2006年5月15日月曜日

「クリエイターに一番必要なものは?」松本人志の放送室より [ce]

先週の松本 人志と高須 光聖のラジオ番組,放送室 の中で,高須が何気なく松ちゃんに「クリエイターにとって,モノを作る人間にとって,一番必要なものは何ですか?」と聞いた.

思わず息を飲んで注目してしまった.
「お笑い」という世界で25年近くも第一線で新鮮さを保ち,単なる「芸人」という枠を超えて様々な文化を作り出してきたクリエイターの言葉である.畑は違えど私だってモノ作り屋として「クリエイター」の自負は持っているつもりだし,Blog を書いている人だって Flickr に写真を投稿する人だって「クリエイター」と言えるはず.いや,浅野 紀予氏の「人間はメディアである」という言葉を借りれば,人間はそれぞれのコミュニティで少なからず互いに影響し合って生きているわけで,広義な意味では全ての人はクリエイターの要素を持っている (というのは拡大解釈しすぎかな?).

ま,それはいいとして,「そうやな〜」と考えて松ちゃんはこう発言する.

答えは1つじゃないけど,最終的には「決断力」かも分からへんな.
やっぱり,もう,迷いだらけなんですよ.


決断力,なのである.例えば「洞察力」とかではなく,決断力.


例えばメーカーにとっては,作り手が直接ユーザーとコミュニケートできるわけではなく,作り手は「製品」を通して自分のメッセージをユーザーに伝えるわけだ.製品に込めた作り手のメッセージと,ユーザーがその製品を通して受けとったメッセージが近ければ近い程ハッピーなわけで,そもそも作り手の頭の中が曖昧だとこの方程式は成り立たない.

世の中を見渡してみると,決断力に欠けた迷いだらけの製品のなんと多いことだろうか.「A という仕様がいい? B という仕様がいい? うーん決められないから設定メニューでどちらでも選べるようにしておこう」みたいな… 自分達では決められないから切るべきところを間違えたり,逆になんでも入れる方向にして,結果として使い勝手の悪いあやふやな製品像になってしまっている.

松ちゃんはその後,「決断が例え間違ってたとしても間違ってないように導くから結局間違ってない」といったことを言っていた.

そういうもんやね,モノ作りってね.
要するにつじつま合わせですね.

と.それぐらい作り手のメッセージがブレてはいけないのである,と勝手に解釈してみた.


少し話はそれるけど,ラジオの中で「『決断力』は『自分の直感』によって持たらされる」という松ちゃんのコメントを受けて,高須が「自分の直感は何によって養われたかというと,子供の時に見た風景だと思う.だからあなたのコントは尼崎の匂いがする.松本人志が作るものが切なくなるのは,尼崎の街が原風景にあるからだ.」という話は興味深かったし,この話の流れで松ちゃんが「子供を自然の多いところで育てたいという親が多いけど,それには反対で都会で育てた方がいいと思う.いろんな人間を見せるべきだし,いろんな刺激を受けた方がいい」というコメントも「へーそんな考え方もあるのねー」と思って聴いていた.

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