誰もが影響力を持てる時代 - あなたや私と,マザー・テレサの違いは? [memo]
ツイッターノミクス を読んで,ふと思ったことです.
インターネットのサービスやツールの普及によって,様々なルールが変わったのか,いや本質的な部分は普遍でありネットによってそれが可視化されただけなのか,正直私には分かりません.
ただ1つ言えるのは,今は誰もが影響力を持てる時代だということ.
Twitter は,日常会話をネットに押し上げ,ネットから「パブリッシュ」という概念を無くしました.
そんな時代に,あなたや私と,例えばマザー・テレサ,ジョン・F・ケネディ,ジミ・ヘンドリクスのような人との違いは何か - それは見ず知らずの人に影響を及ぼす「範囲」ではないでしょうか.
既得権を持つ人しか情報発信できなかった頃は,そもそも我々は見ず知らずの人に声を届けることはできなかった.クラスの中にアイドルやカリスマはいたけど,見ず知らずの人は,見ず知らずだったわけです.
それが今では,あなたに興味を持ってあなたをフォローしている人の一部にとっては,あなたは有名人・著名人以上に発言権を持っている.マザー・テレサよりクレディビリティが高いかもしれない.影響範囲が広いか狭いかだけの違いであり,見ず知らずの人に影響力を持つという点においては,同等なのです.
お店を宣伝しようと街で1日かけてビラを配っても,フォロワー数が多いウッフィー・リッチがつぶやけば,一瞬にしてそれ以上の宣伝効果がある現代.機械によるレコメンが,ソーシャルの口コミによって駆逐されつつある現代.
ツイッターノミクス で,ウッフィーを増やす為の原則は,以下のように定義されています.
1. 大声でわめくのはやめ,まずは聞くことから始める
2. コミュニティの一員になり,顧客と信頼関係を築く
3. わくわくするような体験を創造し,注目を集める
4. 無秩序もよしとし,計画や管理にこだわらない
5. 高い目標を見つける
詳細については本に譲りますが,例えば「大声でわめくのはやめる」というのは,自慢話や,自分・自社の宣伝ばかりしないように,ということです.
一昔前,例えば Second Life なんてサービスが流行っていた頃は,インターネットはバーチャルな世界として展開されていくのかもしれないと思っていました.今ではそんな風潮はすっかり廃れ,Facebook にしても Twitter にしても,むしろリアルの世界がネット上に拡張されているように思います.
リアルの世界でウザい奴はネットでもウザいし,リアルな世界でオモシロイ人はネットでも人気者.
計算高く振舞うのもいいけど,それで10人のうち9人騙せたとしても,残りの1人にバレていたら,すっごくサムい.
I know, I know, you probably scream and cry
that your little world won't let you go...
But who in your measly little world are you tryin' to prove
that you are made out of gold and can't be sold?
-- Are You Experienced? / Jimi Hendrix
私というフィルターを通して見た世界を発信すると,たまたま趣味や思想が同調したり,逆に考え方が対極で,それでおもしろいと感じてくれる人がいる.
だったら10人のうちの9人にいいカッコするよりは,例えものすごく少数でも,思ったままに書いて,それを好んで読んでくれる人のフィードバックを貰えた方が,おもしろいだろうなぁ…
これからも,何気なく思ったままに書いていこうと,なんとなく思った日曜の夜でした.
ツイッターノミクス TwitterNomics タラ・ハント 津田 大介(解説) 文藝春秋 2010-03-11 |
0 コメント:
コメントを投稿