サムスンの研究 [ce]
前回の「2015年のサムスン」に引き続き,サムスンのことをもっと知ってみようと手に取った本.内容的にはこちらの方がお勧めかもしれない.
本書は,サムスン内部の人間による基調講演などの証言や,専門家によるレポートを集めたもので,様々な角度からこの企業を見て取ることができる.
「LCD 戦略」や「TV 技術」など個人的に興味深かった内容はいくつもあったが,やはり圧巻は1993年から李 健熙会長が「家族以外は全て変えよう」とのメッセージと共に着手した経営改革だ.自ら世界中を飛び回り,68日間かけて1800人のサムスン幹部に新経営の内容を話したという.その内容は,A4用紙8500枚に記録されているそうだ.同じ年,携帯電話のあまりに高い不良率に激怒した彼は,15万台の在庫全てを回収し,その携帯電話の山に火をつけたという話も残されている (っていうかやりすぎだろ…).
全体を通してやはりつくづく感じるのは,この企業は非常に中長期的な戦略を持っているということである.目先のことばかりにとらわれて迷走しているメーカーとの差は開く一方だろう.
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