2008年3月15日土曜日

ヒースロー空港 魔の23分間 [diary]

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バルセロナ からの帰り道,ちょっとしたトラブルに遭った (というか遭っている).

バルセロナからは Iberia 航空でロンドン・ヒースローを経由し,そこから ANA で成田に帰る予定だったのだが,この日本行きの便に乗れなかったのだ.ロンドンでは乗り継ぎに2時間以上あるはずが,Iberia が1時間遅れ,そこからターミナルを移動したり荷物検査を通ったりで,ANA のカウンターに着いたのは出発の30分前だった.ギリギリ乗れる時間ではあるが,既にキャンセル待ちに席を明け渡してしまったとのことである.

…と,これだけなら珍しい話ではないが,今回は少し事情がややこしい.

まず ANA の言い分は,
- ルール上45分前に来なければ,航空会社側に搭乗権を剥奪する権利がある
- 遅れたのは Iberia の責任なので,ANA としてはどうすることもできない

いや,分かるが前の便が遅れてギリギリに到着した情報は入っているはずなのだから,待っていてくれても良さそうなものである.

再度ターミナルを移動し,荷物検査を受けて Iberia カウンターに戻り,その晩のホテルと翌日のチケットを請求に行ったら,
- 遅れたのは事実だが,到着してから次のフライトまで1時間23分あった
- 乗り継ぎに1時間15分以上の時間がある場合,遅れた航空会社は責任を取らなくても良い
 (これは Iberia ではなくヒースロー全体の共通ルールらしい)
ということで,カウンターの女性も「1時間15分というのは,ヒースローのような巨大な空港の国際線乗り継ぎで現実的な時間ではない」ことは認めつつも,ルールである以上 Iberia 側ではホテルもチケットも取らないというのだ.

つまり我々は,今回のケースで「乗り継ぎには間に合わない,かつルール上どちらの航空会社の責任でもない23分間」の隙間に到着してしまったのである.あとほんの少し早く,あるいは遅く着いてくれれば良いものを… 仕方なく昨日はロンドンに泊まったが,こちらではちょうど今週末がイースター (復活祭) にあたり飛行機はどこも満席状態.運が悪いと2,3日ロンドンで足止めになりかねない.

少し横道にそれるが,私は「ルールだから」という言葉が大嫌いだ.社会の様々な決まり事において「ルールだからいけない」と言われると,「『ルールだからいけない』のではなく『いけないからルールで決まっている』はずだろう? だからなぜいけないのか説明してみろよ」と言いたくなる.昨日も両航空会社のカウンターで何を言っても「ルールだから ルールだから」と繰り返されるうちに気分が悪くなってきた.この件においては実際に彼等の言うことが正論で,彼等は「『ルールだから』の1点張りでまともに対応しない」という与えられた仕事を完璧に遂行していただけというのも分かっているのだが.

その後「Air France に空席がある」という情報を聞きつけ,今日の朝一でフランスに飛んできた.実はこのエントリーはパリのシャルル・ド・ゴール空港から書いている.
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なんとか週末のうちには帰れそうだ.

一緒だった同僚はまだロンドンで粘っている.無事に帰れると良いのだが…

今回良く分かったのは,「航空会社には義理も人情もない」ということと,例えば「責任者を呼べ」などと言うことは時間の無駄ということ.責任者が出てきたところで同じ話を繰り返されるだけだ.今回のケースで取るべき行動だったのは,ANA のカウンターで "Sorry, the flight has been closed" と言われた瞬間に踵を返して Iberia に向かい,Iberia で「1時間15分ルール」を説明された時点ですぐに市内のホテルを探してその晩の寝床を確保し,他の乗り遅れた客がおさえる前に翌日以降のフライトを1秒でも早く取ることだろう (実際私が乗った Air France は最後の1席だった).


2 コメント:

匿名 さんのコメント...

まさに"魔"だね。
隙間ないように、ルールを変えたほうが良いんじゃないかー?
お客さんの視線で曲げちゃう権限あれば良いのにね。

Toshiya Hasegawa さんのコメント...

ホントだよ.
英語が通じる London だったのが不幸中の幸いと言うべきかな.ユーロが使えなかったのは不便だったけど.