Index

2006年4月27日木曜日

早稲田大学シンポジウム インターネット検索の未来 [memo]

昨日,早稲田大学が創立125周年を記念して開催した公開シンポジウム,「インターネット検索の未来」に参加してきたので,簡単にレポートしよう.

ベタなテーマではあるが,先日の TV 2.0のイベント で非常におもしろい話をしていた 情報考学 Passion For The Future の橋本氏を始め,初代「検索の鉄人」の関氏,元エキサイト CTO で Yahoo! Search Technology の開発にも従事した エッセンシャル・サーチエンジン の井上氏,ソニーから経済産業省に入省して検索エンジンの研究会を運営している八尋氏など,なかなか興味深い人達の講演・パネルディスカッションがあるということで非常に楽しみにしていた.

シンポジウム概要は こちら を参照.
本日の内容は一部を除いて後日ストリーミング配信されるとのことなので,ここではあまり内容をダラダラ書かずにポイントを絞って特に印象に残った点を2つほど紹介したいと思う.


関氏の講演ではネット検索のテクニックをいくつか紹介していて,例えば「タバコに含まれるニコチンの量」を調べたい時に多くの人は質問の内容を単語単位にして

タバコ ニコチン 量
などと検索してしまうが,コツは「意図した検索結果画面をイメージすること」で,この例であればきっと「様々なタバコの銘柄」やそれらについて「具体的なニコチンの含有率が何 mg か」という情報があるはずだから,
マイルドセブン セブンスター マルボロ ニコチン mg
のように検索した方が思い通りの検索結果を得られるということなど.

このような「ノウハウ」はネットの世界に慣れ親しんでいる方にとっては常識かもしれないが,印象的だったのはその後の質疑応答の中で出た,「そもそも検索エンジンに対して『ノウハウ』が必要なこと自体がおかしいのでは?」という質問.確かにその後のパネルディスカッションでも,多くの人 (正確な数字は失念してしまった) が1語のみをキーワードとするシンプルな検索を行っていたり,検索エンジン利用者の4割が意図した検索結果に辿り着けていないというデータが示されていた.

改めて思うのは,最近ではブログサーチなど対象を絞った検索もあるものの,基本的に検索エンジンがユーザーに提供する UI は1つだけだということ.今後もネット上のデータが膨大に増え続ける中でピンポイントに探したいページを見つけるという命題に対して,技術が解決し個人の趣向や行動パターンまで検索結果に反映できるようになるのか,それともある程度ターゲットユーザーを絞った様々な種別の検索エンジンが最初からいくつも分かれているといったアプローチになるのかは興味深くもあり,今後ますます検索エンジンに依存した生活を強いられる社会においては深刻な内容かもしれない.


もう1点は個人的にも期待していた橋本氏の「橋本節」が聞けたこと.さすが,なかなか痛快だった.曰く,

俺は別に彼女をしばる気はないんだ.彼女は自由だし,やりたいことをやればいい.だから,彼女が留学するのはちっとも反対じゃない.ただここで問題なのは彼女の動機だよ.安易な留学ブームに乗っかてるだけじゃねえか.だいたい,そんな,あいまいな気持ちで留学したって逃げてるだけじゃ…

みたいな文章を入力としてこれを要約すると,

淋しいんだね,おまえ (母親)

という結果になる,と (爆笑).
「これが機械にできますか?」と.

市販の文章要約ソフトの出力結果も示していたが,もちろんこのような結果にはならない.そして橋本氏はこう続ける.

「極論を言えば,機械にできるかと言われれば,もしかしたらできるかもしれない.自然言語処理の技術が進めば,これぐらいは今後機械にできるかもしれない.でもこれってお母さんに言われないと意味がないですよね?」

例えば原稿の締切が近づいてきて催促のメールが来たとして,機械が自動的に送ってきても意味が無く,人間が催促しているから始めて焦るというのだ.

機械が全てを解決できるわけではなく,またその必要も無いと.「世界をデータベース化する」ことはあまり意味がないのではないかと問いかけ,情報を「引き出す」技術としての検索として過去は記録から引き出す,現在は記憶から引き出す (思い出す),未来は想像する (対話や創発),と言う.

つまりこれまで検索はインデックスサイズとアルゴリズムの時代だったが,今後は「インターフェース x コミュニケーション」が重要になってくるのではないかとし,「Webをデータベース以上の知識想像と共有のプラットフォームに作りかえる次世代検索エンジンが求められている」と主張していた.


1つ強く感じたのは,現状の検索エンジンがカバーできていない分野はまだ山のようにあるということだ.将来の在るべき姿は,既存の技術を同じ方向でそのまま進化させていったものではないはずで,逆に言えばそこにまだビジネスチャンスがゴロゴロ転がっているということなのかもしれない.

The New York Times は2084年の Google を冗談混じりに こんな風 に風刺していて,さすがに「Brain」や「Future」を「I'm Feeling Paranoid」サーチしたいとは思わないが,いずれにしても検索エンジンが「夢のような万能ツール」に近づくには膨大な「泥くさい作業」も必要だろう.そして,技術だけが台頭して全てを解決していくのか,そこに何らかの「人間味」というエッセンスを効果的に加えて工夫を重ねていくのか,今検索エンジンは大きな分岐点に立っているのかもしれない.


【2006/04/28 追記】
本シンポジウムの内容が INTERNET Watch で紹介されていました.
「完璧な検索エンジン」は現われるのか、業界関係者が語る 検索の未来
後半のパネルディスカッションについて割と詳細にレポートされているので,こちらを合わせてご覧になるのが良いかと.

【2006/05/11 追記】
一部内容の動画配信が始まったようです.
早稲田大学創立125周年記念公開シンポジウム


高田馬場 俺の空 [diary]



あいかわらず,激ウマ.


2006年4月26日水曜日

Mac 環境構築 番外編 - ヒューマンインターフェースにもこだわりたい [mac]

今回の「Mac 環境構築シリーズ」は番外編ということで,周辺機器,特にキーボードとマウスについて書いてみたい.

東大の和田教授が,

アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。
いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。

という言葉を残しているが,まったくその通りだと思う.実は PC のスペックがすぐに陳腐化する昨今において,本当にこだわるべきは実際に手に触れるヒューマンインターフェースデバイスなのかもしれない.


キーボードについては,昔は IBM Space Saver 84 keyDatadesk Smartboard といったメカニカルキーボードを愛用していた.Space Saver 84 key (85 key ではないところが密かなこだわり) は打鍵感が最高で,メカニカルといっても「カチ カチ」というよりは「カシュイーン カシュイーン」という感じ (まわりの人はさぞ迷惑…).Smartboard は,「英語配列かつメカニカルかつエルゴノミック」という条件を満たす数少ない逸品だった (「エルゴノミックキーボード」とは,Smartboard のように手首を曲げなくてもいいよう真ん中でハの字になっている形に代表される,人間工学に基いたキーボード.詳しくは こちら.他にも いろんな形 がある).

ただここ5年ぐらいはずっと Happy Hacking Keyboard 2 (以下 HHK2) を愛用している.好き嫌いがはっきり分かれるキーボードだろうが,Sun Type3 配列に準拠し,指に吸いつくような使い心地で,非常に手に馴染む.極端にキー数を減らし小さくまとめた本体は前述の Smartboard のようなエルゴノミックキーボードとは対極に位置するポリシーだが,どんな時でもホームポジションからほとんど手を動かす必要がなく指の動きが最小限になる分,タイピングも速くなるし CUI 派の自分には合っているように思えてきた.

