2012年12月31日月曜日

1年の最後の日の,ボンヤリ考える時間 [diary]

第二子が生まれた,2012年.
君が我が家にやって来た,2012年.
まさか新生児の子育てを,また味わえるなんて思ってなかった,2012年.

それからというもの,まるで雲の上を歩いてるような毎日だった2012年.
それからというもの,お姉ちゃんはリアルおままごとしながら楽しそうに毎日キャッキャ言ってた,2012年.

この上ない2012年でした.
来年も楽しみだね.



「その年の振り返り」と「次の年の目標」


:2012年の振り返り

- 収入と支出

- (去年末に決めた) 「漢字1文字」を振り返って

- 月別想い出

- 想い出に残る旅行

- 想い出に残るライブ

- 想い出に残る本

- 想い出に残る買物

- 1番楽しかった事

- 1番辛かった事

- 1番嬉しかった事

- 1番頑張った事

- 1番泣いた事

- 1番怒った事

- 1番悔しかったこと

- 1年前と変わったこと

- KPT (Keep, Problem, Try)

- 家族のこと

- 仕事のこと

- 生活

- 消費

- 時間の使い方

- 自分にとって何が大切なのか
→ その仕事の目的は何か? その目的がもし別のものであっても,やりがいを感じただろうか?
→ その仕事の手段は何か? どのように取り組んだか? もし別のやり方で取り組んだとしても,やりがいを感じただろうか?
→ その仕事の相手は誰か? その相手がもし別の人であったとしても,やりがいを感じただろうか?

- 他人との関係性
→ 誰かからしてもらったこと
→ 誰かに迷惑をかけたこと
→ 誰かにして返せたこと

- 短期的に,どんな1年だったか
(次の3年を考えた時に,どのような年であったのか)

- 長期的に,どんな1年だったか
(次の10年を考えた時に,どのような年であったのか)


:2013年の目標

- 漢字1文字

- 来年やめること

- 10大目標

- 家族のこと

- 仕事のこと

- 生活

- 消費

- 時間の使い方

- 短期的に,どんな1年にするか
(次の3年を考えた時に,どのような年にしたいか)

- 長期的に,どんな1年にするか
(次の10年を考えた時に,どのような年にしたいか)


2012年12月21日金曜日

UI/UX ここだけの話 大放出 - スマホデザイン忘年会議 #sdkaigi [seminar]

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第5回目を迎えた,スマホデザイン会議に参加してきました.今回は,「UI/UX ここだけの話 大放出」というテーマです.

スマホデザイン忘年会議2012 on everevo

そこで今回は、年末ということもあり「スマホデザイン忘年会議」と題して、今まで皆様より質問の多かった下記のような疑問について、ここだけでしかできない、施策・失敗例・成功例・数字などの実例を交えながらトコトン掘り下げていきます!

KPIってどの数字を取ってるの?
UIってどう設計して、どう改善してるの?
UXの評価ってどうするの?デザインvs機能 どっちが大切?
どうしたらワクワクするデザインにできるの?
ユーザーの声はどういった基準でデザインに反映するの?
UCDの実施は具体的にどうするの?
PCとの違いって?スマホだからできることって?


以下,メモです.




【fladdict 流の UI デザイン】
by Art & Mobile 深津貴之氏 (@fladdict)
発表資料

iPhoneアプリ設計の極意 の巻末付録に寄稿した,「fladdict 流の UI デザイン」の内容をブレイクダウンして説明.

- コアコンセプトを最初に決める
 - 誰が
 - 何を
 - いつ
 - どう

- 複雑な機能を全てスマホに盛り込むことはできない
 - 何を取って何を捨てるか,が重要
 - 90%のユーザーが必要なことを考える
 → コア機能を抽出する

- 4つの UI パターンから選ぶ
 - ユーティリティ型
 - ナビゲーション型
 - タブ型
 - 没入型
 → ペーパープロトで全パターン試して,問題を予見する
 → 最初に間違えると,その後ブラッシュアップしても使いやすくならない

- ここまでは広く浅く,パターンが決まったら狭く深く
 - 問題と原因を網羅するには,フィッシュボーン図を使う
 - 曖昧な問題を,複数の具体的な問題に分割する

- プロトを繰り返し,フィッシュボーンで洗練させてから,ビジュアルデザイン

- 拡張性
 - 初期バージョンで,ボタンを詰め込みすぎない
 - 将来,機能がいくつか追加されることを前提に
 - 機能を増やして,使いにくくなったら意味がない

- PDCA サイクル
 - Plan
 - Do
 - Check
 - Action
 → これをきちんと回さないと,誰も使わない,あるいはクライアントしか喜ばないアプリになる

- まとめ
 - 常に立ち返る所 (コアコンセプト) を最初に決める
 - 初期に可能性をしらみ潰す
 - プロトタイピングを何度も繰り返す
 - ここまでやれば,実装は機械作業

所感:
数々のヒットアプリを手掛ける fladdict さんだけあって,説得力があり,内容も具体的.とにかく,この一言に尽きます.




