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2012年1月12日木曜日

Search, plus Your World - Google 検索は PageRank からソーシャルヘ [memo]

今日は朝から,Google+ のストリームがこの話題で持ち切りでした.

Official Google Blog: Search, plus Your World



Google+ と連動したソーシャル検索.
つまり,自分や友人の情報を元に,パーソナライズされた検索結果が提示される,ということです.

実際,曲にしてもラーメンにしてもニュース記事にしても,一般的に人気があるものより,友人や同じ趣味の人から勧められるものの方が,興味も信頼性も高いわけです.


詳細はこの辺りなど.
Googleが、Google+連携でソーシャル検索を実現。ここ数年で最も大きな検索の進化と発表 in the looop 斉藤徹
GoogleがGoogle+と密接に連動するソーシャル検索機能『Search plus your world』を公開 – トラフィック・マーケティングは人を中心とした次のフェイズへ - Over the Vertex of Technology by 朝山貴生
Suddenly, Google Is Winning the Online Identity Race
Sharing a search story - Matt Cutts: Gadgets, Google, and SEO


これに対して Twitter が激しく非難したり,
Twitter、Google+とGoogle検索との連携を激しく攻撃

またそれに対して Google が公式に反論したり,
Google - Google+ - We are a bit surprised by Twitter's comments about Search…

そもそも「Google+ と連動して意味があるのか」という指摘があったり,
Googleの言う「あなたの世界」は、Google+だけの世界

…という興味深い1日でした.


テクノロジー業界においては「プラットフォームを取るのが勝ち」が定説ですが,そのプラットフォームは年々上位レイヤに移行しています.

つまり,

かつてプラットフォームと言えばハードウェアだった
 → OS がプラットフォームとなった
 → iOS や Android もプラットフォームとなった
  → ブラウザがプラットフォームとなった (というかブラウザが OS になった)

…みたいな流れの中で,ソーシャルグラフの観点では Facebook がプラットフォームなわけですが,そこにどのような影響を与えるのか,個人的には注目しています.


以下,本当はきちんとまとめて本文中に書きたかったことなのですが,このエントリーは時間をかけるよりもタイムリーに公開した方が良いと思い,雑記として記しておきます.




【Google+ がデビューした時の感想】

最近は Facebook や Twitter よりも Google+ の方を良く見ていて,各所で UI が優れてるとか,先に関係を定義するユーザーグラフの作り方が新しいとか色々言われてますが,個人的には,G+ はまだ招待制なのでユーザーにコアな人が多いとか不思議な身内感があるとか,3rd party クライアントがまだ無いので「みんながそこにいる」というサービスとしての臨場感があるとか,その辺だと思ってる.

今後このまま面白い形をキープするかどうかは…どうなんだろね.

https://plus.google.com/111617911388903609906/posts/3Ro2iWNjFya


【Facebook と Google+ のソーシャルグラフは本質が違う・関係性を先に定義する,Google+ のサークルについて】
google+の挑戦はソーシャルグラフでは無く、リレーショングラフの可視化。リーチ力より、より狭い範囲へのレコメンド合戦が始まった - ASSIOMA


【そのサークルについて感じたこと】

サークルという考え方について.投稿する時にどのサークルに対しての発言か選べるから,独り言のようなつぶやきからプライベートなことまで,場合分けして安心して書ける…というのはその通り.読む時もサークルによって Twitter 的だったり Facebook 的だったり Tumblr 的だったり…というのも分かる.

特に誰かが言ってた,「Google+ は決まった形を持たない.情報を発信するサークルによって,メールにもブログにも SNS にもマイクロブログにもなりえる」という話も,確かに腑に落ちる.

でもなぜか,このサークルという概念が好きになれないというか,直感的に,破綻している気がしてならない.うまく説明できないんだけど...「いちいち選ばなきゃいけないようではダメ」なのかな...

https://plus.google.com/111617911388903609906/posts/Zo4T53JKUaQ


【今回の発表に対する @mehori さんの鋭い考察】

そう。ここが重要。「誰が情報を発信して」「誰に向かってシェアしたか」がわかるということは、いうなればページランクが生じるプロセスをみているわけで、ウェブが自己創出されるプロセスが検索可能になったということ。

https://plus.google.com/100366041156340390615/posts/hLgt1bG49qu


【みんな「ソーシャル,ソーシャル」言ってるけど,その1歩先を見据えた Kevin Rose の言葉】

> "social graph" の次は "interest graph" が来る #LeWebWed Dec 14 00:55:16 via SOICHA

> つまり個人の興味をグラフ化していくということ #LeWebWed Dec 14 00:55:25 via SOICHA

> "interest graph" を言い換えれば,"passive social" 最近は猫も杓子も「ソーシャル」でユーザーが疲弊してきているので,もっと受け身形でソーシャルの恩恵を受けられるように設計しなければいけない #LeWebWed Dec 14 00:55:39 via SOICHA




【(おまけその1) Facebook と笑っていいとも】

Facebook にブログのリンクをポストすると,みんな Like をつけてくれたりコメントをくれたり,とても嬉しいんだけど,「『笑っていいとも』はおもしろくなくても客が笑うからレギュラー降りた」って言ってた松ちゃんの言葉をふと思い出した.Thu Oct 27 14:53:30 via YoruFukurou




【(おまけその2) Facebook と mixi の違いについて】

後付けでソーシャルグラフなのがmixi、はなからソーシャルグラフを狙ったのがfacebookThu Jan 27 15:18:23 via twidroyd (original)




【(おまけその3) Facebook と Twitter の違いについての至言】

いいか、言うぞ。フェイスブックはヌルいんじゃボケー!チンコとか言ってみろよ。チンコ。Mon Oct 17 19:30:09 via Echofon



2008年12月5日金曜日

Google について知りたかった全てのこと [google]


…でも怖くて聞けなかったこと.

All about Google
View SlideShare presentation or Upload your own. (tags: google business)


元ネタはこちら.
Everything you always wanted to know about Google…


2007年11月2日金曜日

Google は web を破壊している (しかもあなたの知らないうちに) [google]

Alex Bosworth の Blog より,「Google が web を破壊している」という記事.
Google is destroying the web and you don't even know it

なかなかウィットに富んだ文章なので,興味のある方は目を通されると良いだろうが,内容の要点だけ意訳すると,

- 検索における Google の支配力はあまりに強く,地球上のほぼ全ての人に対して,インターネットのメインゲートとなっている

- あなたのサイトの集客率を上げたければ,Google の検索結果で上位に表示される必要があり,その為には Google の「ルール」に従う必要がある

- しかしこの SEO (検索エンジン最適化) が諸悪の根源

- Google は,あなたの運営するサイトにどんどんトラフィックを増やし,あなたが集客の為に施した努力の何百倍ものユーザーを連れてくる

- その様子を見ているうちに SEO に夢中になり,あなたの関心はサイトの内容やアイデア,純粋なユーザーコミュニティではなく,Google に好かれるかどうかになる

みたいなことが書かれている.