マウスについてはトラックボール,しかもマイクロソフト製なんかで良く見かける親指でボールを動かすタイプではなく,左右対象のものが好きだ.これもここ数年は,トラックボールファンの間では評判の高い Expert Mouse を使っている.

というわけで,私にとってのベストな組み合わせはこうなる.



それで本題の Mac 環境の方だが,キーボードは HHK2 が PS2 接続のみということ,また先日販売終了になってしまったということもあり,後継機 (と個人的には認めていないが) の Happy Hacking Keyboard Professional を使っている (リンクは USB ハブ能を備えた HHK Pro2).しかもせっかくだから無刻印版.HHK2 と比べるとキータッチが私には少し軽く,「スコ スコ スコ スコー」という感じの打鍵感という印象だ.HHK Pro を購入した直後に HHK Pro2 が発表されたわけで,まったくなんともタイミングが悪かった.

HHK Pro/Pro2 は Mac 用に ドライバも配布されている が,Intel Mac では必要無いとのこと.

Mac は購入時,嫁さん用に Apple 標準の日本語配列 bluetooth キーボードを付属品として選択したが,Mac側でちゃんとそれぞれ識別して日本語配列・英語配列を自動的にキーボードに合わせて変えているようだ.うーん,頭良すぎ.

ちなみに同じ HHK でも,Lite系 (Lite/Lite2) は HHK2 とはまったく別物なので注意が必要である (HHK2 と HHK Pro もかなり違うけど).

マウスは,Expert Mouse でも良かったのだが,少しは Apple 製品も使おうと思って,ちょっと気になっていた Mighty Mouse を試している.

というわけで,現状の Mac での組み合わせはこんな感じ.



良い道具というのは,実際に使ってみると違いが実感できるもの.あなたも自分だけのこだわりの1品を探してみては?


2006年4月23日日曜日

「Web 2.0 is pretty vague」Bill Gates 来日記者会見 [memo]

少し前のエントリーで,「Web 2.0」という言葉の曖昧さについて言及した (参照) が,先日来日していた Bill Gates も記者会見で同様のことを言っていた.

ITmedia News:ゲイツ会長「Web2.0はあまりにあいまい」
ビル・ゲイツ会長にとって「Web 2.0」とは? - @IT

ちなみにこの記者会見はストリーミングされていて,以下から視聴が可能 (要無料会員登録).
ソフトバンク ビジネス+IT:【ストリーミング】ビル・ゲイツ来日記者発表会のすべて

たまに英語のインタビューがあまりに不自然に訳されていることがあるので,念の為に直接発言内容をチェックしてみたけど,確かに "vague" という表現をしている.

その他にも記者から興味深い質問がされており,例えば「HD DVD と Blu-ray の規格争いについて」とか「放送と通信の融合について」など.ただ Gates の回答はその内容の核心を突くことは無く,いつものようにゲイツ節を炸裂させて軽くかわしていた印象を受けた.

「HD DVD と Blu-ray」については,マイクロソフトの HD DVD の取り組みと,メディアのハイデフィニション化について延々と語り,Blu-ray について最後に「まだよくわかんないんだよねー」的なことを言うだけ.

「放送と通信の融合」についても,IBM がハード・ソフト・セールスといった全てのことに手を出しつつ「産業」を作らなかったことを引き合いに出し,マイクロソフトが「プラットフォームを作ってきた」ことを強調するだけだった.ただこちらの質問は最初に "Absolutely, there will be convergence" と明言していたし,「他の企業が参入しやすくすることが重要」というメッセージを伝えていることも確かではある.

日本語同時通訳版もあるので,興味のある方は実際の発言をチェックされると良いだろう.


Blog のデザインを変更 [blogger]

なんとなく気分転換.

どうも私は黒系のバックに白系の文字の方が落ちつくようだ.普段使っている PC のデスクトップもこんなかんじだし…


もちろん自分で使うデスクトップと人様に見て頂く Blog のデザインを同じには扱えないけど,前より見やすくなってないですかね?

これまでのデザインのスクリーンショット.


まだちゃんと表示テストができていない (特に MS IE) ので,なんか変なところがあったらコメント頂けると助かります.


2006年4月20日木曜日

タダより高いもの - Google のサービスについて [memo]

この Blog では度々 Google のことを書いていて,基本的に,

1. インターネットが進化して誰でも容易に情報発信することが可能となり情報は無尽蔵に溢れていき,一方で技術も進歩を遂げいずれ言語の違いなども意識せずに世界中の人とシームレスにコミュニケートできるようになるであろうこと,

2. つまり地理的な国境の概念を超え,インターネットの世界で情報を正しく整理し,新しい世界地図を描いた者が次の時代を制する覇者になるであろうこと,

3. 現時点での,その最有力候補が Google であること,

という私の考えは変わっていない.


そんな中,ある2つの記事が私の目を引いた.

1つは geek blogger の間ではおなじみの essa さん.
アンカテ(Uncategorizable Blog) - グーグルの閉店大セール=全てのサービスの有料化
もし万が一 Google が全てのサービスを有料化したら…と仮定すると,ユーザーからはものすごい怨念 (と同時にかなりの金額) を集めるだろうと述べている.そして Google がそうしない代わりに我々は Google に対してシンパシーを抱いている (「感謝」ではしっくりこないと書いてあったのでここでは「シンパシー」としてみる) と.

我々は知らないうちにグーグルに感謝していて、それが、グーグルから見て資産であれば、こちらから見たら負債であるはずだ。負債の処分を迫られて、グーグルを恨みながら金を払うと、それでイーブンになる。
--中略--
いつでも現金化できる彼らのこの資産が見えてないとグーグルの大きさを見損なう。その資産には、感謝(のようなもの?)と負債という二つの顔がある。ありがたくもあり恐くもある。二つの顔を両方意識しておくべきだと思う。


ところでこの記事のコメントには批判的な発言が多いが,彼等はこの記事の本質が分かっていない.実際に Page と Brin が今後の人生を南国のビーチで過ごすことに決めたとしても,その結果として Google がサービスを有料化しないことは書いた本人だって百も承知だ.essa さんは,我々の生活が既に Google のサービスに深く依存していること,またそれが Google に対するある種の期待感に (人によっては意識的に,でも多くの人にとっては無意識のうちに) 起因していることを示したかったのではなかろうか.数日前に Google Calendar が発表された時の blogosphere の異常なまでの盛り上がり方を思い出してみればいい.


さて,もう1つの記事はユーザーインタフェースの権威,増井 俊之さん (POBoxの産みの親,と言えば分かる方も多いのでは?).
On the Street Corner of Ubiquitous Computing: 検索エンジンからの自由
この中で彼は,essa さんとはまったく逆の主張をしている.つまりサービスが有料化されれば,ユーザーは怨念を募るのではなく,喜んで支払うだろう,と.

現在のWebビジネスにおいて広告料金の割合が異常に多いのがいけないわけで、サービスの重要性に応じて適切な課金が行なわれるようであればこういう問題は発生しないだろう。たとえば、新聞記事を読んだりWebを検索したりすることに対して適切に少額課金されるようならば、ほとんどの人は喜んで金を払うだろう。



確かに essa さんが1つ言及していない点があるとすれば,現在 Google に寄せられているシンパシー (感謝) はエンドユーザーからのもの *だけ* であるということ.同業者やレガシーメディア,あるいはビジネスパートナーから見た Google は,ユーザーの目から見たそれとはまったく違うはずである.

