何度この曲に救われたことだろう [reflection]
人生の転換期を迎える度に聴き返す.
自分を見失うことがないように.
うち,こんな音のごたる感じで,生きていきたかとよ*
If it's fine rain or shine I don't mind I'll take it anyway
人生の転換期を迎える度に聴き返す.
自分を見失うことがないように.
うち,こんな音のごたる感じで,生きていきたかとよ*
今日も SEI のとあるアーキテクトと話す機会があったのだが,非常に興味深いエピソードを聞いたので紹介したいと思う.
内容としては「シンプルにいこう」という話.ソフトウェア工学の技術や手法を体得すればするほど,必要以上に設計やプロセスを複雑にしてしまう傾向がある.例えば「トシヤ」という名前のスペルを示したい時に,私自身が "TOSHIYA" と書けば済むものを,「まず俺が "T" を書くから,"O" を書く役割を他の人に与えて,次の "S" を書くプロセスとしては…」みたいなことをしていないだろうかということだ.
そしてこんなエピソードを話してくれた.
アポロがはじめて月に行った時,「宇宙ではペンが使えない」という問題があった.無重力の世界では,インクが落ちてこない為,ペンで文字が書けないのだ.
そこで NASA は,莫大な時間とコストをかけて,無重力でも使えるペンを開発した.アメリカは,この極端に需要が低い高価なペンに投資をしたわけだ.
ところでそんな時,ロシア人はどうしたと思う?
鉛筆を使ったのさ!
…落ちません? 目から鱗.
要は KISS ということですね.
最後に少し脱線するが,KISS とは "Keep It Simple, Stupid" の略.
KISS principle - Wikipedia
ニュアンスまで含めて意訳すると,「こねくり回してんじゃねーよバーカ,単純にしとけよ」といったところだろうか."KIS (Keep It Simple)" で良いところを,わざわざ Stupid (バーカ) を足してまで口づけの kiss とかけているところが,いかにもアメリカらしいと思う.ユーモアのセンスがあるんだかないんだか,なんでいつも若干上から目線なのか,という意味で.
無事に日本に帰ってきました.
私は昔アメリカを旅行している時に,帰国の前日に強盗に遭う (運転していたレンタカーにいきなり黒人が乗り込んできた) という苦い経験を持っている為,海外旅行となると悪い想い出がつきまとうのだが,先月のカリフォルニア にしろ,今回のインドにしろ,私にも,なにより一緒にいた私の大切な人達にも,何事も無かったことにまず感謝したい.
暑い,熱い旅だった.今回訪れた街はどこもまた行きたいと思うし,今回時間が無くて断念したゴア,ダージリン,ブッダガヤー,バナーラスあたりにも是非行ってみたい.死ぬまでに,今度は1ヶ月ほど,また男友達と.サムイやキーウエストあたりなら女とでもいいが,インドは心を許せる男友達と行くのがいい.なぜかそんな気がする.
私には,旅について1つの信念がある.文化も風習もまったく違う国に行くことで,私はまったく新しい経験を得られるだろうが,同時に私という文化も風習もまったく違う人間に触れることで,今までそこにいた人々も新しい経験が得られるのだ.つまりそのインタラクションこそ旅の本質であり,ただの観光だけで終わってはおもしろくない.旅は旅人だけではなく,それを受け入れる側にとっても何かを与えるはずである.
人が人に出会うという事が,人生で一番大切なんだと思う.
当人達にしか分からなくて恐縮だが,私達はジテンドラという名前を忘れることはないだろう.
ところで話は変わるが,この9月で社会に出てから丸10年が経った.
年数に意味は無いかもしれないが,節目であることには変わりない.その記念旅行としては申し分なかった.
その節目に,学生時代の仲間と毎晩昔話をしたりバカやったりしながら過ごした毎日は,実に楽しかった.そしてこのタイミングで,混沌と喧騒と活気の渦に飲み込まれそうになりながら,「人間が生きまくる様」を肌で感じられたことが,本当に良かったと思う.
私自身,この旅を通して,自分の人生という旅を見つめ直すことができたような気がする.
分かったことは2つある.
1つは,自分にとって本当に大切なもの.
もう1つは,大切だと思っていたけど,多分それほど大切ではないもの.
…無事に帰って,心地良い安堵に浸っている暇など無いのかもしれない.
これまでの常識がまるで通じない無秩序の国で過ごした刺激的な10日間,
戦後の日本のようなバラック,
今まで自分が信じてきた価値観がポロポロと崩れていく感覚,
目の当たりにした,インド人の心の底から湧き出る欲望と,ずるさ,しつこさ,したたかさ,
譲り合いの気持ちなど1ミリも持たない「我先に」の精神,
たまに,ごくたまに見せる屈託のない笑顔,
そして,生きて,生きて,生きまくる人間のギラギラした目…
「単なる楽しかった想い出で終わらせていいのかい?」と,問いかけられているようだ.