確かに「Google の検索結果で15位以内に入らなければ,そのサイトは存在しないのと同じ」と言われ,企業を相手にした SEO 専門のコンサル会社まであるぐらいだから,この話がそれ程大袈裟だとは思わない.なにかを検索した時に,上位に表示されるサイトは SEO に凝りに凝った無味乾燥なサイトで,検索結果の 2 - 3ページ目あたりに表示されるサイトが実は濃くておもしろい…なんていう逆転現象も,少なくとも過渡期ではあり得るかもしれない.

私は,そもそも SEO には懐疑的だし,麻薬のようなものだと思っている.

Google が本当に web を破壊しているかどうかは別として,ことインターネットの世界においては,個人的には「なるようになる」と思っている…というか,「なった姿が正解」で良いのではないだろうか.

どちらにしろ,インターネットによって破壊された国境の上に,誰かが新たな世界地図を描くのだ.


2007年7月26日木曜日

Road to CEO - Google 村上憲郎 [seminar]

リクルートエグゼクティブエージェントが主催し,今回で20回目となる "Road to CEO" という無料イベント.今回のゲストスピーカーは Google 副社長兼,Google Japan 代表取締役社長の村上憲郎氏ということで,足を運んでみました.
第20回 グーグル株式会社 代表取締役社長 村上憲郎氏

このイベントは,

次代を担う経営者予備軍に当る、30代を中心とするビジネスリーダーの皆様を毎回、オーディエンスとしてお迎えし開催しております。

オーディエンス対象
現在30代〜40代前半で、将来プロフェッショナル経営者を志向されている以下の方々
・事業リーダー、経営企画リーダーで、特にWEBビジネスを手掛けていらっしゃる方
・コンサルティングファーム出身者、もしくは在籍中で事業会社の中枢ポジションへの転身を目指している方

とのことで,会場もスーツを着た方がほとんどだったように思う.

個人的には,Google トップの話が聞けるというのもあったが,これからの仕事の絡みもあって,トップマネージメントや成功体験を勝ち得た人の話から,なにかしらのヒントをつかみたいという思いがあった.

また,このようなイベントでは常にスピーカーのプレゼン技術にも注目する.今回は「トークセッション」の名の通り,プレゼンというよりは,ファシリテーター2人が村上氏に質問をしていく形式だったが,村上氏の public speaking スキルとしては「普通」だったように思う.話すリズムやテンポは一定で,1点を見つめて話し,ホストやオーディエンスともアイコンタクトを取らない (さすがに Q&A セッションでは質問者の方を見ていたが).

質問に対してすぐに答えを言わず,経緯や前置きを存分に話した後にやっと本題に触れることが多く,個人的には若干まわりくどく感じた.Yes/No で答えられる質問もしばらく背景を話した後に答えたり,最後まで元々の質問に回答せずに話が終わったこともあった.

以下,印象に残った発言をいくつかピックアップしておきます.



- なぜ初代日本法人社長が村上氏に決まったか

英語ができて,コンピュータができて,マネージメントができる人間が探されていた.

粒揃いの若者が集まっている technology oriented の会社をリードし,respect を勝ち取ることができ,テクノロジーに対する洞察力を持っていなければならない.

Eric Schmidt (Google CEO) に「でも私は最近のプログラミングは分からないよ」と言ったら「お前なら分かったふりができる」と言われた.


- Page と Brin について

知力に支えられたとんがり具合がある.

あまり多くを語らない (特に Larry Page).

それぞれスタイルは違うが,テクノロジーに対する洞察力・勘の良さはすごい.


- 当時の Google の日本に対する興味

Google は matrix organization を取っており,機能 (縦軸) と 地域 (横軸) で組織が構成されている.

地域は North America (アメリカ・カナダ),Europe/Middle East/Africa,Japan,Rest of the world の4つ.

つまり日本だけがシングルカントリーであり,経済的にも文化的にも非常にユニークな地域として認識されていた.

言語的特徴だけではなく,多くのタレントがいるという意味でも注目されている.


- Yahoo について

よく Yahoo と競合していると言われるが,その概念は希薄 (「競合していない」と言うと嘘になるから否定もしないが…).

ビジネスモデルとしては対局にある.

Web page の人気度を,page view ではなく「滞在時間」で計った統計があるが,Google は「情報を指し示す」ことが使命であり,目標は滞在時間0.

その統計によると,Yahoo が1位.
Google は22位だからまだ我々は良い仕事をしていない.滞在時間で Google は最下位にならなければいけない.


- 人工知能に対する興味はいつから?

「2001年宇宙の旅」を見てから.


- 経営者としてのスタート

30歳で DEC に転職した時,エンジニアではなく営業として入った.

実際には,本屋で「男を磨くのはセールスだ」という本を見たからという安直な理由だが,エンジニアとしてだけでは視野が狭くなる.


- 違う分野に入り込んだ時に身につけるスピード感

日立電子時代,それぞれの専門分野に話を聞きに行き,それを仕様書にまとめなければいけなかった.

内容を理解する為に,その日の帰りに本屋でその分野に関する「一番薄い本」を探し,一晩で読んでなんとか内容を理解していた.

その時身についた技術は,
(1) 薄い本を見つける技術
(2) 速読
(3) 分からないものはそのままにしといて,分かったところだけを繋ぎ合わせてでっちあげる技術

実はこれで大体は外れない.
「つまりこういことに違いない」と大胆不敵に思い込むこと.


- Google で「つまりこういうことだろう」と言うのは大変では?

仮定として間違っている.

Google ではそれぞれの分野で,「下手するとこいつ以上のやつは世界にいない」という人間が集まっている.

その人間以上のアウトプットを期待するのは間違っている.基本的に組織はフラット.

スーパーバイザーがなにかを指示しているという感じはない.あまりマネージメントという概念はない.


- では Google におけるマネージメントとは?

先ほどの matrix organization が,塊として整合性を持っているかというチェック機能.

マネージメントというよりもチェック.

外資の日本法人を預る立場としては,Google に限らずそういう側面が強い.


- 英語について

ひたすら英語をやりなさい.

英語「を」勉強したらだめ.
英語「で」勉強しなさい.

大学に入る前の若い人には「これからは英語ができないと何もできない」といつも話している.


- Google の PR 戦略は?

特殊なことはやっていない.
広報として伝えたいこと,記者の興味があることを,的確に地道にやっているだけ.


- Googlezon (Google と Amazon が合併して世界を席巻するのでは,という憶測) についてはどう思う?

まったくのお笑い,ヨタ話.

いろんな流行語が飛びかっている.
"Web 2.0" はもう古いの?
「Google はあちら側」とか言われて,「なんだもう死んじゃったのか」と思った (笑).

我々は,そういう話からは意識的に距離を置いている.

我々のビジネスモデルは非常にシンプル.
世界のあらゆる情報をインデックス化して情報のありかにブリッジすること *しか* やっていない.

