Monday, January 21, 2008

Remember The Milk ハッカー (と猿) とのランチ [diary]

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今や私の生活の中になくてはならない,最強のオンラインタスク管理サービス Remember The Milk (以下 RTM).

実際にこれがあるのとないのでは効率が全然違う.日本語化もされているし携帯からもアクセスできるので,使ったことが無い人はぜひ試してみるべきだと思います.

高い機能性,かゆい所に手が届くユーザビリティや洗練された UI は言うまでもないが,Gmail や Quicksilver をはじめとする多くのアプリとの連携,Google Gears が発表されてからたった5日で対応してオフライン機能を実装してしまったという開発スピード (これ驚愕),さらにはたった3人で40万のユーザーを抱えるサービスに成長させ,しかもその3人のうち1人は猿のぬいぐるみというユニークさなどから,私はすっかり魅了されています.

彼等は今東京に来ていて,昨日交流会がありました.
Remember The Milk 交流会 in 東京!
Remember The Milk is coming to Tokyo!

残念ながら昨日はどうしても外せない用事があり参加できなかったのですが,ダメ元で「月曜にでも会えない?」と聞くと「いーよ.ランチはどう?」との返事.びーっくり.しかも私の職場がある品川までわざわざ来てくれました.

RTM の Omar Kilani・Emily Boyd・そして Bob T. Monkey (猿のぬいぐるみ) と.
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以下,本人達の許可を得て,話した内容の一部を紹介します.


本当にたった2人で開発してるの?

(Omar)
そう,ホントに2人.
でも猿の社員がいることを忘れないで.彼をみくびっちゃいけない (笑).


ソフトウェア開発において,可用性を保ちつつユーザビリティとパフォーマンスを両立させるのはとても難しいけど,その辺りはどうアプローチしている?

(Omar)
基本的にはシステムから無駄を取り除いて最適化する作業の繰り返し.

コードベースの最適化もあるけど,行き当たりばったりの開発はしていない.アーキテクチャを計画的に考えて,きちんと前もってデザインするようにしている.

(Emily)
「難しい」というのはできない理由にはならないからね.


設計ってどれぐらいしてるの?

(Omar)
もちろん UML を使ったりはしないけど,プロトタイプを作ったりテストコードを書いたりはたくさんしている.

いずれにしても前持って考えておくことは重要だよ.


スケーラビリティの考え方は? あなたにとって「システムがスケーラブルである」とはどういうこと?

(Omar)
これもデザインに組み込まれている必要がある.

(Emily)
ただユーザーが何をリクエストするか,次に何をやるべきかは完全に予想できないので…

(Omar)
そういう時は基本的に書き直すよ.スマートリストを作った時はほとんどのコードを書き直した.捨てるコードが動いているコードでも関係ないよ.俺のコードだ.全部頭の中に入ってる.


UI やユーザーエクスペリエンスについてのポリシーは?

(Emily)
Simplicity!
とにかく速く,簡単に.

ベーシックなことは簡単にできつつも,複雑な使い方をしたいユーザーにはそれができるようにしている.

新しい機能を追加する時はものすごく慎重に考えるんです.「これによって RTM の simplicity が損なわれないかどうか」って.


Remeber The Milk の UI には Fragile Findability の美学 があると思うんだけど,これって狙ってやってるの?

(Emily)
「使えば使うほど好きになる UI」っていうのは意識している.例えどんなに小さい機能でも,それについてとことん考えるようにしている.

(Omar)
全ての人がヘルプドキュメントを読むわけじゃないからね.最初は簡単に使えるけど,使っていくうちにどんどん新しい機能が発見できるようになっているんだよ.

(Emily)
そもそも「タスク管理」なんてそれ自体は楽しい作業じゃないでしょう? だから RTM を使って,それが少しでも楽しくできるようにしたいんです.


フロントエンドとバックエンドで担当を分けてるの? 開発言語とかは?

(Omar)
Emily は UI をデザインして,HTML や CSS を書く.あとヘルプドキュメントやユーザーサポートも Emily の担当.