How does it feel?
How does it feel?
To be on your own
With no direction home
Like a complete unknown
Like a rolling stone?
-- Like A Rolling Stone / Bob Dylan
Daily Festival of Human Existence に,乾杯.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
あーっと,そうそう,いろいろサンキュ > ゆ・ま
インドの旅最後を飾るのはバンガロール.ここには世界中から IT 企業が集まり,最近ではシリコンバレーをも上回るハイテク都市とまで言われている.
実際に街自体は思ったほど近代的ではなく,独特の殺伐した雰囲気はいたる所で見られるのだが,それでも大通りには欧米的で洒落たショップやレストランなどが立ち並び,整然としていてインドらしくない印象を受ける.なにより,どれだけ裏の路地に入ってもジロジロ見られることがなかった.気候的には高原地帯の為,涼しくて過ごしやすい.
ところでバンガロールでは会ってみたい人がいた.ムンバイとバンガロールに拠点を置く坂田マルハン美穂さんというライターの方.今回一緒に旅をしている友人が以前から彼女のブログを愛読しており,私はこちらに来てから教えてもらったのだが,少し読んで一気にファンになってしまった.あいにく美穂さんは現在ムンバイにいる為都合がつかなかったが,せっかくなので彼女のブログを紹介しておきたい.
インド発、世界 2008:ムンバイ&バンガロール二都市生活
…旅はとうとう最終日.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
最近このブログが「インド放浪記」みたいになってますが,まあ気にしないで下さい.多分あと数エントリー続きます.
ゴールデントライアングルの一角,ジャイプルに辿り着いた.このあたりは北インドでもイスラムの影響をあまり感じず,むしろイスラム勢力と戦ったヒンドゥーの戦士,ラージプート族の本拠地だった場所らしい.
【Amber Palace】
【風の宮殿】
とにかく街並みが気に入ってしまった.この街の旧市街は赤土色に統一され,別名 "Pink City" とも呼ばれる.砂漠気候の乾いた空気と真っ青な空もあいまって,「インドのサンタ・フェ」といったところだろうか.
ここではちょっと贅沢をして高級ホテルに泊まってみた.かつてのジャイプル国の首相が利用していたタウンハウスをホテルに改築したものらしいが,豪華さもさることながら,サービスや接客も素晴らしい.朝食付きで,ネットも Wi-Fi が無料で使える.サバイバルの毎日の中,バカンス気分を味わえるとは思いもしなかった.
Samode Palace, Haveli & Garden Resort, Heritage Hotels India
ちなみにこれでも日本円にしたら1泊2万円,3人で割って1人7000円弱だ.
さて,インドの旅もいよいよ大詰め.
I love you the best
Better than all the rest
That I meet in the summer
Indian Summer
-- Indian Summer / The Doors
…もう少しだけ旅は続きます.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
基本的に毎食カレーだが,まったく飽きない.北インドと南インドで全然料理が違うし,例えばジャイプルのような砂漠地帯では全体的に少し甘めなのも興味深い.
こちらのレストランでは外国人が来ると辛くない味つけにする傾向があるようで,「辛くしてくれ」と言っても全然物足りない.地元の人が入るような店で「『ツーリストスパイシー』じゃなくて『インディアンスパイシー』にしてくれよ」と頼んでやっと辛いカレーにありつける.とある店では,やはり辛さに物足りず,つき返して "Show us your best!" と言ってやったら,スパイスそのものが出てきたw
…旅は続きます.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
インドの建物は0階から.
さすが0を発見した国である.
インドのコカ・コーラ.
味は普通のコカ・コーラ.
Fatehpur Sikri の玉座で1人漫才をするユースケ.
蒸し暑い北インドに一時の涼風が吹き抜ける.
…旅は続きます.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
インドと言うと「世界の主な宗教が全部揃っている国」というイメージがあるが,多数はヒンドゥー教徒で "Hindu" は "India" の語源なのだとか.それでも今訪れている北インドは,街並みや人々の格好や風貌などから,イスラム色が強い印象を受ける.とくにデリー,アーグラーあたりはインドではじめてイスラム政権が確立された場所だそうだ.
前エントリーでタジ・マハールのことを書いたが,このエントリーではゴールデントライアングルで見たその他のイスラム建築を紹介しようと思う.
