本エントリーは,「週4時間」だけ働く。における DEAL の A,Automation (自動化) について.「A」セクションの目的は,キャッシュフローをオートパイロット化することであり,ライフスタイルデザインの3大ポイントの2番目である「収入」にフォーカスします.
【リモート秘書サービスへのアウトソーシング】
ここでは,インドのリモート秘書サービスである Brickwork を使ったアウトソーシングが実例として紹介されています.Brickwork は,時給4-15ドルで,市場調査,ビジネスプラン作成,プレゼン準備といった仕事をあなたの代わりに請け負います.時給15ドルも払えば,アメリカ一流大学の MBA や博士号取得レベルのクオリティで仕事をこなします.
実際に,とある大手コンサルティング会社の幹部は,顧客から受注した仕事に6桁の値段 (数十万ドル) を請求し,4桁の値段でこうしたインドのサービスに丸投げしているという話もあるのだとか.
もう1つ,同じくインドの YMII という企業も紹介されています.こちらはあなたの代わりに請求書の支払い,旅行の予約,オンラインショッピングなどの世話をしてくれるコンシェルジェサービス.中には,夫婦喧嘩の仲裁までアシスタントに依頼する実例まで紹介されている.つまり関係の修復さえアウトソーシングしているのです.
筆者はこの2つのサービスを駆使し,ドルで稼ぎ,ペソで生活し,ルピーで報酬を払います.
【リモート秘書サービスへ仕事を依頼する際の注意点】
…と,こんな生活はとても現実離れしていると思うかもしれません.いや,確かに現実離れしている.しかしここでも,内容をソリューションとしてではなくレシピとして受け取れば,普段の生活に適用できるポイントが見えてきます.
例えば「人に権限を与えるときの危険性」について.
筆者は,人に権限を与える前に「捨てる」を実行するべきと説いています.会議を設定するのにアシスタントを使わない.そもそも会議を廃止する (捨てる),といった具合です.
人に権限を与え,アウトソーシングする作業は時間がかかり,はっきり定義されたものでなければならない.
軽い調子で楽しむこと.
さらには,「適切な指示の与え方」について.
文章に可能な解釈はただひとつであるべきであり,中級レベルの読解力があれば理解できるものでなければならない.
時間をムダ遣いする権利を与えないこと.
72時間以内に達成すべき仕事を割り当てること.大きな仕事の場合は,この粒度に分割する.
優先順位を決めること.
つまり,リモート秘書サービスを使って上手く仕事をこなすには,コミュニケーションスキルが不可欠であり,ここではコミュニケーションの重要性と具体的なヒントが解説されている,とも読めるわけです.
【商品開発の実際】
以上の手法や考え方を踏まえ,このセクションの残りでは,自動的に収入が入ってくる生活を担保するにはどのような商品を手掛ければ良いか,その
- 市場や顧客の探索方法
- 企画方法
- 価格設定方法
- 製造方法
- テスト方法
- 販売方法
- そして最終的には自動化方法
を,3つの章をかけて,具体的かつ詳細に解説しています.
その過程で「顧客に決断させない術」のような交渉術や,小規模ビジネスを優良企業のように見せるテクニックなどにも触れています.
同じくここでも,自分には関係ない話として流し読みすることもできますが,あくまでメタな情報を自分の目の前にあることに適用しようと考えながら読むと,興味深い発見があるでしょう.特にモノ作りを生業としているなら尚更.
もちろん,ここに書いてあることを実践して,収入のオートパイロット化にチャレンジしてみても構わないわけです.
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 - ソリューションとして読むかレシピとして読むかはあなた次第 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Definition (定義) 編 - 意識の方向付けと,漠然としているものの明確化 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Elimination (排除) 編 - 時間管理の終焉 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Automation (自動化) 編 - 収入のオートパイロット化 [book]
Peace Pipe: 「週4時間」だけ働く。 Liberation (解放) 編 - もっとも大切なことは,自分自身に満足すること [book]
「週4時間」だけ働く。 ティモシー・フェリス |
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