サービスの有料化という件に関しては,Google はこれからも エンドユーザーに *だけ* は無料で非常に質の高いサービスを提供するかもしれないし,同品質の代替サービス・製品は有料でそれよりは格安という分かりやすいところ (例えば増井さんが挙げているワープロソフト) から課金を始めてくるかもしれないし,はてなや flickr のようにちょっと使う分には無料でヘビーに使いたかったら有料という落とし所を探るかもしれない.それは Google のみぞ知ることであろう.

いずれにしても興味深いのは,一見意見が対立しているこの2つの記事の結論が,実は非常に良く似たスタンスにある,ということではなかろうか.

しかしボーっとしていると検索エンジンが神のごとくすべてを支配するようになる可能性は高いだろう。検索エンジンに頼らずに生きる方法について常々考えておくことが大事かもしれない。


2006年4月19日水曜日

レゴブロックとエンジニア脳 [memo]

最近,甥っ子が レゴにハマっている ようなので,少し反応してみることに.

レゴはソフトウェアエンジニアリングに良く似ている.
同じ小さなパーツを組み合わせる遊びでも,ジグソーパズルが決められた秩序に基きある1つの完成形を目指すのに対して,レゴは「何もないところから自分のイメージを自由に形にしていく」という趣向が強い.この「何もないところから形を作っていく」というのは,まさにプログラミングに通じるものではないか.ジグソーパズルはどちらかと言うとハードウェアエンジニアリング (それも基板設計や回路設計) に近い気がする.いずれにしても,同じ「理系」でも例えば会計士みたいな分野とは脳の使い方がまったく違うと思うのだ.

考えてみれば,Google の最初のサーバーはレゴでできていたと言うし,新製品の Google Mini もレゴを意識したデザインとのことで,
Google Japan Blog: Google Mini - 小さくなって日本先行発売

TIME 誌が Google の特集をすれば,Page, Brin, Schmidt の幹部3人は机の上にレゴを並べる.


はてなの近藤社長が本を出せば,表紙はレゴで遊んでいる写真.

曰く,

表紙は裸足のまましゃがんでレゴブロックで遊んでいる写真。表紙会議で僕はどういうイメージだろうか、という話しをしていて、「青」とか「レゴブロック」とか「裸足」とか「遊び」とかそういうイメージが出てきて、会議室に青い紙をセットして撮影して貰いました。

とのこと.
jkondoの日記 - 「へんな会社」のつくり方

さらに少し探索してみると,レゴランドとディズニーランドを比較して,レゴランドを「遊園地 2.0」と結論付けている
Tech Mom from Silicon Valley - 遊園地2.0? レゴランド vs. ディズニーランド
や,レゴを Web 2.0 の将来と絡めて,それらが抱えるジレンマを言及している
Rauru Blog - LEGO と Web 2.0 に共通する問題
といった,非常に興味深い記事に出会うことができる.

やはりレゴは geek のアンテナを刺激する要素を持っている気がする.


2006年4月18日火曜日

Mac 環境構築 その8 - chalow (というか perl モジュール) のインストール [mac]

ここまで来たら,Blog の更新は Mac で行うようにしよう,ということで,chalow をインストール.私は Blog は ChangeLog で書き,chalow で html 化して Blogger の投稿ページにコピペしている.

chalow のインストール」といっても,今までの chalow ディレクトリをそのまま持ってくるだけなので,以下は chalow で必要な Jcode,HTML::Template といった perl モジュールのインストール方法を中心に.

Mac ではデフォルトで perl が使えるので,root になって,

# perl -MCPAN -e shell
していくつかの質問に答えるだけ.大体はデフォルトで OK だが私は唯一
"Parameters for the 'make install' command? []"
だけ "UNINST=1" にしている.

あとはそのまま,
cpan> install Jcode
cpan> install HTML::Template
cpan> quit
とすれば終わり.解説の必要も無いぐらい簡単だ.CPAN って素晴らしい.

これだけではなんなのでもう少し書いておくと,基本的に CPAN は
cpan> install [モジュール名]
でモジュールをインストールするが,これは
- モジュール本体のダウンロード
- 解凍
- perl Makefile.PL
- make
- make install
を自動的にやってくれるもの.

設定内容の確認は
cpan> o conf

設定内容の変更は
cpan> o conf [オプション名] [新しい設定内容]

モジュールのアップグレードは
# perl -MCPAN -e 'CPAN::Shell->install(CPAN::Shell->r)'

と,これぐらい知っておけば「これを使うには次の perl モジュールが必要です」なんて言われた時でも大丈夫かな.

あとは Blog 更新時に
#! /bin/sh

chalowdir=$HOME/web/chalow
peacepipedir=$HOME/web/peacepipe

cd $chalowdir

perl ./chalow       -o $peacepipedir/chalow-output       -c $peacepipedir/cl.toshi.conf       $peacepipedir/ChangeLog       $*

exit 0
みたいなシェルスクリプトを -u オプション (出力先ファイルとサイズが異なる場合のみ上書き出力する) をつけて実行している.

いずれ ChangeLog や howm といったメモツール,chalow や rd2 といったそれらを html 化するツールのことなど,いろいろ書こうと思っている (けど思い始めてはや3ヶ月…).


Mac 環境構築 その7 - AquaSKK を導入 [mac]

少しずつ Mac が快適になっていくが,文字を書くには IM (Imput Method) を慣れた SKK にしたい.調べてみると,Mac で使えそうなのは AquaSKK とか MacUIM あたり.

AquaSKK の方が開発が活発である印象を受け,ベータ版で Intel Mac にも対応しているとのことなのでこちらを導入することにする (試しに MacUIM も入れてみたが,やはり動かなかった).

さて,私は句読点を「.,」にしているけど,そのような細かい設定をしたい場合は

$ cp /Library/Components/AquaSKKInputMethod.component/Contents/Resources/kana-rule-list $HOME/Library/AquaSKK/
して,このファイルを編集すれば良いようだ.


Mac 環境構築 その6 - vim の文字コード設定 [mac]

Mac でも快適に vim7 が使えるようになり,vim7 からは unicode サポートが改善されているとのことなので,これを機に vim のデフォルト文字コードを UTF-8 にしてみた.

vim の文字コード設定は少し複雑で,たまに間違って解説しているページも見かけるので,以下にまとめてみよう.

まず文字コード設定に関係するオプションは,
'encoding' (短縮名 'enc')
'fileencoding' (短縮名 'fenc')
'fileencodings' (短縮名 'fencs')
の3つ.fenc と fencs は名前が紛らわしすぎるので注意.

vim は 'enc' で指定された文字コードをデフォルトとし,ファイルを開く時に 'fencs' で指定された文字コードから順番に 'enc' の文字コードへ変換を試み,成功したところでやめる,全部失敗したら変換せずに 'enc' の文字コードで開く,という仕様になっている.だから,基本的に 'fencs' の中に 'enc' と同じ文字コードを書くのは無意味なばかりか,'fencs' の途中で 'enc' と同じものが登場すると以降の変換試行が行われない.

