2006年3月28日火曜日

今週は箱根湯本へ [diary]


先週の 上牧温泉 に引き続き,今週は箱根湯本へ (いや,別に温泉が特別好きなわけでも,ハマってるわけでもないんですが).

...とまぁ,前回に引き続き風呂の写真をはりつけて,「温泉行ってきましたー」だけでは芸が無いので,帰りに寄ったラーメン「ねぎや」の写真でも.

写真はネギとろラーメン.
実は帰り道にテレビなどでも有名な「食材の鬼」と呼ばれる佐野 実氏の「支那そばや」に寄ろうとしたのだが,藤沢の店は今はもう無く,新横浜ラーメン博物館の店舗のみになっているらしい.まったく Google Local にダマされたよ…

というわけで,藤沢の「支那そばやがあるはずだった場所」にあった「ねぎや」というラーメン屋に入ったのでした.でも家系ラーメンでとてもおいしかったので,まあよしとするか.


2006年3月26日日曜日

カテゴリサーチを追加 [blogger]

Blogger の設定は随分ほったらかしにしてしまった.サイドバーに Flickr badge をつけたりとか,ちょこちょこいじったりはしていたが,最近この Blog を訪問してくれる人も増えてきたので,記事カテゴリをつけてみた (サイドバーの「Category」).

参考にしたのは,clmemo@aka さんの
clmemo@aka: Blogger でカテゴリー・サーチ
clmemo@aka: カテゴリー・サーチをナビゲーション・バー風に配置する
clmemo@aka: Blogger の目次・タグをソーシャル・ブックマークで作る
clmemo@aka: カテゴリー検索を Blog Search に変更
clmemo@aka: Blogger にカテゴリー
とか,クリボウさんの
クリボウの Blogger Tips: Blogger でも Category
あたり.
というか,ほとんど clmemo@aka さんのパクリである (笑).

Google Blog Search を利用してカテゴリ検索しているわけだが,なぜか日本語キーワードを intitle 検索するとヒットしないことがある.例えば

intitle:blog | intitle:ブログ blogurl:peace-pipe.blogspot.com
で検索しても
Peace Pipe: ブログ・オン・ビジネス [memo]
がヒットしなかったりとか.

試しに
intitle:blog | intitle:ブログ blogurl:"他の blogspot を利用しているサイト"
では大丈夫なんだけどな…

というわけで,現時点では intitle のタイトルサーチと全文サーチを併用している.

それにしても Blogger で Blog を書くにあたって,clmemo@aka さんとクリボウさんのサイトは本当に参考にさせて頂いている.本当にありがとうございます.


【追記】日本の家電メーカーに足りないものは…? [ce]

Peace Pipe: テレビが迎える終焉...as we know it [ce]
で書いたレポートの件だが,

本レポートの内容について私の思うところはたくさんあるが,ひとまずこのエントリーでは紹介に留めようと思う.興味を持たれた方はぜひコメントを頂きたい.このエントリーのコメント欄で議論を膨らませて行った方が本質的だと思う.

今日時点で1つもコメントがないのは淋しい限りだ.

少なくともデジタルテレビの開発に関わっている方は何人かこの Blog を読んでくれていると思うのだが…興味が無いのか,読んでも理解できなかったのか,読んですらいないのか...

さてテレビ開発において,日本の家電メーカーに「将来の為に今リスクを取る」勇気があるかどうか,

足りないのは「リスクを取る勇気」以前に,将来の開発に対するモチベーションそのものだったりして :p


【追記】テレビとネットの近未来カンファレンス 資料アップデート [ce]

Peace Pipe: テレビ x Web 2.0 = テレビ 2.0 それは未来予想図 [ce]
で書いた「テレビとネットの近未来カンファレンス」の資料がアップされているようです.

ご参考まで.
第4回 テレビとネットの近未来カンファレンス 〜 テレビ?Web2.0 = テレビ2.0 それは未来予想図 〜

ちなみに橋本さんの資料は こちら


2006年3月24日金曜日

Blog はリーダーの新しい仕事,上司にこそ Blog を書いてほしい その2 [diary]

以前,「上司にこそ Blog を書いてほしい」というエントリーを書いて (参照),実はその後実際に私のマネージャにそのことを進言したりもしたのだが,先日たまたまこんな記事を目にした.

POLAR BEAR BLOG: 「ブログはリーダーの新しい仕事」

興味深いのは,この記事から引用されている Sun Microsystems の Jonathan Schwartz の言葉.

自身のブログでは様々なことをオープンに語っているが、それによって生まれるリスクよりも、ブログを持っていないリスクの方が大きい。
10年もすれば、経営陣の大半がブログを通じて、顧客や社員、産業界とコミュニケーションするようになるのではないか。それはEメールのように、個人の好き嫌いの問題とは言っていられない。
ブログを書くことで、多くの相手とコミュニケーションできるようになるばかりか、企業文化のてこ入れも可能になる。


そして,POLAR BEAR BLOG アキヒトさんの

実際問題として、いまの企業の経営者層にどれくらい「ブログスキル」とでも言うべきものがあるかどうかは不安です。しかしここは「ブログはリーダーの新しい仕事」と捉えて、経営者層は自分が主体となった情報発信の努力を・広報や秘書の業務に携わる人はそのサポートを積極的に行う必要があると思います。

という投げかけに関してはまったく同感だ.

社内 Blog について,活用者はまだ少ないが情報共有には有効であるとのリサーチ も出ているようだし,Speed Feed 小川さん

社内Blogは、読み手を必要とするので、大企業こそ普及しやすいし、必要である。
Blogそのものが大事なのではない、情報を流通させることが大事であり、Blogはそのための道具である。

という言葉にも共感を覚える.

私の上司はこのエントリーも読んでくれているだろうか?


Mac 環境構築 その5 - vim のコンパイル [mac]

Mac 環境構築シリーズ,前回から随分間隔があいてしまった.ゆっくり Mac の設定をする時間が取れなかったのもあるけど,vim のコンパイルで結構手間取ってしまったのだ.結論として,現時点で完全に解決はしていないが,ここまでの作業をまとめておきたいと思う.

vim は +migemo でコンパイルしたいので,まずは qkc (cmigemo のインストールで必要) を入れて cmigemo のインストールを行う.

$ fink install qkc

cmigemo のソースコードはこちら.
KaoriYa.net
tarball を解凍して ./configure, make osx-install で完了 (下記の例では開発版を使用).
$ wget http://kaoriya.net/dist/var/cmigemo-1.3c.tar.bz2
$ tar xjvf cmigemo-1.3c.tar.bz2
$ cd cmigemo-1.3c
$ ./configure
$ sudo make osx-install


さて本題.
vim のコンパイルはいつものようにソースコードとパッチを取得して,パッチをあてて,好みのオプションで configure して make && sudo make install ではい終わり,だと思っていたらこれが一筋縄では行かなかった.

まず Intel Mac で vim をコンパイルするにはいくつかの work around を必要とするようだ.私が最初に辿りついたのは,「ちくくんblog」さんのこの記事 で,元ネタは vim-mac ML とのこと.

vim-mac ML を覗いてみると,関連しそうなのはこの辺りの投稿だった.
vim-mac (#3703) : Re: vim for OS X/Intel?
vim-mac (#3709) : Re: Patch to fix compilation on intel macs
vim-mac (#3713) : Re: Patch to fix compilation on intel macs

あと,興味がある方はこちらも一読されると良いだろう.
Technical Note TN2137: Building Universal Binaries from "configure"-based Open Source Projects


以上を踏まえて,vim のコンパイルをまとめてみる (作業ディレクトリは /tmp とする).


ソースコードとパッチを取得.
$ cd /tmp

$ wget ftp://ftp.vim.org/pub/vim/unix/vim-6.4.tar.bz2
$ wget ftp://ftp.vim.org/pub/vim/extra/vim-6.4-extra.tar.gz
$ wget ftp://ftp.vim.org/pub/vim/extra/vim-6.4-lang.tar.gz

$ mkdir patches
$ cd patches
$ wget 'ftp://ftp.vim.org/pub/vim/patches/6.4/6.4.*'
$ cd ..

tarball を解凍してパッチをあてる.
$ tar xjvf vim-6.4.tar.bz2
$ tar xzvf vim-6.4-extra.tar.gz
$ tar xzvf vim-6.4-lang.tar.gz

$ cd vim64

$ for f in ../patches/6.4.* ; do
for> patch -p0 < $f
for> done

上記,vim-mac ML の #3709#3713 のパッチをあてる.自分でコピペして diff file を作ってもいいし,これぐらいであれば手動で編集しても手間ではないだろう.