【これからの Lean UX の話をしよう】
by 利用品質ラボ 樽本徹也氏  
発表資料

- もしせっかく作った製品が売れなかったら?
 - 「企画や営業,開発などを強化しなければ」という流れになる
 - 組織がどんどん太っていく
 → そこで Lean (贅肉・無駄がない)

- 製品開発における最大の「無駄」とは?
 - 誰も使わないものを作ること

- 良い製品は良いアイデアから生まれる?
 - アイデアは仮説に過ぎない
 - 検証していない仮説は単なる「思い込み」に過ぎない

- 検証のプロセス
 - 課題検証
 - ソリューション検証
 - 製品検証
 - 市場検証

- Problem Interview
 - Early adapter の把握
 - Must-have problem の把握
 - 既存代替策・既存製品の把握

- Solution Interview
 - MVP (Minimum Viable Product) の要件定義
 - ユーザーは MVP をいくらで買ってくれるか,という価格
 - 持続可能なビジネスモデル

- 「設計・開発」は,ここからの作業
→ 以上のことは,企画レベルで終えてなければならない

- MVP Interview
→ ユーザーテスト

- メトリクス
 - 総ユーザー数
 - アクティベート数
 - 再利用ユーザー数
 - 有料会員ユーザー数
 - バイラルしてくれたユーザー数

- 会議室で議論しててもダメ,実際のユーザーに触れよ

所感:
アプリ開発に対する「心構え」みたいなものが聞けました.経営陣にも聞かせたい内容.

特にこの一言は心に響きました.



【Android における UI/UX】
by AKQA 佐藤伸哉氏
発表資料

- UI パターンを知り,Android らしい UI を作る

- Android Design で定義された,アプリの階層構造
 - Top level views
 - Category views
 - Detail/edit view
 → 極力シンプルに,深い構造を作らない

- 階層構造のより分かり易い考え方
 - 第1階層 (Action Bar = トップレベルの選択階層)
 - 第2階層 (Tab など,カテゴリレベルの選択 = 選択された情報の階層)
 - コンテンツ

- 具体的に実装した例
 - Google Maps, Gmail
 → 一番参考にすると良いアプリ

- 階層構造を使い易くするコツは Action Bar

- トップレベルの定番パターン
 - Tab Nav. (Scrollable Tab)
 - Pull-down Nav. (Spinners)
 - Drawer Nav. (Drawer)

- コンテンツレベル,情報の表示の定番パターン
 - Visual View
 - Content View
 - Content detail View
 - Thumb-Nail List View
 - Simple List View
 - Split View

- コンテンツレベル,情報のアクションの定番パターン
 - Bottom Action
 - Pull-down Action

- コンテンツレベル,情報の編集の定番パターン
 - Edit First
 - Edit Last

- 以上13パターンを組み合わせて作るのが Android アプリの基本

所感:
基本的な内容に終始したのが残念ですね.佐藤氏にしかできない話をしてほしかった.


【トークセッション】
by TechWave 副編集長 増田真樹氏 x ゲストスピーカー3名

(増田)
ステートメントのまとめ方は?
使われるものを見出し,市場に受け入れられる企画に落とす際に必要な,情報やプロセスは?

(深津)
Amazon は最初にプレスリリースから書き,それが魅力的だと思えたら開発に着手するのだとか.それはアプリ開発にも使える.自分の場合は,100字以内にまとめる.100字にまとまらないなら,要件がまだ曖昧なのでアプリを作る段階ではないと考えている.

(佐藤)
他との差別要因を明確にする.競合と何が違うのか,ユーザーにどんなメリットがあるのか,を考える.「最終的にこれは何なの?」というのを,最初に考える.

(樽本)
逆に,ステートメントを定義しないで,どうやって作るの?

アイデアは,自分やユーザーをよく観察して,なにを不便に感じているかを捉えるところから出てくる (ジョブズみたいに「降りてくる」人もいるだろうけどw).ユーザー調査やグループインタビューからは,アイデアは出てこない.実際にユーザーを見ないとダメ.


(増田)
ステートメントがまとまったとして,それの交渉の仕方は? クライアントの落とし方,妥協の仕方.