'fenc' は,vim がファイルを読み込む時に自動設定し,そのファイルの文字コードを示す為に使う.つまりユーザーが 'fenc' を設定するのは明示的にエンコーディングを指定して保存したい時のみで,.vimrc で 'fenc' を指定することは無い.たまに fenc を設定している解説ページを見かけるが,自分で設定するのは基本的に enc と fencs だけだ.もちろん明示的に fenc を設定する場合でも,指定できる文字コードは1つのみでカンマ区切りの書式は使えない.

文章だけだと分かりにくいですね.例えば
enc=utf-8
fencs=ucs-bom,iso-2022-jp,cp932,euc-jp
とあった時に,cp932 (SJIS) のファイルを開こうとすると,vim は
ucs-bom → utf-8 の変換
iso-2022-jp → utf-8 の変換
cp932 → utf-8 の変換
と試していき,ここで成功するので 'fenc' に cp932 を設定してファイルを開く.

'enc' と同じ UTF-8 のファイルを開いた時は ucs-bom から euc-jp まで全て試して失敗するので,そのまま UTF-8 で開き,'fenc' の値は空になる.

以上を踏まえた,UTF-8 をデフォルトとした .vimrc の文字コード設定例.

set   encoding=utf-8

if has('win32') && has('kaoriya')
  set   ambiwidth=auto
else
  set   ambiwidth=double
endif

if has('iconv')
  let s:enc_euc = 'euc-jp'
  let s:enc_jis = 'iso-2022-jp'

  if iconv("\x87\x64\x87\x6a", 'cp932', 'euc-jisx0213') ==# "\xad\xc5\xad\xcb"
    let s:enc_euc = 'euc-jisx0213,euc-jp'
    let s:enc_jis = 'iso-2022-jp-3'
  endif

  set   fileencodings&
  let &fileencodings = &fileencodings.','.s:enc_jis.',cp932,'.s:enc_euc

  unlet s:enc_euc
  unlet s:enc_jis
endif

if has('win32unix')
  set   termencoding=cp932
elseif !has('macunix')
  set   termencoding=euc-jp
endif
vim のデフォルトを UTF-8 にしても,ターミナルは cygwin が cp932,UN*X が euc-jp のままなので,それぞれ適切に termencoding を設定している (Mac のターミナルは UTF-8 にしている).


ちなみに以前の設定は以下のようなかんじ.'set enc=japan' としているが,これは enc で使えるエイリアスで,UN*X なら euc-jp,Windows であれば cp932 と解釈される.
set   encoding=japan

if has('iconv')
  let s:enc_euc = 'euc-jp'
  let s:enc_jis = 'iso-2022-jp'

  if iconv("\x87\x64\x87\x6a", 'cp932', 'euc-jisx0213') ==# "\xad\xc5\xad\xcb"
    let s:enc_euc = 'euc-jisx0213,euc-jp'
    let s:enc_jis = 'iso-2022-jp-3'
  endif

  set   fileencodings&
  set   fileencodings+=ucs-2le,ucs-2

  let &fileencodings = &fileencodings.','.s:enc_jis.',utf-8'

  if &encoding =~# '^euc-\%(jp\|jisx0213\)$'
    set   fileencodings+=cp932
    let &encoding = s:enc_euc
  else
    let &fileencodings = &fileencodings.','.s:enc_euc
  endif

  unlet s:enc_euc
  unlet s:enc_jis
endif

私も vim7 は未だあまりいじり倒していないのだが,鳥獣保護区さんのサイトに vim6 からの新機能がまとめられていたので紹介しておこう.
Vim 7.0 BETA リリース
Vim 7.0 の新機能

えーと,あれ? Mac の話とはあまり関係なかったな…


ラーメンのチェーン店は邪道か? [diary]

昨日,ラーメンのことを書いたので,少し思うことを徒然と.

よくテレビなんかで紹介されている「おいしいラーメン屋」っていくつも店舗を持ってるようなトコが多いけど,私はこのような店をあまり信用しない.

本当にこだわりがあったら,自分が築き上げた味をどうして他人に任せることができよう?

要は,プライドが無いのだ.

支店のラーメン屋ってのはつまり,例えばダウンタウンの後輩若手芸人が,漫才でダウンタウンのネタをやり,タチの悪いことに客はそれがダウンタウンだと思って見ているようなものではなかろうか.

以前北海道に行った時,たまたま乗ったタクシーの運転手さんが無類のラーメン好きだったので,「じゃあ運転手さんのオススメのラーメン屋を教えて下さいよ」って言った時の彼の言葉を私は忘れることができない.

お客さん,それだけは口が裂けても言えませんよ.
ラーメン屋なんてのは,同じ日に行っても昼と夜でスープの味が若干違うんです.ましてや人によって好みも違うのに,自分の一番のラーメン屋なんて人にススメられるわけがないでしょう.


いくつも店舗を展開しているラーメン屋はビジネス的には勝者かもしれないけど,私の中の位置付けは「インスタントラーメン」の延長である.


…ま,あまり偏屈に考えずに,おいしいものはおいしいと素直に認めればいいんですけどね.


2006年4月17日月曜日

今度こそ支那そばや [diary]



ちょっと前に

実は帰り道にテレビなどでも有名な「食材の鬼」と呼ばれる佐野 実氏の「支那そばや」に寄ろうとしたのだが,藤沢の店は今はもう無く,新横浜ラーメン博物館の店舗のみになっているらしい.

なんてことがあったので (参照),今日たまたま北鎌倉に出かけた帰りに ラーメン博物館 に寄ってきました.

「一口食べてびっくりするようなおいしさ」というよりは,「なんか近所にでもあったらしょっちゅう行ってそうなかんじのおいしさ」という印象.でも,そういうラーメンこそ本当においしいラーメンだと思う.特にこういうテーマパーク的なところに入ってるラーメンって,最初の印象は強いけど,とても毎日は食べられないようなかんじのラーメンが多い気がする.あえて本店より味を濃い目にしてるようなとこもあるような気がするのは私だけかな?

ちなみに下は,2軒目に食べた「けやき」の味噌ラーメン.


2006年4月16日日曜日

【続編】Mac 環境構築 その5 - vim のコンパイル [mac]

このエントリー で Intel Mac 用 vim のコンパイルを行った時,

私は普段 vim に香り屋パッチをあてて使用しているが,これだとコンパイルエラーが出るようだ.
--中略--
中身を詳しく解析するのは時間がかかりそうだったので,ひとまず私は src/gui_mac.c の 3072行目,
#ifdef USE_IM_CONTROL

#if 0
とすることで逃げてしまった.
--中略--
ありゃ,しかも ./src/Vim --version してみたら,migemo も -migemo になっているではないか.

という,なんとも中途半端な結果だった.

vim も遂にバージョン7がベータとなり (現時点では 70d),これを機に vim70d で作り直してみたのでご報告.前回作った時は Intel Mac に対しての対応状況も悪く,configure オプション や CFLAGS をいろいろハックしたが,現状ではかなり進歩した模様.

src/INSTALLmac.txt を読むと,デフォルトで universal binary を作るとのことだが,

$ ./configure --with-features=big --enable-multibyte && make
だと
$ file ./src/Vim
の結果は,
./src/Vim: Mach-O executable i386
だった.

