Sunday, November 9, 2014

アートとテクノロジーが交差するから,デジタル写真はおもしろい [memo]

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デジタルカメラで写真を撮った後に,画像編集ソフトを使ってポスト処理をするという行為に対して,稀に異を唱える人がいます.それは邪道であると.確かに,邪魔な人物を消してしまったり,アイドルのグラビアでウエストを細くしてしまっているようなレタッチは,どうかとも思います.しかし個人的には,撮影とポスト処理が,ちょうどフィフティ・フィフティでぶつかり合うバランスが,デジタル写真の醍醐味だと考えています.

写真がアナログだった時代は,写真を「撮る」腕前が,全てでした.写真はアートであり,職人技だったのでしょう.しかし写真がデジタルになり,画像編集ソフトでいろいろなことができるようになったことで,そこにソフトウェアのテクノロジーが加わったのです.

撮影する,というアナログの部分と,ソフトウェアを使いこなす,というデジタルの部分が,両方あってはじめて,写真が完成する.私はそこに一番,写真のおもしろみを感じているんだと思います.

例えば,料理なんかに似ているかもしれません.素材そのもの (撮った写真) が良ければ,そこそこ美味しいものはできる.しかし,材料の切り方や火を通す加減,味つけに隠し味,さらには見た目のバランスや盛りつけ方の工夫などが相俟って,トータルで最高の料理になる.素材が今ひとつでも,調理で多少カバーすることはできるし,逆に最高の素材を,味つけが台無しにすることもある.時間をかけてゆっくり丁寧に料理をするのは楽しいし,時間がない時にパパっと食事の支度をするのも,これまたセンスや経験が必要.そして最後はテクニックではなく,愛情が美味しい料理を作る.


写真は「写心」
写す人の心を写す

写真は「写信」
写す人と写る人との信頼関係を写す

という,@shiology さんの名言が大好きです.

鳥肌が立つ写真があります.
魂を揺さぶる写真があります.
心を射抜く写真があります.
シャッターを押す瞬間,そこには必ず理由があるからです.

景色がきれいだった.笑顔が可愛かった.いろいろあるでしょうが,間違いなく,何かを感じたから,シャッターを押すのではないでしょうか.

写真を撮る時は,その時に自分の目が捉えた光と色を,そのまま切り取るのです.

そしてポスト処理をする時は,その時に心が感じた何かを,感性に任せて写真の中に甦らせるのです.

そうすることで,その写真を見た人もきっと何かを感じ,そこに時間と言葉の壁を越えたコミュニケーションが生まれる.他人とも,そして自分自身とも.少なくとも私の中では,写真を撮って現像した時の私と,何日か,あるいは何年か経った後にふとそれを見返した時の私の間で,とても奥深くて親密なコミュニケーションが生まれている.なんだかそんな気がしています.


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