(※)

上記,vim-mac ML の #3703 を参考に CFLAGS を設定してから,configure (--with-features 以降の configure オプションはお好みで).
$ export  CFLAGS="-O -isysroot /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk -arch i386 -arch ppc"
$ ./configure --disable-dependency-tracking --enable-multibyte --enable-gui=carbon --with-features=big

最後に make && make install.
$ make && sudo make install

…とまあこれでひとまず Vim.app ができるわけだ.

$ file ./src/Vim
してみると,
./src/Vim: Mach-O executable i386
と表示され,universal 化されていないようだが,この Intel Mac でしか使わないので気にしないことにする.こだわる方は vim-mac ML #3703 にハック方法があるので参考にされると良いだろう.


私の悩みはここから.
私は普段 vim に香り屋パッチをあてて使用しているが,これだとコンパイルエラーが出るようだ.

作業的には configure する前の上記 (※) のタイミングで香り屋パッチをあてる.現時点での最新パッチは 6.4.000 だ.
KaoriYa.net

$ cd /tmp

$ wget http://www.kaoriya.net/dist/vim-6.4-difj.tar.bz2
$ tar xjvf vim-6.4-difj.tar.bz2

$ cd vim-6.4-difj
$ cp -Rp * ../vim64/
$ cd ../vim64

$ patch -p0 < diffs/kaoriya.diff

src/Makefile の 1162行目,
CARBONGUI_DEFS    -DFEAT_GUI_MAC -arch ppc -fno-common -fpascal-strings 

CARBONGUI_DEFS    -DFEAT_GUI_MAC -arch i386 -arch ppc -fno-common -fpascal-strings 
としておく (念の為).

これで make すると,gui_mac.c でエラーが発生する (長いので適当に省略).
gui_mac.c: In function 'gui_mch_init':
gui_mac.c:3086: error: invalid storage class for function 'tsmproc_pre'
gui_mac.c:3088: error: invalid storage class for function 'tsmproc_post'
gui_mac.c:3092: error: 'tsmproc_pre' undeclared (first use in this function)
gui_mac.c:3092: error: (Each undeclared identifier is reported only once
gui_mac.c:3092: error: for each function it appears in.)
gui_mac.c:3093: error: 'tsmproc_post' undeclared (first use in this function)
gui_mac.c: In function 'gui_mch_init':
gui_mac.c:2934: warning: 'InitCursor' is deprecated (declared at /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk/System/Library/Frameworks/ApplicationServices.framework/Frameworks/QD.framework/Headers/Quickdraw.h:2059)
gui_mac.c:2981: warning: 'SetRect' is deprecated (declared at /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk/System/Library/Frameworks/ApplicationServices.framework/Frameworks/QD.framework/Headers/Quickdraw.h:2401)
gui_mac.c:3036: warning: 'NewRgn' is deprecated (declared at /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk/System/Library/Frameworks/ApplicationServices.framework/Frameworks/QD.framework/Headers/Quickdraw.h:2877)
gui_mac.c:3080: warning: 'TEStyleNew' is deprecated (declared at /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk/System/Library/Frameworks/Carbon.framework/Frameworks/HIToolbox.framework/Headers/TextEdit.h:1405)
gui_mac.c:3086: error: invalid storage class for function 'tsmproc_pre'
gui_mac.c:3088: error: invalid storage class for function 'tsmproc_post'
gui_mac.c:3092: warning: 'NewTSMTEPreUpdateUPP' is deprecated (declared at /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk/System/Library/Frameworks/Carbon.framework/Frameworks/HIToolbox.framework/Headers/TSMTE.h:118)
gui_mac.c:3092: error: 'tsmproc_pre' undeclared (first use in this function)
gui_mac.c:3092: error: (Each undeclared identifier is reported only once
gui_mac.c:3092: error: for each function it appears in.)
gui_mac.c:3093: warning: 'NewTSMTEPostUpdateUPP' is deprecated (declared at /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk/System/Library/Frameworks/Carbon.framework/Frameworks/HIToolbox.framework/Headers/TSMTE.h:129)
gui_mac.c:3093: error: 'tsmproc_post' undeclared (first use in this function)
lipo: can't open input file: /var/tmp//ccpc9YHb.out (No such file or directory)
make[1]: *** [objects/gui_mac.o] Error 1
make: *** [first] Error 2

中身を詳しく解析するのは時間がかかりそうだったので,ひとまず私は src/gui_mac.c の 3072行目,
#ifdef USE_IM_CONTROL

#if 0
とすることで逃げてしまった.私は gvim はほとんど使わない (ターミナルから vim を使う) ので,gui_mac.c のエラーをこうして逃げても問題が起きるかどうかは微妙だが,いずれにしてもお勧めできる対応方法ではない.

ありゃ,しかも ./src/Vim --version してみたら,migemo も -migemo になっているではないか.調べてみたら configure 時のログで,
checking for migemo_open in -lmigemo... no
になっている.migemo.h は見つけられているようだが…


というわけで,現時点ではここまで.
完全ではないが,とりあえず使えそうな vim はできたので解析は後回しにして他の作業を進めたいと思う.


【2006/04/16 追記】
vim70d (+kaoriya) のコンパイルに成功しました.
Peace Pipe: 【続編】Mac 環境構築 その5 - vim のコンパイル [mac]


2006年3月21日火曜日

上牧温泉 辰巳館 [diary]


飛石連休を利用して上牧温泉へ.

上牧温泉 辰巳館

写真は貸切風呂の鄙の湯.家族連れだとこういう貸切風呂があるのが嬉しいんです.辰巳館,料理もおいしいしなかなかオススメかも.


2006年3月19日日曜日

ロックの旅,君ものらないか? [music]


名古屋の音楽事務所に勤めている友人から頂いた,清志郎さんの非売品ポスター.

彼は私が清志郎さんの大ファンということを知っていて,わざわざ送ってくれたのだ.なんともありがたい.感謝,感謝です.彼に「これどうしたの?」と聞くと「三宅さん (三宅 伸治) からもらった」だって.なんでも三宅さんは清志郎さんに「各地で配るように」と言いつけられているんだとか (笑).


ゆうきぼん,ほしい!! [memo]

結城浩のはてな日記 - 『増補改訂版Java言語で学ぶデザインパターン入門マルチスレッド編』

日ごろの感謝を込めて、『増補改訂版Java言語で学ぶデザインパターン入門マルチスレッド編』を無料プレゼントいたします。
--中略--
応募方法:あなたのブログやWeb日記に、『増補改訂版Java言語で学ぶデザインパターン入門マルチスレッド編』無料プレゼント、という文字列を含んだエントリを書き、この記事にトラックバックしてください。

ということなのでさっそく.

…と,これだけではなんなので,知らない人の為に結城さんのことを少し紹介しておくと,多数の雑誌連載や著書を持つプログラマで,Perl で書かれた Wiki クローンの YukiWiki も彼が作ったものだ.彼の本はいわゆる「結城本」と言われ,とても読みやすくて分かりやすいことで有名で,「結城 浩が書いた」というだけで一読に値するとまで言われている.実際に私のまわりでも,自分の専門とはまったく関係無い結城本を「著者買い」している人がいる.

特にエンジニア・プログラマの方であれば,「Java 言語で学ぶデザインパターン入門」は強くお勧めする.




牡蠣三昧 [diary]


そろそろ牡蠣の季節も終わりということで,今日は銀座の牡蠣専門店へ (実はここでは1年中食べれるんだけどね).

かなわ

生がき,かきチーズ,かきフライ,にんにくバター焼き,土手鍋...どれも最高に美味でした.

牡蠣って子供の頃はむしろ嫌いだったのに,25を過ぎた頃から急に好きになったなぁ.