この使命を成し遂げるには,200年ぐらいかかると思っている.

Web 2.0 だかなんだか知らないが,Web 3.0 でも Web 200 でも,どんな言葉で言われようと,ひたすらこのミッションを全うしていくだけ.

情報もコンテンツも,所有も占有もしない.
Googlezon なんてありえない.
シンプルに検索をしていく,それしか見えていない.


- 無償のポリシーについて

Google のサービスは無償で提供する.

どうやったら金儲けに繋がるかと考えた瞬間に,サービスが本質からねじれてくる.

自分の友達・家族・コミュニティに喜んでもらえることだけを考えて作る.

だから財務的には広告収入 (シンプルかつ情報としても有益) に力を入れている.


- どんな部下であれば評価したり出世させたいと思うか

それぞれのところで delegation (委任) させたい.

担当しているところでは,その人が一番詳しく知っていなければいけない.

「『どうしましょう?』ということだけは言うな」と言っている.自分以外にこの問題を解決できる人間はいないと思わなければいけない.

困った時は上げれば良いが,せめて案をいくつか持ってくること.A 案・B 案・C 案と持ってきたら「君ならどれがいいの?」と聞く.そいつが「うーん,多分 A 案」と言ったら迷わず A 案を選択する.例えそれが間違っていても,それが会社の実力.そして「責任は2人で取ろうね」と言う (「お前が責任を取れ」とも「俺が責任を取る」とも言わない).


- Google でもタレントマネージメントが必要か

Google はタレントの塊.
あるとしたら,フェアネスを強調していくこと.ゴールを,本人・会社双方の目標として決める.

もう1つは,その中でも秀でた成果に対してアワードを与える仕組みを作り,祝福してやること.


- 経営者という観点で,重要だと思っている要素

仕事をやりやすくすることが私の仕事.そういう環境・文化を作ること.

いつかは自分の部下の中から,将来の外資系の社長を輩出したい.


- 5年後10年後に経営者として育てたい人材のどこを見ているか

向上心があること.自己啓発をする人間.

明らかに「成長」している人間.
四半期ごとに,明らかに脱皮している人間というのがどうしてもいる.


- Google が発見した10の事実 の10番目,「すばらしい、では足りない。」について詳しく

自戒しないと天狗になる.

Google のサービスには,いつまでも beta とついている.

いつまでも「まだだ」と思っている.

いつまでもユーザーの声を求め続けたい.


- 経営者として,継続的に利益を出しながらサービスを出すコツ

特別な Google 流の秘策はない.

マーケット・コンペティターの動向を見て,ニーズを分析すること.


2007年5月31日木曜日

Google Developer Day 2007 Tokyo [seminar]

DSC00718.JPG
Google Developer Day に行ってきました.
Google Developer Day 2007 - 東京

開発者の為の,丸1日のテクノロジーセミナーということで,普段これほどまとまって技術に特化した話が聞ける機会もないし,そこに訪れる人との交流も楽しみにしていた.

今日のスケジュールはこんな感じ.

10:00 - 12:00 基調講演
- Google Uber Tech Lead/Manager: Greg Stein
 (オープンソース界の有名人)

- はてな CTO: 伊藤 直也
 (ゲストスピーチ)

- Google シニアプロダクトマネージャー: 及川 卓也
 (マイクロソフトのグループマネージャーとして有名だった人)

午後は2トラックに分かれてのブレイクアウトセッション
13:00 - 14:00
G-1 Google Maps API Introduction
  Chris Atenasio
H-1 Google Gadgets API
  Sophia Brueckner

14:15 - 15:15
G-2 KML Geographical Format For Earth & Maps
  Bruno Bowden
H-2 Google Desktop Gadgets
  James Yum

15:30 - 16:30
G-3 Intro to Google Data APIs: Mashing up Google Calendar, Spreadsheets and more!
  Ryan Boyd
H-3 Google AJAX API
  小俣 裕一

16:45 - 17:45
G-4 Making Maps Mashups Discoverable
  Adam Schuck
H-4 Software Engineer in Google
  鵜飼 文敏

18:00 - 19:30
レセプションパーティー


まず,専用の無線 LAN や同時通訳レシーバーが用意されていたり,無料イベントにも関わらず昼食にはお弁当が出たりなど,とにかくファシリテーションやサービスが素晴らしかった.ロビーにバランスボールがいくつも置いてあったのも,Google らしい.

内容については,資料が全て冒頭の URL にアップされ,また各セッションを撮影したビデオも YouTube に公開される予定とのこと.また,Developer Day Blog にも速報が掲載されている.


ということで,ここではパーティーで Greg Stein 氏と話したエピソードを紹介しておきます.

彼はオープンソース界でとても有名な人で,Google でオープンソースの方向性を打ち出していたり,Apache Software Foundation のチェアマンを務めていたりしますが,彼に「家電の世界でオープンソースは成功すると思うか?」と聞いてみました.

要約すると,

うーん,難しいと思う.

オープンソースというのは,コミュニティがとても大事.
特定のメーカーや製品でソースコードをオープンにしても,コミュニティが育つかどうかは疑問.

ということは,誰でもその製品が手に入れられるように,とても安く売らなければいけなくなるが,それはできないでしょう?

PC なら,メーカーが違っても基本的にプラットフォームが同じだし,1人1台の時代にきている.

さらに,コンテンツプロバイダー (テレビや STB なら放送局とか) だって嫌がると思う.

とのこと.

ま,ごもっとも.


2007年4月4日水曜日

Google PSO World Tour 2007 Tokyo [seminar]

DSC01393.JPG
Google のオープンハウスに行ってきました.
前回 とは少し趣が異なり,今回は Google の PSO (Partner Solutions Organization) が,その活動趣旨・内容を紹介する為に,世界各地で開催しているイベント.

PSO とは,ビジネスパートナーに対して技術面でソリューションを展開する組織のようで,なんでも Google は全収益の40%をパートナーとのビジネスから得ているとのこと.

http://www.google.com/pso

ということで,「技術講演」と題されたプレゼンも,どちらかというとビジネス寄り,というかむしろ「宣伝」に近いものがあったような気がするが,Google Video や日本の KDDI との提携におけるケーススタディなど,それなりに興味深い話もあった.

なかでも印象的だったのは,プレゼンターの Dora Hsu 氏 (Mountain View 本社から来た Google PSO のディレクター) が,あの Netscape ブラウザの元開発者であり,マイクロソフトとの戦争とその敗北から,ビジネスモデルを確立することが重要だと痛感して,Google 移籍後にパートナーソリューションの世界に飛び込んだという話.

「エンジニアも business perspective を持たなければいけない」という彼女の言葉には,なんとも重みがあった.

懇親会では,私が勤める会社出身の Google Japan のスタッフの方に会ったりもしました.