$ ./configure --with-mac-arch=both --with-features=big --enable-multibyte && make
とすると
./src/Vim: Mach-O universal binary with 2 architectures
./src/Vim (for architecture i386): Mach-O executable i386
./src/Vim (for architecture ppc):  Mach-O executable ppc
となる.
めでたし,めでたし,というわけだ.

さて,ここから前回も苦戦した香り屋パッチをあててみよう.
vim7用の香り屋パッチは,既に提供されている Windows 用の香り屋版 vim から取得することができる.現時点では
http://www.kaoriya.net/testdir/vim7-daily-w32j.exe
と,テストディレクトリに入っているが,その時点の最新版を取得してこよう (そのうち Windows 版は正規に公開されるだろうし,vim6 の時のように UN*X 用の差分パッチとして公開してくれるかもしれない).

ちなみに Windows 用の 香り屋 vim から拝借したパッチは,src/auto/configure の部分が抜けているので,ここに関しては vim6 用の香り屋パッチを参考につけ足しておく (基本的にコピペで OK).

結論から言うと,パッチをあてて
$ ./configure --with-features=big --enable-multibyte && make && sudo make install
で,Intel 用の vim (+kaoriya) がインストールされる.


ここからは実験的要素なので興味のある方だけ読んで頂ければ良いが,試しに universal binary を作ろうと,--with-mac-arch=both を加えて configure すると config.log に
conftest.c:73:20: error: migemo.h: No such file or directory
と出る.

ということで,今度は
$ export CFLAGS="-I/usr/local/include"
してから configure すると,config.log には
/usr/bin/ld: -syslibroot: multiply specified
collect2: ld returned 1 exit status
/usr/bin/ld: -syslibroot: multiply specified
collect2: ld returned 1 exit status
lipo: can't open input file: /var/tmp//ccU4drZ5.out (No such file or directory)
とのこと.

ならばと,CFLAGS を
$ export CFLAGS="-I/usr/local/include -isysroot /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk"
とすると,無事 configure でき,make も通る…が,
$ file ./src/Vim
の結果は,
./src/Vim: Mach-O executable i386
で universal 化されていない.

むむ? しばらく首を傾げて
$ export CFLAGS="-I/usr/local/include -isysroot /Developer/SDKs/MacOSX10.4u.sdk  -arch i386 -arch ppc"
として強制的に universal 化しようとしてバカな私は始めて気付いたのだが,config.log によると
/usr/bin/ld: for architecture ppc
/usr/bin/ld: warning /usr/local/lib/libmigemo.dylib cputype (7, architecture i386) does not match cputype (18) for specified -arch flag: ppc (file not loaded)
/usr/bin/ld: Undefined symbols:
_migemo_open
collect2: ld returned 1 exit status
lipo: can't open input file: /var/tmp//ccEI7fPS.out (No such file or directory)
とのこと.つまり,cmigemo も universal 化されてないといけないわけですね...ってそりゃそうか.


なにはともあれ Intel Mac 用 vim (+kaoriya) のコンパイルには成功ということで,私の胸のつかえも取れましたとさ.


P.S.
Bram 氏の Google での成功と,vim コミュニティの今後の更なる発展を,心よりお祈りします.


64 GB の USB メモリ (33万円) [ce]

Kanguruから「格安」64GB USBメモリ - Engadget Japanese
33 万という値段が「格安」かどうかは置いといて,64 GB という容量に驚きだ.

チープ革命ではないが,この値段などすぐに実用的なものになるのだろう.そうすると近未来のポータブルデバイスは,今とはまったく違うものになっているかもしれない.

最近,「Web 2.0」とか「通信と放送の融合」とかいったキーワード的な流行り言葉が妙に鼻につくが,実は未来は私達が今の頭であれこれ想像しているようなものとはまったく違ったものになっているのかも.

なんせ携帯電話だって,最初は こんなの だったんだから.


【2006/04/16 追記】
当初,このメモリの価格を「60万円」と記載していました.
誤記指摘,ありがとうございました > クリボウ さん


コトノハがおもしろい [memo]

どうでもいいようなお題に対して,単純に ○ か × という 1 bit の情報を投票するサイト.
コトノハ - ○×ソーシャル

あまりにもシンプルなコンセプトがおもしろい.

ちなみにここを知ったのは 以前紹介した Qooqle の サービス,Qooqle News より.
Qooqle News
なんかセンスいいなぁ.

コトノハはユーザー登録しないといけないけど,例えばどんなお題があるかは Qooqle News で見ることができる.非公式ながら
http://kotonoha.mixi.blogdns.com/new.xml
で rss feed も提供しているようだけど.


2006年4月15日土曜日

「最近だと特にひどいのはPSP」遠藤 雅伸氏インタビュー [ce]

遠藤 雅伸氏のインタビュー記事より.
モバイル&ゲームスタジオ 遠藤雅伸氏インタビュー(前編)

いまでも両手で遊ばせるモバイルゲームはありますが、やっているとだんだんゲームを遊んでいるのが面倒くさくなってくるんですよ。最近だと特にひどいのはPSPですね。電源入れて立ち上がるまで時間がかかって、思わず待っている間に電源を切ってしまう。


最初に「両手持ち」のユーザーインターフェースに言及しておきながら,「特にひどいのは PSP」と言った直後に,「起動時間が遅い」と急に話が変わって一貫性が無いようにも思えるが,「ゲーム機器 (に限らず全ての家電) において,『起動時間』が最も重要なユーザーインターフェースの1つである」というのであればそれには賛成できる.


e-mail でブックマーク [memo]

コロンブスの卵のような話だが,気になったウェブページをメールで送信するというサービスを見つけた.
あとで読む - ブックマーク - an email-based free bookmark service

詳しくは i d e a * i d e a さんの記事が参考になるだろう.
i d e a * i d e a - 待望の「あとで.cc」、速攻レビュー!

確かに私のソーシャルブックマークも,「後で読む」タグは溜まる一方だ (その数100件を超えている…).自分のメーラーというインターフェースを使うことでチェック効率が上がるかどうかは人それぞれだと思うが,ひとまずしばらく使ってみようと思う.

ちなみに私はこのサービスのメール送信先を Gmail にしているが,Gmail は「+ から @ までを無視する」という仕様になっている.例えば
abc@gmail.com
abc+def@gmail.com
は同じアドレスというわけ.

だから登録アドレスに +atode とつけておけばフィルタリングも容易になる (ま,このサービスに限って言えば From: でも Subject: でもフィルタは可能だけど).

さらに余談になるが,Gmail は . (ピリオド) も無視する仕様なので,
abc@gmail.com
a.bc@gmail.com
a.b.c@gmail.com
も全部同じだ.

このあたりの Gmail の tips は clmemo@aka さんの以下の記事が詳しい.
clmemo@aka: Gmail のメール・アドレス・トリック


通信と放送の癒合 [ce]

「通信と放送の融合」だとか「家電とネットの融合」だとかいった類の言葉もある種キーワード的に使われつつある今日この頃.確かにネット社会では変革が起こりつつあり,それがメディアや家電といった分野にどういった影響を及ぼしてくるかは大いに注目に値するが,業界の中には必ずしもそれを望んでいる人ばかりではないのも事実である.

そんな中,江口さん (「テレビとネットの近未来カンファレンス」 にゲストで来られていた方) の Blog で目にした一言.
E_GUCCI Daily: 通信放送癒合?

