一言で言ってしまうなら,音楽の素晴らしさを改めて実感する映画…でしょうか.
百聞は一見 (一聴) にしかずということで,とりあえず彼等の演奏をどうぞ.
私の場合イントロから,曲の持つ空気感のようなものに心を掴まれ,どんどん映画に惹き込まれていきました.
ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブは,ライ・クーダーとライ・クーダーが発掘したキューバのベテランミュージシャンで結成されたバンド.1999年に公開された同名のこの映画は,バンドの演奏を中心に,その経歴やキューバの日常を描いたドキュメンタリーです.
「ライ・クーダー」という名前にピンと来た方もいるでしょうが,ローリング・ストーンズファンにはおなじみのギタリストです.キース・リチャーズがそのスタイルや Honky Tonk Woman のリフを パクった 参考にしたという話,あるいは Love In Vain や Jamming with Edward! などへの参加も有名ですが,特筆すべきは Sister Morphine のスライドギターでしょう.
モルヒネの禁断症状を書いたこの曲は,狂気じみた歌詞と,キースのアコギとライ・クーダーのスライドの絡みが,死の香りを漂わせています.ミック・テイラーという天才を持ってしても,この雰囲気は出なかったんじゃないかと思います.
もちろんライ・クーダーのソロも素晴らしく,ブラック・クロウズがよくライブでカバーしていたこの曲などは大好きです.
話を映画に戻すと,そんなライ・クーダーはブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブとして出したアルバムを「35年の経歴の中で一番のお気に入り」と語り,特にイブライム・フェレールというミュージシャンをこう表現しています.
まるで「キューバのナット・キング・コール」だ.
こんな才能には,生涯に一度しか出会えないだろう.
ライ・クーダーにそこまで言わしめたイブライム・フェレール,素晴らしい歌声です.
「キューバ音楽」というジャンルに興味はありませんでしたが,ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブというバンドが持たらす空気感に触れてみるのは,オススメかもしれません.
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