2017年2月25日土曜日

CP+ 2017 私的メモ [photo]

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今年の CP+ のメモです.

ここ数年はキャノンの一眼を使っており,例えば海外出張に行く時などにも,可能な限りそれを持っていくようにしています.ですが,やはり大きくて重いカメラは取り回しが悪く,良い写真を撮る秘訣は,何より機動性であると,最近実感しています.

そんな理由から,今年中にはミラーレスに乗り換えるつもりでして,CP+ の企業ブースにおいては,キャノンよりも,ソニーと富士フィルムを中心に見ていました.

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もう1社注目していたのは,なんとあのハッセルブラッドを買収してしまい,ドローンメーカーというより,既にカメラメーカーと言って過言ではない DJI.

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そして今年も中古カメラフェアで,気になるオールドレンズの価格をチェック.

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ということで,いつもの通り詳しいレビューやレポートは他サイトに任せるとして,ここからは,この日聞いた話のメモを綴ります.例によって備忘録としての私的メモで,伝わりにくい点も多々あると思いますが,どうぞご容赦下さい.

今年は Adobe のブースを中心に,おもしろそうなセッションをいくつか聞いてみました.

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【ベストショットをさらに魅力的に - Adobe Photoshop Lightroom CC でできること】

・写真にキーワードをつける
・ショートカットを駆使する
・マーキング大事

(所感) Lightroom を広く浅く紹介するセッションであり,あまりメモする内容はなかった.一般的な話として,ツールを使うにあたっては,チマチマとウェブで調べるより,有料でもレベルに合わせたセミナーを集中的に受けてしまうのが良い.削減できるようになる時間と,手に入る写真のクオリティを考えると,十分検討に値する選択肢.個人的には Lynda.com がオススメ.


【人物写真をさらに魅力的にするテクニック】

最初に魅力的なポートレートを見せた後,実際にどのように補正したかをデモ.まず,「カメラプロファイルによって色は違って見える」点に触れた後,以下が実際の手順.

・ホワイトバランス
 ・スポイトツールでサクッと補正

・階調
 ・人物写真は明るい方がベター
 ・トーンがギリギリ残る所まで,飛ばない程度に明るく
 ・階調はヒストグラムを直接いじっても調整できる

・トーンカーブ
 ・コントラストを上げる
 ・コントラストは下げる方が難しいので,撮影時は低めに

・外観
 ・明瞭度を上げる (この時使った作例では +30)
 ・発色がきつくなるので,自然な彩度を落とす
 ・風景写真ではないので,落としすぎぐらいの方がクール
 ・「クール」な写真と「かわいい」写真はアプローチが違う
 ・ここまででほぼ完成,あとは隠し味

・明暗別色補正
 ・ハイライトは明部,シャドウは暗部に作用する
 ・シャドウ側の色バランスを変更する
 ・ここではシャドウ側に緑を足す
 ・目には見えない味つけ

・レンズ補正
 ・周辺光量補正

・トリミング (4:3)

これで完成.以上の補正を2枚目以降で再利用する為に,プリセットに登録.ホワイトバランス,露光量,コントラストは写真毎に違うので,プリセットから除外.

2枚目の作例.外でモデルを下から撮影した写真なので,バックに空が大きく写りこんでいる.

・今作ったプリセットをサクッと適用

・露光量
 ・人物の顔を中心に補正
 ・結果,空が思いっきり飛ぶ
 ・ブラシツールで空を自動マスクして補正

1枚目で作ったプリセットが既に適用されているので,あとはトリミングして完成.

3枚目.またプリセット適用.ホワイトバランス,露光量,ヒストグラムを微調整.この作例では,明瞭度が上がった結果,モデルの肌がザラついている印象を受ける.

・明瞭度を一旦キャンセル

・円形フィルター
 ・顔だけ避けてかける

・さらに細かく補正する
 ・フォトショップでスマートオブジェクトとして開く

(所感) 再現の為ではなく,表現の為にツールを使いこなしている.とりあえずこの手順は真似する.

<2017/5/13 追記>
セッションレポートが公開されています.
http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/cpplus_2017/9368.html


【「もっとこんな写真に仕上げたい」を実現 - Adobe Photoshop Lightroom CC で行う色調補正】

・階調補正で黒つぶれを上げた時の対応
 ・黒つぶれは修正されるが,ざらつきも出る
 ・ディテールのノイズ軽減で,輝度とカラーを上げる
 ・レンズ補正のフリンジ軽減,フリンジカラーセレクター (スポイト) で補正

・パース感を調整したい時
 ・Upright 使用

・不要なものを消したい時
 ・スポット修正ツールを使用

・空だけ変更したい時
 ・段階フィルターを使用
 ・露光量,色温度,コントラスト,明瞭度を補正
 ・さらに青を乗せる
 ・ブラシを使って効果を与えるエリアを制限

・さらに複数の写真で設定を同期

(所感) ツールの細かい機能を知っていると,やはり仕上がりが全然変わる.ただ,機能を1つ1つ頑張って覚えて,「さあどれが適用できるか」と考えるのではなく,「この写真のここをこうしたい」という感性が先に来るべきで,それをこのツールならどうやるのか,と考えるべき.