Javascript 以降が自分 (Omar) で,Emily の UI/UX を AJAX で実現したり,バックエンドは PHP と Python で書いている.


テストはどうしてるの?

(Omar)
機能によるかな.
テストスイートがあるものもあれば,コードを書く前にテストを考える場合も書いた後に考える場合もある.家族やまわりの人に試してもらったりとか.

機能自体のテストはもちろんだけど,それによってユーザビリティやパフォーマンスが損なわれないかは常に意識している.


どうして Google Gears にあそこまで早く対応できた?

(Omar)
あの時は大変だった.でもただやるだけだよ.
技術的におもしろければ,とにかくやりたくなるんだ.

(Emily)
あの時は (Google Gears には関係ない) look & feel の変更も同時にやってしまった.「これもついでにやっちゃおう」みたいなノリで.


RTM はどうやってはじまった? 最初からここまで大きくする自信はあった?

(Omar)
Gmail にインスパイアされたんだ.あれはウェブにおけるアプリの在り方を変えたと思う.

我々は大学で知り合って,いくつかプロジェクトを一緒にやったんだ.それで2人で,とにかく「ベスト」なタスク管理ツールを作ろうということになった.

もちろん最初からここまで大きくなるとは思っていなかったよ.


なぜ RTM はユーザーに受け入れられたんだと思う?

(Emily)
やっぱり RTM が人々の生産性を上げ,生活を効率的にしたからだと思う.

(Omar)
あと,基本的に我々はストップしないんだよ.常に外部からの刺激 (Google Gears や iPhone など) を受けて新しい機能を実装し続けている.そのポリシーが気に入られているのかも.

今ではそれが当たり前に思われていて,「iPhone が発売されて2日もたっているのになぜ何も発表しないんだ?」なんて言われたよ (笑).


今後の RTM の展望は?

(Omar)
We want RTM to be everywhere!
とにかくどこからでも RTM が使えるようにしたい.他のいろいろなサービスやデバイスに対応して,どこからでもタスク管理ができるようにしたい.

(Emily)
ユーザーの嗜好は様々だし,国によって使われ方も違うから,できるだけ多くの人に対応したいと思っている.


Omar はとてもシャイなかんじで,最初はうつむき加減にあまり目を合わせず話していたのに,技術の話になるとまっすぐ私の目を見てハキハキ話していたのが印象に残っています.2人ともとてもいい人で,なぜかランチまで奢ってもらっちゃいました.私が「いやそりゃいくら何でも…」と引き下がらないでいると,「もう支払いの話はやめよう.楽しかったからいーよ」と.このブログは翻訳サービスにかけて読んでくれると言っていたけど,なんか手伝えることあったら手伝うよ,ホント.

昨日の交流会のレポートもいくつかあがっているようです.
Remember The Milk 交流会に行ってきましたよ!!!
mootoh.log : Remember The Milk 交流会 in 東京 に行ってきた !

こちらはご参考.
無料タスク管理サービス「Remember The Milk」日本語版の使い方 - GIGAZINE
Peace Pipe: Remember The Milk で便利な21の検索 [lifehack]

開発者の信念みたいなものに触れて,ますます RTM に愛着がわいた気がします.


2 comments:

takayama said...

言及ありがとうございます。
ナイスな質問をたくさんされてて、とても参考になりました。自分も質問力つけなきゃ。

あの2人と話してると、なにか手伝えない? と言いたくなりますよね。そこにいちばん共感しました。

次は大阪でやるかも? らしいですよ。

toshi said...

コメントありがとうございます.

> あの2人と話してると、なにか手伝えない? と言いたくなりますよね。
ホントそうなんですよね.

まったく欲がないというか,ユーザーベネフィットを一番に考えていて,純粋にテクノロジーが大好きで,自分達のサービスに誇りと自信を持っている…

昨日の交流会もそうだったに違いないと思いますが,そんな人達と話すのが,ただ単純に楽しいんですよね.

大阪オフ会,実現するといいですね!