誤変換といえば、先ほど間違えて通信放送癒合とタイプしてしまったのですがまさに通信と放送両業界は癒し合うのが正解なんだと思います。

なんとも素晴らしい名言ではなかろうか?


Vim の作者,Bram Moolenaar が Google に [memo]

Vim の作者である Bram が Google に入ったとのこと.
Google Hires Vim Author

大半の方には「はぁ,それが何か?」といった話かもしれないが,私にとっては今日のトップニュースだった.


2006年4月14日金曜日

Google Calendar [memo]

以前から噂されていた Google によるオンライン PIM の Google Calendar が公開された.
グーグル、噂の「Google Calendar」をついに公開 - CNET Japan
Google Calendar

今日1日はネットニュースも blogosphere も,この話題で持ちきりだ.既にレビュー記事が山のように溢れ返っているので,ここでは Google Calendar のことについて改めて書くことはないが,やっぱり思うのは,コンテンツはどんどんネット上に置かれる方向に進んでいるということ.

そのうち全てのメディアや個人コンテンツ,さらにはそれを扱うアプリケーションさえもネット上に置かれ,様々な家電やモバイル機器は単純にそこをアクセスするだけ,という住み分けができるのかもしれない.

結局,あれほどセンスが良かった (と個人的には思っている) Palm だって廃れてしまったわけである.


あなたの「Web 2.0」を説明してから使ってほしい [memo]

前回のエントリーの「ケータイ論」からいろいろ関連リンクを読んでいると,例えばこんな記事があった.

辺境から戯れ言: 「放送と融合するのはむしろモバイル」

日本に「ケータイ」が存在する限り「Web 2.0」が普及する日は来ないと思う。


アンカテ(Uncategorizable Blog) - 「プル」タイプの静かなムーブメント

「ケータイ」の国と「Web 2.0」の国が並立して、どちらを「リアル」と呼ぶのか、その取り合いがもう始まっているのかもしれない。


それで思ったのは,最近「Web 2.0」という言葉が,あたかも明確な意味を持っているかのように当たり前のように使われているな,と.でも,そもそも「Web 2.0」なんていう言葉自体が後付けなわけで,定義も人によって少しずつずれていたりはしないだろうか.

どうも「Web 2.0」という言葉の曖昧さにつけ込んでいるというか,そこに逃げているというか,うまくお茶を濁している印象を受けることが多い (上記引用した記事がそうだというのではなく,blogosphere 全体的に).

いっそのこと,これぐらいに捉えておいた方がいいのかもしれない.
他人の不幸は蜜の味: 10秒で分かる「Web2.0」

一度この曖昧な概念を脱ぎ捨てて,あるいはしっかりとした「Web 2.0」観を持っている人はその自分の言葉を使って,物事やこれからのことを考えた方がいいんじゃないかな.これは自分にもしっかりと言い聞かせよう.

[R30]: Web2.0の終わり

どうせ「真実のWeb2.0」が何だろうと、結局世の中の人が理解したようにしか世の中は進んでいかないと思うので。

ま,つまるところそういうことなんだろうけど.


ブロードバンド先進国の高校生とケータイの在り方 [ce]

少し古い記事ですが,目にとまったもので.
アメリカの大学生より日本の高校生の方が実はかなり衝撃的

既に私の賞味期限が切れいるのではないかという不安が頭をよぎっている。もう、今の高校生の感覚についていけなくなるのではないか、時代に取り残されつつあるんじゃないか、という。

上記の「アメリカの大学生」と比べて今の日本の高校生のどこが驚異かというと、同じ事をPCではなく「ケータイ」で行っていることだ。
--中略--
PCはもはや完全に時代遅れな機器じゃないのだろうか。私はGoogleよりWEB2.0より、そっちの方が肝に銘じておかねばならん事だと思っている。


ここからのリンク先やコメントまで含めて一読の価値ありだ.
けどこれは,いつの時代でもある,いわゆる「ジェネレーションギャップ論」を今の時代の流行に合わせて語っているだけだと感じる.今の高校生だって30代になれば「最近の高校生は…」なんて言ってるだろうからだ.

結局問題なのは「若者」ではなくて,かつては「最近の若い奴等は」と呼ばれつつもその後アンテナが低くなってしまった「大人」なんだと思う.

そもそも「PC が時代遅れ」という概念が既に時代遅れだと感じてしまうのは私だけだろうか? PC は,ケータイがそうしてきたように,必要であればその姿を変えながら進化して行くだけのような気がする.高校生にとってケータイこそが姿を変えて進化した PC なのかもしれない.だからと言って,家に帰ってまで PC を使わずにケータイを使ってネットをすることが主流になるかどうかは疑問だし,例えばワンセグが普及したってテレビの需要は落ちないと思う.

確かにブロードバンドのインフラにおいては日本はアメリカなんかよりよほど進んでいるし,ケータイはとっくに「電話」の域を超えている.今後も進化の一歩を辿るだろう.でもだからこそ,ケータイは他の家電やデバイスと競合するものではなく,連携していくのではないだろうか.「コンテンツ」という概念がまずあり,そこにシームレスにアクセスする手段として家の中では テレビやPC,あるいは PS3など,外ではケータイや他のモバイル機器を使う,といった方向に進んで行くと想像している.

もちろんそれぞれの領域において,競合デバイス・サービス間の淘汰は行われていくだろうけど,そこを危惧しても仕方が無い.我々がどれだけ無駄な心配をしようと,時代は不必要なものを容赦無く切り捨てて行く.だからもし仮に将来 PC が淘汰されていくとしても,それはそれでまったく良いではないか.我々がこれだけ依存している PC が廃れるぐらい便利なモノがそこにはきっとあるんだろうから.変に構える必要は無いと思うのだ.


ソニー 未来は見えたか [ce]



日経ビジネス4月3日号で,「政権交代1年 ソニー未来は見えたか」という特集があった.特に前半,デジタルテレビの製造・販売面をクローズアップしている部分は,開発寄りの話に注目しがちな私としては興味深かった.

「もう1年も経ったのか…」というのが正直な感想.はっきり言って,ストリンガー・中鉢体制になってから,改革をしている雰囲気が漂うことはなく,世間から見て非常に印象が薄い感は否めないだろう.

それでもこの特集を読むと,「見えないところで着実に手を打っている」ことが分かる.ただ,なんというか,例えハッタリでも,もっと外にアピールすることも必要なんじゃないかと思う.

以下,いずれも特集の中の中鉢氏のインタビューより:

この1年,私は将来の夢を語るビジョンをあえて封印し,心の V字回復と利益を出すことに専念してきました.

今は社長の私1人がトップダウンでガリガリと自分の夢を語る時代ではありません.

いろいろな階層の人の声を聞き,私自身の意見も入れて,ソニーらしさとは何なのか,改めてビジョンの策定をしているところです.


本当にそうかなぁ?
魅力のある企業って,やっぱりトップの印象が強烈に強くて,明確な意志を持って会社の舵取りをしていることを感じることができると思う.実際にはそうじゃなくて上記のように思っていても,それをインタビューで言っちゃダメだと思うのだ.

ソニーのトップなら大いに夢を語ってくれよ.

それに「いろいろな声」を聞いて,本当にソニーらしさが追及できるだろうか? いろいろな意見を取り入れて作られたものは,えてして非常に退屈なものだったりする…って,そんなことは中鉢氏には釈迦に説法だろうが.