2007年3月13日火曜日

QA と QC とテストエンジニアリングの違い [google]

Google Testing Blog より,QA と QC とテストエンジニアリングの違いについて.
Google Testing Blog: The difference between QA, QC, and Test Engineering

コミュニケーションを円滑に進める為に「用語の定義」は非常に大切だが,重要なのは世間一般の定義よりも,その組織 (や関連組織間) で定義が統一され,役割が明確になることだと思う.

ということで,これはあくまでも Google Testing Team の見解に過ぎないが,まあなにかの参考にはなるかな,と.


まず QC (Quality Control) はというと…

In the classic definition QC is short for Quality Control, a process of verifying predefined requirements for quality.

(QC は元来 Quality Control (品質管理) であり,品質に関する,決められた要件を確認するプロセスである)


For software the QC function may involve checking the software against a set of requirements and verifying that the software meets the predefined requirements.

(ソフトウェアの世界では,QC の機能は,例えばソフトの一連の要件に対する確認だったり,ソフトが決められた要件を満たしているかの立証だったりするだろう)



そして QA (Quality Assurance) は…

Quality Assurance, on the other hand, is much more about providing the continuous and consistent improvement and maintenance of process that enables the QC job.

(一方で Quality Assurance (品質保証) は,QC を上手くまわす為の,首尾一貫した継続的な,改善・保守活動である)



つまり…

We use the QC process to verify a product does what we think it does, and we use the QA process to give us confidence that the product will meet the needs of customers.

(QC は製品が想定通りの挙動をするかどうかの確認であり,QA は製品が顧客の要求を満たすことができるかどうかの確証を得るためのものだ)


To that end the QA process can be considered a meta process that includes aspects of the QC process. It also goes beyond that to influence usability and design, to verify that functionality is not only correct, but useful.

(その為,QA プロセスは QC の側面を持つメタプロセスと解釈することができる.さらにはそれを超えて,機能要件が満たされているだけではなく,便利であることを確証する為に,ユーザビリティやデザインにまで影響を及ぼす)



さて,ここまでは一般的な話で,ここからが彼らの本題.

Here at Google, we tend to take a third approach that we call Test Engineering. We look at this as a bridge between the meta world of QA and the concrete world of QC. Our approach allows us to ensure that we get the opportunity to think about customers and their needs, while we still provide results that are needed on day to day engineering projects.

(Google では,「テストエンジニアリング」という,第3のアプローチを取っている.これはメタ世界の QA と,実世界の QC を橋渡しするものと捉えている.つまり我々のアプローチは,日々のエンジニアリングプロジェクトで成果を出しながらも,同時に顧客と顧客の要求を確実に考慮入れることを可能とする)



それで,Google Testing Team はソフトエンジニアと QA / QC もやりつつ,テスト容易性を高める工夫をしたり,設計ドキュメントをレビューして test hook の要求をしたりしますよーみたいな内容に続くのだが,目を引いたのはこの一文 (の後半部分,というか訳だと前半部分か).

We put an emphasis on building automated tests so that we can let people do what people are good at, and have computers do what computers are good at.

(人間には人間の得意なことをやらせ,コンピューターにはコンピューターの得意なことをやらせる為に,自動化テストの構築に重きを置いている)



日本でもテストエンジニアの地位が向上しますように.

あ,訳はいつも通り,意訳です.


2007年2月14日水曜日

Google の TV に対するアプローチの真意は? [ce]

日本ではあまり話題になっていないが,海外では最近の Vincent Dureau 氏の発言が話題を集めているようだ.
Google and cable firms warn of risks from Web TV - Reuters.com

Google で "Head of TV Technology" という肩書きを持つ Dureau 氏は,OpenTV の CTO という立場から去年 Google に移籍し,去年末の「デジタル・テレビの新たな挑戦」 でも来日講演していた人.

この記事は,「YouTube などの動画配信サービスが,ネットワークを破壊しかねない」と警鐘を鳴らしている.1時間のビデオ試聴に必要なデータは1年分の e-mail に相当し,現状のインターネット上り回線のトラフィックの60%は peer-to-peer で,そのほとんどが動画であるとのことだ.

そして議論の中心は,(YouTube を買収した) Google の,TV のヘッドである Dureau 氏が,「インターネットは TV の為にデザインされたものではない」と発言したことである.

The Web infrastructure, and even Google's (infrastructure) doesn't scale. It's not going to offer the quality of service that consumers expect

(ウェブのインフラは,例え Google が持つインフラを使っても,スケールするものではない.ユーザーの期待を満たせるだけのクオリティは出せないと考える.)


さらに,とある (Google に TVビジネスの利益まで支配されると懸念していた) ケーブル会社の経営者が「Google がビデオをスケールできないなんて最高のニュースだ」と語ったというエピソードまで紹介されている.

USA TODAY や PC Magazine,CNET なども同様の報道をしているし,Google の主張に懐疑的な 記事 や,「数々のビジネスを破壊してきたインターネットが,その限界にきている」としている 記事 なども見受けられる.


…と,実はここまでは前置きで,本当に興味深いのは以下の記事だ.
GigaOM >> Google: Web is OK for TV (despite what you may have read)
「Google 曰く Web は TV に問題ない (あなたが何を読んだかしらないけど)」というタイトル (意訳) がつけられたこちらの記事は,世間の報道は Google が言うことを真に受けすぎだと忠告している.

この筆者が他の Google 社員に裏を取った結果,「Dureau 氏の発言はその文脈を無視して報道されており,この発言はたまたまケーブルセットトップボックスと Google 間のインフラについてのボトルネックの可能性を質問された回答として語ったもので,現実には Google のインフラは問題無くスケールするし,web で TV を見ることにもまったく問題は無い」とのことだった.

そして筆者は,この発言はむしろ「(ケーブル会社のせいで) Google が家庭まで手を延ばせないからスケールできない」という主張を語ったのではないか,と予想している.

筆者も Dureau 氏の発言を直接聞いたわけではなく,これ以上は想像の域を超えないと認めているが,まともに捉えるにはあまりに Google らしくない発言だとしている.


この記事のコメント欄にもあるが,TV 放映がブロードキャストであるのに対して,インターネットの動画配信がユニキャストであるのは事実.Google がそのインフラを活かして,Google のサーバー経由でケーブルを取り込みたい意図はあるのかもしれない.


いずれにしても,Google だけでなく,Microsoft や Apple,Yahoo など,数々のインターネット・PC 企業が,それぞれのアプローチで TV の座を狙っていることは間違いない.もちろん,これまでその位置を占めていた家電メーカーも黙ってはいない.これから,これらの企業間でどんな凌ぎ合いがあるのだろうか.我々の10年後のリビングルームは,ライフスタイルは,どんなものになっていることだろうか.


2007年2月3日土曜日

Google 技術講演会 [seminar]

DSC01137.JPG

Google の技術講演会・懇親会に呼んでもらったので,行ってきました.
Google がリクルーティングを兼ねて様々な講演会を開催しているとは聞いていたけど,帰りに頂いたお土産の中にも Google Japan の job openings の案内が入っていたことから,少なからずその要素もあったのかもしれない.

