3年前から働いている今の会社で14回目の出張,うちシアトルは,遂に10回目となりました.今回は,少し早目に日本を発ち,直行便ではなくあえてポートランド経由にすることで,出張前のひとときをポートランドで過ごしています.
私の中では,これまで「コーヒーと自転車の街」ぐらいのイメージしかなかったポートランドですが,今回の滞在にあたり少し調べてみると,「他の都市にはない独特のカルチャーを持つ,多くのアメリカ人が憧れる街」とのこと.
実際に訪れてみると,確かに街全体が,なんとも居心地の良い空間です.しかも,気候や風土から「たまたま」そうした空間ができたのではないようです.
この写真にある ”Keep Portland Weird” というサインが,この街の精神をよく表しています.直訳すれば「ポートランドをヘンテコなままにしておこう」ですが,意訳するなら「自分らしくあろう」でしょうか.
大量生産・大量消費・物質主義を放棄した,食や環境に対する高い意識.時代の流れに囚われない普遍的な生活の追求.それらを,決してやせ我慢ではなく,あくまで持続可能な形で確立しようとする強い意志.それがポートランダーのコモン・センスと言われます.
また,税金が高いアメリカであえて消費税をゼロにしている話は有名ですが,他にも開発可能区域を極端に制限するなど,行政による街づくりも特筆に値します.特に,一般的なアメリカの都市に比べて1ブロックの長さを半分にし,道幅や建物の高さを制限することで,人と人が交流しやすい空間を演出しているという話は,大変興味深いものがあります.
豊かな自然,人々の強い姿勢,行政による街の設計.それらが調和して,居心地の良い,自由で活き活きとした街が形成されているのでしょう.
ガイドブックを見ると,ポートランドの「バラ園」などが見どころとして載っていますが,この街の魅力は観光名所ではありません.街角に溢れる,洗練された quality of life の追求こそが,ポートランドの最大の魅力です.
ただシンプルに考え,シンプルに生きるための環境が,ここにはあります.
これから何エントリーかに分けて,ポートランドをレポートしてみようと思います.
Flickr photos: Portland 201608
Peace Pipe: Seattle travel
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