Friday, December 21, 2012

UI/UX ここだけの話 大放出 - スマホデザイン忘年会議 #sdkaigi [seminar]

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第5回目を迎えた,スマホデザイン会議に参加してきました.今回は,「UI/UX ここだけの話 大放出」というテーマです.

スマホデザイン忘年会議2012 on everevo

そこで今回は、年末ということもあり「スマホデザイン忘年会議」と題して、今まで皆様より質問の多かった下記のような疑問について、ここだけでしかできない、施策・失敗例・成功例・数字などの実例を交えながらトコトン掘り下げていきます!

KPIってどの数字を取ってるの?
UIってどう設計して、どう改善してるの?
UXの評価ってどうするの?デザインvs機能 どっちが大切?
どうしたらワクワクするデザインにできるの?
ユーザーの声はどういった基準でデザインに反映するの?
UCDの実施は具体的にどうするの?
PCとの違いって?スマホだからできることって?


以下,メモです.




【fladdict 流の UI デザイン】
by Art & Mobile 深津貴之氏 (@fladdict)
発表資料

iPhoneアプリ設計の極意 の巻末付録に寄稿した,「fladdict 流の UI デザイン」の内容をブレイクダウンして説明.

- コアコンセプトを最初に決める
 - 誰が
 - 何を
 - いつ
 - どう

- 複雑な機能を全てスマホに盛り込むことはできない
 - 何を取って何を捨てるか,が重要
 - 90%のユーザーが必要なことを考える
 → コア機能を抽出する

- 4つの UI パターンから選ぶ
 - ユーティリティ型
 - ナビゲーション型
 - タブ型
 - 没入型
 → ペーパープロトで全パターン試して,問題を予見する
 → 最初に間違えると,その後ブラッシュアップしても使いやすくならない

- ここまでは広く浅く,パターンが決まったら狭く深く
 - 問題と原因を網羅するには,フィッシュボーン図を使う
 - 曖昧な問題を,複数の具体的な問題に分割する

- プロトを繰り返し,フィッシュボーンで洗練させてから,ビジュアルデザイン

- 拡張性
 - 初期バージョンで,ボタンを詰め込みすぎない
 - 将来,機能がいくつか追加されることを前提に
 - 機能を増やして,使いにくくなったら意味がない

- PDCA サイクル
 - Plan
 - Do
 - Check
 - Action
 → これをきちんと回さないと,誰も使わない,あるいはクライアントしか喜ばないアプリになる

- まとめ
 - 常に立ち返る所 (コアコンセプト) を最初に決める
 - 初期に可能性をしらみ潰す
 - プロトタイピングを何度も繰り返す
 - ここまでやれば,実装は機械作業

所感:
数々のヒットアプリを手掛ける fladdict さんだけあって,説得力があり,内容も具体的.とにかく,この一言に尽きます.




【これからの Lean UX の話をしよう】
by 利用品質ラボ 樽本徹也氏  
発表資料

- もしせっかく作った製品が売れなかったら?
 - 「企画や営業,開発などを強化しなければ」という流れになる
 - 組織がどんどん太っていく
 → そこで Lean (贅肉・無駄がない)

- 製品開発における最大の「無駄」とは?
 - 誰も使わないものを作ること

- 良い製品は良いアイデアから生まれる?
 - アイデアは仮説に過ぎない
 - 検証していない仮説は単なる「思い込み」に過ぎない

- 検証のプロセス
 - 課題検証
 - ソリューション検証
 - 製品検証
 - 市場検証

- Problem Interview
 - Early adapter の把握
 - Must-have problem の把握
 - 既存代替策・既存製品の把握

- Solution Interview
 - MVP (Minimum Viable Product) の要件定義
 - ユーザーは MVP をいくらで買ってくれるか,という価格
 - 持続可能なビジネスモデル

- 「設計・開発」は,ここからの作業
→ 以上のことは,企画レベルで終えてなければならない

- MVP Interview
→ ユーザーテスト

- メトリクス
 - 総ユーザー数
 - アクティベート数
 - 再利用ユーザー数
 - 有料会員ユーザー数
 - バイラルしてくれたユーザー数

- 会議室で議論しててもダメ,実際のユーザーに触れよ

所感:
アプリ開発に対する「心構え」みたいなものが聞けました.経営陣にも聞かせたい内容.

特にこの一言は心に響きました.