<2017/5/13 追記>
収録動画が公開されています.
https://www.youtube.com/watch?v=B4ITUITExmE


【美しい絶景写真を作るコツ】

・一般的に,写真を補正する時に大事だと言われていること
 ・仕上がりのイメージを持つこと
 ・ヒストグラム大事
 ・トーンカーブを使いこなす
 ・白飛び,黒つぶれ,階調をうまく調整すること

・これらは,一切知らなくていいと,あえて主張したい
 ・仕上がりイメージなんか持っていたら,写真が持つ可能性の幅を狭めてしまうではないか

・これから話す順番と方法で補正すれば,誰でも美しい絶景写真を作ることができる

・順番は以下の通り
 ・明るさ
 ・コントラスト
 ・露出

・方法はいたって簡単
 ・調整スライダーを一番左まで動かし,その後一番右に動かす
 ・その補正項目の意味が分からなくても,これで写真にどう作用するか分かる
 ・また左に,右に,段々振れ幅を小さくしながら動かし続ける
 ・自分が気持ちいいと感じるところで止める
 ・大きく動かして,狭めていく所がポイント
 ・決して最初からあたりをつけないこと

・露光量,コントラスト,彩度,自然な彩度と,この方法を使って補正
 ・彩度と自然な彩度の違いとか,知る必要はない
 ・どう作用するかを見て,大きく動かして好きなところで止めるだけ

・次に露出 (色の調整) の補正
 ・調整の必要はなくても,とにかく動かす
 ・色温度
 ・色かぶり補正

・さらに階調を整えたい場合は,明るい方から決める
 ・人の目は明るいところから反応するから
 ・白レベル → ハイライト → シャドウ → 黒レベルの順番
 ・同じように大きく左右に動かしながら

・さらに追い込むには,効果パネルのかすみの除去も使用

・ここまでやったら,もう1回最初から同じことをやる
 ・色がしっかりしている状態からはじめると,また違った結果が得られる
 ・3回,4回繰り返す
 ・一晩置いて,さらにもう1回やる

・まとめるとこの順番

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(所感) 目から鱗が落ちた.このセッションだけでも今年の CP+ に行った価値がある.

<2017/5/13 追記>
セッションレポートが公開されています.
http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/cpplus_2017/9387.html


【世界最高峰の画像処理ソフトウェア Adobe Photoshop CC が実現する最新画像処理】

・Photoshop の検索機能
 ・メニューにクイックにアクセスできるだけでなく,チュートリアルなども検索できる

・Camera raw フィルターのかすみ除去は,ガラス越しの写真にも有効

(所感) ゆがみフィルターに新設された「顔立ちを調整」機能が凄い.これに特化したセッションがあったので,詳細後述.

<2017/5/13 追記>
収録動画が公開されています.
https://www.youtube.com/watch?v=hWwDgoUDPv8


【様々なデバイスを活用する - どこでも写真編集を Lightroom で】

(所感) ほぼ知っている内容だったのでメモは取らず.Lightroom mobile 便利.

<2017/5/13 追記>
セッションレポートが公開されています.
http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/cpplus_2017/9381.html


【ポートレート写真をワンランクアップさせる Adobe Photoshop 活用術】

ゆがみフィルターの「顔立ちを調整」を使ってポートレート写真をレタッチするデモ.

・「写真」と「アート」の境界線を見極める
 ・その見つけた境界線の,一歩写真側へ寄せるのがポイント
 ・これで「いかにも修正した写真」という印象を与えない

・修正の順番は,顔の形状から,その後に各パーツ
 ・逆の順番,例えば最初に目を大きくしてから小顔にすると,バランスが悪くなる

以下,実際の修正内容.

・額
 ・狭い方から少しずつ上げて調整
・顎の高さ
 ・マックス小さく
・顎の輪郭
 ・若干広げる
・顔の幅
 ・マックス小さく

・目の大きさ
 ・大きいほうから少しずつ戻して調整
・目の高さ
 ・表情がよければそのまま
・目の幅
 ・そのまま
・目の傾き
 ・そのまま
 ・これは動かすと修正がバレやすいので注意
・目の間隔
 ・小顔にしているので,バランスを取るために少しだけ寄せる

・鼻の高さ
 ・顎を持ち上げたので少し上げる
 ・やりすぎると,鼻の下がのびた印象を与えるので注意
・鼻の幅
 ・少し細くした方が,鼻が高い印象を与える

・笑顔
 ・少しだけ笑顔に
・上唇,下唇
 ・人によってバランスが取れるように調整
・口の幅
 ・小顔にしているので,バランスを取るために少しだけ狭く
・口の高さ
 ・歯が目立たないように

・ここまでやったら左の前方ワープツールで補正
 ・アイドルのポスターなどで,ウエストを細くするのに使う機能
 ・たまにウエストまわりの空間も歪んでしまい,バレて炎上してる
 ・バレないように,ブラシサイズは大きく,動きは小さく

・さらに,レフ板やライトがない所での撮影なので,影っぽいところを補正
 ・クイックマスク,ブラシツール
 ・描画色を黒にして,目をなぞる
 ・ショートカット,Q → B
 ・Qで範囲選択
 ・コマンド + シフト + I で反転
 ・レイヤー,レベル補正,選択範囲を読み込み
 ・スポイトで色相彩度
 ・明度を上げる
 ・きれいになりすぎなので,あえて不透明度を下げる

(所感) 完全に別人.比べれば別人だが,修正後だけを見ると自然な感じ.Photoshop 怖い.

