2007年12月13日木曜日

GATTACA [movie]

イーサン・ホーク
レビュー遺伝子工学の発達によって優秀な遺伝子を組み合わせて生まれた「適性者」が支配し、人間の生活も固定化されてしまった未来世界。そんな折り、自然出産で生まれた「不適性者」のヴィンセント(イーサン・ホーク)は...

堪らないほどの美しさと哀しさ
映像、音楽、緊張感あふれる演出、背景、どこを切り出してもきわめて美しい作品です。私にとって切ないという気持ちをこれほどまでに感じさせてくれた映画はありませんでした。
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映画に詳しい同僚が「自分が一番好きな作品」と DVD を貸してくれた.

確かに,非常におもしろい.大傑作だと思った.
最後の人間関係は少し出来過ぎのような気もするが,ストーリーや展開だけでなく,映像やセリフ,さらに女性の描き方なども含めて,とても叙情的で美しい.

本作は,The Truman Show の脚本でも注目を集めた Andrew Niccol の監督・脚本デビュー作.遺伝子操作により,生まれてくる子供を「デザイン」することが当たり前になった近未来を舞台に,運命に翻弄される人間の生き様を,胸が締めつけられるほど感傷的に映し出している.

挫折と苦悩,そして信念.
無機質な近未来の世界に,激しく交錯する脆く儚い人間の感情.

結局,物語を通して一番絶望的だったのは,一番のエリートだった.最後にやっと夢が叶った主人公の顔は,まったく笑っていなかった.

見終わった後,なにか心を支配するものがあった.
別に感動するような映画ではなかった.だが何とも言えないほろ苦さと,なにかどんよりした虚無感が心を支配していた.

人生の落伍者とは,一体何を定義とするのだろう.

周囲から与えられた価値観やら世の中の目安の中で,私達はどう自分と向き合い,何を成し遂げようとするのだろう.


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