エンジニアリングディレクターのマグラス みづ紀氏や Debian Developer の鵜飼 文敏氏を始め,Google のエンジニアも多数顔を見せていた.

内容については,Blog で公開しても良いとのことなので,簡単にサマリーをレポートします.


Google の職場環境について
1人目のプレゼンターは南野 朋之氏.東工大出身の工学博士で,"blogWatcher" や "なんでもRSS!" などの開発者としても有名.

20%ルールなどから生まれたアイデア・実験から,デモを通して社員の声を集め,チームを増員して Beta 公開し,さらにユーザーの声を集める…といった,プロジェクトが生まれてからローンチされるまでの過程を説明.

- 1つのプロジェクトにエンジニアは 4 - 5名程度
- 四半期ごとに目標 (短期・長期) を立て,成果を評価
- エンジニアリングチームは世界で1つ
- 世界中の Google 社員の週報が読める
 (同じ興味を持つエンジアや開発グループを見つけることができる)
- 全ての Google のソースコードにアクセス可能
- 数千台のクラスタや Peta-bytes 級のストレージといった Google のインフラにアクセス可能で,やりたいことが簡単に試せる環境

など,既に聞いたことのある話も多かったが,印象的だったのは,しっかりドキュメントを残す文化があるということ.

Google には「百聞は "デモ" にしかず」という言葉がある通り,とにかく動くモノをまず見せることが要求されるそうだが,「デモを見せろ」という言葉と同じぐらいよく言われるのが「ドキュメントを見せろ」という言葉だそうで,ソースコードを書く前にまずドキュメントを書かなければいけないらしい.

懇親会で南野氏と少しお話して,「Mountain View の本社と東京オフィスで環境は違いますか?」と聞いたところ,「もちろん (本社で有名な) シェフの料理とかは東京にはないけど,基本的に職場の雰囲気は変わらない」と言っていた.


Gmail の開発について
2人目のプレゼンターは Gmail の初期開発メンバーで,Google のシニアエンジニアの Darick Tong 氏.

「人々のメールの使い方を再定義したかった」
- Google のサーチテクノロジーの応用
- メールのマイクロマネージメントの終焉
 (フォルダではなくラベルへ)
- かしこいスパムフィルター
- カンバセーションモデル
- チャットとの融合

などという動機から始めたプロジェクトにおいて,ストレージ,サーチ,スパム,UI といった側面から,様々な技術課題とその解決方法,さらに今後の展望を説明.

特にサーチの部分で,"Everything is a search" と話していたが,例えば Inbox や Sent Mail などを表示する時も,内部的にはメールを検索しているだけらしい.

私も Gmail を利用しており,そのシステムが availability と performance の両立という難しい課題を見事に表現しているだけでなく,例えば返信メールの引用部分を隠すといった細かい部分の usability まで行き届いていることに非常に感心していたが,彼の話を聞いて改めて 「デスクトップアプリケーションライクな "better webmail"」を作るという理念とその細かい配慮を感じた.


Bigtable について
3人目のプレゼンターは,ITPro で連載していた 作って理解する Ajax や @IT のインタビュー なでもお馴染の工藤 拓氏.

内容は Google のデータベース,"Bigtable" について.
コストやスケーラビリティの問題だけでなく,「必要なものは自分達で作る」という Google の方針に則り,データベースも MySQL やオラクルなどを使うのではなく自前で作っているのだとか.

現在では,MapReduce, Google Reader, Google Maps, Google Book Search, My Search History, Google Earth, Blogger など,様々な Google のアプリケーションで利用されている.

構造は基本的にシンプルで,言わば大きなスプレッドシートのようなものだが,縦軸・横軸だけではなく,「時間」という軸があり,さらに横軸は辞書順にソートされている,"multi-dimensional sparse sorted map" であるとのこと.

BigTable の詳細については,Google から 正式論文 が出ているので,興味のある方はそちらを参照すると良いだろう.


2007年1月27日土曜日

Google が Testing Blog を開始,その名も "Testing on the Toilet" [memo]

Slashdot 経由.Google が Testing Blog を開始した.
Google Testing Blog: Introducing "Testing on the Toilet"
Slashdot - Google Releases 'Testing on the Toilet'

テストに関するノウハウや tips などを紹介し,さらにそのエントリーは,プリントアウトしてトイレの壁に貼っておけるように PDF でダウンロード可能にするとのこと.それで "Testing on the Toilet" とはタチの悪い冗談だ…と思ったら,驚くことに Google 社内のトイレには,本当にテストに関するネタがベタベタと貼ってあるらしく,読者がオフィスで同じことをやり,テストの普及,啓蒙をすることを,本気で勧めているようだ.

ネーミングセンスは置いといたとしても,テストの重要性と情熱を少しでも世界に広めようとするこの Blog のコンセプトは,最高に素晴らしい.


一般的にソフトウェアにおいて「テスト」が軽視されがちなのは事実であり,また非常に残念でもある.

ところが,ソフトの重要性を分かっている会社には「テストエンジニア」という肩書きが存在する.彼等は開発エンジニアになれなかった人間ではなく,あえてテスティングを選んだ人間で,高い専門性と技術力を持ち,開発エンジニアと同等の地位が認められている.

例えば Microsoft には開発エンジニアとほぼ同数のテストエンジニアがいると聞くし,Apple で QuickTime 2.0 - 5.0 までのチーフアーキテクトはテストエンジニア出身なのだとか.


2007年1月11日木曜日

Google が「働きやすい企業」トップ [memo]

ITmedia より.
ITmedia News:Google、Fortune誌の「働きやすい企業」トップに

1日に1300通もの履歴書が送られてくるとか.

Slashdot でも盛り上がってます.
Slashdot: Google Tops 100 Best Places To Work


2006年12月15日金曜日

デジタル・テレビの新たな挑戦 [ce]

先日,日経エレクトロニクスが主催する「デジタル・テレビの新たな挑戦」というセミナーに参加してきた.

プレゼンターは以下の通り:

- デジタル家電をネットにつなぐ - プラットフォームからの取組み
 松下電器: 戸倉 毅氏

- ネットワーク時代のテレビ用アプリケーションのアーキテクチャ
 UI Evolution: 中島 聡氏

- 「Yahoo! Everywhere構想」とデジタル・ホーム・エンジン
 Yahoo Japan: 坂東 浩之氏

- IPTVの時代のネットとデジタル家電
 Cisco Systems: 山崎 年正氏

- 互換DRMをうたうCoralとMarlinの役割とは
 Intertrust Technologies: Jack Lacy 氏

- Bringing innovation to Television
 Google: Vincent Dureau 氏


詳細はこちら.
http://techon.nikkeibp.co.jp/seminar/061212.html


Google の "Head of TV Technology" の Dureau 氏や,Life is beautiful で日本の alpha blogger としてお馴染の中島氏のプレゼンが聞けるということで,非常に楽しみにしていた.