(深津)
僕のやり方はかなりイレギュラーですけど…

初回に,全画面遷移を書いて見せてしまう.その時点で企画書は無力化し,自分が主導権を取れる.それで最後にはこっそり画面遷移が変わってるw

(佐藤)
企画が通せないということは,相手が理解できていないということ.イコール,自分も分かっていないのでは? 努力が足りないだけだと思う.

(樽本)
「チームをまとめる一番良い方法は」と質問を置きかえて答えると,全員ユーザーに会わせること.エンジニアもデザイナーもマネージャーも.


(増田)
ユーザーテストはどのようにやっている?

(深津)
僕は1人でやっているので…予算やリソースがある時はちゃんとやるけど,そうじゃない時は以下の2つの方法.

バーで酒を飲みながら自分のアプリを最後まで説明できるか.自分のオカンが使えるか.

(樽本)
会社内だったら,開発部門以外の人間にちょっと使ってもらう,ぐらいでもかなりのことが分かるはず.

カメラでテスターを撮影するような,ちゃんとしたテストをする時は,必ずテスターの指を撮ること.指は口ほどにモノを言う.


(増田)
機能の削り方,改善の仕方は?

(深津)
機能の向上と利便性は比例しない.それをいかに自分で肌感覚で持ち,相手に肌感覚として持ってもらうか.自分で作っているアプリなら,1週間使わない機能は削っていく.クライアントがいる場合は,プレゼン芸などで無理矢理納得してもらう.「iPhone も最初はコピペがなかった」と言ったり「100徳ナイフ」の画像を見せたり.

意思決定もコスト.選択肢が多いということは,それだけコストがかかる.それを意識しないといけない.


(増田)
素敵なスマホ UI デザインについては,どう考える?

(佐藤)
HTML5 か Native か,で言えば,Native.
Native じゃないとハードウェアが持っている性能を発揮できない.

(深津)
素敵な UI とは,使っている時に,状況とか世界とかを,自分がコントロールしている感覚があるもの.因果関係がしっかりしているというか.

押したいところにボタンがある,消したい時に消せる,みたいな.

(樽本)
まずアプリは役に立たないとダメ.実用性ではなく,その人を喜ばせる,という意味で.


(会場)
アプリのアクセス解析ツールについてはどう考えているか?

(佐藤)
必要ないと思う.

(深津)
アプリに埋め込んだことはあるが,ユーザーの顔を見なくなってしまう.10万ダウンロード以下のアプリには必要ないと思う.

(樽本)
監視するのもいいが,数字が悪化したした時に行動が取れるようにしておく (実ユーザーにアクセスできるとか) の方が大切.


(会場)
お3方が,自分のアプリ以外で,一番好きなアプリは?

(深津)
Paper.
似たようなアプリを作っていたが,Paper で満足して開発をやめてしまった.

(佐藤)
Gmail と Simeji.

(樽本)
MUJI NOTE とか iBooks とか.





発表者,及びスタッフの皆さん,素晴らしいセッションをありがとうございました.


2012年12月12日水曜日

Twitter で振り返る2012年をリアルに感じますか - もちろん感じます [memo]



Twitter が「Twitter の2012年」というサイトを立ちあげています.
こちらでは Twitter なりの,2012年のまとめを見ることができます.
Twitterの2012年

こういうのが出ると「ああ,今年も終わるんだな」という気がしてきますよね.
さらに以下のサイトでは,自分のツイートから自分自身の2012年を振り返ることができます.なかなかおもしろいので Twitter を利用している方は試してみるといいかも.
See Your Year on Twitter

これまでも,年末が近づくと,テレビや雑誌などが「今年を振り返るとこんな1年でした」みたいな特集をやっていました.その内容について,特に根拠は示されなくても,言われると「まあ,そんなもんかな」という気がする.

一方で,上記のツイートを元にした振り返りは,世間や自身の,何気ない実際のつぶやきを可視化したものであり,とてもリアルに2012年を実感できるわけですよね.凄い世の中になったものです.

めでたし,めでたしっと.


…いや待った.
ホントかな?


これがリアルに感じられるということは,テレビや雑誌に代わって Twitter を信じているだけ,ではないか.

例えば Twitter が,巧みに広告を混ぜてきたら? あるいはもっと単純に,バグってて実際とは違う結果を提示していたら?

「Twitter の2012年」というまとめを,実際のツイートを元にしたものと,微妙に結果を操作したもので,A/B テストしたとする.その違いに気づける人は,テレビや雑誌の「今年のまとめ」でもいいわけだ.だって自分なりの基準なり本質を見抜く眼力を持っているんだから.あるいはその違いに気づけない人も,テレビや雑誌の「今年のまとめ」でいいわけだ.どうせ騙されても気づかないんだから.

