Wednesday, February 11, 2009

私の中の The Beatles その1 - With The Beatles [music]

With The Beatles
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Side A
1. It Won't Be Long (Lennon-McCartney)
2. All I've Got to Do (Lennon-McCartney)
3. All My Loving (Lennon-McCartney)
4. Don't Bother Me (Harrison)
5. Little Child (Lennon-McCartney)
6. Till There Was You (Willson)
7. Please Mr. Postman (Dobbins, Garrett, Gorman, Holland, Bateman)

Side B
1. Roll Over Beethoven (Berry)
2. Hold Me Tight (Lennon-McCartney)
3. You've Really Got a Hold on Me (Robinson)
4. I Wanna Be Your Man (Lennon-McCartney)
5. Devil in Her Heart (Drapkin)
6. Not a Second Time (Lennon-McCartney)
7. Money (Bradford, Gordy)



私の中のビートルズ,あくまで「俺的ビートルズ」なので,個人的に印象の薄いファーストアルバムはいきなり飛ばして,セカンドの With The Beatles からスタートです.

UK アルバムチャート30週連続1位だった自身の Please Please Me を蹴落として,21週連続1位を飾った本アルバム (つまりビートルズが51週連続1位をキープしていた),この頃はジョンとポールも仲良くハモり,この2人がリードする「バンドっぽい」ビートルズが聴ける.

曲作りにおいては,"Lennon-McCartney" クレジットの中で純粋に2人で作ったのは Little Child と I Wanna Be Your Man の2曲のみ.It Won't Be Long,All I've Got to Do,Not a Second Time はジョンの曲,All My Loving,Hold Me Tight はポールの曲である.

耳をつんざく切り刻むような歌い出しが印象的な It Won't Be Long,どことなく淋し気な雰囲気が漂う All I've Got to Do というジョンの2曲から,3曲目のポールの All My Loving の流れで,既に2人の芸風の違いを感じ取ることができる.Till There Was You のようなキザなカバーなら,もちろん歌うのはポールだ.


このアルバムでは,はじめてジョージによる曲,Don't Bother Me が収録されているが,まだこの頃のジョージは目立つ存在ではなく,この曲もあまり印象に残らない.Roll Over Beethoven のカバーなど,まったくヘタクソなギターでチャック・ベリーの猿真似にすらなっていない.

同じくリンゴも初期の頃は (最後まで?) 完全な脇役だが,All I've Got to Do あたりを聴くと,ドラマーとしての彼の独特の裏打ちスタイルはこの頃既に確立されていた…というよりおそらく天性のものだったのだろうと気付く.

ちなみに初期のビートルズには,それぞれメンバーのキャラを決定づけるトレードマーク的な持ち歌があると思っている.ジョンなら Twist And Shout,ポールは Long Tall Sally,そしてジョージは本アルバムに収録されている Roll Over Beethoven,リンゴは同じくこのアルバムに収録されている I Wanna Be Your Man だ.


少し脱線するが,B 面に収録されているスモーキー・ロビンソンの You've Really Got a Hold on Me という曲,ぜひビートルズのバージョンとスモール・フェイセズのバージョンを聴き比べて頂きたい.

ビートルズがジョンのボーカルでレイドバックに仕上げているのに対し,スモール・フェイセズは明らかにビートルズのバージョンを意識した同じ曲調ながら,ギターのディストーションとスティーブ・マリオットのハスキーボイスで印象をガラッと変えている.

こちらが本アルバムのビートルズバージョン.


From the Beginning に収録されているスモール・フェイセズのバージョン.これを聴いてからますますこの曲が好きになった.


さらに余談になるが,スティーブ・マリオットは,ジョニー・ウィンターやジャニス・ジョップリンなどと並んで,私が「黒人の歌い方をする白人」と感じるボーカリストだ.黒人を「真似て」いるのではなく,本当に黒人っぽい声の絞り出し方をしていると思う.


話を With The Beatles に戻そう.

このアルバムの中で特に私がお気に入りなのは,Please Mr. Postman と Money である.2曲ともカバー,かつジョンのボーカルだが,私の中でこのアルバムのイメージを決定づけている.

Please Mr. Postman については,この曲全体が押し出すグルーブ感が,カバー曲でありながら初期のビートルズを象徴的に表わしていると感じる.何度聴いてもメチャクチャカッコいい.理屈ではないのだ.




Money は,最初聴いた時に「あれ? クリス?」と思った.声の崩し方やシャウトのタイミング,声を遅らせるタイム感が,クリス・ロビンソンにそっくり…というかクリスがそっくりなのだ.クリスは初期のジョンにもかなり影響されたのだろう.

お前の愛は俺をゾクゾクさせてくれるが,俺の請求書は払っちゃくれねぇ
金をよこせ!
それこそ俺の欲しいものなんだ!

と吐き捨てるこの曲はジョンの真骨頂である.私の中では,間違いなく初期のジョンのベストボーカルだ.



全体的にモータウン・R&B 調の本アルバムにおいて,こんな痛快なロックンロールで幕を閉じるあたりが,なんとも心憎いではないか.


Peace Pipe: 私の中の The Beatles


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