TOEIC の点数が英語の実力を測るのにあまり役立たない理由 [memo]
それは,speaking の科目がないから.
例えば私が「英語ができます」という人を面接するなら,日本語で答えても考えるのに精一杯という質問を出すだろう.日本語と英語に本質的にどれだけ差異があるかを見てみたいのだ.
それには,完全に賛否両論のテーマがいいように思う.
例えばこんな題目はどうだろう.
私が「はいどうぞ」と言った瞬間から,「妊娠中絶」について,賛成派と反対派の1人2役を演じ,両者の立場を建設的に示しながら英語でディベートをしてみてください.
但しその議論において,ファシリテーターがいた方が進行がスムーズになると判断するなら,ファシリテーターを加えた1人3役のプレゼンも許可します.
プライバシーに関わる問題なので,結論を出す必要はありません.
はいどうぞ.
もちろん以上のことは英語で伝える.
テーマは「同性愛者同士の結婚を法律的に認めるか」でもいいし,これらの質問が社会的にまずいなら「ウチの社員食堂はうまいかまずいか」についての1人ディベートプレゼンでもいい.
要は,テーマ自体を議論することに脳をフル回転させてもらい,「英語に訳す」という暇を一切排除することがポイントだ.
TOEIC には,listening はあるのに speaking がないのはまったく片手落ちとしか言いようがない.
英語の映画を字幕なしに観られるかどうかをテストしたいならそれでもいいが,
- 相手の言っていることが理解できて
- 自分の言いたいことが伝えられて
それではじめてコミュニケーションでしょう?
TOEIC の点数が良くても,その点数が証明するものは,せいぜい英語のドキュメントが読めて,英語のメールが書ける…ぐらいの業務レベルなのかもしれない.
で,もし本当にそうなら listening のパートはまったく不要というわけです.
以上,問題提起をする為に多少偏った見方をしているが,「英語が重要」と言った時に,それは文書によるやり取りを指しているのか,一方的にプレゼンができればいいのか,会話における説得力が必要なのか,全般的に広く浅く使えた方がいいのか…もちろん全部できることに越したことはないが,自分の中で優先順位は意識するべきだろう.それに応じて勉強方法も変わってくるに違いない.
今日,とある会議でとある人から「世界のエンジニアの中で英語が話せないのは日本人だけ.グローバルな開発では日本人が一番足をひっぱっている.英語が話せないエンジニアは C 言語が書けないのと同じ」という発言があった.その発言が大袈裟かどうかは置いといて,「これからのエンジニアに英語は必須」と言うなら,社員の TOEIC の点数だけを基準にするべきではない,ということが言いたかったわけです.
2 コメント:
そーですよねぇ。TOEICのCは…、やのに。なるべくTOEIC対策のためだけのベンキョウはしないようにしてますが、TOEIC点数と英会話力が乖離してます。。。訳さず英語のまま、のチカラをつけねばです。。。
っていうか TOEIC の C って Communication なんだね.
そういえば "TOEIC" が何の略かは意識したことがなかったよ.
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