2006年3月18日土曜日

Steve Jobs が働く理由 [ce]

まずはこの記事を読んでみて頂きたい.
President ONLINE - スティーブ・ジョブズが働く理由

あなたはどう思っただろうか? 「フン,心にもないきれい事を並べて…」と思った人もいるかもしれない.

私個人としては,もちろん純粋に本音だと思う.2004年にすい臓がんと診断され,余命3ヶ月,長くても半年と宣告されてから奇跡の復活を遂げた人の言葉だから…なんて理由ではない.単純に Apple の魂のこもった製品を見れば良く分かる.

でも次の瞬間,「そんなことはどちらでもいいのだ」と思った.これが嘘でも偽善でもポーズでも,そして本音でも,もっと重要なことがある.こんな大企業のトップが恥ずかし気もなく,「僕はお金の為に働いてるんじゃないんだ.自分の会社に愛を感じているんだ」と胸を張って公然に宣言すること.

これって,とても素敵なことじゃありません?

アメリカ人ってそういう人種だから?
いやいや,そんな理屈で片付けないで頂きたい.

少なくとも Apple の社員は,Steve Jobs に誇りを持つだろう.

あなたは自分の会社のトップに誇りが持てますか?


迷わず「Yes」と答えられたあなたは,とても幸せだ.


2006年3月17日金曜日

テレビ x Web 2.0 = テレビ 2.0 それは未来予想図 [ce]

前回,テレビが迎える終焉...as we know it というエントリーを書いたが,ちょうどタイムリーなことに「楽しいTVの未来を考える研究会」が主催している「テレビとネットの近未来カンファレンス」というイベントを見つけたのでさっそく参加してみた.

今回 (第4回目) のテーマは「テレビ x Web 2.0 = テレビ 2.0 それは未来予想図」ということで,インターネットの世界で起きているイノベーションが絶対に家電にも到来すると信じている私にとっては,非常に興味をそそられるテーマである.

イベント概要は こちら を参照.

「『ここは書かないで』と言われたところ以外は内容を Blog に書いても良い」とのことだったので,簡単にレポートしてみたいと思う.



用意された会場は満席で,それでも座れない人が結構いたのでスタッフが慌てて椅子を用意していた.100人以上はいたと思う.内容は受信機側の話ではなく,主にコンテンツ・サービス側の話.21:30終了予定だったが,結局終わったのは22:00前ぐらいだった.

第1部 テレビとネットの最前線

メタキャスト の代表取締役,井上氏による「テレビのあのシーンをワンクリックで再生する全録画オンデマンドソフト」の発表.

テレビブログ の番組ログから見たいシーンを選んで再生することができるというもの.テレビブログの番組ログは,例えば こんな風 にその番組の内容が時間情報と共にインデックス化されている (なんと人が手で作成しているらしい!!) が,これをクリックするとそのシーンが再生できるというもの.

技術的には,最大3週間分の番組を8ch同時録画できるソニーの Xビデオステーション を使い番組を全部録りしておくことと,ソニーが2月末に仕様公開した TVTL という TV番組を表現できるファイル形式 (といっても中身はただの XML) で実現している.

もしこれが普及すれば,今後立ち上がってきそうなサービスとして,
「2ちゃんねる テレビ実況スレ TVTL 変換君」
「X ビデオステーションオーナーズ専用掲示板,チャット,ブログ」
「TVTL 地方対応 変換サービス」
「個人向け TVTL 作成 (カスタマイズ) 代行サービス」
などが想定されるのではないかとのこと.

但し,現状では1つの TVTL に複数の番組からのシーンを組み入れることは不可とのことだ.

個人的には神田氏の「人はいつでも見れると逆に見なくなるのではないか,どうやってフックをかけるかが重要だと思うんだけど」という指摘がとても鋭いように思えた.

結局いくら HDD の容量が増えてテレビ番組を大量に録り貯めることができても,人間の時間は1日24時間なわけで1日にテレビを見る時間が劇的に増える訳じゃない.だからそれ以外の枠の部分で,口コミや検索といった概念をどうやって持ち込むかがポイントということ.

ゲストのミニスピーチ

第1部と第2部の間に本日のゲストが紹介され,それぞれ15分ずつぐらいスピーチを行った.

1人は今月末に NHK で放映される これであなたもブログ通 という番組の制作プロデューサー山本氏,もう1人はデジタル放送専門のコンサル会社,プラットイーズ 役員の江口氏.

江口氏は20年以上テレビ業界で働いた経歴を持つそうだが,その彼が「変化を感じているのはここ1年ぐらい」と話していたのは印象的だった.またワンセグ放送については,放送局はあまり真剣に考えていないとのこと.曰くテレビ局は社員が少なくて給料が高いので,余計なことをしようとしないんだとか.但し,「携帯でカメラ付きが当たり前になったように,テレビ付き (ワンセグ受信) が当たり前になればビジネスとして発展する可能性はある」としていたし,「ウォークマンは音楽を持ち歩くことを当たり前にしたが,ワンセグ放送は番組を持ち歩くことを当たり前にするだろう」と話していた.

第2部 テレビとネットの最前線

「対決型プレゼン」という名目で,神田氏とメタキャストの橋本氏がそれぞれ「TV 2.0」についての展望をプレゼンし,その後井上氏,ゲストの山本氏と江口氏を交えてディスカッションする,という内容.

それぞれの資料は後ほど Web にあがるとのことなので,ポイントだけ.

神田氏は既存のテレビを
「生放送だけの視聴率」
「同一チャンネル,時間別編成」
「視聴者が参加しづらい」
「意見がフィードバックまでに時間がかかる」
「視聴が『タダ』であるという意識」
という問題に分解し,Web 2.0で起きている
「Folksonomy」
「Rich User Experiences」
「User as contributor」
「Long tail」
「Participation」
「Radical Trust」
「Radical Decentralization」
というムーブメントをテレビに当てはめて未来のテレビを語っていた.

こうなってくると,もはや「メインストリーム」の定義自体が崩れてくる.実際にネットの世界では何百人というスタッフを抱える大手新聞社のサイトより個人の有名 Blog の方が page view を稼いでいる例も見られているらしい.

気になったのは,「リモコンはソリューション解決ツール」と話していたこと.つまり見ている番組がつまらなくてチャンネルを変えたい時に手にするもので,気に入っている番組を見ている時はリモコンは触りたくないということだ.

橋本氏は「テレビの見方」「テレビの見られ方」という2つの観点から「メタ」「ベタ」「ネタ」「オタ」という議論を展開させていく.

朝日新聞と読売新聞の記事をこっそり入れ変えても気づく人は少ないかもしれないが,毎日新聞に Blog のエントリーを入れたらみんな気づくだろうと.つまり毎日と読売を読み比べるよりも,新聞やテレビを見ながらBlog と2ちゃんねるを読むと,世の中がよくわかるメタな時代になっているというわけ.

テレビ番組が木の幹だったら,そこから枝が出て花が咲く (花はエンドユーザー,つまり視聴者の反応) わけで,そこにスポットが当たるようになるだろうと話していた.

この人はとてもセンスと頭が良いなぁという印象を受ける.


以下,全員によるディスカッションからいくつか.