丸1日のセッションで,細かく報告するにはボリュームが膨大なことと,内容にどこまで公共性があるか分からないので,以下は私の所感を中心に記述したいと思う.


まずプレゼンターを見ると,デジタルテレビの動向に敏感な日経エレが「ぜひ話を聞いてみたい」と集めた講演者の中で,家電メーカーが松下だけというのが象徴的だ.「ブロードバンドがテレビ/デジタル家電を変える」という副題ではあるものの,テレビのセミナーで Yahoo や Google, Cisco が呼ばれるところが今日の時代を表わしているのかもしれない (そういう意味では,確かに松下は Tナビや Viera LINK でネットワークに対する積極性,また HD-PLC のようなインフラに対するアプローチや UniPhier のようなプラットフォームに対する取り組みを見せている).

また複数の方が,まるで口裏を合わせたかのように「テレビでブラウザを見ることには意味が無い」との見解を示していたのも印象的で,いかに「テレビとしてのネットワークをユーザーに提供するか」という点が今後ポイントになってくるのだろう.

「家にある家電をネットワークで繋ぎ,サーバー側の UI をテレビで表示する」ということについて強調し,そのデモを行っていた方がいた.こうすることにより,デバイス毎に応じた操作が実現できる上に将来機器に対しても対応可能というものだが,実はこれは昔からある概念で,例えば IEEE1394 (i.LINK,もしくは FireWire) の AVC ではとっくに標準化されている (EIA-775 OSD 伝送・Command Path Through).当時はデバイス間の歩調も合わなかったが,ようやくこのような仕組みが一般家庭にも到来するのかもしれないと胸を踊らせたくなる一方で,「このようなセミナーでこれほどの方が,まだこんなことを説明しなくてはいけないのか」という歯痒さを感じた.


この手の講演では,その内容だけでなく講演者のプレゼンテクニックにも非常に注目する私であるが,中島さんの 「色に情報を運ばせるテクニック」 は確かに説得力があったし,彼や Dureau 氏はスライドにほとんど文字を書かず,あくまで「スピーカーに注目させる」というスタイルで聴衆を魅きつけていたように思う.

Lacy 氏は,スライドは文字だらけだったが,スピーキングに関してはピカ一だった.話し方にメリハリがあり,"ah..." とか"um..." などという言葉はほとんど聞かれなかった (日本語でも,話し始める前に「えー」とか「あのー」と言わずにスピーチすることは非常に難しい).

逆に口調にまったく起伏がなく,アイコンタクトもほとんど行わずに自分の PC を見ながらボソボソと話し,こちらが眠くなってしまうようなプレゼンターもいた.


Dureau 氏が Google という企業の特性について,こんなことを言っていたのが印象に残っている.

世間は Google がミステリーに包まれていると思い,どんなプランを練っているのかと語りたがる.

Google の最大のミステリーはミステリーが無いこと,
そして Google の最大のプランはプランが無いことなんですよ.

我々は,3ヶ月先のことは考えるけど,3年先のことは考えないんです.



話をデジタルテレビに戻そう.

私は「インターネットの世界が体験した (している) 変革が,家電の世界にもいずれ到来する」と何度かこの Blog で述べてきた.

ことテレビにおいては,必ず1家に1台,それもリビングの中心に存在し,またお年寄りから子供まで,男女問わず幅広く受け入れられなければいけない.ユーザーエクスペリエンスを追及するには,モノ作り冥利に尽きる,これほど魅力的な製品があるだろうか.

「放送と通信の融合」という言葉は既に使い古された感がある.そんな議論をしているぐらいだったら,できれば自らの手でテレビに変革を持たらしたいものだ.


2006年11月23日木曜日

半年以内に Google OS が登場する? [memo]

Read/Write Web の記事より.
GoogleOS: What To Expect

Google が独自の OS をリリースするという可能性において,3つのシナリオを描いている.


1. ウェブベースのデスクトップ
「AJAX で動く Windows のようなデスクトップ.つまり Web OS.ウェブ上のバーチャルデスクトップを指す」


2. フル機能 Linux ディストリビューション
「最近の Linux UI の進歩は,Windows や MacOS を追撃できるところまで来ていると言われてる.Google が Ubuntu を買収するのではないかと噂も」


3. 軽量 Linux ディストリビューション (もしくは BIOS)
「単純に PC を起動し,インターネットに接続して Firefox を立ち上げるだけ.あとは Google のウェブサイトやオンラインアプリに任せる」


そしてこの記事は結論として,半年以内になにかしらの動きがあると言及している.

We believe that everything will become much clearer in the following 6 months. Microsoft will put pressure on Google with its Vista OS, which will receive relatively high adoption just like any other new Windows release (although probably not as high as historically Microsoft has enjoyed!). As Vista's adoption increases, so will the adoption of its default search engine Live Search. From Microsoft's perspective, this will have a positive effect on all Live and MSN sites. What end users are looking for is ease-of-use and satisfactory experiences - which in a lot of cases starts from the Vista OS.

In that scenario, Google's usage rates may be negatively affected. So we predict at that point, Google will start a more punchy strategy - pushing Firefox and some form of Google OS. Yahoo! has already responded to the Microsoft threat in a friendly fashion, by offering a customized IE7 for its users. But we think Google will be more aggressive and competitive and will push their own OS. The GoogleOS may be a reality within 6 months!

「Microsoft が Vista をリリースすることにより,Live Search のシェアが拡大することが予想される.Yahoo! はこの脅威に対して『カスタマイズされた IE7 を提供する』という友好的な解決方法を取ったが,Google はもっとアグレッシブかつ挑戦的に来るだろう.半年以内には,Google OS が現実になっているかもしれない」(要約)


考えてみれば「Windows が Vista に移行する」というのは1つのパラダイムシフトなわけで,Google (や他のライバル企業) が何かのアクションを起こすタイミングにはなるかもしれない.Google (や他のライバル企業) が,Vista について何も手を考えていないということもないだろう.言い換えれば,Vista のリリースは Microsoft にとってチャンスであると同時に,ピンチにもなり兼ねないということだ.

確かに,いくら現状の Mac OS X が Vista よりも既に優れていると誇示したところで,Google が OS をリリースするとなれば,全ての話題をさらってしまうだろう.

一方で,Google が本当に OS に乗り出すかと言えば私は少し懐疑的だ.というかそれを手段とすることはあっても目的ではないだろうな,と思う.


この手の Google についての記事はたくさんあるが,ここでは日本の Alpha Blogger として,Google OS については中島さん,
Life is beautiful: Google OS を妄想すると未来が見えてくる!?
Google の将来については梅田さん,
My Life Between Silicon Valley and Japan - 「グーグルの遠い未来」4つのシナリオ
のエントリーも合わせて紹介しておこう.


