヒマがあったら,やってみた方がいい.
「やれなかった」という結論の多くは,「やらなかった」だけなのだから.

自分から抜け出して,自分を客観的に,冷静に,良く見つめる機会を持とうと思う.
とにかくあれこれ考えずに,直感で何でもやってみようと思う.


I know, I know, you probably scream and cry
that your little world won't let you go...

But who in your measly little world are you tryin' to prove that
you are made out of gold and can't be sold?

-- Jimi Hendrix


2 コメント:

soho さんのコメント...

なんか思い悩んでた感にあたった話だな。

どうも過去にこだわってばかり(経験etc)
なかなか思い切ったことに踏み出せない。

でも事象の問題だろうが、
たしかに人生、知らないことすら知らないことばかりだ、というのが人生ほとんどなわけで。
踏み出さない自分が問題なんだよね。

なんか今回の話勇気もらった。

ある女が言ってた。
「やらなきゃ何も起こらないんだよ」と...

Toshiya Hasegawa さんのコメント...

きっと経験があればあるほど,恐怖心が生まれるんでしょうね.