今後は視聴率だけではなく,他の形の視聴者の反応が影響を及ぼすのでは? 例えば「Blog に書かれた率」とか「トラックバック率」とか? (神田)
いや,あくまでもマスなんです.視聴率の裏には広告主がいる.やっぱり TV 局にとっては視聴率が全て.その先にある GRP (どれだけ CM が見られたか) が流通の基準になってしまっている.結局 TV 局は保身でしかない.そこからどこまで変われるかがこれからのポイント.(江口)

その辺り,CM が無い NHK はどうですか? (神田)
しばらく前までは視聴率すら関係無く,純粋に作品性を重視していた.つまり制作サイドからすると NHK の人に気に入ってもらえるかどうかが,次にまた番組を作れるかどうかになる.ただ最近では結構視聴率を気にしているみたい.(山本)
うん,一番気にしてるよね.(江口)

橋本さんが表現するところの「幹」と「花」の歩みよりは? (神田)
対立する必要も無いと思っている.(橋本)

映像は毎秒30コマだけど,そこから1コマ抜いても人間の目には分かりはしない.実際映画は24コマだし.これって30分で1分浮くということでしょ.だったらその間に CM を入れられるなんて言った人がいるけど,実は番組だって入れられるかもしれない.デジタルってそういうことなんです.どんな形か分からないけど,数10時間を1時間で摂取することができる世の中になるかもしれない.(橋本)

近未来のテレビ視聴はどうなる? (神田)
それ程変わらないかもしれない.もっとずっと昔から「未来のテレビ論」はあった.人は見たいものが見たい.その気持ちがどこから発生しているかと言うとテレビに「あなたの見たいものはこれでしょ」と思い込ませる技術があったから.編成とはそういうものだ.(江口)

だからビデオ・オン・デマンドが成功するとは思えない.「何千タイトルあります」と言われて見たい気持ちが起こりますか? 人がなぜ DVD を借りるかといったら,帰り道に TSUTAYA があって電池でも買うついでに覗いたらおもしろそうなのがあったからとか,そういうことでは? テレビにはそんなパワーがあった.今後テレビ上,PC 画面上で人をそういう気持ちにさせられるかどうかがポイントですね.(江口)



...とまあこんなかんじ.長々と書いてしまった.細かい内容まで全て伝えようとするとあと何倍もかかりそうだが,雰囲気ぐらいは掴み取って頂けただろうか? 前述のように今日の資料は Web にアップされるようなので,興味のある方はそちらを参照されたい.

ちなみに今日のセッションで一番印象に残っているのは,神田氏がプレゼンの中で「最近ではこんなものまで検索できちゃうんですよ」と言って見せていた,「とくダネ」で小倉 智昭のズラがとれる映像.YouTube で "ozura" で検索すると一発です.

【2006/03/26 追記】
既に資料がアップデートされているようです.
ちなみに橋本さんの資料は こちら


2006年3月13日月曜日

テレビが迎える終焉...as we know it [ce]

非常に興味深いレポートを見つけた.

The end of TV as we know it: A future industry perspective

結論から言うと,次世代家電やメディアに興味がある方にもオススメするが,特にデジタルテレビの開発に携わっている方には是非とも読んで頂きたい.上記のリンク先は2ページ程度のサマリーだが,ページの先頭に20ページから成る pdf の詳細なレポートを得ることができる.

これは IBM による,将来の「モノ作り」の展望である.65以上の企業や経済学者などに対してインタビューを実施し,さらにヨーロッパ・アジア・北米で108の放送業界・メディア業界の調査を委託してこのレポートをまとめている.

インターネットの急激な進化や iPod + iTunes に代表されるサービス一体型の家電の台頭により人々のライフスタイルが急変しつつある今,テレビという媒体の在り方も変化を迫られている.

このレポートでは「2012年」という具体的なターゲットを見据えた上で,将来に乗り遅れない為の6つの具体的なアクションを提案している.そして「企業は変革の先頭に立たなければいけない」「今から準備を始めたものだけが勝ち残れる」と警告している.

さてテレビ開発において,日本の家電メーカーに「将来の為に今リスクを取る」勇気があるかどうか,それともまた Apple のような海外メーカーに市場を独占されるのを指をくわえて見守ることになるのか,はたまた Google や Yahoo のようなネット企業・メディア企業が本格的に家電業界に乗り出してくるのか,見応えは十分である.

本レポートの内容について私の思うところはたくさんあるが,ひとまずこのエントリーでは紹介に留めようと思う.興味を持たれた方はぜひコメントを頂きたい.このエントリーのコメント欄で議論を膨らませて行った方が本質的だと思う.

それにしても2012年といえば私の娘は9歳である.その頃には「昔は録画予約なんて仕組みがあってね.ママが予約録画した番組をパパが間違って消しちゃったらそりゃもう怒られたもんだよ」なんて言ってるのだろうか.

【2006/03/26 追記】
【追記】日本の家電メーカーに足りないものは…? [ce]


親の資格 [diary]

小飼 弾さんの Blog より.
404 Blog Not Found:親の資格

一つだけ確かな事がある。
「親の資格無し」という言葉を正面から受け止められないうちは親になる資格はないという事。
--中略--
この国においては、親になるのに免許はいらない。裏を返せば、親としての行動の正しさを国も自治体も担保してくれはしない。


私はアメリカの,「超」がつくほどド田舎にある敬虔なカトリック高校に通っていたが,4年生 (日本の高校3年生) の前期全ての宗教の時間は「結婚プロジェクト」に割り当てられていた.クラスの中でランダムに配偶者を決められ,くじで職業が決まる.その後自分の職業についてリサーチを行い,年収をもとに配偶者と生計を立てる.毎日の食事の献立まで細かく仮定して出納帳をレポートしなければいけない.しばらくすると2人には子供ができる.2kgの米袋に頭と手足をつけ,それを自分の子供として3ヶ月間共に過ごさなければいけないのだ.この期間は学校中のスタッフが目を光らせている.机の上に置きっぱなしにしたら10点減点,登下校時に車の助手席に乗せていたらまた10点減点 (後部座席のベビーシートに乗せなければいけない) といった具合だ.たまたま週末にショッピングモールで学校のスタッフと出くわした時 (町にモールが1つしかない片田舎では良くあることだった) に,自分の「ライスベイビー」を抱えていなければ,これまた減点である.100点満点からスタートして64点かそこらを切った時点で自動的に留年が決まってしまう.

はっきり言って,この時の経験が親となった今の自分にどれだけ役に立っているかは疑問である.ただ,このプロジェクトの初日に教師 (神父) が言った言葉は印象に残っている.

医者になるにも弁護士になるにも,何年も勉強して資格を取らなければいけない.実は結婚すること,そして子供を養うことは医者や弁護士になるより何倍も難しいことなんだ.にも関わらずみんな簡単に捉えすぎている.それがこの国の深刻な離婚率,そしてチャイルドアブユーズに繋がっている.

そしてプロジェクトの全貌を説明した後,彼は真剣な眼差しでこう言った."This is no joke"


「子は3歳になるまでに親に全ての恩を返す」という言葉がある.親は無償の愛を子に捧げるものである.

…正直に言えば,私に親としての資格があるかどうかなんて分からない.実を言うとそんなこと考えたこともないし,それが分かってる親なんて居るんだろうか? 私としては娘が同級生に対して自慢できる父親でありたいと常に思っているし,月並な言い方だが娘の幸せを誰よりも願っている.できるだけ甘やかさないように,そして絶対に束縛しないように育てて行こうと思う.そして彼女がいつか親元を離れる時,本心から「ありがとう」と言ってくれればそれが一番の幸せなのかもしれない.




2006年3月10日金曜日

Four dead in Ohio [music]

普段 iPod を持ち歩いていて,特に聴こうと思うものが無い時は「シャッフル」にしてずっと流しているんだけど,そんな時しばらく聴いてなくて久しぶりに聴くとハッとする曲に再会することがたまにある.今日まさにそんなことがあった.山手線の中で流れてきたギターのイントロが脳天に突き刺さり,懐しさとある種の緊張感が走り,少し体が熱くなった.

Neil Young が書き,CSN & Y として出した "Ohio" という曲である.

CSN について少し紹介しておくと,1968年に Byrds の David Crosby, Buffalo Springfield の Stephen Stills, Hollies の Graham Nash という当時のバンドのスーパースターが集まって結成されたバンド (3人の頭文字を取って CSN) で,1970年には Neil Young が加わって CSN & Y となり,ロック史上に残る名盤である Deja Vu をリリースして大旋風を巻き起こす.CSN に参加していた頃の Neil Young は本当に素晴らしい (実は彼のソロはほとんど聴かない).Crosby, Stills, Nash に交わることで,ある種の化学反応が起きていたように思うのは私だけだろうか.


Ohio が私にとって特別な曲になったのは,そのあまりに重い歌詞の意味と背景を知った時だった.この曲もまた私にとって「流れてくれば会話が止まってしまう,BGM にはなり得ない曲」なのである.David Crosby がこの曲の録音直後に思わず泣き出してしまったという話も有名だ (曲の最後で感極まって叫んでいるのも Crosby).


