2009年2月4日水曜日

私の中の The Beatles その0 [music]

久しぶりに「シリーズもの」でも書こうと思って何を書こうか考えていたんだけど,ビートルズのことを取り上げてみようと思います.

私にとって,例えばローリング・ストーンズや忌野 清志郎は,それこそ10代の頃から体の一部として聴いていた音楽なわけです.それに対してビートルズは,同じ頃から聴いてはいたけど,なんというかあまりに定番だから聴いていた感があって,曲の持つ意味を噛み締めながら聴き出したのはハタチを過ぎた頃でした.それだけに,特別な思い入れがあるのも事実です.

このシリーズはあくまでも「私の中のビートルズ」です.往年のファンの方から「邪道」とか「おめぇ分かってねぇーなー」と言われたとしても,あくまで「俺的ビートルズ」を書いていきます.苦情は一切受け付けませんので悪しからず w)


さて,ビートルズには,「ジョンのビートルズ」と「ポールのビートルズ」があると思います.

若い頃交わした約束で,そしてそれを律儀に最後まで守って,ジョン・レノンとポール・マッカートニーは2人で曲を書いても,どちらか一方が書いても,クレジットを "Lennon-McCartney" とすることにしました.でも,作詞・作曲 "Lennon-Mccartney" とされていても,実際にはジョンが,あるいはポールが,1人で書いた曲もたくさんあります.特に中期・後期は「ジョンのビートルズ」と「ポールのビートルズ」が顕著に表れ,そして私は「ジョンのビートルズ」が大好きなんです.

一般的に「有名なビートルズの曲は?」と言うと,例えば "Yesterday" "Let It Be" "Hey Jude" "Michelle" などが挙がると思うけど,これみんなポールの曲なんだよね.だけど「ビートルズで一番有名なメンバーは?」と言うとジョン・レノンだったりするので,これらの曲全部ジョンが歌っている (というかジョンだけがビートルズのボーカリスト) と思っている方も多いのではないだろうか.

だが "In My Life" しかり "Girl" しかり "Yer Blues" しかり,どうしたってジョンの曲が心に浸みる.

ポールの曲は BGM に成り得るが,ジョンの曲は成り得ない.なぜならジョンの曲は心が掴まれて会話が止まってしまうからです.


ところで,音楽的にも詩的にも最高に素晴らしいビートルズにおいて,私がビートルズの何が好きかって,あえて言えば彼等の人間関係でしょう.

松ちゃんに浜ちゃんがいて良かった.Sam に Dave がいて良かった.クラプトンのような神童が The Doors にいたらまったく破綻していたように,でも Cream はあの3人でなければならなかったように…

ジョンにポールがいて良かった.

良くも悪くも不器用で,自分の信じたロックを貫き通し,またそうすること以外できなかった真のロッカー,ジョン.

ロックが大好きで初期の頃はシャウトしていたのに,「このバンドにロックンロールは2人も要らない」と悟り,あえてジョンができないことを選び通して大成を果たした器用な天才,ポール.

ジョンにジェラシーを抱いていたポールがいて,最初は目立たないのに最後には一番光り輝いたジョージがいて,最後まで目立たない脇役だったけど実はバンドの音を作り出していたリンゴがいて,ビートルズという宝物が,我々にあることが,なんて奇跡的に素晴らしいことなんでしょう.

ということで,最後にこの言葉でシリーズの幕開けにしてみます.

もしモーツアルトが現代に生まれていたら,ビートルズと同じ事をしていただろう.

天才はどの時代に生まれても,その時代にはない新しい物を作るのである.


0 コメント: