2015年3月30日月曜日

Harvard Business Review - A Culture of Candor / 風通しのよい組織を作る [memo]

会社で受けた研修の中で紹介された,ハーバード・ビジネス・レビューの "A Culture of Candor" という,いわゆる「信頼学」についてのアーティクル.

「コミュニケーションの透明性を高める」とか「風通しのよい組織を作る」という言葉は,耳障りは良いが,なぜそうするべきか,どのようにそれを実現するかについて,体系的にまとめられている.

興味深かったのは,きれいごとや道徳的観点から「信頼を高めよ」と言っているのではなく,ネット社会の今日において秘密を守り抜くことは困難であり,「目的」ではなく成功と成長の「手段」として,信頼が語られていることです.また,概念的な話だけではなく,実際の事例やケーススタディも交えられています.

A Culture of Candor - HBR
A Culture of Candor (PDF 直リンク)

いろいろ大事なことが書いてあると感じたので,以下に内容を要約します.

・情報を隠し,都合の悪いことを言わないのは,人間の自然な性質
 ・リーダーは透明性を支持し,組織で育まなければならない
・信頼のメカニズムを知ることは,自己の判断能力を高める
・情報は,権力を誇示するためのアイテムではない
・ネット時代の今日に,透明性は避けられない
 ・自ら築かなければ,(情報漏洩などの) 苦い経験を通して強制的に築かされるだけ

・「透明性」の定義
 ・情報が組織内で自由に流通し,
 ・マネージャーと社員の間で共有され,
 ・外部のステークホルダーにも届く,という状態

・「透明性」に問題が生じる3つのパターン
 ・リーダーが話を聞かない,もしくは部下が話をしない
 ・反対のしかたが分からない (その風土がない,またはルールがない)
 ・会社のトップが閉鎖的

・ではどうすればいいか
→ 組織に透明性を築くには,まず自身が実践しロールモデルになること
 ・真実を語る
 ・権威に対して率直に話せる環境を作る
 ・反対意見を述べた人を報いる
 ・言いにくい話の伝え方を学ぶ
 ・情報が偏らないように,多面的な情報源を持つ
 ・失敗を認める
 ・組織のアーキテクチャとして,透明性を組込む
 ・情報を解放する (情報のデフォルトは守秘ではなくオープンとする)

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