2006年11月12日日曜日

上司にとっての「技術力」と「人間力」 [memo]

MIRACLE LINUX の CTO,吉岡さんの Blog より.
ユメのチカラ: hyoshiok 2.0

この上司という人、技術はわかっていないフリをするのだが実はそんなことは百もお見通しで、プロジェクトを成功させるのは技術(だけ)ではなくて、人だということをしっかり理解している。部下に「ったく、しょーがねーなぁ」とぶつぶつ言わせるのはモチベーションをキープさせるための巧みな作戦で、部下はその作戦にまんまとのかっちゃっているのである。上司は技術はわからないが人は見ているのである。

実際にここまで頭のまわる上司であれば問題は無いわけで…

そうすると、上司部下の凸凹コンビで、上司のパターンを技術力、人間力で分類すると4つになる。すなわち、1) 技術力もあり、人間力もある、2)技術力はあるが、人間力はない、3)技術力はないが、人間力はある、4)技術力も人間力もない。

私は,自分の上司には圧倒的に技術力の高い人を求める.というのも,その方が話が早いからだ.

自分の経験から話をすると,技術が分からない上司になにかを説明する時は,10のことを15ぐらい説明しなければいけなかったり,その挙句理解されなかったり,上司がその上司に説明する時に結局自分がついて行って代わりに説明しなければいけなかったり…そんな経験をした時に「ったく,しょーがねーなぁ」とは思っても,それでモチベーションが上がることは決して無かった.そういう人は「人間力もない」と言ってしまえばそれまでなんだけど.幸い今の直属の上司は叩き上げの職人で,3ぐらい言えば10分かってしまうような人だったりするので,非常に恵まれた環境にいると思う.

「人間力」というと非常に幅が広いが,例えば「決断力があること」とか「自分のビジョンを明確に示して,部下のモチベーションを上げること」とか「部下を信用して適切に権限委譲できること」などが非常に重要だと考えている.もちろんビジョンを持ちつつも変化に敏感でなければならないし,まあ言い出せばキリが無い…


ところで技術力の高い人ほど自分の考えを押しつけてしまい,周りがついて行けずに孤立してしまうケースもある.つまり技術力が高ければ高いほど柔軟に人の話を聞くこと,そしてみんなに分かる言葉で説明することが求められる訳で,結局人の上に立つ人間にとって「技術力」と「人間力」は切り離せないのかな,というのが私の結論.

ただやっぱり,どちらが先に来るべきかと言えば,それは「技術力」だと思うのだ.前も書いたけど,「名選手,名監督にあらず」とも,「名監督は名選手でなければならない」と思うのである.
Peace Pipe: 無言のコミュニケーションとリーダー論 [memo]

「名選手,名監督にあらず」と言ってしまえばそれまでだが,そこで1つ言っておきたいのは,その逆は真ではないということ,つまり「名監督は名選手でなければいけない」ということだ.自分が体験していないことを選手に伝えることはできない.開発現場だってそれは同じだ.メンバーはリーダーを,まずはリーダーではなく「プレーヤーとして尊敬できるか」という観点で見るし,自分でろくに設計・実装ができないリーダーは信用されない.そもそもそんな輩に工数を正しく見積ることなんてできっこない.


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