1970年5月4日,Ohio 州の Kent State University で,反戦運動に参加していた学生4人が州兵に射殺されるという 悲劇的な事件 が起きてしまう.他に1人の永久麻痺になった学生を含む9人が撃たれ,襲撃された計13人のうち11人が「横か背後から」銃弾を受けていた.平和を勝ち取ろうと訴えかけていた学生達の無垢で純粋な想いは,政府側の一方的かつ暴力的な糾弾によって幕を閉じたのだ.法を盾にデモに参加していなかった生徒にまで無差別に銃を乱射したこの事件は,まさに政府による「虐殺」以外の何ものでもない.

1970年代のアメリカは急激に病んで行く.ドロ沼化したベトナム戦争はアメリカの体力を蝕み,国民の心は疲れ果て,強いアメリカは衰退して行った.この事件は,60年代の「Woodstock Nation」としてのアメリカがその幻想主義・楽観主義に終わりを告げ,暗黒の時代に突入する境目の象徴的な出来事として振り返られることも多い.そして Ohio はそんな時代のプロテストソングとして全米中の心に響くことになる.

CSN & Y は事件のわずか数週間後にこの曲をリリースした.ニクソン政権を名指しで批判する Young の声は悲しみと怒りに満ち溢れ,あまりにもストレートかつダイレクトなメッセージを投げかけてくる.そしてその歌詞のみならず Young, Stills, Crosby のギターがなんとも強烈に語りかけてくるのだ.なんというか,思いっきり頭を殴られ,胸ぐらを掴まれて,まっすぐな眼光で睨みつけられる…まるでそんなギターだ.


たった3分,10行の歌詞のこの曲からは,時代の悲痛な叫びが聞こえてくる.


武器も持たない学生が自分の国の兵隊によって4人撃ち殺され,Jimi Hendrix が死に,Janis Joplin が死んだ.

1970年とは,そんな年だったのだ…


Tin soldiers and Nixon coming,
We're finally on our own.
This summer I hear the drumming,
Four dead in Ohio.

Gotta get down to it
Soldiers are gunning us down
Should have been done long ago.
What if you knew her
And found her dead on the ground
How can you run when you know?

Four dead in Ohio

Four dead in Ohio

Four dead in Ohio

Four dead in Ohio

Four dead in Ohio...

-- Ohio / Crosby, Stills, Nash & Young


2006年3月9日木曜日

Mac 環境構築 その4 - screen 設定 [mac]

GNU screen の設定.
これも基本的にはこれまでの設定ファイルを使うだけで問題なし.日本語の設定部分だけ紹介しておくと,

termcapinfo xterm* LP:hs
termcapinfo kterm* LP:G0:hs

defcharset  B^BIB01
termcapinfo kterm  G0:KJ=$SCREEN_ENCODING
termcapinfo xterm* G0:KJ=$SCREEN_ENCODING
termcapinfo cygwin G0:KJ=$SCREEN_ENCODING
defencoding $SCREEN_ENCODING
と書いて,$SCREEN_ENCODING はシェルの中で
if [ "${OSTYPE}" = 'cygwin' ] ; then
  OUTPUT_CHARSET=sjis
  JLESSCHARSET=japanese-sjis
  LV='-Osjis -c'
  SCREEN_ENCODING=SJIS
else
  case $LANG in
    ja_JP.eucJP)
    JLESSCHARSET=japanese-euc
    LV='-Oej -c'
    SCREEN_ENCODING=eucJP
    ;;
    ja_JP.UTF-8)
    JLESSCHARSET=utf-8
    LV='-Ou8 -c'
    SCREEN_ENCODING=UTF-8
    ;;
    *)
    JLESSCHARSET=latin1
    LV='-Al1 -c'
    SCREEN_ENCODING=C
    ;;
  esac
fi
export JLESSCHARSET LV SCREEN_ENCODING
みたいにしている.

あとは vim をコンパイルすれば一段落つくかな.


Mac 環境構築 その3 - シェル (zsh) 設定 [mac]

zsh の設定.
といってもこれまで使っている設定ファイルをほとんどそのまま使うだけ.設定ファイルを全部ここに添付するにはあまりに膨大なのでポイントだけ挙げておくと,環境によって設定を変えたい時は zsh のデフォルト変数 (シェルパラメータ) の $OSTYPE を使うと便利.

例えばこんなかんじ.

if [ "${OSTYPE}" = 'netbsdelf' ] ; then
  if type ggrep > /dev/null 2>&1 ; then
    alias     grep='command ggrep'
  fi

  if type gls > /dev/null 2>&1  ; then
    alias     ls='command gls -hF --color=auto --show-control-chars'
  else
    alias     ls='command ls -hF'
  fi
elif [[ "${OSTYPE}" = darwin* ]] ; then
  if type gnuls > /dev/null 2>&1  ; then
    alias     ls='command gnuls -hF --color=auto --show-control-chars'
  else
    alias     ls='command ls -hFv'
  fi
else
  alias       ls='command ls -hF --color=auto --show-control-chars'
fi

$OSTYPE は確か bash にもあったと思うけど,実際にあるかどうか,またあった場合にどんな値を設定しているかはご自分のシェルで確認された方が良いだろう.まあ無くても uname から自分で設定してしまえば問題ないはず.

余談になるが,同じようなテクニックで「会社か自宅か変数」を自分で設定しても便利かも (会社では proxy 設定などする必要があるので).会社の IP アドレスが 99.XXX.XXX.XXX とかだとすると,
if [ -z "${LOCATION}" ] ; then
  case $OSTYPE in
    netbsdelf|darwin*)
    alias ifconfigcmd='/sbin/ifconfig -a'
    ;;
    linux-gnu)
    alias ifconfigcmd=/sbin/ifconfig
    ;;
    cygwin)
    alias ifconfigcmd=ipconfig
    ;;
  esac
  if [ -n "`ifconfigcmd | grep '99\.[[:digit:]]\+\.[[:digit:]]\+\.[[:digit:]]\+'`" ] ; then
    LOCATION=office        ; export LOCATION
  else
    LOCATION=out_of_office ; export LOCATION
  fi
  unalias ifconfigcmd
fi
みたいな.


Mac 環境構築 その2 - ターミナル設定 [mac]

いろいろなサイトを徘徊して日本語が通るようにした.デフォルトの文字コードを euc-jp にするか UTF-8 にするかで少し悩む.NetBSD マシンに ssh することを考えると euc-jp の方が良さそうだが,Mac はファイル名・ディレクトリ名などは UTF-8 を使っているので,とりあえず UTF-8 で当分生活してみる.

以下,ターミナルインスペクタの設定 (最後に一番下の「設定をデフォルトとして使用」ボタンを押し忘れないように).

:シェル
  シェルの終了時: シェルが終了した場合のみ閉じる

:プロセス
  ウィンドウを閉じる前の確認: 以下を除くプロセスが実行中の場合:
  デフォルトのまま (rlogin, telnet, ssh, slogin)

:エミュレーション
  非 ASCII 文字をエスケープする: off
  option キーを押しながらクリックしてカーソルの位置を指定する: off
  改行を復帰としてペーストする: on
  厳密な VT-100 キーパッド動作: off
  行の折り返しを逆にする: off
  オーディオベル: off
  ビジュアルベル: on

:バッファ
  バッファサイズ: 使用しない (どうせ screen を使うから)
  スクロールバッファ:
  長過ぎる行を折り返す: on
  ウィンドウのサイズ変更時に行の折り返しを変更する: on
  入力時に下端までスクロールする: on

:ディスプレイ
  カーソルの形状: ブロック
  テキスト: Osaka-等幅 12.0 pt.
  アンチエイリアス処理を行う: on
  日本語や中国語などにワイドグリフを使用する: on
  ワイドグリフは2桁とカウントする: on
  テキストの点滅を有効にする: on
  テキストのドラッグコピー/ペーストを有効にする: on
  文字セットエンコーディング: (UTF-8)

:カラー
  標準カラー選択: カスタム
    カーソル: オレンジ
    通常: 灰色 (80% の白)
    ボールドテキスト: 白
  背景の設定: この背景色を使用する
    黒
  透明度: 左から3つ半

:ウィンドウ
  大きさ: 80桁 24行
  タイトル: Terminal
  動作中のプロセス名: off
  シェルコマンド名: off
  TTY名: off
  大きさ: off
  .termファイル名: off
  コマンドキー: off
  (どうせ zsh の precmd でタイトル変えるからここは適当に)

:キーボード
  キーマッピング: デフォルトのまま
  delete キーで backspace を送る: off
  メタキーとして option キーを使用する: on


2006年3月7日火曜日

いや,そりゃセキュリティも大事だけど… [ce]

ネット家電時代、Web2.0時代 セキュリティスキルを高めよう!:RBB TODAY

Web2.0 時代の家電の在り方について,上記の記事は「セキュリティが大事だよ」と述べている.確かに記事の前半2/3ぐらいは同意できる内容だ.

