会社で受けた研修の中で紹介された,ハーバード・ビジネス・レビューの "A Culture of Candor" という,いわゆる「信頼学」についてのアーティクル.
「コミュニケーションの透明性を高める」とか「風通しのよい組織を作る」という言葉は,耳障りは良いが,なぜそうするべきか,どのようにそれを実現するかについて,体系的にまとめられている.
興味深かったのは,きれいごとや道徳的観点から「信頼を高めよ」と言っているのではなく,ネット社会の今日において秘密を守り抜くことは困難であり,「目的」ではなく成功と成長の「手段」として,信頼が語られていることです.また,概念的な話だけではなく,実際の事例やケーススタディも交えられています.
A Culture of Candor - HBR
A Culture of Candor (PDF 直リンク)
いろいろ大事なことが書いてあると感じたので,以下に内容を要約します.
・情報を隠し,都合の悪いことを言わないのは,人間の自然な性質
・リーダーは透明性を支持し,組織で育まなければならない
・信頼のメカニズムを知ることは,自己の判断能力を高める
・情報は,権力を誇示するためのアイテムではない
・ネット時代の今日に,透明性は避けられない
・自ら築かなければ,(情報漏洩などの) 苦い経験を通して強制的に築かされるだけ
・「透明性」の定義
・情報が組織内で自由に流通し,
・マネージャーと社員の間で共有され,
・外部のステークホルダーにも届く,という状態
・「透明性」に問題が生じる3つのパターン
・リーダーが話を聞かない,もしくは部下が話をしない
・反対のしかたが分からない (その風土がない,またはルールがない)
・会社のトップが閉鎖的
・ではどうすればいいか
→ 組織に透明性を築くには,まず自身が実践しロールモデルになること
・真実を語る
・権威に対して率直に話せる環境を作る
・反対意見を述べた人を報いる
・言いにくい話の伝え方を学ぶ
・情報が偏らないように,多面的な情報源を持つ
・失敗を認める
・組織のアーキテクチャとして,透明性を組込む
・情報を解放する (情報のデフォルトは守秘ではなくオープンとする)
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