Steve Cropper が奏でるギター [music]
このエントリー で書いた「世界・時の旅人『君はオーティスを聴いたか 忌野清志郎が問う魂の歌』」という番組を見た.まず,Otis Redding をご存知無い方には,「ソウル界のカリスマ的存在だった人」とでも言えば良いだろうか.以下,NHK の 今週の主な番組 からの抜粋.
アメリカ音楽界で伝説として語り継がれているスーパースター、オーティス・レディング。1962年に彗星のごとくデビューし、黒人の魂の歌「ソウル・ミュージック」を確立。ずば抜けた歌唱力と“シャウト”で聴衆を魅了し、ビートルズなど多くのミュージシャンに影響を与えた革命児だ。しかしデビューから 5年、全米人気投票でNo1に輝いた直後に、自家用機の墜落事故で音楽活動に終止符を打つ。26歳の若さだった。デビューから35年になるミュージシャン忌野清志郎は、オーティスから強く影響を受けた。左手でマイクを握るのも、歌の途中でガッタガッタと口ずさむのも、観客に「愛し合っているかい?」と問いかけるのも、彼の影響だ。なかなか売れなかった若い頃から、いつもオーティスの生きざまが支えだったという。ベトナム戦争でアメリカ全土が大きく揺れていた60年代、オーティスの歌声は、自由と平等を求める黒人の公民権運動のテーマソングであり、その高揚とともにあった。オーティスの叫びが人々の胸に響いたのはなぜなのか。オーティスはどんな思いで短い生涯を駆け抜けたのか。忌野清志郎が40年の時空を超え、オーティス・レディングの生きざまを探る旅に出る。
たった1時間の番組で Otis のことが語り尽くせるわけがないし,清志郎さんがその生き様を探るというコンセプトなので Otis 自体をとことん掘り下げる内容ではなかったが,個人的には Steve Cropper が見れたのが嬉しかった.清志郎さんとも親交が深い人だから彼の登場は予想できたが,まさか一緒に Otis に捧げる曲を作って披露するとまでは思わなかった.
Steve Cropper は Booker T. and the MG's の一員として Otis Redding や Sam & Dave など,Stax Records に所属するアーティストのギターを努めた,私が大好きなギタリストの1人.作曲家としても,今回の番組でも取り上げられていた The Dock of the Bay や Eddie Floyd の Knock on Wood を手がけたとして有名だし,プロデューサーとしても第2期 Jeff Beck Group などのアルバムを制作している.最近では Blues Brothers Band としての活躍も記憶に新しい.
「優れたデザインは引き算である」という名言があるが,Cropper のギターにも同じことが言えると思う.一連のフレーズの中でやみくもに弾きまくるのではなく,あえて指を止めたりゆっくり動かすことによって生み出される彼独特のグルーブ感.つまり彼がギターを「弾いていない時」こそ,一番「Cropper らしさが出ている」と思うのである.そして彼のギターの音は,あまりにも誠実に心に響くのだ.
…なんか,Otis の番組のレビューで Cropper のことばかり書いてしまったが,最後に私が推薦する4枚のアルバムを紹介しておこう.
Otis Redding: Live in Europe
Otis のパフォーマンスも,Cropper 始め Booker T. and the MG's のバックも非常に素晴らしい1枚.Otis のアルバム では一番好き.
Delaney & Bonnie: Home
Cropper のギターに関してだけ言えば,このアルバムが一番カッコイイと思う.リズムの間に差し込んでくる彼のフレーズがなんともたまらない.
Booker T. and the MG's: Green Onions
Booker T. and the MG's のデビューアルバム.定番中の定番.
Booker T. and the MG's: McLemore Avenue
全曲 Beatles のカバー.バンドワークがなんとも素晴らしい.聴けば聴くほど好きになっていった.
4 コメント:
見逃しちゃったよ・・・
あらら,残念.
アコギ弾きながら清志郎さんと曲を作る Cropper なんてなかなか見られないのに…
NHKだからさらに再放送があるに違いない
うん,可能性はあるね.
一応,「清志郎」のキーワードでは毎週番組表キーワード検索してるから,もし見つけたら告知するよ.
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