<2017/5/13 追記>
セッションレポートが公開されています.
http://shuffle.genkosha.com/software/photoshop_navi/cpplus_2017/9365.html


【高城剛 “α” がスタイルを変える】

Adobe のセッションの他には,今年も高城剛さんの講演を聞きました.

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・自分で撮り始めてまだ7年
 ・カメラがよくなったから

・写真業界の革命的なチェンジ
 ・ミラーレスとドローン
 ・写らなかったものが写るようになる

・ホテルの一室,いつもたったこれだけの機材で作業している

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・モルディブ訪問
 ・ローカルアイランドに泊まっていいことになった

・いい写真を撮るコツ
 ・相手のことを理解する
 ・モルディブでは,夕陽の時間が分かるアプリと,イスラムでお祈りの時間が分かるアプリを駆使して生活パターンを把握

・モルディブでは,ホテルではなく,あえてローカルの人の家に泊めてもらった
 ・3日目ぐらいから「なんとかさんのお客さんなら信用できる」となる
 ・人のいい表情を撮れるようになった

・元気な子供たちの写真
 ・モルディブは暑いから,子供は夕方から行動しはじめる
 ・そんなことは,2日目から分かるようになる

・人物を撮る時に大事なこと
 ・背景に徹底的にこだわる
 ・白髪の髪型がカッコいいおじさんは,わざわざ黒いバックの所に来てもらった

・α の全画素超解像ズーム
 ・50mmが300mmぐらいで扱える
 ・ズームやマクロがいらなくなった
 ・機動力は正義

・広角ばかり使っていたが,最近やっと標準が扱えるようになった
 ・スマホのカメラの焦点距離は28mmから35mm
 ・つまり世の中のカメラの8割はその焦点距離
 ・50mmで風景を撮ると呼吸が落ち着く
 ・シャッタースピードが速い時は呼吸も速い

・1日に2000枚撮る
 ・ずーっと撮ってる
 ・DJ をやってる時の感覚に近い
 ・OK ショットは,その日のうちに選ぶ
 ・あたりが少ないから
 ・そんなに撮れるのは,JPEG で撮ってるから
 ・α は JPEGでも素晴らしい

・機材が変わった
 ・表現の方法も変わった
 ・媒体も変わった

・本を出す時に出版社から依頼される割合
 ・10年前は100%
 ・今は7割を,自分から出している

・去年訪問したのは71ヶ国,のべ120ヶ国
 ・誰よりも移動して誰よりもシャッターを押す

・時代が変わった
 ・新しいことをやらないと面白くない
 ・新しいこと,新しいテーマに,切り込んでいきたい

・例えば検索は,何も考えずにググるのと,1回考えてからググるのでは,検索結果が違う
 ・旅に出る時も,初日はあえてカメラを持たない
 ・もの凄いシャッターチャンスを逃している気分をおさえる
 ・最初は自分の目で見て,その印象を持って,2日目から撮りはじめる
 ・初日は,太陽のまわり方,天気,人の生活時間などを観察

・その土地に合わせた乗り物に乗って取っている
 ・マダガスカルでは,自転車で走りながら撮った
 ・カメラの性能がこれだけ良くなったから,今までにはない撮り方ができる
 ・5年前のカメラなら,自転車で走りながら撮ることは考えられない
 ・止まって撮ってもおもしろくない

・カメラは新しくなっているのに,撮り方も,撮る人も,変わっていない
 ・ちょっとしたアイデアを持つだけ
 ・僕は世界中のゴミ箱を撮っている
 ・趣味でも仕事でもなく,ただ気になるから
 ・マンホールの蓋が気になるなら,マンホールの蓋を撮ればいい

・気になるものを撮り続けて,自分で出版までできる時代
 ・はっきり言って儲かる
 ・これまではできなかったこと
 ・紙の書籍では10%の印税が,電子書籍では70%
 ・売るコツは続けること
 ・3冊目を出してちょっと売れる,4冊目から売れ出す,4冊目を買った人が1-3冊目を買う
 ・できるだけ短期間で出すこと
 ・印刷も在庫もないから,デジタルは何年後でも売れる

・写真を撮っている人は文章も書いて下さい,文章が得意な人は写真も撮って下さい,さらにはドローンも使って下さい

・可能性を広げられる時代,そしてそれを直販できる時代

・ミラーレスの技術はソニーにある

・最新のボディと古いレンズのマッチング

・これからの写真の楽しみ方
・今までのセオリーは,全部無視
 ・思うように撮って思うように伝える



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2017年2月22日水曜日

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2017年2月19日日曜日

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