結局,人間がメディアになったよね,ってことが言いたかったこと.


2012年12月6日木曜日

YOU WILL FAIL - Colin Powell / Cloudforce Japan #cloudforce [seminar]

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Salesfoce.com が主催する国内最大規模のクラウドコンピューティングイベント,Cloudforce Japan に行ってきました.
Cloudforce Japan

おもしろそうなセッションがいくつもあったのも興味深かったのですが,私としてはとにかくこの目で Salesfoce.com の創業者,マーク・ベニオフを見ておきたかった.

そして個人的には,マーク・ベニオフは,日本で言えば盛田昭夫や本田宗一郎に匹敵する起業家であると捉えています.

Peace Pipe: クラウド誕生 - セールスフォース・ドットコム物語 / それと,理想的なモノづくり企業が保有すべき要素 [book]


ベニオフの登壇は2回.午前の基調講演,そして午後の「イノベーションとグローバルリーダー,これからの成長に向けて」と題された対談イベントです.

この午後のイベントは,マーク・ベニオフ,トヨタ自動車社長の豊田章男氏,元米国務長官のコリン・パウエルという豪華なメンバーの対談でした.この中でパウエルが発した言葉がとても印象に残っています.

ベニオフの,「日本でアントレプレナーシップを促進するには,何が大事だろうか?」という質問に対して,豊田氏は

何を目的にやるのか,というビジョンを持つこと.

同時に,それを支えるまわりの仕組みも重要.例えばアメリカにはアイデアに対して金銭的に支援する仕組み (ベンチャー・キャピタルやクラウド・ファンディングなど) がある.

さらに,(アメリカにあって日本に無いこととして),一度失敗しても,やり直しができる風土.

と答えます.これらは一般的にもよく言われていることですよね.

それに対するパウエルの言葉.

The question is not "is it OK to fail" because YOU WILL FAIL.

(失敗してもいいか…という問題ではないんだ.なぜなら必ず失敗するからだ)


つまりチャレンジをし続ければ,いつかは必ず失敗する.安全領域に留まっていては大きなことはできないし,失敗を伴わない成功など無い,と断言したのです.

日本語でも,私が好きなフレーズの1つに,「転んだ人を笑うな.彼は歩こうとしたのだ」というものがありますが,どこか相通ずるものがありますね.

その上でパウエルは,

Don't spend time on a failure.
Fix it and move on.

(失敗してもくよくよせずに,そこから学ぶことを学んだら,前に進むべきだ)

と言います.

失敗はデフォルトで存在するもの,ぐらいの開き直りと覚悟があれば,失敗を恐れる必要はないのかもしれません.

パウエルと言えば,無能な (正確には,大統領としては無能だが,優秀なブレーンを集めてコントロールすることには長けていた) ブッシュのブレーンとして,ライスやチェイニーと並んで実質的にアメリカという国を動かしていた人物.その言葉には重みと説得力がありました.今日,会場で頂いたこの本,じっくり読んでみたいと思います.

R0021802


せっかくなので,朝のベニオフの基調講演も要約しておくと,

マイクロソフトとインテルによる独占の終焉

→ ソーシャル革命が来た

→ タッチ革命 (キーボードやマウスで PC を使うのではなく,指先でモバイル機器を使う時代) が来た

→ ローカル革命が来た (モバイル機器が主流になったことにより,GPS などによる位置情報が貴重な情報になった)

→ クラウド革命が来る (やっと何年も前から言ってきた,クラウドの革命が起きる土壌が揃った)

→ さらに次にやって来るのは顧客革命だ! (顧客・パートナー・社員・製品サービスが繋がる世界がやってくる)

…みたいな話でした.

話の内容よりも,ベニオフの卓越したプレゼン技術と,喋り方に圧倒されてしまいました.「まぁ落ち着けよ...」と言いたくなるぐらい,身体の中からエネルギーと情熱が飛び散るような喋り方.

さっそく今日の講演が YouTube にあがっていましたが,特に途中で,ステージから降りて観客席を徘徊した挙句,カメラの前で喋り倒すところは圧巻…を通りこして笑ってしまいそう.っていうかそんなやり方見たことないよ.広い会場なので大きなモニターがいくつもあったのですが,そのモニター全てで前のめり気味のベニオフと目が合う状態で,本人は観客席でまくしたてているという…(下のビデオの20分40秒あたりから.そのポイントからリンクしています).




今日のツイートを以下に転載しておきますね.雰囲気ぐらいは分かってもらえるかな.