2008年1月16日水曜日

GREE Labs 第11回 オープンソーステクノロジー勉強会 [seminar]

半年以上ぶりの開催となった GREE Labs オープンソーステクノロジー勉強会.

第11回 オープンソーステクノロジー勉強会 - GREE Labs
今回は少し毛色が違うけど,とにかく純粋な技術の話に飢えていました.

いつも通り,資料・podcast・ログなどは GREE Labs のサイトにアップされるはずなので,さらっとレポートします.


【Adobe AIR が拓く Web 2.0 on Desktop の世界】
最初のセッションは,アドビシステムズ (株) ダイナミックメディアエバンジェリストの太田氏による,正式版リリース直前の Adobe AIR (Flash 技術を利用したデスクトップアプリの実行環境) と Flex (RIA の統合開発環境と SDK) の紹介.

AIR は,Web アプリのリッチ化や API の公開・オープンソース化などといった Web の現在を見据えて Adobe が提唱する実行環境で,その最大の特徴は Web 標準の技術だけでクロスプラットフォームのデスクトップアプリが開発できること.これにより,低コストでブラウザに束縛されない自由な表現方法を持つアプリが開発できるだけでなく,ローカルストレージや Drag & Drop などの機能が利用できる.

同じような技術には Yahoo ウィジェットや WPF (.Net フレームワーク),JWS (Java) などもあるが,Ajax がそのまま稼働するのは AIR だけ.WebKit (Safari のブラウザコア) も組み込まれている.実際に太田氏の PC では,良く見るブログパーツのウィジェットがデスクトップ上で動作していた.太田氏に言わせれば,「そもそも .Net や Java は根本が Web ではないし,AIR は Yahoo ウィジェットをもっと押し進めている」とのこと.

さらに AIR は携帯プラットフォームも視野に入れているらしい.最近ではガジェットをサポートするデジタルテレビも珍しくないが,いずれは家電におけるアプリケーション開発にも影響を及ぼすかもしれない.

ところで Adobe といえば,Adobe Reader や Flash Player などの「クロスプラットフォーム (これ大事)」クライアント提供はもとより,次世代の javascript と言われる ECMA Script Edition 4 や PDF 仕様の AIIM 提出などの標準技術確立サポート,2005年の Macromedia 買収など,目指すソリューションに対して着実な歩みを見せている.オープンソースに対する取り組みについても,自社のツールやライブラリのオープンソース化を計画していたり,Mozilla 財団へ数万行のソースコードを寄贈しているとのこと.太田氏の話からもそのブレない理念が伝わってきた.

それと,太田氏のプレゼンが非常に上手かったことをつけ加えておきましょう.とても饒舌だったし,なにより質問に素早く的確に答えていた.技術の紹介 (売り込み) をする時には,こういう要素ってすごく重要だと思う.

Adobe Labs
Flex User Group
akihiro kamijo (Adobe の Flash 担当の方のブログ)


【着せ替える Flash Lite】
もう1つのセッションは GREE の井口氏から Flash Lite (携帯電話用の Flash サブセット・今の携帯にはほとんど搭載されている) の活用法を,実際の GREE のケータイコンテンツを用いて説明.

携帯電話専用ということで,端末のパフォーマンスやセキュリティの観点などから非常に制約が多い Flash Lite において,開発時に苦労した点やその回避方法などが紹介されました.


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