2006年11月15日水曜日

Google はいずれ大企業病に陥るか? [memo]

Google の Head of Special Initiatives,Chris Sacca の Blog より.
Chris Sacca's 'What is left?': Did you get the memo about the new cover sheets we are using?
要は Google が,規模が大きくなり「大企業病」にかかることが一番心配だ,と言っている.


Yet, as the company gets bigger, the temptation is to introduce additional layers of management and bureaucracy and these are the enemies of innovation.

その通り.
かつては遊び心が満載だった小さな企業が,成功の代償に大企業病に陥り,社内には「マネージャー」という名前の政治家が蔓延し,極限まで動きが鈍くなった末に一体誰の為に作っているのか分からないプロダクトしか作れなくなってしまう例は実際にある.


I hear the same two things from those in organizations that are no longer innovating: 1) They never get to work on teams smaller than 200 people and 2) They haven't launched anything in years.

「革新ができなくなった企業に共通して言えることは,1) 200人未満のチームで作業をすることが無い,2) 長年に渡って世に対してリリースしていない」とのこと.

2) については,なんでも出荷すれば良いという訳ではないと思うので,「エンジニアが自ら惚れ込み,自ら『欲しい』と思えるプロダクトをリリースしていない」と意訳したいところだ.


笑ってしまったのが,警告すべきサイン (the potential big company pitfall) として,例えば「特に途中から Google に入社した社員は縄張り争いをしたり…」などと Sacca が挙げている中で,

I have seen a few mid-level bosses evoke the traditions of Japanese management and schedule "pre-meetings" to plan, discuss, and approve what will be planned, discussed and approved at the actual meeting itself.

「何人かの中間管理職が日本流マネージメントの流儀を持ち込み,本来のミーティングで話すべきことを話す為の『プレミーティング』を行っているのを見たことがある」という一文.

最近やたらと「プレ〜会議」という言葉に聞き覚えがあるのは私だけだろうか.


そしてこの記事の最後は,こう締められている.

For those of you from Google who read my blog, thanks in advance for your help in keeping it a place where freedom to innovate is the rule and not the exception.

「私の Blog を読んでいる Google 社員の方達よ,Google において革新することの自由が至極当たり前であるという環境を保つ努力をしてくれること,前もってお礼を言っておくよ」(少し意訳)

なんとも粋なメッセージではなかろうか?
これだけ「大企業病」という観点でマネージメントの話などを書いておきながら,最後は自分の社員に対するメッセージで締めている所がなんとも心憎いし,John Battelle が自分の Blog でこの記事を紹介 したら,わざわざ自ら「重要なのは最後の部分なんだよ,そこを省略しないでくれよ」とコメントを残している (一番最初のコメント).

日本でも,パブリックな Blog で社員に対して自分の考えをシェアする事例が増えたらいいと思う.


ところで,私は Google のやり方が全て正しいと言うつもりはないし (そもそも Google のやり方なんて外から見える範囲しか知らないし),とてつもなく規模が大きくても躍進的な開発を行っている企業だってあるだろう.

そういう意味では,「200人未満のチームで作業をすることが無い」と定量的に記述している部分は賛同できない.

但し,「大企業病」というのは事実として存在するし,それは単純に規模の大小ではないかもしれない.


いずれにしても重要なことは,前述の「エンジニアが自ら惚れ込み,自ら『欲しい』と思えるプロダクトをリリースする」ことなんだろうと思う.「自分は好まないけど,マーケットにはウケるかもなー」なんていうのは嘘だ.開発している当事者が作っていて楽しくないものが,ユーザーにとって楽しいわけがない.どうせ働くのであれば,そういう開発がしたいものだ.


2006年10月3日火曜日

効率の良いミーティング [memo]

Google で実践されている,効率の良いミーティングを行う為の tips.
How to Run a Meeting Like Google

1. Set a firm agenda.
2. Assign a note-taker.
3. Carve out micro-meetings.
4. Hold office hours.
5. Discourage politics, use data.
6. Stick to the clock.


日本語で分かりやすい解説をしてくれているのが,こちら.
B3 Annex: Google流会議のための6か条

"How to Run a Meeting Like Google" なんていう,たいそうなタイトルがついている割には,ごく当たり前のことが書いてあるように思う.というか,当たり前のことを当たり前にやることが重要なんでしょう.まわりを見渡してみると,いかに無駄な会議の多いことか…

1 に関連することだが,アジェンダは極力事前に配布して,出席が必要かどうか (もしくは他に参加が必要な人がいないかどうか) 各自判断できるようにしておいた方がいいだろう.あとは「議論をする」ミーティングと「決まったことを報告する」ミーティングは明確に区別した方がいいように思う.


ちょっと話はそれるけど,会議の場というのは基本的に人と人とのコミュニケーションなわけで,ものすごく場をまとめるのが上手い人 (もしくは下手な人),誰も気付かなかった当たり前のことをいつも指摘する人 (もしくは逆にいつもツッコまれている人),ジョークを交えつつ和やかな雰囲気で進めようとする人 (もしくはまったく話がツマらない人)…など,いろいろな個性が発見される.

時には,普段ちょっと話をしたり,仕事をしている時からは想像できなかった一面が露呈されることも.

複雑な内容でも全員が納得できるように分かりやすく伝えることができる人って,ソフトウェアの品質も高い気がするのは私だけではないはずだ.


2006年9月6日水曜日

Schmidt が Apple の取締役になった真意 [memo]

とっくにタイミングを逸していたので,今さら書くことでもなかったんだけど,ちょっとおもしろい記事を見つけたので.

Google の CEO である Eric Schmidt が Apple の取締役になったわけだが,彼は Google 創業者の Page と Brin が,「経験のある人に会社の経営を任せよう」ということで連れてきた人.元々彼は,Sun Microsystems で Java の開発を導き,後に最高技術責任者・執行役員とまでなった輝かしい経歴の持ち主だが,Google に来てからは「本当に必要だったの?」「あの人なにしてるの?」みたいな声もあり,賛否両論だった.

そうは言っても今回の件に関しては,Apple と Google という,今をときめく企業同士ということで,「どんなことをやるんだろう?」とにわかな期待もあったわけだが,もしかしたらこういうことだったのかもなーと.

FIFTH EDITION: お世辞にも誉められないアップルの取締役の話

残念な話だけど、日本でもアメリカでも、企業のCEOは、取締役の人選に関して、非常に慎重になる。理由は、取締役というのは、CEOを解任することができるからだ。だから、メンバー選びに関して、自分寄りのメンバーを選ぶケースが多い。

そして、ジョブスに関しては、経歴をみれば分かるとおり、一度、取締役会議からアップルでの(会長職以外の)すべての仕事を剥奪された事がある。

こういった経歴があるため、彼は、アップルの取締役会議を、自分寄りのメンバーで固めている(としか思えない)


この発想は無かったので,正直新鮮だった.