でも最後の結論が,

では、エンジニアやデザイナーはどうすればよいのだろうか。問題が古くから指摘されているため、対応も実は単純である。過去のセキュリティ関連の文献や最新の事例研究、調査データなどを丹念に調べ、備えを怠らないことだ。

というところで思いっきり首を傾げてしまった.

少なくともセキュリティ問題の対応が「実は単純」だとは思わないし,脆弱性を出した家電メーカーが調査データを疎かにしていたわけでもないだろう.


というかエンジニアやデザイナーであれば,セキュリティの前に「どんなサービス・製品を実現するか」に先に頭が行ってほしい.その上で,セキュリティも含めて「それを実現する為には何をしなければいけないか」を考えるべきだ.

音楽配信サービスにおいて,著作権に神経質になり過ぎて失敗したソニーと,常に User experience を念頭に置いて実践してきた Apple をもう1度思い出そう.


Mac 環境構築 その1 - 準備編 [mac]

これまで iMac では iTunes とブラウザぐらいしか利用していなかったが,自宅のメインマシンを iMac に移行するべく少しずつ環境を構築して行こうと思う.NetBSD からの乗り換えなのである程度 UN*X っぽくしたいが,あまりバリバリの 「UN*X 機」にまでする気は (今のところ) ない.

実施したことは随時この場で紹介していこうと思うが,今後の [mac] ネタは少し「作業ログ」っぽくなってしまうことが予想されるので悪しからず.

とりあえず今回は「その1」として準備編.ちなみに環境構築の準備という意味では既に uid + gid を変更しているので,以下のエントリが「その0」という位置付けだろうか.
Peace Pipe: Mac で uid + gid を変更する [mac]


シェルを zsh に変更

ひとまずシェルは zsh 愛用しているので,デフォルトシェルを変更する.

ターミナルから
$ chsh -s /bin/zsh
すれば OK.この方法で問題無いと思うが,公式ホームページには以下のように説明されいる.
Mac OS X:「ターミナル」シェルの変更方法


sudo をパスワード無しで実行できるように

セキュリティ的に賛否はあるかもしれないが,script に root 権限が必要なコマンドを書いてまわしたいことがたまにあるので,sudo をパスワード無しで実行できるようにしておく.

ターミナルから
$ sudo visudo
して
%admin ALL=(ALL) NOPASSWD: ALL
の行を有効にすれば OK.それにしても %wheel じゃなくて %admin なのね…


開発環境のインストール

いろいろなソフトウェアをコンパイルしたくなると思うので,Xcode を入れておく.

付属CD にも入っているが,Apple Developer Connection に登録 (無料) すれば最新版が無料でダウンロードできる (他にもいろいろダウンロードできるみたい).現時点の最新版は 2.2.1 のようだ.
Apple Developer Connection

アップル - Mac OS X - Xcode を見てみると,Xcode はモデリングもできるかなり洗練された統合開発環境のようだ.こんなものが無料で手に入るとはなんとも素晴らしい.ただのコンパイラとしてだけ使う (gcc だけ使う) のはもったいないな… いずれゆっくりじっくり見てみたい.


パッケージシステムをインストール

Fink を入れておく.Fink というのは Mac OS X で UN*X のソフトウェアが使えるようにしたもので,まあどこの Linux ディストリにでもある パッケージャ の OS X 版.Debian の インターフェース (dselect, dpkg, apt-get) を踏襲しているのが特徴的だ ("fink" という独自コマンドもあるけど).
Fink - Home

ひとまずソフトの unstable 版もインストールできるように /sw/etc/fink.conf の Trees 行に
unstable/main unstable/crypto
を追加し,
$ fink selfupdate ; fink index ; fink scanpackages

$ fink scanpackages ; fink index
$ sudo apt-get update
しておく.


さらに他のパッケージシステムである EasyPackage for Mac OS X も入れてみる.

Fink だけでも十分だが,EasyPackage は日本語環境を前提としているとのこと.なので今後は「こだわりのあるソフトウェアは自分で configure オプションを設定してコンパイル」→「その他のソフトウェアはまず EasyPackage で探す」→ 「無ければ Fink で探す」→ 「それでも無ければやっぱり自分でコンパイル」という手順になりそうだ.

余談だが OS X で使えるパッケージシステムには OpenDarwin.org というのもあるようだ.これについてはまだ手を出していない.

EasyPackage は GUI 版と CUI 版があるようだが,CUI版をインストールする.
$ sudo perl install.pl
$ sudo epkg sync

試しにいくつかソフトをインストールしてみる.
$ sudo epkg install lha libiconv jless lv nkf ctags gnuls wget ncftp

…ってインストールしてから思ったけど,これで取得してくるバイナリって Intel 対応版なわけないよな...まあいいや.

ひとまず準備編としてはこんなところかな.

【2006/03/13 追記】
EasyPackage について,やはりバイナリが Intel 対応版ではないこと,それから最近ではあまり活発に開発が行われていない印象を受けたことから,その後削除してしまった.試しにインストールしたソフトは上記の通りだが,依存関係により自動的に入ったものもあるので, $ epkg ls して確認をする.
$ epkg ls
    archivers/lha: 1.14i_1
    converters/libiconv: 1.9.1-ja_02
    devel/gettext: 0.12.1_2
    japanese/jless: 358_2
    japanese/lv: 4.51
    japanese/nkf: 205_1
    misc/ctags: 5.4
    misc/gnuls: 4.0_1
    net/ncftp: 2.4.3_1
    net/wget: 1.9.1
$ sudo epkg del lha libiconv gettext jless lv nkf ctags gnuls ncftp wget

その後,EasyPackage 自体をアンインストール.
$ sudo rm -f /usr/local/bin/epkg
$ sudo rm -rf /usr/epkg
$ sudo rm -rf /var/db/epkg

ちなみに Fink については,オフィシャルサイト

Fink の Intel アーキテクチュアに向けた準備ジャージョンが用意されました。バイナリパッケージはまだありませんし、まだ細部には荒さが残っていますが、辛抱強いあなたなら使えるでしょう!

インストールには、 Sourceforge の Fink 用ファイルリリースページから fink-0.24.12.tar.gz ファイルを取得し、解凍後、 ./bootstrap.sh というコマンドを実行します。 bootstrap プロセスの最後に、 fink selfupdate を実行し、現在インストール可能なパッケージ一覧が取得できます。

最後に確認した時点では、およそ1750のパッケージが "stable" ツリーにありましたが、およそ 150 はビルドできませんでした。真の意味で stable となった時には、ここで再度アナウンスされます。

との情報があったので対応バージョンを取得し,記述の通り ./bootstrap.sh してインストール.


2006年3月4日土曜日

ソニーは「あちら側」へ渡れるか? [ce]

IT Pro に掲載された梅田 望夫さんの Google についてのインタビュー記事より.
My Life Between Silicon Valley and Japan - 「ウェブ進化論」の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”(前半)
My Life Between Silicon Valley and Japan - 「ウェブ進化論」の梅田望夫氏が語る“Googleという隕石”(後半)

私はこの Blog で良く梅田さんや Google のことを書くので「またか」と思われそうだが,今回私が注目したのはこの部分である.

