遠い空の向こうに (October Sky).
元 NASA のエンジニアの青春時代という,実話をもとにした映画.いやはや,はっきり言って,めちゃくちゃいい映画だった.
そこには,好きなことにがむしゃらに夢中になれるという若者の特権を最大限駆使して,ただひたすらに,純粋に,ロケット制作に邁進した,主人公の高校時代の日々が描かれている.
かといって青臭さは微塵もなく,大袈裟な描写もなければむしろ地味過ぎるほどであり,だからこそ私やあなたがかつて追いかけた青春に,重ねることができるだろう.対象の内容も,時代背景も,全く違うものであるはずなのに,きっと主人公に自分を重ねて観るはずだ.
派手さは一切無い.でも観終わった後にじわじわと来てたまらなくなる.まるでそんな映画.
加えて私は,父という立場で,そして息子という立場で,この映画を観た.
なんというか,たまらなかった.
なぜなら主人公ホーマーの,こんな台詞が,胸を撃ち抜いたからだ.最後まで私は父に言えなかった,でもホーマーはまっすぐな瞳で言い放った,こんな台詞が,胸を撃ち抜いたのだ.
Look, I know you and me don’t exactly see eye to eye on certain things. I mean, we don’t see eye to eye on just about anything.
But Dad, I come to believe that I got it in me to be somebody in this world. And it’s not because I’m so different from you either. It’s ’cause I’m the same.
You know, I can be just as hardheaded and just as tough. I only hope I can be as good a man as you are. I mean, sure, Dr. Von Braun is a great scientist, but he isn’t my hero.
あのさ…僕と父さんの間では,分かり合えない事柄もあったよね.というかさ,分かり合えないことばかりだったよね.
でもさ,僕は自分の人生で何かを成し遂げることができるんじゃないかって思えるようになったんだ.それは父さんと僕が違うからじゃなく,父さんと僕が同じだからなんだ.
僕は,父さんと同じように,頑固でタフだよ.だから,父さんみたいになれるかもしれないって思えるんだ.もちろん,Von Braun 博士 (主人公が憧れていたロケット科学者) は偉大だけど,彼は僕のヒーローじゃないんだ (父さんこそが僕のヒーローなんだ).
青春時代というものは,十人十色でしょうが,理屈を全部すっ飛ばして無条件に青春時代にタイムスリップできる映画.ぜひご賞味下さい.
遠い空の向こうに (字幕版) |
0 件のコメント:
コメントを投稿