Friday, December 8, 2006

コミュニケーションにおいて,してはいけない10の禁止事項 [memo]

昨日のエントリーでは,John Rosemond の「家族力」という本について親の立場でレビューを書いたが,子育てについてのこの本の中で一際印象に残っているのが「しつけとはリーダーシップであり,しつけで一番重要なこと - つまりよいリーダーになるためにもっとも重要な特性 - は,コミュニケーション能力である」と言及している点だった.

Peace Pipe: 家族力 - 「いい親」が子どもをダメにする [memo]

「しつけはリーダーシップ」という言葉に,非常に感銘を受けた.
私は会社ではリーダー的立場にあり,それなりにリーダーシップやコーチング手法を体得しようとしてきた.またこの Blog でも,「エンジニアにとって,技術力よりさらに重要なのはコミュニケーション能力である」と何度も述べてきた.それが,子育てでも同じだと著者は言うのだ.
--中略--
大部分の親たちが使う「ミルクトースト・スピーチ」ではなく,優れたリーダーたちが使う「アルファ・スピーチ」を使うべきだとしている.これに関する詳細は,別途「リーダーシップ」という観点で,次回の記事にしたいと思う.


そこで本エントリーでは,この「アルファ・スピーチ」について内容を紹介してみたい.

「ミルクトースト・スピーチ」が,いつも言いよどみ,口ごもり,ぶつぶつ言い,意気地の無さをさらすものであるのに対して,優れたリーダーたちが使う「アルファ・スピーチ」は直感的で簡潔な表現法であり,いいわけや脅し,約束などの手段は使わないものだとしている.

- 直接的とは,要点を押さえ想像に任せる部分をなくすこと
- 簡潔とは,5つの言葉で伝えられることに20もの言葉を使わないこと

これを踏まえて Rosemond は,コミュニケーションにおける「10の禁止事項」を挙げている.

原文は「子どもとコミュニケーションするときに,してはいけない10の禁止事項」であり,以下の例文も原文のまま子供に対する言い回しを引用したが,社会生活に置き換えてみても (もちろんそのまま「子供に対する接し方」と捉えても) 非常に参考になるのではないだろうか.

1. 質問の形で指示を出す
(そうすると,ほかに選択肢がないのに,選択肢があるように錯覚させてしまう)
× 「そろそろ寝る時間だからおもちゃを片づけたら?」
○ 「もう寝る時間よ.おもちゃを片づけて部屋をきれいにしなさい」

2. 要望を具体的な言葉を使わずに告げる
(あいまいな表現は,受け止め方次第で変わってしまう)
× 「お店のなかではいい子でいてね」
○ 「お店に入ったら,お母さんの隣を歩きなさい.そしてお母さんがいいとい言わない限り,品物にさわってはだめよ」

3. 一度にたくさんの指示を出す
× 「今日は,部屋の掃除とゴミ出し,犬のエサやり,子ども部屋の片づけ,そしてこの箱を屋根裏に運ぶのを手伝ってちょうだい」
○ 「今日まずやってほしいことは,あなたの部屋の掃除よ.それが終わったら教えて.次の仕事を言うから」

4. 「いっしょに〜しよう」という言い方をする
(これも受け身的で権威のないコミュニケーションの1つ)
× 「いっしょにテーブル・セッティングをしましょう.いいわね?」
○ 「さあ,テーブル・セッティングの時間よ」

5. 指示のあとに理由や説明をつけくわえる
(最後に理由をつけくわえると,関心が指示そのものよりも理由に向かいやすく,口ごたえしやすくなる)
× 「もうブランコは終わりよ.家に帰る時間だからね」
○ 「もう家に帰る時間よ.ブランコを降りて,行きましょう」

6. 言いくるめる形で指示を出す
× 「いいことがあるのよ! 今日の晩ご飯はごちそうなんだから! さあ,お友だちにさよなら言って,どんなごちそうか見に帰りましょう」
○ 「夕飯の時間よ.お友だちにさよなら言って家に入りなさい」

7. 期限を切らずに指示を出す
× 「今日時間があったら芝刈りをしてちょうだい」
○ 「今日芝刈りをしてちょうだい.6時に帰ってくるから,それまでにすませておいてね」

8. 要望の形で指示を出す
× 「口を開けたまま食べ物をかむのはやめてほしいんだけど」
○ 「口を開けたまま食べものをかむのはやめなさい」

9. イライラしながら指示を出す
× 「口を開けたまま食べ物をかむなって何度言えばわかるの?」
○ 「口を開けたまま食べものをかむのはやめなさい」

10. 脅しの形で指示を出す
× 「口を開けたまま食べ物をかむのはやめなさい.できないなら唇を縫いつけてストローで食べさせるわよ」
○ 「口を開けたまま食べものをかむのはやめなさい」


どうだろう.例えば「休日出勤をちらつかせて納期を守らせようとするリーダー」や,「担当者に指示を出すことを遠慮しているリーダー」など,あなたのまわりにはいないだろうか?

「言葉」は非常に大切だ.
明確な指示をすることの重要性は,子供に対しても,自分の部下やチームメンバーに対しても,本質的には同じだと感じた次第である (もちろんメンバーを子供扱いするということではなく,相手によって尊重するべき人間性のレベルは様々だとは思うが).


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4 comments:

Anonymous said...

これ、すごくためになるね。Toshiがなぜ、これに感銘したかもよくわかる。俺も、子供はいないけど、是非読んでみようと思う。
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Nasty

toshi said...

Nasty さんは,直感的で簡潔な指示ができる優れたリーダーですよね.飲むとわけわからなくなるけど…

nasty said...

いやいや、直感的は直感的だけど、仕事では絶対に反論させない威圧感があると思う。
俺は自分のそういうところを直したい。ただ、結果が出てるから誰も文句は言わないけど、言われたほうがきついだろうね。
これは、ある意味俺の親切でもあるが、ある意味俺の弱さの象徴でもある。

飲んだときの俺が、本当の俺かもしれないな。ろくなことしない。。。(汗

toshi said...

なるほど.
自分もこの歳になったので,できるだけ若い人から学ぶ心は忘れないようにしようと思っています.

っていうか,
> 飲んだときの俺が、本当の俺かもしれないな。ろくなことしない。。。(汗
ホント,ろくなことしない...(笑)