Saturday, May 31, 2008

シャングリラ・ダイエット - 食欲の設定マニュアル [lifehack]

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百式ブログシリーズ を手掛けるアルファブロガーの田口さんが,アメリカでブームとなったダイエット本を監訳したとのことで,その出版記念イベントに行ってきた (ところで会場の赤坂ガーデンシティ「ブロガーラウンジ」は,上の写真の通りとても素敵な空間だった).

『シャングリラ・ダイエット』出版記念セミナーへのお誘い - IDEA*IDEA

ダイエットに興味が無いわけではないが,私が足を運ぼうと思ったのは,この日の内容の中に

- 出版にいたるまでの苦労話
普通の人が「この本の翻訳本を出したい!」と思ったときにどうするべきか?その仕組みと苦労話(いや、大変でしたよ・・・)。

というものが含まれていたからだ.

というのも私は去年から,今年アメリカで発売予定のとある書籍の監修をお手伝いしているのだが,その内容があまりに素晴らしく,いずれこの和訳版を手がけたいと考えている.

ただこの日聞いた「シャングリラ・ダイエット」というダイエット法が非常に興味深かった為,今回はその紹介をしてみたいと思う.


シャングリラ・ダイエットは,従来の食事に何らかの制限をつけた「我慢 (とリバウンド)」がつきまとうダイエットとは異なり,「食欲そのものをコントロールする」というところがポイントだ.また私が特に感銘を受けたのは,シャングリラ・ダイエットが「手法ではなく理論」であり,本質的には「やり方ではなく考え方」であるという点だ.さらにこの理論が,アメリカでブログから話題が広がってブレイクしたという経緯もおもしろい.

「考え方」であるが故に応用が効くし,ダイエットという枠を越えたライフハックと個人的には捉えている.

ではその内容を少し紐解いてみよう.

人には誰も「セットポイント」と呼ばれる「自分の身体が無意識のうちになりたい体重」がある.ダイエットを試みる人は実際の体重ばかり気にするが,本来コントロールすべきものは食事の量や種類ではなく食欲であり,即ちセットポイントであるとシャングリラ・ダイエットは主張する.

「食欲」とは「セットポイント -(マイナス) 実際の体重」だ.つまり体重 60kg の人のセットポイントが 65kg だとすると,身体はあと 5kg 増やそうとして,食欲が旺盛になったり食べ物のことばかり考えたりする.500g のケーキを食べれば増える体重は 500g かもしれないが,それでセットポイントが 5kg 増えたとすればその後しばらく過食・間食が続くだろう.

セットポイントには
- 過去数ヶ月間に食べた食品の平均値で決まる
- 「カロリーが多そうだなぁ」と思う (脳が判断する) 食品によって引き上げられる
というルールがある.だから例えばジャンクフードやファストフードなど「何回食べても同じ味がするもの」は,脳の中で味とカロリーが連想しやすい為に一番太りやすいというわけだ.

基本的にカロリーと味には連想関係がある.そして「2つの食品」を除き,ほぼ全ての食品は多かれ少なかれセットポイントを引き上げる (「カロリーがありそう!」と脳が判断する).

その例外の「2つの食品」が砂糖水 (純粋な糖分) とオリーブオイル (無味無臭) とのことだ.つまりこれらをある一定のルールで摂取することで,脳がカロリーを連想しない状態でカロリーを取ることになり,体が混乱して食欲がなくなるということだ.

「食欲がなくなる」とか「食欲をコントロールする」と聞くと「食事がおいしく食べられなくなる」という印象を持たれるかもしれないが,少なくとも実践した田口さんは「食べる量や欲求が減るだけで,食事がおいしいことには変わらない」と語っていた.


本書は,シャングリラ・ダイエットの具体的なメカニズムや実践方法に加え,この理論の7つの応用例や科学的根拠を解説している.

わずか150ページ程度,1050円の書籍である.試しにこの斬新な理論に触れてみてはいかがだろうか.これも何かの縁だと思い,モノは試しということで,私も今日から実践をはじめ,砂糖水を飲みながら本エントリーを書いているところである.

シャングリラ・ダイエット~全米ベストセラー!「食事制限」なし!「運動」なし!の魔法のダイエット~
セス・ロバーツ 田口 元
4894513056


ダイエットで肝心なのは、体重を減らすことだけではない。
「ダイエット中にどう感じるか」も同じように重要である。

体重は落とせても四六時中空腹感に悩まされるようなら、そのダイエットは成功とはいえない。

-- Seth Roberts (著者)


新しい家電やソフトウェアを買った後にマニュアルを見直して「こんな設定あったんだ!」と驚くことがたまにあるが、シャングリラ・ダイエットとの出会いはそうした体験に似ている。

本書は人体という仕組みにおける「食欲の設定マニュアル」なのだ。設定方法さえ知っていれば簡単に設定を変えることができる。

逆にこのマニュアルを読んだことがなければ一生その仕組みを知ることなく、ストレスを感じながら使いにくい身体とつきあっていかなくてはならないだろう。

そんな簡単にできるわけないだろう、と憤慨する人もいるだろう。
しかしマニュアルを読んだことのない人はそう言うものである。

-- 田口 元 / 「監訳者 まえがき」より


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