昨日,Apple が教育関連イベントを行いました.
24時間経たないうちに様々なレビューが出ていますが,要点をつかむにはこの辺が分かりやすいかな.
アップル本日発表のiBooks 2、iBooks Author、iTunes Uについて知っておくべき全てのこと : ギズモード・ジャパン
アップル、教科書を再発明する「iBooks 2」「iBooks Author」を公開 - Touch Lab - タッチ ラボ
無料電子書籍作成アプリ「iBooks Author」で何ができるかまとめムービー - GIGAZINE
イベントそのものは,こちらから視聴できます (要 QuickTime).
Apple - Apple Events - Apple Special Event January 2012
Podcast はこちら.
iTunes - Podcast - Apple Inc.「Apple Keynotes」
iTunes - Podcast - Apple Inc.「Apple Keynotes (HD)」
さて個人的には,イベントの中で紹介されていた,ある教員が吐露したこんな言葉が印象に残っています.
教育は,本質的にはこの150年間,何も進歩していない
事実,インターネットの普及と進歩により,今日では私が子供の頃は考えられなかったライフスタイルが実現されているのに,小学生の私の娘は,時間割に合わせて教科書をランドセルに入れ,家では鉛筆と消しゴムを使って宿題プリントをやっています - 私が小学生の頃と同じように.
iBooks 2 は,単に重い教科書を持ち歩かなくても良くなる「アナログ → デジタルの移行」という話に留まらず,static なコンテンツから dynamic なマルチメディアとなった教科書は,その拡張された表現によって,子供の感受性を増幅させるでしょう.
さらに生徒が,より多くの他の誰か (他校の生徒,学校に所属しない教育者,あるいは全然関係ない人) とインタラクティブに刺激し合うことを可能とし,「皆が同じ内容を摂取し,決まったことだけを教える」時代は終焉を迎え,「決まっていないことに対して,バックグラウンドを共有しない他者と協調して解を出す」価値が高まるでしょう.
iBooks Author は,作家でも記者でもない私がブログというメディアで発信できているように,特別な権限を持たない人が所有する知識・思想の教育への参画を可能とし,教育現場に民主主義をもたらすでしょう.
iTunes U は,教育を受けるという行為から時間や距離,資金といった制約を取り払うと共に大人にまで容易に対象を広げ,学問を繋がれた鎖から解放するでしょう.
私は,Apple 製品を多く所有しているファンの1人ですが,Apple のクローズド志向には賛同できないし,企業として好きになれない点はたくさんある.今回,上記アプリを無料で提供する Apple は,別に慈善事業がしたいわけではなく (もちろん教育に革命をもたらすという野心があるとは信じたいですが),単に囲い込み戦略の次の一手なのでしょう.
だとしても,これが教育現場を変える足がかりとなり,子供のクリエイティビティを促進する未来に繋がるなら,それに乗ろうじゃないか.
最後に,これを読んでいる教師をはじめ教育現場に携わる方々に対して,勝手なお願いを書きます.それは,あなた方が非交換コンテンツになることです.
ツールやサービス,インターネットの進化に伴い,授業で使う題材の選択肢は広がり,知識はオンデマンドでいくらでも再取得可能になるでしょう.つまり,マテリアルは交換可能になるわけです.
そんな時代が到来する中で,教師をはじめ教育現場に携わる方々においては,いかに自身が「非交換コンテンツになるか」を追及して頂きたい.
学校で習ったことのほとんどを忘れてしまった私でも,人生の中でいつでも思い出す先生が何人かいます.どれだけ技術が進んでも,教育の全自動化はやって来ない.そこには必ず「人」が介在する.
いくらツールやサービスが進化したところで,教育に革命をもたらすのは「人」であり,ツールやサービスはそれを助長するに過ぎないのです.
子供にとって,未来の教育現場が少しでも良い場所であることを,切に願います.
人間性、道徳、仁愛、忍耐力、構想力、問題解決能力、水平思考、感受性、創造力、発明力、説得力、対話力、営業力、数学的能力、IT活用能力、語学力... 丸暗記より大切な教育が沢山ある。
0 件のコメント:
コメントを投稿