2006年8月16日水曜日

YouTube の buzz あれこれ [memo]

今日,YouTube にアクセスしたら

We're currently putting out some new features, sweeping out the cobwebs and zapping a few gremlins.

We'll be back later. In the meantime, please enjoy a layman's explanation of our website...

というメッセージと共に閉鎖中.さらにちょっと前に見てみると,

OK. We admit it. We're fixing stuff, but we'll be up soon.

In the meantime, please enjoy a layman's explanation of our website...

に変わっていた.

単なるメンテナンスなんですかね?


ところで最近,著作権問題からその企業価値,さらにはメディア界に対するインパクトに至るまで,YouTube に関する話題が一気に増えてきている気がする.単なる「オモシロビデオ収集場」としてだけではなく,いろんな側面からこの異端児を見るのも,おもしろいかもしれない.

一応,ここ数日で目にとまった記事を紹介しておきます.

Google Operating System: Why Is YouTube More Popular Than Google Video?
なぜ YouTube は Google Video より人気があるのか?
「YouTube の方がコミュニティ性が高い」「YouTube の方が検索が優れている」など,Google のお株を奪うような理由が挙げられているのが興味深い.

B3 Annex: YouTube創業者がテレビ番組出演 今年中の黒字化を示唆(動画)
創業者2人によるインタビュー (簡単な要約付き).

そして何より目を引いたのがコレ.
digg - Coming Soon: YouTube On Your TV?

Time Warner is starting a new free service for its digital cable/Roadrunner subscribers; you will be able to view and publically share uploaded photos and video clips on your TV through TW's Video-On-Demand network without the need for any extra equipment! No proprietary hardware or DRM'd Media Centers needed.

YouTube を直接使う訳ではないけど,なかなか興味深い.

「ソーシャルネットワーキング」が台頭を表し,新たなコミュニケーション方法が持ち込まれたことで,インターネットの世界はここ1,2年で急激な変化を体験しているが,その波は家電の世界のすぐ足元まで来ているようだ.

家電メーカーで働く人達はウカウカしてられないですね.

…あ,YouTube 繋がった.

またなにか見つけたら随時,del.icio.us/toshied/youtube にブックマークしていきます.


2006年8月7日月曜日

Google の次のサービス予想 [memo]

何気なく見つけた Google の特許リスト,
Google Patents :: ArnoldIT
と,「次に Google が買収するのは?」というフォーラム.
Who will Google buy next ? - Google Blogoscoped Forum

むむ,これらをじっくり読んで Google の次のサービスを予想するというのもおもしろいかも…と思ったけどもう寝ることにします...


2006年4月20日木曜日

タダより高いもの - Google のサービスについて [memo]

この Blog では度々 Google のことを書いていて,基本的に,

1. インターネットが進化して誰でも容易に情報発信することが可能となり情報は無尽蔵に溢れていき,一方で技術も進歩を遂げいずれ言語の違いなども意識せずに世界中の人とシームレスにコミュニケートできるようになるであろうこと,

2. つまり地理的な国境の概念を超え,インターネットの世界で情報を正しく整理し,新しい世界地図を描いた者が次の時代を制する覇者になるであろうこと,

3. 現時点での,その最有力候補が Google であること,

という私の考えは変わっていない.


そんな中,ある2つの記事が私の目を引いた.

1つは geek blogger の間ではおなじみの essa さん.
アンカテ(Uncategorizable Blog) - グーグルの閉店大セール=全てのサービスの有料化
もし万が一 Google が全てのサービスを有料化したら…と仮定すると,ユーザーからはものすごい怨念 (と同時にかなりの金額) を集めるだろうと述べている.そして Google がそうしない代わりに我々は Google に対してシンパシーを抱いている (「感謝」ではしっくりこないと書いてあったのでここでは「シンパシー」としてみる) と.

我々は知らないうちにグーグルに感謝していて、それが、グーグルから見て資産であれば、こちらから見たら負債であるはずだ。負債の処分を迫られて、グーグルを恨みながら金を払うと、それでイーブンになる。
--中略--
いつでも現金化できる彼らのこの資産が見えてないとグーグルの大きさを見損なう。その資産には、感謝(のようなもの?)と負債という二つの顔がある。ありがたくもあり恐くもある。二つの顔を両方意識しておくべきだと思う。


ところでこの記事のコメントには批判的な発言が多いが,彼等はこの記事の本質が分かっていない.実際に Page と Brin が今後の人生を南国のビーチで過ごすことに決めたとしても,その結果として Google がサービスを有料化しないことは書いた本人だって百も承知だ.essa さんは,我々の生活が既に Google のサービスに深く依存していること,またそれが Google に対するある種の期待感に (人によっては意識的に,でも多くの人にとっては無意識のうちに) 起因していることを示したかったのではなかろうか.数日前に Google Calendar が発表された時の blogosphere の異常なまでの盛り上がり方を思い出してみればいい.


さて,もう1つの記事はユーザーインタフェースの権威,増井 俊之さん (POBoxの産みの親,と言えば分かる方も多いのでは?).
On the Street Corner of Ubiquitous Computing: 検索エンジンからの自由
この中で彼は,essa さんとはまったく逆の主張をしている.つまりサービスが有料化されれば,ユーザーは怨念を募るのではなく,喜んで支払うだろう,と.

現在のWebビジネスにおいて広告料金の割合が異常に多いのがいけないわけで、サービスの重要性に応じて適切な課金が行なわれるようであればこういう問題は発生しないだろう。たとえば、新聞記事を読んだりWebを検索したりすることに対して適切に少額課金されるようならば、ほとんどの人は喜んで金を払うだろう。



確かに essa さんが1つ言及していない点があるとすれば,現在 Google に寄せられているシンパシー (感謝) はエンドユーザーからのもの *だけ* であるということ.同業者やレガシーメディア,あるいはビジネスパートナーから見た Google は,ユーザーの目から見たそれとはまったく違うはずである.

サービスの有料化という件に関しては,Google はこれからも エンドユーザーに *だけ* は無料で非常に質の高いサービスを提供するかもしれないし,同品質の代替サービス・製品は有料でそれよりは格安という分かりやすいところ (例えば増井さんが挙げているワープロソフト) から課金を始めてくるかもしれないし,はてなや flickr のようにちょっと使う分には無料でヘビーに使いたかったら有料という落とし所を探るかもしれない.それは Google のみぞ知ることであろう.

いずれにしても興味深いのは,一見意見が対立しているこの2つの記事の結論が,実は非常に良く似たスタンスにある,ということではなかろうか.

しかしボーっとしていると検索エンジンが神のごとくすべてを支配するようになる可能性は高いだろう。検索エンジンに頼らずに生きる方法について常々考えておくことが大事かもしれない。


2006年4月15日土曜日

Vim の作者,Bram Moolenaar が Google に [memo]

Vim の作者である Bram が Google に入ったとのこと.
Google Hires Vim Author

大半の方には「はぁ,それが何か?」といった話かもしれないが,私にとっては今日のトップニュースだった.