2006年1月15日日曜日

今でも心に残る言葉,そしてケネディからの伝言 [diary]

Life is beautiful の中島さんの Blog に,ブログ用ミニアプリ:コミュニティ型「今日のひとこと」 というものがあった.

コミュニティ型というアイデアもさることながら,向上心の高さに脱帽である.これに参加しない手はないと,この Blog のデザインもまだそれほど手をつけていないのに,さっそくこのアプリを追加してみた.

私が追加した言葉は以下の6つ.

All is one
Unity in diversity
Help ever, hurt never
Some people grow up, some people just grow
People are strange, when you are a stranger
If He has a place and work for me, I believe I'm ready


なんとなく今頭に浮かんだものを追加したのだが,こうしてみるといつか聞いた,今でも自分の心に残っている言葉の重みのようなものを改めて感じる.

大体は文章の通りだが,最後のものだけ解説が必要かもしれない.

If He has a place and work for me, I believe I'm ready

これはジョン F. ケネディが1960年の 大統領選スピーチで言った言葉である.

当時のケネディは,知名度も対立候補のニクソンに遠く及ばず,43歳という若さ (史上最年少) や,カトリック系 (カトリックの大統領は35代目にしてケネディが最初) ということもあり,選挙は圧倒的に不利だった.

そんな中,「経験の無いお前に大統領としての準備ができているのか?」という意見に対して,「神がその場を用意するなら,私は自分に準備ができていると信じよう」という意で放った言葉である.
(文中でも "He" の「H」が大文字なので,これは「絶対的な彼」つまり英語では神を指すことになる)

実際にケネディは,この選挙で始めて導入された対立候補同士のテレビ討論で大逆転をして,歴史に名を残す大統領が誕生するわけだ.

私がこの言葉を聞いたのは17歳の時,単身アメリカに渡って半年経った時のことだった. 英語もろくに話せず,アメリカ人の考え方や文化も分からず,不安で不安でどうしようもなかった頃だった.

「ハロウィンパーティーに招待された」と英語で言ったつもりが「ヘロインパーティーに招待された」と聞こえたらしく大騒ぎされたこともあった.

今では笑い話だが,当時はこんなことがある度に「自分はここでやっていけるんだろうか?」と,なんともたまらない気持ちになったものだ.

そんな中,これほど胸に響く言葉はなかった.

「ここに自分が居て,アメリカの生活が目の前にあるなら,自分にはその準備ができていると信じよう」と自分に言いきかせた.

今日,仕事の上でこれまで経験が無い分野やポジションに立ち向かう時でも,「なんとなくできそうな気がする」という根拠の無い自信,不安よりもむしろチャレンジする楽しみを感じることができるのは,もしかしたらこの時のケネディからの伝言のおかげかもしれない.

ちなみに,今ウェブでちょっと調べてみたら,もともとこれはリンカーンの言葉をケネディが引用したもので,この前後の言いまわしは

I know there is a God, and that He hates injustice and slavery. I see the storm coming, and I know that His hand is in it. If He has a place and work for me - and I think He has - I believe I am ready.

とのことだった.

いずれにせよ,こんな昔の記憶を呼び起こすきっかけを作ってくれた中島さんに感謝である.


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