先週発表された iPad について,Leo Laporte の論点が非常に鋭いと思ったので,以下に個人的な補足と所感を交えてメモしておきます.The Tech Guy エピソードナンバー855 のオープニングトークより.
新しい iPad は retina display (2048x1536・Full HD TV よりも高解像度) になり,カメラも強化された.つまりこのデバイスは…
これまで iPad は "consumption device" (コンテンツを視聴する為の機器) だったが,iPad は3世代目にして "creation device" (コンテンツをクリエイトすることもできる機器) になった.
例えば今回の iPad は,1080p の動画を撮影しながら,画面上でリアルタイムにその動画が再生された時のイメージを確認できる,唯一のデバイスである.
iCloud はビデオにも対応したし,iOS 用 iMovie もアップデートされた.iOS 用 の iPhoto もリリースされたし,iWork だってある.サービスやアプリも,iPad を "creation device" にする為に着々と足並みを揃えている.
キーボードが無い,というのはその通りだが,bluetooth キーボードを繋ぐのではない (それなら PC を追いかけているに過ぎない).そうではなく,タブレットでは声による入力でタイピングをするのだ,という明確な方向性を Apple は iOS5.1 で打ち出した.
これまでタブレットは「PC の傍らにあるデバイス」だったが,content creation device となったタブレットは,「これだけでいい.これがあれば PC は要らないデバイス」になりつつある.
新しい iPad には名前がない."iPad3" でも "iPad HD" でもない.分かりにくいと文句を言う人がいるが,iMac や MacBook が世代ごとに名付けられていないように,Apple は iPad を PC の領域まで昇華させたのではないか.
真の Post-PC era が到来する.例えば Windows8 などを見ても,完全に業界のトレンドはその方向.
ところで「Apple 製品は使いやすい」と言う人がいるけど,Apple は別に「使いやすさ」を追い求めているわけではない.iPhone にはしばらく Copy&Paste すら無かったし,はっきり言って使いにくかった.
iPhone では,今日において常識である Copy&Paste にすら,なかなか対応しなかった Apple が,「Full HD を超える解像度をタブレットで実現する」については世界ではじめてやってきた.これが何を意味するか.
家電メーカーが画質だパネルだと言いながら大型テレビに開発投資をしているが,手元で観る retina の9.7インチディスプレイの視聴体験は,「秘伝のタレ」を詰め込んだ10フィート先の大画面 3D TV のそれを,あっさりと凌駕してしまうかもしれない.
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