2011年2月14日月曜日

がんばって作ったかどうかは関係ないですね - 木田 泰夫 [memo]

先週末に USTREAM で中継された JPTA (日本人がシリコンバレーで働くことを支援する NPO) のイベント,「木田泰夫氏が Apple で経験したこと」を観ました.

80年代から Apple で働く木田氏が,スティーブ・ジョブズ不在の暗黒時代 (ジョブズが追放され,迷走しまくった挙句,潰れる寸前だった頃),ジョブズが復帰して社内がどう変わったか,仕様書の無い Apple 流の開発プロセス,果ては社内食堂の様子まで,多岐に渡る内容を語っています.




今回紹介したかったのは,木田氏が質疑応答中に,とある質問に対して言ったこんな言葉.

がんばって作ったかどうかは関係ないですね
がんばって作るのは当たり前であって


そうサラリと言ってのける木田氏に,"user-centered" なプロ意識を感じました.

ユーザーは,プロセスやアーキテクチャがどうなっているか,いかにエンジニアががんばって作ったかで製品・サービスを評価するわけではない.単に製品・サービスがイケてるかどうか,クールかどうかが全てである…ということだと思います.

もちろんプロセスやアーキテクチャは重要だけど,手段と目的を履き違えないようにと,改めて思ったのでした.


ところで余談ですが,革新的な製品を次々とリリースする Apple という会社,そんな人々のライフスタイルを変えてしまうような製品の開発に携わるのは,エンジニアとして幸せなことでしょうね.ただ開発には大きく分けて「ジョブズが関わる開発 (iPhone/iPad のような,世間の目をひくもの)」と「ジョブズが関わらない開発 (それ以外)」があり,前者はジョブズが全てを決める為エンジニアに自由度がなく,後者はいわゆるフツーの大企業と同じ (1つのことを決めるのに何度も会議を重ねて…みたいな) ということで,いいことばかりではないという噂を聞いたことがあります.ホントかどうかは知りませんが...

Working At Apple: Nothing Special, Unless You're Working On One Of Steve Jobs' Pet Projects
Apple Inc. (company): What is the internal culture like at Apple? - Quora


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