2016年10月9日日曜日

これまで食べた中で一番の肉と,モノを食べるということ [diary]

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この連休は,今でも仲の良い,中学の頃の同級生で集まっていました.その中の1人,今は岐阜に住む友人が,猪の猟師さんを紹介してくれました.

今年の春にも岐阜を訪れた際に,その猟師さんの猪でバーベキューをしたことがあります.その時も「わ! うまっ!」と思いました.ただ今回は,本人に会って,狩猟の過程や,彼がどんな想いで猪を獲っているのか,猪は殺される瞬間にどんな目をするのか,そんな話をじっくりと,それはもうじっくりと語ってもらった後に食べた猪.決して大袈裟ではなく,ジビエというジャンルを越えて,これまで食べた肉という肉の中で一番旨かった気がします.


なんでも,猟師にも,銃で撃つ人,機械で電気ショックを与える人など,様々なスタイルがあるそうです.

彼のスタイルは,罠やナイフの自作からはじまり,獲物の行動を観察して罠を仕掛ける場所を思案し,獲物が罠にかかったら針金がついた竹棒を口元に持っていき,それを噛み付いた瞬間に針金を引いて口を縛り,どういう順番とやり方にすれば最終的に仰向けの状態でがんじがらめにできるかを計算し,それに基づいて罠にかかった足以外を順番に縛って完全に身体の自由を奪い,最後は獲物に近づき,馬乗りになって心臓をナイフで突き刺すのだとか.殺した後は一刻も早く自宅に運び,自身で解体します.

最後に近づく時,万が一どこか縛ってあるところが外れれば,逆に襲われる可能性もあるわけで,もちろんやる方も命懸けです.

実際には,ここに書けないほどリアルで生々しい描写で語ってくれました.


残酷と言えば,残酷なのかもしれません.ですが,そういうことをやる人や過程があって,私たちが食べられているという事実は変わりません.

人が,自分が納得する為にどんな線引きをして,その線の外側の人や行為を非難しても,それはその人の勝手です.ですが,生きものを殺すことを非難する人は,米も野菜も食べられないことになります.

少なくとも私はこの日,この猪を,とても美味しく頂きました.

人生最高の肉と書きましたが,本当にナンバーワンの味だったのか,それとも私が味オンチで,そんな話を聞いた後に食べたから美味しく感じたのか,それは正直分かりません.その両方だった気もします.


猪のバーベキュの後は,手づくりの豚汁と松茸ごはん,栗きんとん.冬を越す為にパワーを溜め込んだ,秋の味覚は格別ですね.

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そして何より,気の置けない仲間たちとのひと時.最高の時間を過ごした連休でした.


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