"Welcome back home" - あの頃の僕に会いに行った日 [reflection]
出張でボストンに来ています.ボストンは私が大学時代を過ごした街.懐かしいですね.卒業後も,プライベートで1度,前職時代に仕事で2度来る機会がありました.でも実は,高校時代にも同じマサチューセッツ州に住んでいたことがあるのです.
私は名古屋で生まれ育ち,16歳の時に単身渡米しました.その最初の年は,マサチューセッツ州の外れ,ボストンから車で西に2時間ほどの片田舎にある全寮制の高校に,1年間通っていました.そしてこの日,20年以上ぶりに,その場所を訪れてみたのです.
大袈裟に思われることを承知で書くなら,今この地を再訪したら,自分の中で何かが変わってしまうのではないか…そんな想いを抱いて向かいました.
絶望的なホームシックの中,右も左も,英語もロクに分からなかった当時の自分.それが何かも分からない,何かを,いつも追い求めていた,そんな無いものねだりの毎日だったように思います.
1年後にフロリダにある高校に転入したのですが,その頃にはアメリカにもこの地にもすっかり馴染み,今度はこの地に対してホームシックを感じることになります.
笑って,泣いて,恋をして,最高と最悪が交互にやってきて,とてつもなく感情を揺さぶられながら過ごしたアメリカ1年目の年は,私の人生において,とても特別な時間でした.
1992年の秋.ちょうどその年も大統領選があり,ニュースは,初当選したビル・クリントンがサックスを吹く姿をとりあげていました.寮のロビーに1台だけあったテレビのチャンネルはいつも MTV で,エリック・クラプトンの Tears in Heaven,ガンズの November Rain,レッチリの Under The Bridge,ニルヴァーナの Smells Like Teen Spirit なんかがよく流れていたのを思いだします.
そんな当時の原風景や感情が,濁流のように押し寄せてきた1日.
あの頃の僕は,41歳になった僕を見て,どんなふうに思うかな.
そうそう,当時,新しい生活の中で心の拠り所のように聴いていたローリング・ストーンズも,忌野清志郎も,今でもよく聴いているんだよ.清志郎は死んじゃったんだけどね…
最高にチャーミングな娘と,毎日君のことをゲラゲラ笑わせる息子が,24年後の僕にいるなんて,想像できないだろう?
なかなかいい人生なんじゃないかな.
あの頃の僕のおかげかもね.
その気になれば,いつでもまたゼロからはじめられる.
あの1年が乗り切れたなら,この先どんな困難もへっちゃらだし,どれだけでも勇気を出して冒険できる.
そうだ,子どもの頃に会いたかった大人になろう.
…帰りの車の中で,エリック・クラプトンの Tears in Heaven,ガンズの November Rain,レッチリの Under The Bridge,ニルヴァーナの Smells Like Teen Spirit なんかを口ずさみなら,そんなことを思った1日でした.
Flickr photos: New England 201611
Peace Pipe: 嗚呼,懐かしの我がボストン [diary]
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