−− こちら側にいる電機産業は、コスト競争の渦、つまり梅田さんの表現を借りれば「チープ革命」に巻き込まれます。そこからの脱皮を図ろうとしたソニーは2000年ころ、「Dream Kids」という標語を掲げ、あちら側に渡ろうと試みましたが。


果たして本当にそうだろうか? 少なくとも私が知る限り,ソニーという企業が出井氏の掲げた「Digital Dream Kids」という掛け声のもと,たった1度でも「あちら側」に渡ろうとしたことは無い (ちなみに「ソニーは2000年ころ…」とあるがこれは1996年初頭に掲げられた言葉で,2000年はむしろ Digital Dream Kids 終焉の頃だ).戦後産声を上げたこの企業はその後家電の世界で一大イノベーションを起こし,PC やゲーム,ロボットの世界でもトレンドを作り出し,さらには映画や音楽といったコンテンツまで所有するようになったが,常に「こちら側」にしか目を向けていなかったのだ.

ソニーが,その威光に陰りが見えると言われてから久しい.
どんな企業でもある程度の規模になると,いわゆる「大企業病」というものに直面する.やはり動きが鈍くなってくるし,マネージャなのか政治家なのか分からない輩も出てくる.そんな中,絶対的に不可欠なのは経営陣によるトップダウンのアプローチである.出井氏は確かに聞き覚えの良いスローガンは提唱した.コンサル会社の社外取締役 なら良いかもしれないが,時代を切り拓いて行くべきモノ作り企業のトップとしては,あまりに抽象的で具体性に欠けていたように思う.結局のところ彼は,井深 大でも Steve Jobs でもなかったということだ.これが久夛良木 建であれば無理矢理にでも会社を1つの方向に向かせたはずである.

インタビューの中で,私は梅田さんの以下の言葉に深い共感を覚えた.

ただApple社も、あちら側に渡れた会社ではありません。あちら側のサービスを示しながら、こちら側のハードウエア事業で儲けている会社です。

つまり、Googleのことです。検索窓しか見えないので、なかなか理解しにくいのですが、これはモノづくりです。


次にやってくる時代の「モノ作り」とは何だろうか?
果たしてソニーは「あちら側」へ渡れるだろうか?

メディアは相変わらず余計なお世話とも言える勝手な分析をしたがるし,
Sony's software future: CNET News.com
実際のソニーからは「あちら側」に目が向き出したのか,単に迷走しているだけなのか微妙な製品が発表されたりしている.
ITmedia News:「SonicStage」再生履歴をSNSで共有 ソニー

インターネットの世界が体験している変革をそのまま家電になぞらえることが得策かどうかは別として,いずれにしてもネットワーク路線への大幅なパラダイムシフトが迫られていることは確かなはずだ.

また梅田さんは同じインタビューの中で,日本企業に対して辛辣な言葉を残している.

一部を除けば、日本企業は精神が老いています。

今の日本企業からは全く新しいフロンティアに挑戦する覇気が感じられません。

確かにその通りかもしれない.だが現場レベルで「モノ作り」に誇りを持っている日本企業のエンジニア心情としては,単純に頭にくる.子供じみているが,理屈ではないのだ.


真面目ナル技術者ノ技能ヲ、最高度ニ発揮セシムベキ自由豁達ニシテ愉快ナル理想工場ノ建設」

これは1946年,終戦間もない貧しい日本で井深 大がソニー創業時に起草した設立趣意書の第一条である.私は1人のソニーファンとして,数々の歴史を作り出しこの企業に今でも根付く「モノ作り」の DNA を今一度信じてみたい.

今ネット世界を中心に我々が直面しようとしている大変革時代は,必ず家電の世界にもやってくる.今後は「家電メーカー」「PCメーカー」「ソフトウェア企業」なんていう括りは意味を持たなくなってくるだろう.Cisco は正式に家電の参入を発表したし,10年後 (いや,もしかしたら3 〜 5年後) のソニーの真のライバルは松下や Sharp よりも,Google, Microsoft, Yahoo, Amazon, au, Docomo といった企業になっているかもしれない.様々な企業が参入し混沌とする家電2.0時代に日本の家電メーカーが主役になるとすれば,それはやっぱりソニーであるべきだと思っている.ネットワークやコンテンツといったインフラを持っていて他の家電メーカーよりもアクションを起こしやすいからなんて理由ではなく,単にこの DNA の復活を見てみたいからだ.

今こそソニーは大企業病の体制を立て直し,目先のビジネスだけではなく次にやってくる時代に目を向けるべきだ.そう,純粋に「モノ作り」に求心しているエンジニアが愛想をつかし,Google にでも転職して逆に「あちら側」から家電業界に対してアプローチを計ろう,なんて考える前に.


アップルの新製品予想コンテスト結果発表 [memo]

夢は広がるばかりですな.
WWJD:アップルの新製品予想コンテスト結果発表 - Engadget Japanese


2006年3月3日金曜日

Google より優れた検索エンジン [memo]

最近 Oracle, Microsoft と立て続けに検索エンジンに関する発表を行っている.

ITmedia エンタープライズ:OracleがGoogle対抗の検索エンジン発表
ITmedia News:「Googleより優れた検索を投入する」とMicrosoft

それにしても Microsoft の「半年以内にGoogleよりも2倍優れた検索エンジンを導入する」というのはかなり強気だ.

Google にしてみればさしずめ「やつらが2倍優れた検索を実現できるなら,俺達はローマ法王になれるぜ」といったところだろうか.実際には Microsoft をかなりライバル視していることもまた事実のようだが.
ITmedia News:[DJ] Google、“一番のライバル”MSに照準


2006年3月2日木曜日

iTunes の曲の歌詞とアートワークを取得 [mac]

今回の [mac] ネタは守備範囲の広い話 (笑) ということで,iTunes に入ってる曲の歌詞とアートワークを取得するという内容.最近の iPod では液晶画面に再生中の曲の歌詞やアートワーク (ジャケ写など) を表示できる (私のはできないけど…).これまでは iTunes/iPod では「音が聴ければいい」と思っていたが,Mac では歌詞やアートワークを効率良く取得できる Widget がたくさんあるようだし,なによりアートワークを順番にパラパラめくるスクリーンセーバーが気に入ってしまった.

まず歌詞の取得だが,TunesTEXT という Widget が優れていて,取得も素早いしバックグラウンドで動作してくれる.再生中の曲を取得するので,iTunes Music Store Player のように一定秒数再生して次の曲に移動するような自動再生ソフトと組み合わせると非常に効率が良い.私も2日弱でライブラリ内の曲の歌詞を取り込めた.
詳しくはこちら.
TunesTEXT+iTunes Music Store Playerで歌詞完全自動取得|「モノ」が好き!

アートワークの取得には,Sing That iTunes というソフトが,同じように再生中の曲のアートワークを自動取得してくれる.実はこのソフトは歌詞も取得してくれるのでこれだけで全て事足りるのだが,私は結局使うのをやめてしまった.というのも,巷では「iTunes Music Store で取得できるアートワークが一番高画質」というのが通例になっているようで,手動ではあるものの iTMS Album Art Finder からそれが取ってこれるのだ.アートワークはやみくもに自動取得するのではなく,特に気に入っていてこだわりのあるアルバムのものを,思いついた時に iTMS から取得することにしている.
詳しくはこちら.
iTMS Album Art Finder|「モノ」が好き!
Sing That iTune!が2.9でアートワーク自動取得|「モノ」が好き!

というわけで,今日までに少しずつ集めてきた現状のアートワークで,前述のアートワークをパラパラめくるスクリーンセーバーのスクリーンショットを撮ってみた.



さて,本題は以上で終わりだが,今回のエントリーは最後に少し脱線させて頂こう.

私が愛読していた Blog の1つに,「モノ」が好き! というサイトがあった.

「モノ」が好き!

作った人の想いまで伝わってくるような、そんな「いいモノ」を追い求めて。Mac、iPod、デジモノなど。


Blog のデザインもシンプルで美しく,レビューも非常に丁寧で分かりやすく,「モノ」に対する熱意・こだわり・そして少年のようなときめきが,文章の節々から感じられた.「作った人の想いまで伝わってくるような,そんな『いいモノ』を作りたい」と,この Blog を読む度に思ったのだ.

