先日友人と話していて,書き留めておこうと思った話.
Twitter (でも Facebook でも Tumblr でも何でもいいんだけど) である程度のユーザー数をフォローしていると,「書き込みは全部読みたい,見逃したらもったいない」という衝動に駆られませんか.
気付けばずっとスマホ片手にタイムラインを読んでいる.
これについては,以前 Leo Laporte が話していたアナロジーがとても腑に落ちました.
飲み会にたまたま遅れて参加した時に,「ねぇねぇ,今までどんな話で盛り上がってたの?」なんて根掘り葉掘り聞かないだろう? 単にその場をその時点から楽しむはずだ.
SNS も同じだよ.
情報収集に躍起になるエネルギーを,情報を華麗にスルー方に使いましょう.
どれだけ SNS が便利でも,生身の人間との会話には足元にも及ばない.そして時間は有限です.
ネットを見ている時はそれが全てのことに感じてしまうけど,「その時間でできたはずの他の事」の価値を考えれば,几帳面に全てを読む必要は無いことに気付きます.
試しに1週間ネットを遮断してみて,その空いた時間で,趣味の合う人が勧めてくれたアルバムや小説をじっくり堪能してみるとか,若い頃に心に刺さった映画を観返してみるとか,無駄に手の込んだ料理を作ってみるとか,ゆっくり銭湯に浸かりに行くとか,ふらっと海を見に行くとか,大好きな人に突然電話してみるとか…試しに今日のうちに1つやってみませんか?
時間の使い方について,私は自分の時給を意識するようにしています.年収を1年間の労働時間で割って自分の時給を把握した上で,遠くまで出掛けて安く買うよりは少し高くても近くで買ってしまおうとか,大掃除に5時間かけるならバスルームだけはハウスクリーニングに頼んでしまおうとか.
同様に (かつそこまで厳密に数値化はしないにしても),一度ネットを遮断してその時間を他の事に使うことによって,「自分が1時間で得られる喜びや感動,あるいはエンターテインメント性のマックス値」みたいなものを,比較対象と合わせて感覚的に持っておくといい思うんです.貪るようにネットを漁っている時間は,そのマックス値の何%ぐらいなのか.そうすることで, 「タイムラインを見逃したくないシンドローム」に見切りをつけるもよし,逆に Twitter からのインプットを最大化する為にフォローしている人を見直してみるもよし.
ちなみに私の場合,Facebook は10%弱,Twitter は20-25%ぐらい,Tumblr なら40%前後と捉えています.
絶対量を増やす方向に意識が向いた瞬間に,なんか疲れませんか.せっかくこんなに面白くてエキサイティングなはずのインターネットなのに.ただ盲目的に熱中して不毛な時間を費やしてしまうなら,麻薬と一緒ですから.
情報収集? アホか! 実はそんなことがしたかったわけではないのだ…という気がする.
(中略)
そう,インターネットからは情報ではなくインスピレーションがほしかったのだ.
Peace Pipe: 「おもしろくて便利じゃないもの」は,少なくともおもしろい [memo]
情報なんて,欲しい時に検索すればすぐ手に入る時代に,なぜ収集する必要があるのでしょう.「情報収集」と構えてしまうと,なんだかまるで息苦しい.
心地良いと感じるインプットの量には個人差がある.客観的にではなく,主観的に適度なインプットを心掛け,その範囲で手に入らない情報は,元々自分には重要ではなかったんだと考える.自らアウトプットをすればインプットの質は高まるし,ブログや Twitter,Tumblr をはじめ,自己表現を助長するツールやサービスがたくさんある.
そしてさらにその枠を越えて,美しい文章や目を奪うような写真,キラキラした音楽や鳥肌が立つような感性に出会う為に,インターネットはあるんだと思いたい.
で,自分にとっておもしろいかおもしろくないか,という尺度を最後の拠り所にしておけば,情弱みたいな概念はなくなる.ステマだろうがデマだろうが,おもしろければ正義…ぐらいでもいいんじゃない?
Peace Pipe: インターネットは,便利なものよりも,おもしろいものであってほしい [memo]
「入ってくる情報は全て処理しなければならない」と思うと,心理的負担が大きくなってしまいます.
例えば RSS フィードの未読記事などは,時間が取れない時は読まずに全て既読にする (捨てる).インプットが多ければ,重要なものはまた返ってくる.
インプットは風のようなもので,その時たまたま吹いている風に吹かれればいい.インプットを増やすのは,風に吹かれる機会と出会いの確率を高める為であって,処理する労力や負担を増やす為ではない,というのが持論です.
Perfectionist (完全論者) では,ネット上では生きていけないのです.
Peace Pipe: 情報の呼吸法 - 津田大介のメディアに対する取り組みの過去と現在を知ることで,自分のメディアに対する取り組みの現在とこれからを思う本 [book]
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