Monday, September 4, 2006

The Winds of GOD / KAMIKAZE [diary]

私のアメリカの大学時代の友人が映画デビューを果たした.彼の名前はタケウチ コウ.当時は「この大学の日本人で一番イケメン」として有名で,アジア人を中心に人気を集めていた.歌唱力もバツグンで (大学卒業後にバークリー音楽学院に進学),私の結婚パーティーで John Lennon の "Real Love" を熱唱してくれたのを昨日のことのように覚えている.招待券を頂いたので,さっそく観に行ってきました.

彼が今回「山本少尉役」で出演したのが,今井 雅之監督・原作・脚本・主演の "The Winds of GOD / KAMIKAZE" という,太平洋戦争の神風特攻隊をテーマにした映画.もともと1988年から18年に渡って上演し続けられている今井氏の舞台を映画化したもので,タケウチ コウも自衛隊に体験入隊してまで撮影に挑んだとのこと.

これから観に行かれる方の為に,内容は公式 HP
WINDS OF GOD -KAMIKAZE-
を紹介するに留めておくが,「あまりに重い」ということもなく,時折ユーモアを交えつつも,終わった後には確かに心に残るものがあり,なにか深く考えさせられる内容.


人が人を殺すということ.人が国の為に死ぬ,いや殺されるということ.仲間が死ぬのを「作戦成功」として万歳しなければいけなかった戦争.そして平和.映画の中に出てきた,「憎いのは日本でもアメリカでもなく,人間であります…」という台詞.

60年経った今日,私達は当時と比べてどれぐらいの平和を手にできているのだろう? どれだけ悲惨な歴史を繰り返しても,John や清志郎さんがいくら歌っても,実は何も変わっちゃいないのかもしれない.


今日は今井氏を始めとする出演者の舞台挨拶があったのだが,今井氏がその中で,
「アメリカの9・11テロがあった時に,向こうの新聞に "KAMIKAZE ATTACK" と書かれていたのがたまらなかった.神風特攻隊は決して民間人を殺してなんかいないのに.

殺人に変わりはなくても,国の為に死んだ彼等をアルカイダのテロリストと同じにされてはたまらない.

もっと悲しいのは,靖国問題であれだけ海外に文句を言わせておきながら,このことに対して何も言わなかった日本の政府やマスコミだ.」
と話していたのが印象的だった.そんな世界にメッセージを投げかける為,本作品は最初から世界公開を視野に入れ,台詞は全編英語で日本語字幕がつくという,日本映画,それも時代モノとしては珍しい構成.

ユーモアとシリアスさが絶妙に交錯し,家族や友人とだけでなく,恋人とでもぜひオススメできる映画です.東京では シネ・リーブル池袋 で公開中だけど期間としては今週いっぱいで,来週以降の上演は未定とのこと.ぜひ足を運んでみてはいかがでしょう.


もはや戦後ではなく,戦前に近づいているのかもしれない
-- 今井 雅之 (舞台挨拶より)


なぜ死のうとするんだ?
生きたいだろう! 女だって抱きだいだろう!
-- 岸田 守 (今井 雅之)

今度生まれ変わる時は,戦争のない平和な世の中に生まれたい.
-- 山本 勉 (タケウチ コウ)


表現や思想を無理に押し付けることこそ芸術・知識の最大の冒涜だと思っているので,個々がそれぞれ何かを,縛りつけの無い所で自由に感じてくらたらと思っています.
-- タケウチ コウ (招待券に添えてくれたメッセージより)



それにしてもコータロー,角刈リ似合ってたよ :P


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