【Android における UI/UX】
by AKQA 佐藤伸哉氏
発表資料

- UI パターンを知り,Android らしい UI を作る

- Android Design で定義された,アプリの階層構造
 - Top level views
 - Category views
 - Detail/edit view
 → 極力シンプルに,深い構造を作らない

- 階層構造のより分かり易い考え方
 - 第1階層 (Action Bar = トップレベルの選択階層)
 - 第2階層 (Tab など,カテゴリレベルの選択 = 選択された情報の階層)
 - コンテンツ

- 具体的に実装した例
 - Google Maps, Gmail
 → 一番参考にすると良いアプリ

- 階層構造を使い易くするコツは Action Bar

- トップレベルの定番パターン
 - Tab Nav. (Scrollable Tab)
 - Pull-down Nav. (Spinners)
 - Drawer Nav. (Drawer)

- コンテンツレベル,情報の表示の定番パターン
 - Visual View
 - Content View
 - Content detail View
 - Thumb-Nail List View
 - Simple List View
 - Split View

- コンテンツレベル,情報のアクションの定番パターン
 - Bottom Action
 - Pull-down Action

- コンテンツレベル,情報の編集の定番パターン
 - Edit First
 - Edit Last

- 以上13パターンを組み合わせて作るのが Android アプリの基本

所感:
基本的な内容に終始したのが残念ですね.佐藤氏にしかできない話をしてほしかった.


【トークセッション】
by TechWave 副編集長 増田真樹氏 x ゲストスピーカー3名

(増田)
ステートメントのまとめ方は?
使われるものを見出し,市場に受け入れられる企画に落とす際に必要な,情報やプロセスは?

(深津)
Amazon は最初にプレスリリースから書き,それが魅力的だと思えたら開発に着手するのだとか.それはアプリ開発にも使える.自分の場合は,100字以内にまとめる.100字にまとまらないなら,要件がまだ曖昧なのでアプリを作る段階ではないと考えている.

(佐藤)
他との差別要因を明確にする.競合と何が違うのか,ユーザーにどんなメリットがあるのか,を考える.「最終的にこれは何なの?」というのを,最初に考える.

(樽本)
逆に,ステートメントを定義しないで,どうやって作るの?

アイデアは,自分やユーザーをよく観察して,なにを不便に感じているかを捉えるところから出てくる (ジョブズみたいに「降りてくる」人もいるだろうけどw).ユーザー調査やグループインタビューからは,アイデアは出てこない.実際にユーザーを見ないとダメ.


(増田)
ステートメントがまとまったとして,それの交渉の仕方は? クライアントの落とし方,妥協の仕方.

(深津)
僕のやり方はかなりイレギュラーですけど…

初回に,全画面遷移を書いて見せてしまう.その時点で企画書は無力化し,自分が主導権を取れる.それで最後にはこっそり画面遷移が変わってるw

(佐藤)
企画が通せないということは,相手が理解できていないということ.イコール,自分も分かっていないのでは? 努力が足りないだけだと思う.

(樽本)
「チームをまとめる一番良い方法は」と質問を置きかえて答えると,全員ユーザーに会わせること.エンジニアもデザイナーもマネージャーも.


(増田)
ユーザーテストはどのようにやっている?

(深津)
僕は1人でやっているので…予算やリソースがある時はちゃんとやるけど,そうじゃない時は以下の2つの方法.

バーで酒を飲みながら自分のアプリを最後まで説明できるか.自分のオカンが使えるか.

(樽本)
会社内だったら,開発部門以外の人間にちょっと使ってもらう,ぐらいでもかなりのことが分かるはず.

カメラでテスターを撮影するような,ちゃんとしたテストをする時は,必ずテスターの指を撮ること.指は口ほどにモノを言う.


(増田)
機能の削り方,改善の仕方は?

(深津)
機能の向上と利便性は比例しない.それをいかに自分で肌感覚で持ち,相手に肌感覚として持ってもらうか.自分で作っているアプリなら,1週間使わない機能は削っていく.クライアントがいる場合は,プレゼン芸などで無理矢理納得してもらう.「iPhone も最初はコピペがなかった」と言ったり「100徳ナイフ」の画像を見せたり.

意思決定もコスト.選択肢が多いということは,それだけコストがかかる.それを意識しないといけない.


(増田)
素敵なスマホ UI デザインについては,どう考える?

(佐藤)
HTML5 か Native か,で言えば,Native.
Native じゃないとハードウェアが持っている性能を発揮できない.

(深津)
素敵な UI とは,使っている時に,状況とか世界とかを,自分がコントロールしている感覚があるもの.因果関係がしっかりしているというか.

押したいところにボタンがある,消したい時に消せる,みたいな.

(樽本)
まずアプリは役に立たないとダメ.実用性ではなく,その人を喜ばせる,という意味で.


(会場)
アプリのアクセス解析ツールについてはどう考えているか?

(佐藤)
必要ないと思う.

(深津)
アプリに埋め込んだことはあるが,ユーザーの顔を見なくなってしまう.10万ダウンロード以下のアプリには必要ないと思う.

(樽本)
監視するのもいいが,数字が悪化したした時に行動が取れるようにしておく (実ユーザーにアクセスできるとか) の方が大切.


(会場)
お3方が,自分のアプリ以外で,一番好きなアプリは?

(深津)
Paper.
似たようなアプリを作っていたが,Paper で満足して開発をやめてしまった.

(佐藤)
Gmail と Simeji.

(樽本)
MUJI NOTE とか iBooks とか.





発表者,及びスタッフの皆さん,素晴らしいセッションをありがとうございました.


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