2006年3月13日月曜日

親の資格 [diary]

小飼 弾さんの Blog より.
404 Blog Not Found:親の資格

一つだけ確かな事がある。
「親の資格無し」という言葉を正面から受け止められないうちは親になる資格はないという事。
--中略--
この国においては、親になるのに免許はいらない。裏を返せば、親としての行動の正しさを国も自治体も担保してくれはしない。


私はアメリカの,「超」がつくほどド田舎にある敬虔なカトリック高校に通っていたが,4年生 (日本の高校3年生) の前期全ての宗教の時間は「結婚プロジェクト」に割り当てられていた.クラスの中でランダムに配偶者を決められ,くじで職業が決まる.その後自分の職業についてリサーチを行い,年収をもとに配偶者と生計を立てる.毎日の食事の献立まで細かく仮定して出納帳をレポートしなければいけない.しばらくすると2人には子供ができる.2kgの米袋に頭と手足をつけ,それを自分の子供として3ヶ月間共に過ごさなければいけないのだ.この期間は学校中のスタッフが目を光らせている.机の上に置きっぱなしにしたら10点減点,登下校時に車の助手席に乗せていたらまた10点減点 (後部座席のベビーシートに乗せなければいけない) といった具合だ.たまたま週末にショッピングモールで学校のスタッフと出くわした時 (町にモールが1つしかない片田舎では良くあることだった) に,自分の「ライスベイビー」を抱えていなければ,これまた減点である.100点満点からスタートして64点かそこらを切った時点で自動的に留年が決まってしまう.

はっきり言って,この時の経験が親となった今の自分にどれだけ役に立っているかは疑問である.ただ,このプロジェクトの初日に教師 (神父) が言った言葉は印象に残っている.

医者になるにも弁護士になるにも,何年も勉強して資格を取らなければいけない.実は結婚すること,そして子供を養うことは医者や弁護士になるより何倍も難しいことなんだ.にも関わらずみんな簡単に捉えすぎている.それがこの国の深刻な離婚率,そしてチャイルドアブユーズに繋がっている.

そしてプロジェクトの全貌を説明した後,彼は真剣な眼差しでこう言った."This is no joke"


「子は3歳になるまでに親に全ての恩を返す」という言葉がある.親は無償の愛を子に捧げるものである.

…正直に言えば,私に親としての資格があるかどうかなんて分からない.実を言うとそんなこと考えたこともないし,それが分かってる親なんて居るんだろうか? 私としては娘が同級生に対して自慢できる父親でありたいと常に思っているし,月並な言い方だが娘の幸せを誰よりも願っている.できるだけ甘やかさないように,そして絶対に束縛しないように育てて行こうと思う.そして彼女がいつか親元を離れる時,本心から「ありがとう」と言ってくれればそれが一番の幸せなのかもしれない.




1 コメント:

Toshiya Hasegawa さんのコメント...

さすが反応早いですね.404 Blog Not Found はいつも楽しく拝見させて頂いてます.ところで blogger.com における TB の件ですが,HaloScan というサービスを導入しています.blogger.com ユーザーの多くはこれを利用して TB を実現しているようですね.このエントリ とか,参考になるでしょうか.なにかあればまたご遠慮なく〜