彼が堅実かつ確実にアウトプットを出していることは事実である.また,聞き手も最後に語っているように,インタビューの後半では「圧勝しなければ勝ちではない」「『ソニーユニーク』というのはまるっきりユニークでないといけない」といった熱い言葉も聞かれるあたり,やはり「ソニーの人なんだな」と感じる.ただもう少し外に対してアピールをしていかないと,いつまでも「町の工場長」のイメージから脱却できないと思うのだが...


2006年4月13日木曜日

「甲州街道はもう秋なのさ」は夏の曲だと思う [music]

前回のエントリーで「甲州街道はもう秋なのさ」という,たまたま自分が好きな曲を挙げた時にちょっと考えて,改めて感じたことだけど,これは夏の曲だと思っている.燃えるような夏の終わりを感じたある日,ふと車の中で「もう秋なんだなー」っていう.

逆に Doors の「Summer Is Almost Gone」は秋の曲だと思っている.「夏がもう終わってしまう」「夏が終わったらどうすればいい?」と秋につぶやく曲なんだと.

ま,あくまで個人的な捉え方だけど…

4月の始め,暖かさの中で確実に春の到来を感じるこの季節には Allman Brothers がなぜか聴きたくなる.外を歩いていて,ふと春の匂いを感じて Duane Allman のギターが聴きたいなーと思っても,私の iPod は まだ壊れたまま ですが… (号泣) 早くしないと Sly and the Family Stone の季節 (真夏) が来ちゃうよー

…ってどうでもいいエントリーです.


清志郎さんメディア情報 [music]

オフィシャルホームページ より.

4/15(Sat)
BS2『忌野清志郎 35周年 SPECIAL LIVE 』23:00〜24:30。
清志郎が大勢の豪華ゲストたちとの共演を果たした、2月25日の大阪城ホールでの“新 ナニワ・サリバン・ショー”の模様がオンエアとなります!

4/16(Sun)
MUSIC ON!TV『COUNT DOWN JAPAN 05/06 特別編 忌野清志郎& NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNS特集』19:00〜19:30。
年越しイベントでの忌野清志郎& NICE MIDDLE with NEW BLUE DAY HORNSのステージの模様が、30分番組になってオンエア!


というわけで,ナニワ・サリバンショーの放送はもう明後日 (4/15) ですよ! ま,来月に再放送があるようだけど (ハイビジョンなので録り残すならこっち).

5/12(Fri)
BS-hi『忌野清志郎 35周年 SPECIAL LIVE 』21:00〜22:30。
清志郎が大勢の豪華ゲストたちとの共演を果たした、2月25日の大阪城ホールでの“新 ナニワ・サリバン・ショー”の模様です。4/12にBS2でオンエアされたもののリピート放映です。



このオフィシャルホームページ,開くと「イェーッ」という音声が流れる.うっかり会社で開くとまわりの注目を一身に受けることができるのである.

いやそんなことより,一口に「35周年」というが,本当にすごいことだ.「ヒッピーに捧ぐ」とか「甲州街道はもう秋なのさ」とかの名曲も,何度聴いても深い感動を覚えるけど,思えば彼が25かそこらの時の曲なんだなーって.今自分がこの歳になって言えるけど,「まったくこの若造がすげー曲書きやがって」と,しみじみ思うのだ.


2006年4月8日土曜日

選曲に大注目 - ファン泣かせの Stax Profiles [music]



「Stax Records」というレコードレーベルをご存知だろうか.ブルース・ソウルの聖地 Memphis を拠点とし,Southern Soul を作りあげた立役者である (というか Stax と Southern Soul は同義語と言っても過言ではないだろう).

私が産まれて間も無く閉鎖してしまった遠い地のレーベルであるにも関わらず,私はいつも Stax になんとも言えない懐しさとシンパシーを感じる.それは憧れの地 Memphis にあり,Otis Redding, Booker T. & the MG's, Wilson Pickett, Eddie Floyd, Aretha Franklin, Marvin Gaye, Stevie Wonder, Isaac Hayes, Ike & Tina Turner, Rufus Thomas…と名前を挙げ出したらキリがないぐらい多くの,私が敬愛してやまないミュージシャンを輩出し,青春時代から常に身近な存在だったからかもしれない.

そして来年の Stax 創立50周年を記念して,代表的なアーティストのベスト盤がリリースされるとのこと.これだけなら大した話ではないが,今回目を引くのは,それぞれのベスト盤の選曲を,そのアーティストに関係が深いアーティストや有名人,業界人が行っているのだ.基本的にベスト盤が嫌いな私でも注目せざるを得ない.


例えば Otis Redding.

選曲はなんと Steve Cropper!! これだけで涙ものだ.なんと言っても今回のシリーズの一番の目玉である.Otis と Steve Cropper については,こちらを参照して頂ければ.
Peace Pipe: Steve Cropper が奏でるギター [music]


Memphis Soul の貴公子,Eddie Floyd. Steve Cropper が手がけた彼の代表作 "Knock on Wood" はあまりにも有名で,様々なミュージシャンにカバーされている.

選曲は Blues Brothers で有名なコメディ俳優の Dan Aykroyd.

昔 Blues Brothers Band が東京公演を行った時,私と私の嫁さん (当時は彼女) は最前列中央の席で見ていて,Eddie Floyd は歌っている最中に彼女に何度もウィンクし,最後には手にキスをしてステージに引っ張り上げたのが一番想い出に残っている.Eddie Floyd, Steve Cropper, Matt Murphy, ゲストで来ていた忌野 清志郎さんという顔ぶれの中で,自分の彼女が彼等と手をつないで踊る姿に私はただ唖然とするしかなかった.


我等が Booker T. & the MG's.

選曲は Elvis Costello. なんで Costello? と思ったが,選曲を見るとなかなか渋い.「あ,本当に好きなのねー」と共感できる.


唯一無二のギターでロック・ファンクにも多大な影響を与えた「3大キング」の1人,Albert King. 左利きなのに普通の右のフライング V を弦を張り換えずに (つまり1弦が一番上の状態),低めのチューニングで奏でるその表現力は色気さえ感じる.

選曲は Bill Belmont. 1977年に Stax を吸収した Fantasy Records の経営者で,Albert King のレコーディングにも深く関わり,アメリカンロック界の重鎮と呼ばれている人らしい.この作品でも,"Don't Throw Your Love on Me So Strong" の Fillmore 68年のライブバージョンや,"I'll Play the Blues for You" の完全収録版,"Born Under a Bad Sign" のアンリリースバージョンなどを入れ込み,市場に溢れる Albert King のベスト盤と差異化を計っている.

どうせなら Jimmy King (Albert King に憧れて彼のバンドに参加し,Albert と養子縁組したアーティスト) あたりの選曲でもおもしろかったのに…と思ったら,なんと2002年に亡くなっていたんですね.知らなかったよー.


R&B 界で強烈な個性を放つ Rufus Thomas. 私の中ではアーティストというよりも「芸人」の部類に入る (笑)

選曲は Roger Armstrong. この人は知らないけど,業界関係 (レーベル側の人間) のようだ.


Rufus Thomas の娘にして Stax の花,Carla Thomas. まったくエライ父親を持ったもんだ.

選曲はモータウンを最初にレコーディングした女性として知られる Dr. Mable John. Carla Thomas を成長期からずっと見守ってきた人物だ.


Stax の中でも割と後半に活躍した Johnnie Taylor. R&B を代表するアーティスト.

