じゃあ,彼にとっては…? - 光市母子殺害事件 [reflection]
呆れるほど脳天気な春の陽気が漂う中,光市母子殺害事件に死刑判決が下された.
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本村さんはメディアに向かって主張を繰り返しているが,私の心に鮮明に刻まれているのは,1999年に彼が生放送で発した「もし裁判所が加害者を死刑にしないなら,刑務所から出てきた時に私が自分の手で殺す」という言葉だ.
彼は,1976年3月生まれ.学年で言えば私と同じになる.
そんな,同じ時代を生きてきた彼の戦いを,8年間見てきた.
その間に,私も1人の娘を持つ父親になった.
…だから彼の気持ちが分かるなんて言うつもりはない.
ただ,いてもたってもいられないのだ.
今日の判決の2日前,本村さんはこんな風に心境を明かしている.
光母子殺害、本村さん極刑望む…22日の控訴審判決を前に心境
(社会が)命の重さを考える機会であってほしい
社会にとっては,命の重さを考える機会でもいい.
だけどそんなことは聞きたくないんだよ.
君自身にとっては,どうなんだい?
人生が80年とすれば、その10分の1にあたるもので、私の20代を家族と裁判に費やした
納得できる判決が出れば、心は癒やされると思う
本当にそうであったことを,願っている.
2 コメント:
今まで犯人を恨むことでストレスなり
悩みを忘れようとしていたかもしれないことを考えると、
死刑により、この世から恨む相手がいなくなるとどうなってしまうんだろうか?
早く次の人生に明るく迎える日が来るといいですね。
彼は顔つきが変わっちゃったから、時間かかるかもしれないですね。
彼のことは彼にしか分からないので私の勝手な想像ですが,もちろん恨みも復讐もあるんだろうけど,もっと大きな使命感を背負っているような気がするんです.
法や枠組みの再定義だったり,人が人の命を奪うこと (加害者が自分の家族に対して奪った命も,自分の戦いの結果が奪う加害者の命も) についての社会に対するメッセージだったり.
彼は以前テレビ番組で「人生とは偶然を必然にする過程である.いつか『あの事件が偶然ではなく必然だった』『あの事件があったからこういった新しい社会の問題が解決できた』と思えれば妻と子の命は無駄にならないと考え活動している」と言っていました.
それはすごいことだと思うけど,ふと立ち止まった時に,とてつもない時間とエネルギーを費やしてきたこの9年間は,彼自身は一体どう捉えるんだろう,と.
私は,やっぱり人の悲しみはいつでも主観的で,他の人のそれと比べられるものではないと思っています.
それでも,同じ父親として,同級生として,「お前はマザーテレサにもガンジーにもならなくていいから,できることなら早いうちに少しでも癒されてほしい」と言いたくなる衝動に駆られるんです.
今日の判決後のインタビューでは,「死刑判決が出て,本村さん自身はいつか癒されますか?」という質問に対して,「私はすぐにその質問に答えることはできません」「私が死ぬときまで分からないと思います」と語っていました…
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