非常に残念ながら,去年末の マカーは止めません、、 という記事を最後に更新は辞められてしまったが,私の iMac 購入の背中を押してくれた Blog の1つであることは間違いない.

Peace Pipe: iMac 買っちゃいました [mac]

そして (Windows ユーザーではほとんど見ない) 多くの熱狂的な Mac ブロガーは,随所で「Mac がいかに素晴らしいか」を,本当に,本当に楽しそうに語るのだ.私が iMac を買ったのも,「*BSD が大好きで Mac のカーネルが BSD ベースだから」なんて理由ではなく,「そんな楽しそうな彼等が羨ましかったから」なんだろうと思う.


今回取り上げた 「TunesTEXT」「iTunes Music Store Player」「iTMS Album Art Finder」「Sing That iTune!」のレビューはネット上でいくつも見つけることができるが,彼に敬意を表して全て「モノ」が好き! のレビュー記事を紹介させて頂いた.


2006年3月1日水曜日

Mac で uid + gid を変更する [mac]

前回のエントリー の続き.せっかく permission 管理できる外部デバイスを作ったので,iMac の uid (ユーザ ID),gid (グループ ID) を他の UN*X と合わせておきましょう,という話.

とりあえず分かったことは,いくら Mac OS X (Darwin) が UN*X ベース (Mach + FreeBSD ベース) といっても,技術的には NeXT STEP の流れを汲んでいることもあって,システム管理は nis (yp) では無く netinfo という独自のものであるということ.つまり /etc 以下のファイルを書き変えても設定が変わらなかったりするわけで,Mac を使っていて始めて齒痒く感じた.

まずは,アップル - サポート - TIL あたりを参考に root ユーザを有効にし,root でログインする.

以下,uid 501だったユーザ "toshi" を uid 1000, gid 100(users) に変更する前提での作業手順 ("users" グループは新規作成).

# nidump passwd . (既存の "toshi" を確認しておく)

# nicl . -create /users/toshi uid 1000

# nireport . /groups name | grep -w users ("users" グループが無いことの確認)
# nireport . /groups gid | grep -w 100 (gid 100 が無いことの確認)

# dscl . create /groups/users
# dscl . create /groups/users name users
# dscl . create /groups/users passwd "*"
# dscl . create /groups/users gid 100

# nicl . -create /users/toshi gid 100

最後に,既存のファイルのオーナーを新しい uid/gid に変更しておく.
# find / -xdev -user 501 -exec chown toshi:users {} \;

もう少し守備範囲の広い Mac ネタ書かなきゃ…


外部デバイスのファイルシステムについて悩む [mac]

私は USB フラッシュメモリやポータブル HDD を使って様々なファイルの同期やバックアップをしているが,Mac を使い始めてこれらのファイルシステムを再考してみた.

以下,NetBSD・Linux・Mac を併用しているユーザの悩みの過程と出した結論 (そんな人はあまり居ないと思うのでどれだけ参考になるか分からないが,半分は自分に対する備忘録ということで).

まず,それぞれの PC で使っているファイルシステムは:
NetBSD: UFS2 (FFSv2)
Linux: ReiserFS (/boot は ext3)
Mac: HFS+
であり,外部デバイスのファイルシステム候補は,汎用性や Windows からも読めること等を考慮すると FAT32,UFS,ext3 ぐらいであろうか.

Fat32:

本来であればこれが一番簡単で,大体の人は 「複数環境で使う外部デバイス → FAT32」で終わりだろう.実際何も考えずに NetBSD・Linux・Mac 共通に使えるファイルシステムは FAT ぐらいなのである.ただ,私にとっては permission 管理ができないのが致命的で,最初にボツになってしまう.

UFS:

まだまだ NetBSD を中心に使っているので,本来ならばこれにしたいところ.Windows からも ufs2tools - UFS for Windows でアクセスできる.但し,Linux の UFS 実装は非常に貧相で,書き込みのサポートは kernel config に「DANGEROUS」と明記されている.とても使う気にはなれない.

ext3:

NetBSD からも普通に読み書きできるので,これまでは外部デバイスは全て ext3 にしていた.Windows からも Explore2fs を使えばアクセスできる.Mac の対応はというと,Mac OS X Ext2 Filesystem というソフトを入れればとりあえずマウントできるようになるとのこと.しかしまだまだ実験的なものであることに加え,私が試したところエラーで ext3 の USB メモリがマウントできなかった.

さらに詳しい説明は NetBSD/macppc Partitioning HOW-TO をご覧頂けば良いが,要するに全部を満たすファイルシステムが無いのである!! 全て UN*X ベースの OS なのですんなり行くと思っていたし,まさかこれほど悩むとは思わなかった.

結局,NetBSD/macppc Partitioning HOW-TO に従い,Linux 環境は read-only で諦めて「Apple UFS」を採用することに決める.ちなみに 「Apple UFS」とは普通の UFS と違い x86ハードウェアでも big endian になるという代物で,現段階では NetBSD しかサポートしていないらしい.
Mac OS X Filesystems

Darwin's implementation of UFS is similar to that on *BSD, as was NEXTSTEP's, but they are not really compatible. Currently, only NetBSD supports it. Apple's UFS is big endian (as was NeXT's) - even on x86 hardware. It includes the new Directory Allocation Algorithm for FFS (DirPref). The author of the algorithm offers more details, including some test results, on his site.


Mac の「ディスクユーティリティ」で「UNIX ファイルシステム」を選んでフォーマットすれば OK.NetBSD では kernel option の "options APPLE_UFS" と "options FFS_EI" を有効にしてカーネルを再構築すれば OK のはずだがもう1山あった.NetBSD の FFS_EI にバグがあり,PR 26823 で報告されている.この中の Michael Hitch の2つ目のパッチをカーネルにあててやっとOKだった.

以下に適用したパッチを添付しておく.

/c/NetBSD-current/src/sys/ufs/ffs/ffs_vfsops.c      2004-07-06 
21:54:15.000000000 -0600
+++ sys/ufs/ffs/ffs_vfsops.c    2004-10-28 10:28:42.000000000 -0600
@@ -1024,7 +1024,7 @@
        fs->fs_csaddr = fs->fs_old_csaddr;
        fs->fs_sblockloc = sblockloc;


-       fs->fs_flags = fs->fs_old_flags;
+       fs->fs_flags = fs->fs_old_flags | (fs->fs_flags & FS_INTERNAL);


        if (fs->fs_old_postblformat == FS_42POSTBLFMT) {
                fs->fs_old_nrpos = 8;

ちなみに私が利用しているのは NetBSD 2.0 で,3.0 ではこの不具合が修正されていた (上記のパッチがそのまま適用されていた).

ここまで来れば,あとは外部デバイスとファイルを同期する際,unisonrsync などの同期ソフトに,以下あたりの 「Mac が勝手に作る隠しファイル」を無視するように設定しておけば良いだろう.
._*
.DS_Store
.Trash
.Spotlight-*
.Trashes
.hidden
.hotfiles.btree
.vol

せっかくなので,iMac の uid/gid を合わせておきたいところだが,長くなってきたのでこれは次のエントリーに譲ることにしよう.


登録できないよ Google Page Creator [memo]

Google が新規サービスとして公開した Google Page Creator.
グーグル、ウェブサイト作成サービス「Page Creater」を公開 - CNET Japan

一言で言ってしまえば「簡単に Webサイトが作れる」サービス.私はこの Blog も Google の Blogger を使っているし,Google のサービスには非常に興味があるので,さっそく登録して試してみよう...と思ったらもう既に waiting list 待ちになっていた.なんでも公開から初日でダウンしていたとのこと.
Google Page Creator、需要殺到で初日にダウン

確かに私も多少乗り遅れた感もあるが,今の世の中,Google が新規サービスを出せば皆がこぞって飛びつくのは簡単に予想できるわけで,初日に登録制限というのは少しお粗末だ.相手が Google だからこそ「これも全て計算のうちだったりして…」なんて一瞬考えてしまったり.

レビューについては,@aka さんの記事が一番参考になりそうだ.
 clmemo@aka: Google Pages が始まった