選曲は 80年代に人気を集めた熱血ロッカー Huey Lewis. ちょっと意外な人選だな.


Modern Blues 界の雄,Little Milton.

選曲は Lee Hildebrand. R&B の歴史家らしい.


父親と,その3人娘で結成された The Staple Singers.

選曲は Concord catalog A&R のディレクター,Cheryl Pawelski…ってこの人も知らないな.


実はあまり聴いたことがない Rance Allen.

選曲は自身も Stax に所属していた Deanie Parker.


…と,今のところ全10枚のようだが,この企画,これからも続けてどんどん増やしてほしいところである.

う〜ん,全部欲しいなぁ…
まずは全部 Amazon のカートに入れてからゆっくり考えてみるか…


2006年4月7日金曜日

Intel Mac で Windows XP をオフィシャルサポート [mac]

既にあちこちで話題になっているが,Intel Mac で Windows XP が「オフィシャル」にサポートされた.厳密には正式対応は次期 OS X の Leopard (10.5) からだが,現状のバージョンでもベータとして使用ができる.

Intel Mac が出た時から「Windows は動くのか?」という話題は常に人々の関心を集め,様々な憶測が飛びかう中1万4000ドルという賞金がかかったコンテンストまで開催され,挙句の果てには こんなジョーク まで出ていたが,なんと Apple 側から正式なソリューションが出たというのはちょっとしたニュースである.

アップル、「Boot Camp」を公開--Intel MacでWindows XPが利用可能に - CNET Japan
「Boot Camp」公開--PCユーザーはAppleに希望の光を見出せるか? - CNET Japan
ITmedia +D PCUPdate:もうみんなMacを買えばいいと思う--Apple純正「Boot Camp」をさっそく試した (1/3)

Apple - Boot Camp - Public Beta

ITmedia の記事は「もうみんなMacを買えばいいと思う」とまで言っていて,個人的にそう言い切るのは時期尚早だと思うが (結局は dual boot だしね),もし本当にそこまで世論が傾けば PC メーカーにとっても打撃は大きそうだ.

近いうちに購入しようとしていたノート PC,Thinkpad か MacBook Pro かで迷っていて,もうほとんど Thinkpad に決めかけていたんだけど,振り出しに戻ってしまったよ.


2006年4月6日木曜日

今年の新入社員は Blog 型 [diary]

先日書いたように現在は来年の新入社員の採用活動中なわけだが,今年の新入社員はオリエンテーションを終えて明日から職場配属になる.私のところにも1名入ってくるようだ.

で,こんな記事を発見.
戦略コンサルタントasktakaのブログ - 今年の新入社員はブログ型

表面は従順だが、様々な思いを内に秘め、時にインターネット上の日記を通じ大胆に自己主張する。繊細な感受性とブログ的なネットワーク力に優れるが、パソコンに語るだけに止まる傾向にある


なにより,こんなことを昭和48年からやってるのが驚きだ (しかも記念すべき初年度は「パンダ型」かい).

ちなみに私は1998年の9月入社で「再生紙型」…って 全然意味が分かりません ━━━(;´Д`)━━━!!!

今年のブログ型は、厳しい就職戦線を生き抜いてきただけに、上司や先輩のあしらいはうまいようです。さらに、認められると力を発揮する一方、本人の気分や他人の評価で萎える一面もあるそうです。それゆえ、今年の新入社員を育成するには、暖かい眼差しと共感が必要だ、と結論付けています。

って何十万人もいる新社会人をそんな簡単に結論付けられてもねぇ.

とまあツッコミどころ満載なわけだが,なんでもいいけどうちに来るのがおもしろい奴だといいな.


iPod が壊れた [diary]

ハードディスクからカリカリ音がしている状態で,さすがにもうダメかな.ここ数日は音楽を持ち歩けない日々が続いているけど,これほど辛いものですかね.辛いというか淋しいというか… 完全に生活の中に入り込んでいたんだなーと実感.

巷では新 iPod は6月だ,なんて憶測があったり,
iPod nanoなの。: 烏龍茶が教えてくれた!! 次期iPodは6月だ!!

次機種では Bluetooth が搭載されるなんていう噂があったり.
Mac Rumors: Bluetooth iPods Soon?

もう少しだけ待ってみるか…


2006年4月2日日曜日

新卒採用で注目したいこと [diary]

巷では2006年度の新卒採用に向けて就職活動が始まっているようで,今年は私も現場のエンジニアという立場で自分の会社の面接官を務めることになった.明日は,今年最初の面接である.これまで職場に来て頂く外注エンジニアの面接は何度も行ったことはあるが,即戦力が求められる彼等に対して新卒者には「対象者にどれだけ将来性があるか」という側面がポイントになってくる.

個人的には,学生時代に何をやってきたかについてはそれ程興味が無い.エントリーシートには研究内容なども書いてあるが,それについて聞くとしたら内容よりも,どれだけプレゼン能力があるかという点ぐらいだろう.Perl や Ruby, PHP を詳しく知っていたとしても,そんなものは会社に入ってからいくらでも覚えればいい (それらのオープンソースコミュニティで開発に積極的に参加していた,とかであれば話は別かもしれないが).

要は,「学生時代に学んだことやそれまでの人生で経験したことを,そのまま額面通りに受けとめているだけなのか自分の頭で消化して自分なりの言葉で説明できるか」とか「どれだけユニークでおもしろい発想ができるか」とか「与えられた環境の中で自分なりの工夫をして得られるものを高めてきたか」「モノ作りに対してどんなビジョンを持っているか」みたいなことに非常に興味がある.

そうは言っても,ソフト志望であればまずは軽い腕試しにこんなことを聞いてみてもいい.

次のコードの実行結果は?

#include <stdio.h>

typedef union {
    int value;
    unsigned char image[sizeof(int)];
} rawint;

int main()
{
    rawint  x;
    int     i;

    x.value = 0x12345678;

    printf("x.value   = %X\n", x.value);
    printf("x.image[] = ");
    for (i = 0; i < sizeof(int); i++) {
        printf("%02X ", x.image[i]);
    }
    printf("\n");

    return 0;
}
少し経験のあるプログラマーであれば,答えはシステム依存である (big endian と little endian で実行結果が違う) ことに気付くだろう.

あるいは「スレッドとプロセスとタスクの違いを,あなたの言葉で説明して下さい」とか「セマフォとミューテックスと条件変数の違いは何ですか?」とか「シングルトンパターンをスレッドセーフで実装した例を書いてみて下さい」みたいな質問をしてみる.こんなちょっと意地悪な質問に対して正しく答えられるかどうかなんて,まったく興味は無い.答えられればそれはそれでいいが,知らない時に素直に「分かりません」と言えるのか,就職面接の場でなんとか取り繕おうとして「えーっとなんだっけな…」なんて言うのか,つまり「自分が分からないことが分かっているかどうか」を注目したい.

さらには 全てのノートパソコンにGPSが載ったらあなたはどんなサービスを作りますか? といった類の質問も面白いかもしれない.

…ま,これらは全て Blog に書いてしまったからもう使えないな.ベッドに入ってゆっくり明日の質問を考えるとしよう.

いずれにしても,「あの会社に面接に行ったら変なロン毛の奴が出てきて圧迫面接された」なんて来週あたりどこかの Blog に書かれないようにしなきゃ (笑)