【Agra Fort】
ムガル帝国第3代皇帝アクバルが築いた城塞で,ムガル帝国の権力の象徴.このアクバルというのはムガル帝国の皇帝の中でも英雄扱いされているのか,街のいたる所で "Akbar" の名がついたホテルやレストランを見かけた.
ところでこの Agra Fort は前エントリーで触れたシャー・ジャハーンが息子によって幽閉されていた場所で,下の写真で遠くに見えるのはタジ・マハール.こんな風に,川の対岸に建てる予定だった黒大理石の自分の墓を思い浮かべながらタジ・マハールを眺めていたのかもしれない.
【Fatehpur Sikri】
アクバルが築いた都で,たった14年で捨てられた.今では写真の通り「廃墟の都」といった雰囲気が漂うが,立派なモスクもあった.
【Akbar's Tomb】
そのアクバルの墓.
【Humayun's Tomb】
ムガル帝国第2代皇帝フマーユーンの墓.イスラム建築の傑作の1つとされ,そのスタイルはタジ・マハールにも影響を与えたのだとか.
【Jama Masjid】
シャー・ジャハーンが建立した,インドで最も大きいイスラム教のモスク.
【Lal Qila】
通称「赤い砦」と呼ばれる.これもシャー・ジャハーンによるもので,都をアーグラーからデリーに移した時に築かれた城塞.
…と,とにかく全て完璧な左右対称で,病的なほど作り込まれている.
こんな厳格な雰囲気にばかり触れていると,ひねくれ者の私は,ジョンがインドの導師を軽蔑して書いたこんな曲が聴きたくなってしまう.
Sexy Sadie, what have you done
You made a fool of everyone
Sexy Sadie, oh, what have you done
Sexy Sadie, you broke the rules
You laid it down for all to see
Sexy Sadie, oh, you broke the rules
-- Sexy Sadie / The Beatles
世界で最も美しい建築物とされるタジ・マハールを訪れた.
圧巻…である.
なにしろ,これぜーんぶ大理石なのだ.
そして美しさだけではなく,実際に見てみるとその大きさにも圧倒される.
タジ・マハールは宮殿だと思っていたが,ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンが,亡くなった愛する妻の為に建てた墓なのだとか.たった1人の女性の為に,帝国の持てる全ての力,天文学的な費用,そして22年という歳月が費やされたのだ.
さらにシャー・ジャハーンは,黒大理石で自分の墓を立て,タジ・マハールと橋で繋ごうとしていたらしい.だがその夢は叶うことなく,彼は自分の息子に幽閉され,タジ・マハールを眺めながら晩年を過ごして死んでいったそうだ.
それを考えると,このタジ・マハールも,とても力強く,宝石のように美しく,でも同時にどことなく儚く見えてくる.いつの時代も,男は1人の女の為に無茶をする生き物…ということか.
さて,思いっきりベタだが,タジ・マハールを見た後はタジ・マハールを聴こう.
I went upstairs to pack my leavin' trunk
I ain't see no blues, whiskey made me sloppy drunk
-- Leavin' Trunk / Taj Mahal
これまで見たどんな建物よりも美しい建築を見て興奮冷めやらぬ中でも,Jesse Davis のギターが色褪せることはなかった.
…旅は続きます.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008
マザー・テレサにはちょっとした想い出がある.
私は大学で理系の専攻だったが,理系の学生もいくつか文系の単位を取る必要があった.歴史や文学にはあまり興味が持てなかった為,あれこれ悩んで選択したのは,1学期かけてマザー・テレサのことだけを学ぶという宗教の科目だった.
彼女の偉業と哲学に深い感銘を受け,同時に「今この世に,こんな人が生きているのか」と感動した.そして最後の論文を書き上げてその科目を終えてからすぐに,彼女はこの世を去ってしまった.
まるで彼女の最後を見届ける為に取った科目だったと…勝手にそう思った.
その授業で読んだ本の表紙をスキャンした写真は,今も自宅の玄関にある.
彼女の写真を見るといつも思うのだが,なにか全てを見透かされているような気がしてならない.それでも,彼女は微笑みかけてくる.
彼女が人の愛を極めた聖人ならば,私は怒りも嫉妬も憎しみも十分持ち合わせた不信者だ.それでも,彼女は問いかけてくる.
与えること,奪い合うこと,恵まれること.
その意味すら分からず,彼女の墓石を前に,ただ愕然として,ただ震えていた.
Being unwanted, unloved, uncared for, forgotten by everybody, I think that is a much greater hunger, a much greater poverty than the person who has nothing to eat
-- Mother Teresa
Unity in diversity -
All is one.
Peace to ya all.
…旅は続きます.
Peace Pipe: インドの旅 2008
Flickr photos: インドの旅 2008